素朴な疑問

目次



1.新たなシリーズ「素朴な疑問」を掲載するにあたって

2.コーヒーを飲むと頭痛がやわらぐ・・ウソ、ホント?

3.”頭痛”はなぜ女性に多い?

4.片頭痛は遺伝するの?

5.片頭痛は”生活習慣病”ってホント

6.片頭痛は”進行性疾患”???

7.”頭痛薬が頭痛の原因”ってホント

8.なぜ、頭痛治療上”規則正しい生活”をしなくてはならないのでしょうか

9.病院は”カルト宗教の神殿”か???

10.片頭痛は”中枢性疾患”???

11.製薬メーカーの”マインド・コントロール”って???

12.マインド・コントロールされた専門家は??

13.緊張型頭痛と片頭痛はまったく別の頭痛である・・ウソ、ホント

14.緊張型頭痛は”頭頸部デイストニア”???

15.片頭痛は、なぜ改善されないのでしょうか???

16.片頭痛のトリガー(誘因)は見つかるのでしょうか?

17.ホームページ「頭痛大学」とは何でしょうか???

18.片頭痛予防薬で、片頭痛は予防できるのでしょうか?

19.片頭痛は、予防できるのでしょうか??

20.なぜ、「正しい姿勢」が大切???

21.「体の歪み(ストレートネック)」は大切???

22.「歯の噛み合わせの悪さ」は、片頭痛によくない???

23.”足裏病変”はなぜ悪い??

24.片頭痛はどのようにして発症するのでしょうか????

25.片頭痛治療には「栄養指導」は必要でしょうか?

26.欧米人と日本人の片頭痛に違いはあるの???

27.”太りすぎ”はよくない??

28.ダイエットは、なぜ頭痛によくないの???

29.甘いものの摂取過剰がなぜよくない???

30.”肉食系派”は、なぜ片頭痛治療上好ましくないのでしょうか

31.牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎは、なぜいけない??

32.植物油がなぜよくないの???

33.ケーキやクッキー、お菓子類などは大丈夫ですか??

34.「ブドウ糖スパイク」って何???

35.”早喰い、ドカ喰い、過食”はどうしていけないのでしょうか?

36.「糖質制限」って何???

37.「ケトン体ダイエット」とは???

38.『グルテンフリーダイエット』とは何???

39.適切な栄養バランスとは???

40.なぜ、片頭痛治療にデトックスが必要なの???

41.片頭痛治療に、水分摂取はなぜ必要???

42.片頭痛治療に、食物繊維はなぜ必要???

43.片頭痛治療上、便秘はなぜよくないの???

44.そもそも”ラブレ菌”って何???

45.トランス脂肪酸って何???

46.ビタミンB2を摂取すると有効なのでしょうか???

47.慢性頭痛になぜ、マグネシウムが大切なのでしょうか?

48.片頭痛治療に「りんご」がなぜよいのでしょうか?

49.片頭痛治療上、なぜ”鉄不足”がよくないの???

50.片頭痛治療上、「ニンジン」は、なぜ大切でしょうか

51.片頭痛治療上、ゴマはなぜ、よいのでしょうか

52.片頭痛治療上、ビタミンCは、どうしてよいのでしょうか

53.片頭痛治療上、クエン酸は、どうしてよいのでしょうか

54.片頭痛治療上、α-リノレン酸が、よいのはどうしてでしょうか

55.片頭痛治療上、オリゴ糖は、なぜよいのか?

56.「万能健康ジュース」って何???

57.万能健康ジュースで、なぜ”花粉症”が改善されるの???

58.”ジューサー”でなく、なぜ”ミキサー”なの???

59.「万能健康ジュース」って片頭痛に効くの???

60.片頭痛治療上、理想的な食事とは??

61.アイスクリームを食べたときの頭痛は何?

62.頭痛と腰痛は関係があるの???

63.”アイスピック頭痛”って何???

64.「目覚まし時計頭痛」って何???

65.乳酸は脳において疲労物質でしょうか?

66.片頭痛と冷え性は関係があるの???

67.片頭痛と肩こりは関係があるの??

68.子供と大人の片頭痛は同じなのでしょうか???

69.片頭痛と”にきび”は関係があるの???

70.二日酔いの頭痛って何?

71.片頭痛とめまいは関係があるの???

72.片頭痛が、天気に左右されるのはなぜ???

73.閃輝暗点って何???

74.「体の歪み(ストレートネック)」は頭痛と関係ないの???

75.”聖アントニウスの業火”って何???

76.コカ・コーラは”頭痛薬”????

77.”寝過ぎ”がなぜよくないのでしょうか

78.ストレスはなぜよくないの???

79.片頭痛はミトコンドリアと関係があるの???

80.緊張型頭痛と片頭痛は連続したもの??? 

81.片頭痛はなぜ治らないの???

82.片頭痛は”遺伝的疾患”???

83.”エビデンス”とは何でしょうか? 

84.片頭痛は”痛み”さえとればよいの???

85.片頭痛の”適切な治療”って何???

86.「脳過敏」って何???

87.「国際頭痛分類 第3版β版」は、”諸悪の根源”???

88.頭痛医療の「均てん化」って???

89.頭痛の啓蒙活動は必要なの???

90.”多因子遺伝”って何???

91.学会とは何???

92.頭痛と首は関係ないの???

93.疫学調査は必要ないの???

94.専門家って何???

95.「慢性頭痛治療ガイドライン」って何???

96.専門家による啓蒙活動とは???

97.片頭痛はなぜ起きる?

98.”ミトコンドリア”って何???

99.活性酸素って何???

100.「セロトニン神経」って何???

101.「脳内セロトニン」って増えるの???

102.何が”頭痛研究”を阻んでいるの???

103.片頭痛の大半は”多因子遺伝”なの???

104.生理痛は片頭痛なの???

105.子供の頭痛って何???

106.”緊張型頭痛”と”片頭痛”は区別できるの???

107.運動不足は、よくないの???

108.慢性頭痛って何???

109.リズム運動って何???

110.^ストレスはなくせるの???

111.LEDはよくないの???

112.「アロディニア」って何???

113.”アダナ”のついた頭痛って何???

114.頭痛診療に「問診表」って必要なの???

115.市販の鎮痛薬はよくないの???

116.”なぜ、なぜ、なぜ”???

117.片頭痛って死ぬの???

118.風邪をひいたときの頭痛は慢性頭痛とは違うの???

119.片頭痛って手術で治るの??? 

120.結局、片頭痛って何???

121.低血糖の人は片頭痛になりやすい???

122.なぜ、鉄分の補充は必要なの???

123.なぜ、鉄分の補充は必要なの???  補足事項

124.自律神経を整えるためには???・・

125.慢性頭痛の場合、どこを受診すべきでしょうか??

126.新たな”第二の患者団体”の必要性

127.”素朴な疑問”のまとめ

128.「新たな”臨床頭痛学”」の確立をめざして・・


129.ミトコンドリアを活性化する9つの習慣


1.新たなシリーズ「素朴な疑問」を掲載するにあたって

 これから、新たなシリーズ「素朴な疑問」 をこれから展開致します。
 このシリーズの目的とすることは、現在の頭痛専門家が「国際頭痛分類第3版 β版」から慢性頭痛を論じていることに対する反論です。少なくとも、症状の上から(症候論から)慢性頭痛は論ずるべきではないと考えるからです。その根底に何があるのかを考えてこそ、その対策が存在するものと考えております。
 すなわち、「国際頭痛分類第3版 β版」に従って、頭痛診断を行い、単純に「慢性頭痛診療のガイドライン」から治療方針を決定して、治療を行うべきかということを問い糾すものです。
 素材は「素朴な疑問」をもとにすることにします。これまで記事にして来た内容を改めて、慢性頭痛の病態をどのような観点から考えるべきかを述べていきます。
 このため、これまでの記事と重複する部分が多々あるはずですが、これはこれまでの考え方を整理するためのものと考えて頂きたく思っております。
 その基本はこれまでも述べておりますように、以下の観点です。

  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目を現段階において”暫定的”に考えております。  今後、新たな知見が出てくれば、さらに追加されることになります。

1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
2.免疫(腸内環境)の関与
3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
4.体の歪み(ストレートネック)の関与
5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
6.ミトコンドリアの関与


 こうした観点から「慢性頭痛」を捉えることの「正当性」を問うものです。

 これまで掲載してきた記事を、改めて掲載することにより、改めて確認せんがためのものです。

目次へ


2.コーヒーを飲むと頭痛がやわらぐ・・ウソ、ホント?

 平成27年5月7日、独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診予防センターの予防研究グループは、緑茶・コーヒーと死亡・死因別死亡について、以下のように報告されました。まず、これを考える前に、先にこの内容をみておきましょう。

緑茶と死亡・死因別死亡、コーヒーと死亡・死因別死亡について

 多目的コホート(JPHC)研究から、緑茶摂取と全死亡リスクおよびがん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患及び外因死を含む5大死因死亡リスクとの関連を検討した研究の結果が発表されました。この研究により、緑茶を習慣的に摂取する群において、男女の全死亡リスク及び心疾患、男性の脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクの減少が示されました。
緑茶を習慣的に摂取する群において、男女の全死亡リスクが低い
 緑茶は、日本で広く飲まれています。これまでに循環器疾患やがんとの関連について研究が行われてきましたが、健康の指標となる全死亡や主要な死因との関連についてはあまりよく分かっていません。
 そこで、多目的コホートの40~69歳の男女約9万人を研究開始(1990年または1993年)から2011年まで追跡した調査結果をもとに、緑茶の習慣的摂取と全死亡・主要死因死亡リスクとの関連を検討しました。
 平均で約19年の追跡期間中に1万2,874人が亡くなりました。そのうち、5,327人ががん、1,577人が心疾患、1,264人が脳血管疾患、783人が呼吸器疾患、992人が外因による死亡でした。
 解析の結果、緑茶を1日1杯未満飲む群を基準として比較した場合、1日5杯以上の群の全死亡リスクは、男性の全死亡0.87、女性の全死亡で0.83と低く、摂取量が増すにつれてリスクが下がる負の相関がみられました。
 死因別には、がん死亡との関連は男女ともみられませんでしたが、心疾患による死亡は男女とも低く、脳血管疾患と呼吸器疾患については男性でのみ低いという結果でした。
外因による死亡との関連については、5年以内の死亡例を除いた解析でのみ、女性でリスクの減少が確認されました。
 緑茶摂取で心疾患などによる死亡リスクの低下がみられた理由については、緑茶に含まれるカテキン(血圧や体脂肪、脂質の調整)やカフェイン(血管保護、呼吸機能改善)などの効果が推定されます。また、限定的にではありますが女性で外因による死亡リスクの低下がみられたのはテアニンやカフェイン(認知能力や注意力の改善)の効果かもしれません。
 一方、がん死亡については、以前に部位別の分析で女性の下部胃がんのリスク低下を報告していますが、全体については有意な関連が見られませんでした。
コーヒーと死亡・死因別死亡の関連も報告しました
 また、多目的コホート研究から、コーヒーと死亡・死因別死亡の関連を分析した結果を最近報告しています。
 コーヒー摂取により、全死亡および心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患による死亡リスクの低下が確認されましたが、がん死亡リスクとは関連がみられませんでした。5杯以上の群では統計学的有意なリスク減少がみられませんでした。
 このように、緑茶にしてもコーヒーにしても、これらに含まれるカフェインとの関与が指摘されます。それでは、このカフェインは、片頭痛に対してどのように影響するのでしょうか?

片頭痛に対してカフェインは、どのように影響するのでしょうか?

 カフェインは、二日酔いによる頭痛を軽減することが知られており、さらに片頭痛や群発頭痛などの血管性頭痛の治療にも用いられています。カフェインが直接的に脳血管を収縮させること、血管性頭痛の治療薬であるエルゴタミンの吸収を促進し、効果を増強することによると考えられます。事実、17世紀に書かれたスイスの神経学の教科書には、コーヒーが片頭痛の治療薬として紹介されています。
 しかし、カフェインは頭痛を軽減する一方で、カフェイン禁断性頭痛と呼ばれる頭痛を引き起こします。コーヒー(一杯あたりのカフェイン含有量は100から180ミリグラム)を多飲する人(カフェインを日に500ミリグラム以上、月に15グラム以上摂取)では、カフェインの摂取中止によって頭痛を生じます。これは反銚現象(リバウンド)としての脳血管の拡張が原因です。最後にコーヒーを飲んでから24時間以内に発生しますが、100ミリグラムのカフェインを摂取することで軽快します。従って、無意識のうちにカフェインに依存してしまいます。ストレス解消のためのコーヒーガブ飲みはいけません。
 なお、最近では、コーラの飲み過ぎによって、子供がこのカフェイン禁断性頭痛を発したとする報告があります。カフェインレスのコーラなども市販されていますので、子供さんがコーラを欲しがった場合、カフェインレスのものを選んであげることが望ましいです。
「つばきは万病の薬」との諺があります。科学的には、唾液に含まれるロダン塩やリゾチームは、ある種の細菌をやっつけます。しかし、唾液には他の細菌の活動を促進する物質も含まれています。血管性頭痛に悩む方にとって、カフェインは唾液と同じく諸刃の刃です。正しい認識が正しい予防に繋がることをお忘れないようにしましょう。
 カフェインはコーヒーや緑茶、コーラ、ココア、ドリンク剤のみならず、市販の解熱鎮痛薬、風邪薬、鼻炎薬、乗り物酔いの予防薬などにも含まれており、現代人は、知らないうちに大量のカフェインを摂取しています。

片頭痛とカフェインについて

 片頭痛を引き起こす原因物質として、コーヒーや緑茶に含まれるカフェインがあります。
これは、もはや定説になっていることです。
 しかし一方で、「片頭痛にはカフェインが効果がある。」ともいわれています。
この相反する矛盾は、何故起こっているのでしょうか。
 まず、片頭痛の原因物質としてのカフェインに触れてみます。
カフェインには、血管の収縮作用があります。縮んだ血管が拡張することによって、筋肉も拡張します。
 当然、血管が拡張すれば、片頭痛を発症することになります。
 実はカフェインによる血管の収縮作用に、カラクリが隠されているのです。
 そしてそのカラクリとは…カフェインの量なのです。
 つまりカフェインを過剰摂取した場合、血管の拡張率も激しくなります。
血管が激しく拡張すれば、自ずと片頭痛は引き起こされてしまいます。
 もしカフェインが適量であれば…血管が拡張したことによって引き起こされた片頭痛は、カフェインの血管収縮作用によって緩和されるわけです。
 カフェインが過剰摂取されれば、片頭痛を引き起こし…適量であれば、片頭痛を緩和させる。
 もちろん、上記で明記した内容は一般的説明に過ぎません。
 何故なら、カフェインの「過剰摂取-適量」には、非常に個人差があるからです。
(※それを踏まえ、カフェインを摂取する必要があります。)

 カフェインの作用として いろいろありますが、このなかで大切なものは

 カフェインには鉄分や亜鉛などミネラルの吸収を阻害する性質があります。
 カフェインは鉄分の吸収を阻害しますので、貧血気味の女性、貧血の人は、せっかく他で鉄分を補ってもカフェインのせいで鉄分吸収がうまく行われないことがあります。
 その他にも体から亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンCやB群を奪うことが知られており、このためエネルギー代謝を始め、多くの代謝に支障がでます。
 またカフェインの過剰摂取(1日300mg以上)はホルモンバランスを崩しますので、こちらも様々な影響を及ぼします。
 先程も述べましたように、コーラ類や紅茶にはインスタント・コーヒーと同じくらいカフェインが含まれていますし、緑茶、ココア、チョコレートなどにも含まれます。市販薬に多量のカフェインが含まれているケースもあります。
 知らず知らずのうちに、自分が思っている以上にカフェインを摂ってしまう状況があります。有効な部分ももちろんあるのですが、摂りすぎには注意した方がいい成分、ということです。
 そのいい例が、カフェインは頭痛を抑える働きがあるのですが、飲みすぎると逆に頭痛を引き起こす、という作用です。
 うまく摂り入れるといいのですが、過剰になると毒となる。注意したいものです。
何でもそうですが、偏った摂り方にいいことはありません。

片頭痛とカフェイン摂取と鉄補充の有用性
 カフェイン摂取制限と採血にて貧血を指摘された片頭痛患者さんに対し積極的にカフェイン摂取制限を行いさらに鉄欠乏性貧血に対し治療を行った際に症状の軽減がみられます。
(済生会松山病院 脳神経外科・神経内科 日本頭痛学会総会 2010)

さらに、亜鉛の重要性

 亜鉛は必須ミネラルのひとつであり、細胞の生まれ変わりを手助けする重要な成分で、アミノ酸と結合することでたんぱく質構造を安定的に保ちます。また体内の多くの酵素や免疫など、重要な働きに関わっているため、欠乏すると健康上さまざまな不都合が生じます。また、コラーゲン合成に関わるため、髪や肌を美しく保つのにも欠かせない成分です。現代人には不足しがちですが健康維持には欠かせない栄養素だといえます。
 食事から摂取されたタンパク質は胃酸でペプチドに分解され、さらに小腸上部で膵液などにより分解されて最終的にアミノ酸になります。
 アミノ酸は小腸で吸収された後、体内でタンパク質に組み直される他に、酵素やホルモンの材料となったり、神経伝達物質などとして作用したりします。また、エネルギー源としても使われます。
 私たちの体を構成するタンパク質の原料となるアミノ酸は20種類あります。そのうちの9種類は人間の体内で合成できず、食事から摂取しなければならないので必須アミノ酸と呼ばれます。
 最近注目を集めているのが、必須アミノ酸の中でも、筋肉中のたんぱく質の約35%を占めるバリン、ロイシン、イソロイシンの分岐鎖アミノ酸(BCAA)です。多くのアミノ酸は肝臓で代謝されますが、この三つは筋肉の中でも代謝されるという性質を持ち、筋肉を使う際のエネルギー源として使われています。筋肉疲労時などに補給することによって疲労の回復はもちろん、筋力アップ、持久力アップに役立つことが報告されています。

脳内セロトニンを増やすためには

 ナイアシンたっぷりの食事をとり、あとは補酵素として使われるビタミン類やマグネシウム、亜鉛などもしっかりとるように心がけなければなりません。
 ナイアシンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝に欠かせません。口内炎になるのはナイアシン不足が原因です。
 補酵素とは、酵素が体内で十分に働くために必要な成分です。

         ビタミンB6      食品・腸内細菌
            ↓             ↓
トリプトファン ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ ⇒  ビタミンB3(ナイアシン)
  (60個)     ↓    優先      (1個)
            ↓
              → → → →   セロトニン
                 ↑
              ビタミンB6
              亜鉛
              マグネシウム


 バリン、ロイシン、イソロイシンの分岐鎖アミノ酸(BCAA)が多い環境では脳への取り込みが阻害され、脳内セロトニンがあまり増えないことがありますので注意が必要です。
 BACCとは動物性蛋白質に含まれており、食品では牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉などが挙げられます。食べ物はバランスが大事なので、極端に摂取を制限すると逆に体調不良の原因になるので注意です。牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。

造血機能とミトコンドリア

 太古から人類は、日の出とともに狩猟や農耕に精を出し、日が沈むとともに体を休め眠りにつく一日を過ごしていました。睡眠とは、重力に逆らい二本足で昼間活動していた人類が、疲れを取るために横になって眠る時間です。重力の影響は大きいので、横になって体を休め、その影響を解除しないと骨髄の造血機能が働きません。骨休めという言葉の意味でもあります。
 体重を支える骨には大きな負荷がかかります。骨が体重を支えているときはただ柱のようにさせているのではなく、酸素を消費し、骨の中のリン酸を消費しエネルギー使って支えています。ここで重要なのは骨は体を支えるだけではなく造血もしているということです。立っているときは体重を支えることでエネルギーが消費されてしまい、エネルギーが不足して造血したくても出来ません。だから新陳代謝は睡眠中に行われます。1晩で1兆個の細胞がリモデリング(新陳代謝)しています。つまり、睡眠をとらないと新陳代謝というプロセスが行われないということです。
 寝不足で骨休め不足になりますと、骨髄細胞のミトコンドリアが減少し、骨髄細胞の造血機能が低下するということになります。

解糖系とミトコンドリア系

 エネルギ―を得るには、2つの系統があります。1つは解糖系で、もう1つがミトコンドリア系です。
 解糖系は、酸素を使わず、糖質を分解してエネルギ―をつくり出します。ミトコンドリア系は、酸素を使って、食事で得られた糖や脂肪、たんぱく質や解糖系で生まれたピルビン酸を材料にエネルギ―をつくり出します。
 解糖系は、細胞質で、酸素を使わず低体温の環境で働きます。ピルビン酸を経由して乳酸をつくり出す過程で、ATP(アデノシン3リン酸)を瞬時につくります。グルコース(ブドウ糖)1分子当たり、2分子のATPが生成されます。
 骨格筋(白筋)、精子、再生上皮細胞、骨髄細胞、ガン細胞など分裂の盛んな細胞は、解糖系のエネルギ―を主体に活動します。瞬発力と分裂に使われます。
 ミトコンドリア系は、ミトコンドリア内で、酸素を使って高体温の環境で働きます。グルコース(ブドウ糖)1分子当たり、36分子(計38分子)のATPが生成されます。解糖系の18倍、あるいは19倍の効率で、安定的にエネルギ―をつくり出すことができます。骨格筋(赤筋)、心筋、ニューロン(脳神経細胞)、卵子、一般の細胞などは、ミトコンドリア系のエネルギ―を主体に活動します。
 この2つのエネルギ―系を使い分けているのです。子どものころは解糖系が優位で、加齢とともにミトコンドリア系中心にシフトしていきます。
 ただし、ストレスによって交感神経の緊張が持続すると、血管が収縮して低体温になり、解糖系のエネルギ―が主体となってきます。低体温、低酸素、高血糖の状態です。ガンや糖尿病の状態であるといえます。
 糖尿病やガン・貧血を治すには、高体温、高酸素、低血糖の状態にして、ミトコンドリア系にシフトしていく必要があります。ストレスを少なくして(ストレスにうまく対処して)、副交感神経優位の状態に戻していくことが大切になってきます。

造血について

 血液中に含まれている赤血球の数は、女性の平均で1立方ミリメートル中4500000個、男性で5000000個前後です。対して血小板は150000~400000個、白血球は4000~10000個ですから、赤血球の割合が血液中半分以上を占めていることがわかります。また、一つの大きさは0.007mmで白血球の半分くらいの大きさです。中央がへこんだ円盤のような形をしているため、顕微鏡で見てみると真ん中が透けたように見えるのが特徴です。
 成人の場合、毎日骨髄の中で200億個くらいの赤血球が生産されています。作られる場所は、骨の中にある骨髄ですが、血液中の酸素が少なくなると腎臓から赤血球の生産を促すホルモン物質が分泌されます。このホルモン物質が骨髄に届くと、骨髄内で赤血球が作られ始めます。そのため、腎臓は赤血球の減少や増加、生産速度に深い関わりがあります。
また、古くなった赤血球は、脾臓と肝臓で鉄とヘムとグロビンに分解されます。鉄は肝臓・脾臓で再利用されますが、ヘムとグロビンは肝臓で胆汁になって排出されます。
 赤血球一つ一つが細胞として存在していますが、その中には核もミトコンドリアもありません。これは、より効率よく酸素を運搬するために哺乳類独特の進化ですが、核がないため自分で増殖することができません。そのため、骨髄内で作られてから壊れるまでの120日間、解糖作用という無酸素呼吸で活動しています。
 また、不思議なことに骨髄の中で作られている初期段階では核が存在します。しかし分化して血液中に出てくる時に核やミトコンドリアが飛び出してなくなってしまうのです。
 成熟した赤血球は、通常の細胞が持つ核やミトコンドリア、リボゾーム、ゴルジ装置、小胞体などを捨て去り、酸素分子の輸送に特化した細胞ですので、細胞の運動能やタンパク・脂質の合成能を持たず、通常の細胞のようには多くのエネルギーを必要としません(そのために酸素を消費してエネルギーの産出を担うミトコンドリアを捨て去ることができるのです)。

 このように、カフェインの過剰摂取は、鉄分や亜鉛などミネラルの吸収を阻害し、その他にも体から亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンCやB群を奪うことによって、エネルギー代謝を始め、多くの代謝(とくにセロトニン合成)に支障を引き起こしてくることになります。
 こうしたことから、カフェインの過剰摂取は片頭痛にとってはよくないということです。
 これまでも、カフェインについては以前にも記事に致しました。

   二次性頭痛(その他) 5 カフェイン頭痛
    http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11978703359.html

mokujihe



3.”頭痛”はなぜ女性に多い?

女性になぜ慢性頭痛が多いのか

 頭痛に限らず、関節リウマチ、線維筋痛症、腰痛、股関節痛、など痛みを伴う疾患はたくさんありますが、いずれも患者数は女性が多いのが特徴です。そして、片頭痛は男性より女性に多く見られます。

 女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 こうしたことから、脳内セロトニン低下を引き起こしやすく、セロトニン神経が、痛みの感覚を抑制する役割を担っていることから、脳内セロトニンが低下すれば、頭痛が出現しやすくなってきます。

 これまでの当医院の調査では、ストレートネックの確認率は、男性で52%、女性では68%と圧倒的に多く、緊張型頭痛では84%、片頭痛では95%に、群発頭痛では全例に、ストレートネックが確認されています。
 体の歪み(ストレートネック)は、慢性頭痛の起点となるとともに、慢性頭痛の骨格ともなり、慢性頭痛の基本的な病態となるものです。女性はなで肩で、首が細く、女性は男性に比べて筋肉の量が少ないので、筋力も強くありません。しかし、頭部は約6キログラムもあり、男女ともほとんど同じ重量です。そして、女性の場合、掃除・洗濯・炊事と日常的に前屈みの生活環境にあり、事務系の仕事が多いことから、常に頸部筋肉群に負担が強いられ、肩こりを訴えやすく、長期間にわたる肩こりは「脳内セロトニンを低下」させます。こうしたことから容易に慢性頭痛を引き起こすことになります。

 さらに、女性は生理があります。女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、”月経周期”でその分泌量は大きく変わります。
 特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質である脳内セロトニンも急激に減ります。
 その時に頭の中の血管が拡張することで片頭痛が起こると考えられています。
 このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
 つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすいということなのです。
 また月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理時には、脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。そして、生理痛と片頭痛の関連も指摘されます。
 このように「生理」との関連、とくにエストロゲンの関与が指摘されています。

 女性の場合、家族・夫婦間および職場でのストレスに晒されることが多く、ストレスに弱い女性のほとんどが、じつはマグネシウム不足です。長期間のストレスは、脳内セロトニンを枯渇させ、さらに痛みを感じやすくさせることになります。

 女性では「乳・乳製品」(ケーキ含む!)を好むことから、とり過ぎがあると思います。これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性があります。
 欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
 お菓子などの甘いものを食べると、甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、マグネシウム不足がもたらされることになります。
 ”小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンの低下」につながります。日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。

 菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので、生理活性物質のアンバランスを引き起こしてきます。このような諸々のことが重なることによって女性に片頭痛が多くなっています。
 このように食事の女性特有の嗜好も関係してくることになります。


 以上のように、女性の場合は・・

1.「体の歪み(ストレートネック)」の頻度が多い
2.マグネシウム低下を引き起こしやすい・・生理、ストレス
3.脳内セロトニン低下を引き起こしやすい・・ストレス、生理
4.生理活性物質のアンバランス・・脂肪の摂取の仕方の問題
5.腸内環境を悪化させる要素・・肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取
6.ホメオスターシスを乱
す要因・・ストレスの関与


 このように、慢性頭痛を引き起こす要因すべてを常に抱えていることから、慢性頭痛が多いということです。


女性の慢性頭痛の生涯経過

 女性にはストレートネックが多く認められ、片頭痛も緊張型頭痛も共通して「頸部筋肉群の疲労」を基盤として発症してきます。
 片頭痛の遺伝素因(「ミトコンドリアの活性低下」)があれば、同時に「セロトニン神経が働きが悪くなって「痛みの感じやすさ」が存在するところに、首の筋肉のこりの刺激が、大後頭神経から三叉神経に絶えず刺激が送られ続けます。このため、「痛みの感じやすさ」がさらに増強され、常時、脳の過敏性が高まった状態が継続していきます。
 片頭痛の基本的な病態は「脳過敏」(脳がちょっとしたことで反応しやすくなることです)にあるとされます。このように「脳過敏」を引き起こす要因が次々に追加されることによって、”緊張型頭痛”から”片頭痛”にまで進展していくことになります。
 女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、月経周期でその分泌量は大きく変わります。
 特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質であるセロトニンも急激に減ります。
 その時に頭の中の血管が拡張することで片頭痛が起こると考えられています。
 このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
 つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすいということなのです。
 また月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理時には、脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。
 このようにして、片頭痛を発症してきます。だいたいこうした時期は、女性の場合、初潮を迎える13歳頃に一致します。

 そして、発症当初は、発作の程度も頻度も少ないのですが、これが結婚を契機として出産・育児を経験することになり、これまでの生活習慣は一変します。具体的には、睡眠時間が、育児に際して、十分に確保できなくなることを意味しています。片頭痛の場合、睡眠時間が確保できませんと、ミトコンドリアの働きを悪くさせ、ひいてはセロトニン不足に繋がってきます。根底にあるストレートネックは経験的に30歳までに改善させませんと、固定化してきます。こうしたことから出産を契機に、概して女性の場合、30歳を超えてきますと、とたんに頭痛の頻度も増え、程度も酷くなってきます。
 さらに特に女性の場合、さまざまなストレスが加わることにより、「脳内セロトニン」不足が持続することになります。このため30~40歳代の苦難の時期を迎えてしまいます。
 さらに、更年期を過ぎてきますと、若い頃のように血管の”しなやかさが失われ”反応性も乏しくなり、片頭痛本来の拍動性頭痛でなく、緊張型頭痛のような鈍い頭痛に変化してきます。これは、ストレートネックがそのまま持続しているためです。そして、頭痛に加えて、イライラ、不眠、めまいなどの不定愁訴が加わってきます。これが、東京女子医科大学脳神経外科の清水俊彦先生が提唱される「脳過敏症候群」そのものであり、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の提唱される「頸性神経筋症候群」に相当します。こうしたことから、うつ状態・めまい・冷え性等々のさまざまな”共存症”を合併することになります。


「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同

生理痛とは

 kaoluneさんは「kaolune のSweet Days 」のなかで、「生理痛」の原因として、10の要因を挙げておられます。「冷え」「血液の質」「血液の量」「骨盤の開閉」「カラダの歪み」「ストレスによるホルモン異常」「エストロゲン過剰」「毒素の排泄」「マグネシウム不足」「子宮が未成熟」です。
 kaoluneさんによれば、単純に述べれば、マグネシウム・セロトニン・メラトニン・有害物質の摂取(脂肪酸・環境ホルモン)・生理活性物質の乱れを指摘され、まさしく「生理痛」とは「片頭痛」そのもののような錯覚を覚える程類似しているようです。
 kaoluneの申されるには、「私も生理痛があった若かりし頃、片頭痛にも大変悩まされており、まさにその仕組みを知って食や生活習慣を変えてからはどちらもなくなりました。お薬を飲むのは簡単ですが、いろんな角度から自分を振り返り、変えられることから変えてみて、再発しなくなるのが一番だと思っております。」
 このようにして、生理痛も片頭痛も一緒に治すべきとされています。

質の悪い脂肪の多い食生活と冷えがプロスタグランジンを増やしている

 生理痛の激痛の原因になっているのがプロスタグランジンです。

 生理のときに子宮内膜をはがすのをはたらきかける物質ですが、必要以上に多くですぎてしまうことで、生理痛が激痛になってしまいます。
 ですからのこのプロスタグランジンが必要以上に多くですぎる原因を知って、多くですぎないようにすることが生理痛を改善するうえでとても大切なポイントになります。

プロスタグランジンが多くですぎる原因は?

プロスタグランジンが多くですぎてしまう原因は主に2つあります。

  1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事
 2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮にはたらきかけてしまう「冷え」

それぞれに簡単に説明をしましょう。

1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事

 あまり自覚がない女性も多いですが、女性は脂肪分が多いものが好きなのです。たとえばケーキです。これにはたくさんの脂肪分が含まれているので、1個食べただけでも相当な脂肪分を体に入れることになります。このほか日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。
 菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので、しかも、こういいった食事に含まれている脂肪は質が悪いです。
 良質な脂肪としては、魚に含まれる油やアーモンドに含まれる脂分が有名です。
 これらの良質な脂肪は体にも必要なものなので適量を食べるのが望ましいですが、市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分なので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。
 ですから、市販のパン類全般を常食し、間食はケーキのようなクリーム系の脂肪分が多い食事が多い現代女性の食事中の脂肪分は過剰になっています。
 といっても脂肪分も多く食べても、体の中できちんと消費されるか、食物繊維が絡め取って便と一緒に体外へ出れば問題ありません。でも、パン類中心の食事はサラダを食べていたとしても食物繊維が圧倒的に少ないので体外に出す量も少なく、実際は過剰になってす。中性脂肪としてたまってしまっているのが現状です。
 そして、体の中で消費されずにたまって脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。体の中には脂肪分があまっていますから、プロスタグランジンも多くつくられてしまいます。
 そのため、多く作られたプロスタグランジンは、生理のときに必要以上に出すぎて、子宮内膜に収縮しなさいと命令をたくさん送ってしまい、生理痛がひどくなってしまうのです。
 ですから、脂肪分の多い食事にならないように調整すると、生理痛をやわらげることにつながります。


2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮にはたらきかけてしまう「冷え」

 プロスタグランジンは生理のときにでてくる物質ですが、血液の中を通って子宮までたどりつき子宮に収縮しなさいと働きかけます。

 このときに、体が冷えているとプロスタグランジンが子宮のところで長居してしまいます。なぜ長居してしまうのかといいますと、冷えていると血液の流れが悪くなるからです。
 血液の流れが悪くなることで、血液の中にあるプロスタグランジンが子宮に長くとどまってしまうのです。
 プロスタグランジンが長くとどまれば、その間にずっとプロスタグランジンが子宮に収縮しなさいとはたらきかけてしまうので、生理痛の痛みが長く続いてしまう原因になるのです。ですから、体とくに子宮のある骨盤周辺を冷やさないようにするのが、生理痛をやわらげるのにつながるのです。


 ここで、子宮の筋肉が収縮・弛緩する仕組みについて、簡単にご説明します。

 筋肉の収縮にはミネラルが関わっています。細胞内のカルシウム濃度が高くなると筋肉がきゅっと収縮します。そのカルシウムはどこから来るかと言うと細胞外からと細胞内のカルシウム貯蓄庫から の2パターンがあります。


大まかに言うと

 脳からの指令を自律神経が筋肉に伝える
        ↓
細胞外からカルシウムが流れ込み細胞内では貯蔵庫からカルシウムを出す
       ↓
  細胞内のカルシウム濃度が高くなる
       ↓
     筋肉が縮む


という流れになっています。

 逆に、弛緩させるためには細胞内のカルシウムの濃度を減らす必要があります。
 どうやってカルシウムを減らすのかと言うと細胞膜にあるポンプで細胞外にカルシウムを汲み出し細胞内の貯蔵庫にも貯蔵庫のポンプでしまい込むのです。
 このポンプを動かすエネルギー源を作るのにマグネシウムが関わっています。
 ここで もしマグネシウムが足りないとポンプを動かすエネルギーがないため(いわば バッテリー切れ状態)カルシウムを汲み出せませんし、貯蔵庫にもしまえません。
 細胞内はカルシウムが多い状態が続き筋肉は収縮し続けることになります。

 それからもう一つ、収縮を伝える神経伝達にもカルシウムとマグネシウムが関わってます。
 カルシウムはメッセンジャーをたくさん出しますが、マグネシウムはメッセンジャーが出過ぎないようにします。ということは、マグネシウムは神経伝達において「収縮せよ」という信号が届きすぎないよう調節してくれているのです。
 これらのことから、筋肉が収縮しすぎず弛緩するには マグネシウムが必要であることが理解されるはずです。
 マグネシウム不足では、子宮筋層はギュ~っと収縮しっぱなし になります。
 すると子宮筋層の血行はもちろん悪くなり、細胞は酸欠を起こしますから SOS信号である発痛物質がでてきますし、その状況を助けるために、プロスタグランジンが活躍することになります。このために痛みが出てくることになります。

 月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、脳内のマグネシウムの割合が低下します。その為、月経中に片頭痛を起こしてきます。


エストロゲン過剰と生理痛・片頭痛

 kaolune さんは以下のように述べておられます。

 「エストロゲン」は次の妊娠へ向けて機能層を再び増殖させ、ふっくらと厚みをもたせるホルモンです。
 子宮を赤ちゃんのベッドだとすると「エストロゲン」によって新しいシーツのかけ直しが行われるのですが、もしこの「エストロゲン」が過剰だとシーツを必要以上に重ねてしまいます。シーツを何枚も何枚も重ねてベッドに敷き詰めてしまうと、いざ シーツ交換という時にもの凄く大変です。
 子宮も同じで、機能層が厚みを増す過ぎると古くなった機能層を剥がすのもそれを子宮から押し出すのも大変です。
 月経の開始や経過にはプロスタグランジンE & F2αが関わっています。
 出すのが大変となると、このプロスタグランジンE & F2αがたくさん必要となります。
 プロスタグランジンE & F2αは、発痛物質による痛みの感度を上げますので、痛みは増強され、ひどい生理痛が発症します。


 では 「エストロゲン」が過剰になる原因は何でしょうか?

その1「夜型生活」

 夕方~夜間星空にかけて「メラトニン」という催眠ホルモンが分泌されますが、日没後に光を浴びるとその分泌は抑制されてしまいます。
「メラトニン」は、自然な眠気をもたらす働きだけでなく、抗酸化物質としてフリーラジカルを分解する抗老化ホルモンでもあり、また卵巣で「エストロゲン」が作られすぎるのを止める働きもあります。
 現代では夜中まで電気を煌煌と灯すことが出来ますし、テレビテレビやパソコンパソコンなどの光も目から取り入れています。
 この夜も光を浴びつつける生活により、「メラトニン」がキチンと分泌されないと体内リズムが狂うだけでなく、老化が進んだり、「エストロゲン」の産生が過剰になることが分かっています。

 スタンフォード大学医学部の研究によると

夜型生活で「メラトニン」分泌減少
       ↓
・メラトニンの抗酸化力が足りず DNAのがん誘発性変異が起こりやすくなる
・乳がんの癌細胞を活性化するエストロゲンの分泌が過剰
       ↓
乳がんリスクが上昇アップ & マウスでの腫瘍成長が早まる


 という事が分かっています。

 夜型生活の女性は そうでない女性と比べて、生理痛もPMSも重く 周期も不規則だと言う事も分かっています。

☆その2「エストロゲン様環境ホルモンの摂取」

 肉、牛乳、乳製品 これらにホルモン剤が含まれている可能性がある事をご存知ですか?
 例えば、乳牛は早くからそして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があるようです。日本では規制も表示義務もないみたいです。
 アメリカでは、逆にこのホルモン剤を「投与してません」と書くと、投与している牛乳の販売を妨害すると裁判が起こり、区別しちゃいけないようになってるのです。
 政治と経済の癒着が何も知らない国民の健康を犠牲に利益を得ているのです。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが乳腺炎を起こしやすくなります。
 その乳腺炎防ぐために抗生剤も投与されているのです。
 牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されています。
 ホルモン剤に抗生剤をお肉や牛乳 乳製品から取っているかもしれないなど普通は気付きません。
 近年「エストロゲン」が圧倒的に過剰になっている女性が増えているようです。

 殺菌剤・防腐剤・食品添加物・農薬・ダイオキシン。。。
 食べたり 飲んだり 塗ったり 
 口からも 鼻からも 皮膚からも吸収された環境ホルモンは「エストロゲン」に似た作用を体内で発揮し、子宮内膜の増殖を進めて、月経時にプロスタグランジンを大量に必要としてしまいます
 使い捨てナプキンにも環境ホルモンが含まれています。
 何十種類もの環境ホルモンにさらされて生きている私達、初潮の低年齢化、女性特有の病気の増加&低年齢化をみるとこの影響は侮れない程に大きいと感じます。
 なるべく環境ホルモンから身を守る事が大切です。

☆その3「肝機能の低下」

 過剰の「エストロゲン」は 肝臓で代謝され、体内で増えすぎないようにホメオスタシスが働いています。
 しかし 肝臓が疲れて肝機能が低下してしまうと、「エストロゲン」の代謝が出来ず 多過ぎる状態が続いてしまいます。
 血液の浄化作用も弱まりますので 血行も悪くなり、肝臓の疲れ自体が生理痛と無関係とは言えません。
 肝臓が疲れてしまう原因は何でしょうか?

☆食べ過ぎ 飲み過ぎ 薬 農薬 食品添加物の摂取、食べ物も飲み物も 薬物も 肝臓が代謝分解に関わっています。
 そこに力を取られてしまうと エストロゲンの代謝に手が回りません。

☆目の使い過ぎ

 東洋医学の見方では 目と肝臓は深いつながりがあります。
 目の蒸しタオルや耳引っ張りなどを取り入れながら目を酷使しないように 気をつけましょう。

☆ストレス

 ストレスの解消は ココでも大切になってきます。

  早めに寝ること
  環境ホルモンをさけること
  暴飲暴食をさけること
  目を酷使しないこと
  ストレスをためないこと

 これらが「エストロゲン」から見た生理痛対策となります。


肉・牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎは、「脳内セロトニン低下」の原因

 トリプトファンが脳内へ通る場所に問題があってここは、ほかの必須アミノ酸も通っていく場所でもあるのです。この必須アミノ酸というのは、「フェニルアラニン」とか「口イシン」というものですが、食品によってはトリプトファンよりもこれらの必須アミノ酸のほうが多く含まれるものがあります。これらの必須アミノ酸がトリプトファンの邪魔をするため、トリプトファンが通過しづらくなってしまうのです。その代表的な食べものが、肉類や乳・乳製品なのです。……。
必須アミノ酸の中でもバリン、ロイシン、イソロシンは総称してBCAAと呼ばれる持久系のアミノ酸で、まぐろの赤身、肉や卵などの食品に含まれているほか、最高の栄養といわれる母乳にも含まれています。
 このようにBCAAが多い環境ではトリプトファンの脳への取り込みが阻害され、脳内セロトニンがあまり増えないことがありますので注意が必要です。
 牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは逆に「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。

改めて、生理痛と片頭痛の関係

 生理中の痛みの症状として、腹痛のほかに頭痛を挙げられる方は多いかもしれません。
 頭痛を生理痛の延長と考える方が多いようですが、生理痛は、痛みがおこるメカニズムから片頭痛そのものだ、ということがわかります。
 生理がはじまる1 ~ 2 日前や、生理がはじまってからの2 ~ 3 日目に、片頭痛はよく起こります。

 片頭痛は、「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌と関係があるといわれています。
 体を妊娠しやすい状態に整えるエストロゲンは、生理が終わるころから排卵の直前まで多く分泌されます。エストロゲンは、卵巣で大きくなった卵の排卵を促し、子宮内膜を厚くして妊娠の準備をします。そして、妊娠しなかった場合、エストロゲンの分泌が減り、いらなくなった子宮内膜が体外に排出されます。その際、エストロゲンと一緒にセロトニンの分泌が減ってしまうため、生理の際に片頭痛がおこるのです。

 痛みの原因は、脳の血管が拡張して引き起こされた炎症だと考えられています。
 そしてその血管拡張は、セロトニンという神経伝達物質の不足で起こるといわれています。
 月経の際の片頭痛は、それ以外の時期のものに比べて、強い痛みが長く続くのが特徴です。
 さらに、この時期の痛みには、鎮痛剤が効きにくいといわれています。

 こうしたことから、月経時片頭痛をなくすためには、日頃からマグネシウム補充とプロスタグランデインを産生を抑える食生活(脂肪酸の摂取の問題点をクリアする)ことが重要となってきます。

妊娠中は片頭痛にならない?

 妊娠中は多くの人が片頭痛から解放されるようです。
 妊婦の身体は日々変化していくので、片頭痛がなくなっても妊娠中は疲れやすかったり、足がだるくなったり、おなかが張ったり…と妊娠中だからこそ現れる症状もあります。
なかでも一番つらいのはつわりでしょう。
 妊娠中は減ると言われている片頭痛ですが、つわりも人それぞれ全く症状や程度が違うように、片頭痛も個人差の大きいものです。
 妊娠したら片頭痛を起したという人もいます。
 女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が増えるのは妊娠中期から後期にかけてですから、妊娠初期に片頭痛を発症する人がいてもおかしくはありません。
 あくまでも、妊娠中は片頭痛を「起しにくい」というだけで、全く起こさないというのではないのです。

 妊娠中に片頭痛を起したら…

 程度や頻度が軽くなるとは言っても、妊娠中にも片頭痛は起こります。
 しかし妊娠中の片頭痛には困った点があります。
 それは、薬が使いづらいということです。
 妊娠期間によって胎児への影響の度合いは違いますが、特に妊娠初期の2か月目は、胎児の器官形成時期となるため薬は控えておいた方がよいでしょう。
 妊娠後期になると胎児の催奇形性はありませんが、胎児毒性が問題となるので、やはり控えるべきでしょう。
 では、実際に発作が起こってしまったらただ過ぎるまで耐えるしかないのでしょうか?
 医師に指示を仰ぐ必要がありますが、妊婦における片頭痛発作には、カロナール等のアセトアミノフェンなら認められることが多いです。
 医師から許可が出た薬を使い、症状が増悪しないように部屋を暗くして、安静にしましょう。
 また、妊娠期間中だけでなく出産後にも主な片頭痛薬であるイミグラン・ゾーミッグ・マクサルトといったトリプタン製剤は、使用が制限されています。
 使用後は24時間あけて授乳するようにという指導がされており、片頭痛はできるだけ起こさないように予防したいところです。
 特に妊娠中から出産後は身体の変化だけでなく、夜中の授乳等の育児による心身へのストレスも加わるため、規則正しい生活を送り十分な睡眠をとることが難しくなります。
 しかし、一度発作を起してしまうと薬は使いづらいので、家族の協力を得て、できるだけ日常生活にも気を配りたいところです。

産後、授乳中の片頭痛

 出産後は女性ホルモンが急激に減少するため、片頭痛が起こりやすくなります。また、育児のストレスや睡眠不足などが誘因になることもあります。
 授乳中は妊娠時と同様、いきなり薬を飲むのではなく、まずはそれ以外の方法から試してみましょう。それでも我慢できないようであれば、医師から処方してもらった薬を飲んでみてください。
 子育て中は忙しくて受診できず、片頭痛で困っている人は案外多いようです。頭痛持ちの人は赤ちゃんが欲しい・・・と思った時点で病院を受診し、あらかじめその対策を練っておくといいでしょう。それよりももっと大切なことは、早い時期に片頭痛を治すことです。


 現在は、片頭痛は治る時代になってきました。私は、未婚で将来結婚を考える以前の段階で、片頭痛を治しておくべきと指導するように努めております。
 発症当初から対策を立て、少なくとも20歳までには完治させるべきです。
 こうしたことから、片頭痛が発症した当初から治療を進めるべきであり、遅れれば、それだけ悪化要因が追加されることになり、改善に時間を要することになります。

経口避妊薬と頭痛

 このエストロゲンに関連して、経口避妊薬のピル服用による頭痛があります。
 これは、「国際頭痛分類 第3版 β版」では、「外因性ホルモンによる頭痛」とされ

  A. CおよびDを満たす頭痛または片頭痛
  B. 外因性エストロゲンを3週間以上毎日使用しており、それが中断されたもの
  C. 最後にエストロゲンを使用後、5日間以内に頭痛または片頭痛が出現する
  D. 頭痛または片頭痛は、3日以内に消失する

 と定義されています。

 経口避妊薬(ピル)を服用した場合、片頭痛が生じやすくなることがあります。

 ピルにはエストロゲンとプロゲステロンが含まれており、21日間服用し、7日間休薬します。片頭痛は血中のエストロゲン量の低下する休薬期間に生じることが多いようです。
 ピルを飲み始めた頃によく起こります。卵胞ホルモンの影響により生じると考えられます。特に、ドクンドクンと心臓が脈打つように痛む片頭痛は、卵胞ホルモンの量が減少するときに生じやすく、休薬期間中に生じやすくなります。
 市販されている頭痛薬を飲み、痛みが和らぐようであればそれほど心配することはありません。非常に激しい頭痛は、血栓症の初期症状を疑う必要があります。
 ピル投与中に最も多く認められる副作用が頭痛です。日本頭痛学会によればもともと持っている頭痛が悪化する、新規の頭痛に悩まされるという2つの可能性があります。
 これらの頭痛が起きる背景にはピルの服用によってホルモン分泌が変わったことが主にあります。
 ピルの使用によって前兆のない片頭痛は24.1-34.8%の悪化、前兆のある片頭痛は18.6-69.2%の症状の悪化をみるという研究結果もあります。
 一方で、ピルを服用している女性のうち片頭痛の患者は全体の18%という研究結果も出ており、片頭痛持ちでもピルを服用している患者がいることもわかります。
 日本頭痛学会では前兆のある片頭痛を持っている患者に対してピルを服用させるのは禁忌、前兆がない場合でもピルの服用は慎重にすべきと定めています。
 その背景にはピルによって片頭痛が悪化したり、もともとは頭痛がなかった人に頭痛が出てくる可能性があるからです。
 実際にピル投与中の副作用の割合を見てみると頭痛が第1位となることがわかっていますし、ピル使用によって頭痛が悪化したという人は少なくとも18%はいるとのことです。

 ピルによって変わってしまったホルモンバランスで頭痛を引き起こしているとき、数か月すると新しいホルモンバランスに身体が適応して頭痛が治まることがあります。
 まずは頭痛があっても1-2か月様子を見るという方が多いので症状を見ながら適宜休んだりして様子を観察してください。

服用初期にみられる副作用はなぜ起きるのか?

 私たち成人女性の体の中では、さまざまなホルモンが作用しています。中でも、卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、性周期を作り出すもとになるホルモンです。体内の卵胞ホルモン量や黄体ホルモン量の変動は、きわめて大きなものです。また、個人差も大きいのです。つまり、体内の自然のホルモン環境は一人一人違うし、いつも違うということができます。体内のホルモン環境が一人一人違うことは、月経量に個人差があることからもわかります。経血量が多い人もいれば、少ない人もいますね。体内のホルモン環境がいつでも変化していることは、周期的な気分や体調の変調から感じることのできる方も多いでしょう。
 ピル服用中のホルモン環境は、どのように変わるのでしょう?自然のホルモン環境と較べると、大きな周期的変化はなくなります。一定のホルモン水準が維持されることになるわけです。ピルによって作り出される一定のホルモン水準、これに対する体の受け止め方には、個人差があります。ピルによって作られるホルモン環境を、自然なホルモン環境と変わらない、と感じる方もいます。一方、ピルによって作られるホルモン環境に対して、体が違和感を感じる方もいます。この違和感が、副作用となって現れてくるのです。
 ピルの服用により、ホルモン環境の大きな周期的変化はなくなります。しかし、それまで小さかったホルモン環境の日変化は、かえって大きくなります。ピルの服用では、ホルモンの補給は1日に1度です。吸収・代謝が日々繰り返される中で、これまで経験しなかった小刻みなホルモン環境の変化を経験することになります。このことも、副作用を感じる原因となります。
 ピルを服用することは、ユニフォームを着ることと似ています。自分で選んだ服ではありませんから、最初は違和感を感じることもあるでしょう。でも、着慣れてくれば、ユニフォームにもいいところはあります。一方、私服は個性を引き出してくれます。でも、毎日着替える洋服の中には、自分でも嫌になるものもあるでしょう。
 自然のホルモン環境は、いつでも誰にでも快適かといえば、そうではありません。ピルのホルモン環境には、最初は違和感があってもほとんどの方が慣れていききます。

脳梗塞の危険がある

 片頭痛でピルを飲んではいけない、と言われる理由はピルによって頭痛が悪化する可能性が指摘されているというほかに、脳梗塞の危険があるという理由も存在します。

 最近、片頭痛の人は、一般人と比べて脳梗塞を起こしやすいことが分かってきました。片頭痛の発作を起こすたび、脳血管の内皮細胞に損傷を起こし、繰り返す頭痛で血管ダメージが蓄積し、脳梗塞を引き起こすのです。発症倍率は、単純な片頭痛がある方で2倍、キラキラした光が見える片頭痛の方で6倍、片頭痛がありタバコを吸うと10倍、片頭痛があり低用量ピルを飲むと2倍、片頭痛がありタバコを吸い、低用量ピルを飲むとなんと34倍です。
 このため、日本頭痛学会では前兆のある片頭痛を持っている患者に対してピルを服用させるのは禁忌、前兆がない場合でもピルの服用は慎重にすべきと定めています。
 その背景にはピルによって片頭痛が悪化したり、もともとは頭痛がなかった人に頭痛が出てくる可能性があるからです。


 以上、女性にどうして、慢性頭痛が多いのかが理解されたと思います。そして、どのように発症してくるのかも理解して頂けたと思います。となれば、治すためには何をどうすべきかも理解されたはずです。
 後は、自分で改善させようとする意志を持つことです。それも、出来るだけ早く行うべきです。遅れれば遅れるだけ、改善させるまでに時間がかかります。
 こうしたことから、私は、20歳までには完治させるべきであると考えます。
 そうしませんと、結婚後、さらに40歳に至れば、益々、頭痛の頻度も程度も増強してきます。そうならないまでに完治させるべきです。行く末は見えているわけですから・・

目次へ


4.片頭痛は遺伝するの?

 片頭痛は、あたかも「遺伝」しているような「印象」はあります。”単一遺伝子異常”の形式で遺伝する病型は確かに存在しますがこのようなものは極めて頻度は少なく、大半の片頭痛の遺伝の様式は、メンデル型”の”単一遺伝子異常”の優性遺伝でなく、”多因子遺伝”の様式で、親や祖父母から受け継がれます。この”多因子遺伝”とは、複数(3つ以上)の関連遺伝子をもとに、これに環境因子が加わって病気が発症してくるものを言います。ということは、”遺伝的素因”が存在しても、これに”環境因子”が加わらないことには、片頭痛は発症しないということです。これにはミトコンドリアDNAが関与しています。

 このことは、”遺伝素因”が同一であるはずの一卵性双生児の場合、必ずしも2人とも片頭痛を発症することはありません。あなたの兄弟姉妹がすべて片頭痛を発症しているのでしょうか。もし、そうであれば極めて特殊なケースと考えるべきです。あなたの家族全体の食生活・食習慣に問題があるものと推測されます。

 このような”多因子遺伝”をする病気としては、身近なものとして、生活習慣病であるⅡ型糖尿病があります。Ⅱ型糖尿病は、糖尿病になりやすい素質(遺伝素因)をもっている人に、”環境因子”として、食べ過ぎや運動不足による肥満、アルコール、精神的ストレス、年をとること、その他多種多様の要因が加わって発症します。
 こうしたことから、糖尿病の治療方針として、この環境因子の是正に努めるべく「食事療法」と「運動療法」がまず行われ、これに「薬物療法」が追加されます。

 これに対して、片頭痛の大半は、その遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質)を形成することにより引き起こされる生活習慣病と考えられています。
 さらに片頭痛の”環境因子”として「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがあります。これらの”環境因子”の関わり方は人それぞれです。このような”環境因子”としてどのようなものがあるかを知ることが片頭痛改善・予防のための必須の項目になります。
 片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生き方(ざま)”すべてが関与して起きてくるものです。これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が原因となっていることを意味しています。このために、あたかも”遺伝的疾患”であると誤解された理由でもあります。

 ミトコンドリアは、エネルギー産生を行う大切な場所です。このエネルギー産生を円滑に行うためには、必要な栄養素、ビタミン、ミネラルを満遍なく、過不足なく摂取することが重要になってきます。こうしたことから、食生活が極めて重要な環境因子となります。
 この食生活には、先祖代々引き継がれた食習慣があります。間違った食習慣は、無意識に受け継がれます。もし、家族に片頭痛の”素因”が存在すれば、片頭痛を発症してくることになり、このため、あたかも「片頭痛が遺伝する」という印象を植え付ける根源になっています。

 さらに、「遺伝性」や「原因不明」とされる疾患には、食生活を中心とした日常生活において、知らず知らずのうちに摂取される環境汚染物質や残留農薬などの有害物質に起因するものがあります。
 知らず知らずのうちに摂取した有害物質が「代謝異常」にも深く関わり、さまざまな疾患の真の原因となっていることも多々あるように思われます。
 また、身の回りには活性酸素を発生するものが多く存在します。
 こうした多くの「活性酸素を生み出す要因」が存在するわけで、これらにより「ミトコンドリアの働き」を悪くさせる要因となり、これが環境因子となってきます。

 現在、専門家のなかには「片頭痛のセルフケアー自己管理」を完璧に実行される限り、”片頭痛の9割の方々は、片頭痛がうまくコントロールされる”と豪語されます。
 エルゴタミン製剤しかなかった時代ですら「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、リラックスするように」という生活指導だけで、片頭痛発作は”完璧に抑制されていました。
 このような事実だけでも、片頭痛が”遺伝的疾患”ではないことを証明しています。

母から娘へと片頭痛が遺伝する理由はミトコンドリアにあった!?

 母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、ミトコンドリアに関係があります。遺伝にDNAが関係することは誰もが知っていることですが、細胞内のDNAとは別に、ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、この”ミトコンドリアDNA”が片頭痛の遺伝に関係しています。
 ヒトの精子には16個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10万個といわれています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いということです。
 ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子どもへと受け継がれます。つまり100%の母性遺伝です。

 もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければその影響を当然受けやすくなります。さらに、男性に比べて女性のほうが脳内セロトニンの合成量がもともと少ないわけですから、片頭痛の症状が発生しやすいのです。母から娘へと片頭痛が遺伝してしまうのには、こういう理由があったのです。
 このように、私達の体を構成する細胞のDNAは両親の遺伝子を受け継ぐのですが、その細胞内に存在するミトコンドリアのDNAは母親の遺伝子だけが引き継がれていくことになります(100%の母性遺伝)。
 そのため、母親のミトコンドリアの数が少なく活性が低くければ、その子にはその性質が引き継がれ易くなります。また、男性に比べ女性の脳内セロトニン合成能力はもともと少ないことなどの理由から、母娘や姉妹に片頭痛持ちであることが多くなります。男性のミトコンドリア活性がその子に引き継がれていくことはありません。
 ミトコンドリアの活性が低くなると、細胞が活動するために必要なエネルギー発生量も少なくなります。その結果、器官や組織を構成する個々の細胞のエネルギーの不足が直接的に器官の機能低下を引き起こすことになります。


 さらに、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、「単一遺伝子」については遺伝的要因と捉えていますが、こういった「多因子遺伝」については遺伝的要因としてではなく、代謝異常の一要因として捉え、以下のように述べておられます。


 片頭痛の遺伝的因子としては、核遺伝子(DNA)のミトコンドリアへの影響も否定できませんが、ミトコンドリア活性が主と考えています。
 ミトコンドリアの遺伝子は母親の遺伝子だけが引き継がれ、女性は男性に比べセロトニンの合成能力が低いため、母と娘の間で遺伝しやすい、これが「単一遺伝子異常」を除く、唯一の遺伝的な要因だと考えています。
 それも、ミトコンドリアのどの部分のDNAがどうだから、どうなるといった類のものではなく、人にも背が高い人、低い人、肥えた人、痩せた人があるように、ミトコンドリアにも元気なもの、元気の無いものがいて、元気のいい母ミトコンドリアからは元気のいいミトコンドリアが生まれやすく、元気の無い母ミトコンドリアからは元気の無いミトコンドリアが生まれやすい程度のことです。ミトコンドリアは今の環境に満足してしまえば数を増やすことも元気に働くこともしない怠け者ですので、何らかの刺激で慌てさせるとその数や活性を増す生き物と考えています。
 ということは、少々元気の無いミトコンドリアであっても鍛えればそこそこ強くなるし、殺してしまえば(アスピリンなど)どうしようもなくなってしまうということだと思っています。
 片頭痛の方はもともと活性の低いミトコンドリアを引き継いでいるわけですので、直ぐに活性を高めるということは困難だと思いますが、少なくとも殺すことを止め、元気を取り戻す刺激を与えれば、片頭痛の原因とならない程度には回復できるものと考えています。
 可能性のある遺伝子として挙げられている、ドーパミン受容体、セロトニン受容体の遺伝子多型、メチレンテトラヒドロ葉酸酵素、アンギオテンシン変換酵素遺伝子多型などについては、私は代謝異常として捉えています。

 以上、片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”によって先祖代々受け継がれます。
 その環境因子として、「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがあり、これらがどのように係わっているかを知る必要があります。


  参考までに以下のファイルをご覧下さい。

    http://taku1902.jp/sub045.pdf

目次へ


5.片頭痛は”生活習慣病”ってホント

これまで、片頭痛で「頭痛外来」を受診されますと、必ず、言われたことは「生活習慣の見直し」であり、これを徹底して指導されて来られたはずです。
 具体的には、「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、リラックスするように」という生活指導がされ、さらに「片頭痛のセルフケアー自己管理」の重要性が指摘され、これをを完璧に実行される限り、”片頭痛の9割の方々は、片頭痛がうまくコントロールされる(発作が起きなくなる)”とされてきました。
 こうした指導は、片頭痛が”生活習慣”に根ざした頭痛であることから、徹底して行われてきた理由です。

 そして、昨日も述べましたが、大半の片頭痛の遺伝の様式は、メンデル型”の”単一遺伝子異常”の優性遺伝でなく、”多因子遺伝”の様式で、親や祖父母から受け継がれます。この”多因子遺伝”とは、複数(3つ以上)の関連遺伝子をもとに、これに環境因子が加わって病気が発症してくるものを言います。ということは、”遺伝的素因”が存在しても、これに”環境因子”が加わらないことには、片頭痛は発症しないということです。
 ”多因子遺伝”である生活習慣病は遺伝的素因とともに環境因子が関与します。糖尿病・高血圧症・高脂血症・肥満などが代表的な疾患として挙げられますが、片頭痛も同じです。

 片頭痛の大半は、その遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質)を形成することにより引き起こされる生活習慣病です。
 片頭痛の”環境因子”として「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがあります。これらの”環境因子”の関わり方は人それぞれです。

 片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生きざま”すべてが関与して起きてくるものです。これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が原因となっていることを意味しています。

 ミトコンドリアは、エネルギー産生を行う大切な場所です。このエネルギー産生を円滑に行うためには、必要な栄養素、ビタミン、ミネラルを満遍なく、過不足なく摂取することが重要になってきます。こうしたことから、食生活が極めて重要な環境因子となります。
 この食生活には、先祖代々引き継がれた食習慣があります。間違った食習慣は、無意識に受け継がれます。もし間違った食習慣があり、家族に片頭痛の”素因”が存在すれば、片頭痛を発症してくることになります。

 日常生活において、知らず知らずのうちに摂取される環境汚染物質や残留農薬などの有害物質に起因するものもあります。知らず知らずのうちに摂取した有害物質が「代謝異常」にも深く関わり、ミトコンドリアの働きを悪くし、片頭痛を発症させてきます。
 また、身の回りには活性酸素を発生するものが多く存在します。こうした多くの「活性酸素を生み出す要因」が存在するわけで、これらもまた「ミトコンドリアの働き」を悪くさせる要因となり、これも環境因子となってきます。

 欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。腸内環境の悪化は、酸化ストレス・炎症体質を形成してきます。
 お菓子などの甘いものを食べると、甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、マグネシウム不足がもたらされることになります。
 ”小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンの低下」につながります。
 日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。
 菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので、生理活性物質のアンバランスを引き起こしてきます。
 このように無意識に摂取している食事の内容も環境因子になります。

 また、私達は無意識のうちに日常生活を送る上で、前屈みの姿勢をとる状態が極めて多い生活環境に置かれています。とくに女性の場合、日常的に炊事・洗濯・掃除と前屈みの姿勢を強制され、職場ではパソコンの操作を主体とする事務系の方々は、終日前屈みの姿勢を強いられ、さらに職場を離れれば、スマホ・携帯を常時見つめ、極端な方は歩きながらもスマホを見つめているひともおられます。こうした前屈みの姿勢に加えて、

   ◎ イスに座るとつい脚を組んでしまう
  ◎ ヒールの高いクツを長時間履いている
  ◎ 立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている
  ◎ 横座りをする
  ◎ 立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い
  ◎ いつもどちらかを下にして横向きに寝ている
  ◎ または、うつ伏せになって寝ている
  ◎ 長時間座りっぱなしの仕事
  ◎ イスやソファーに浅く座ってしまう
  ◎ バックなどはいつも同じ方の肩にかける
  ◎ 重たいモノを持つ仕事をしている
  ◎ 赤ちゃんをダッコしていることが多いなど


 このような体の使い方をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。
 仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、ストレートネックを最終的に引き起こしてきます。
 このようにして、体の歪み(ストレートネック)が形成されてきます。
 体の歪み(ストレートネック)とは、首だけでなく全身の歪みです。

 体の歪み(ストレートネック)は、慢性頭痛の起点となるとともに、慢性頭痛の骨格ともなり、慢性頭痛の基本的な病態となるものです。

 このような「体の歪み(ストレートネック)」は、現在では子供にも日常茶飯事に見られるようになりました。

 さらに、活性酸素を発生させる生活環境によって、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、脳内セロトニン低下と相まって、体の歪み(ストレートネック)を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、「体の歪み(ストレートネック)」が日常茶飯事にみられるようになってきました。
 
 このように、私達は、日常ほとんど意識することなく無意識に行っている生活習慣が原因となって、片頭痛を発症させています。
 こうした生活習慣以外に、家族が“頭痛になりやすい生活環境”で一緒に暮らしているという場合も考えられます。例えば、シックハウス症候群(新居の建材や塗料に含まれる化学物質が原因で起こる頭痛)です。住環境も大切になっています。


生体リズムと規則正しい生活

 規則正しい生活を送りましょう。幼い頃から、何度も聞いた言葉ではないでしょうか?
 規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
 しかし、現代の生活環境は、健康的な生活を崩す要因が多く、24時間営業の飲食店や夜通しの娯楽、コンビニやテレビ・パソコンなどの普及により急激に変化しています。このような変化により、体の生体リズムにも悪影響が及んでいます。
 生体リズムを無視した不規則な生活を送ると、様々な不調を感じるようになります。生体リズム、自律神経、ホルモン、免疫はすべて連帯しているため、生体リズムが乱れると自律神経やホルモンバランスにも悪影響が及んでホメオスタシス機能を乱すのです。

ホメオスタシスの三角

 「脳の中に異常のない頭痛」の一次性頭痛(慢性頭痛)は、「生体のリズムの乱れ・歪み」を引き起こす”生活習慣”から生じてきます。生活のリズムは恒常性(ホメオスターシス)によって維持されています。恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっております。3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」と呼ばれます。
 「ホメオスターシスの三角形」は、ストレスにさらされることでバランスを崩し、頭痛に繋がっていくことになります。慢性頭痛は、ストレスの影響が極めて大きいのが特徴です。
 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。
 緊張型頭痛は、環境因子の色彩の濃い頭痛です。この発症には、身体的ストレスと精神的ストレスが関与します。身体的ストレスには「体の歪み(ストレートネック)」が関与してきます。精神的ストレスには、「脳内セロトニンの低下」が関与します。
 片頭痛は、「ミトコンドリアの機能障害」による頭痛であり、その大半は、遺伝形式は”多因子遺伝”によるものであり、遺伝素因を基盤として、これに”環境因子”が加わって発症してくるものです。この環境因子として、”ミトコンドリア”、”脳内セロトニン”、”体の歪み(ストレートネック)”これらの働きを悪くする要因があります。

 こういったことから、片頭痛は生活習慣病そのものということです。


  片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目が考えられます。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与

 

 こうした環境因子が、あなたの頭痛の場合では、どのように関与しているのかを自分で点検する必要があります。その上で、この問題点を是正する必要があります。
 是正するのは、あなた自身であり、どなたも是正してくれません。
 このことは、生活習慣病である糖尿病も全く同じであり、生活習慣病を克服するための基本的なことで、片頭痛も自分で治さなければダメなのです。
 これまで、こうしたことがあるにも関わらず、医師が治してくれるものと思い込んで、カリスマ医師を頼って、はるか遠方から受診される方もおられるようです。カリスマ医師が、これまで生活習慣病である糖尿病を治した実績がまったくなかったことから、容易に想像できるはずです。
 生活習慣病である片頭痛は、カリスマ医師が治せるものでなく、治すのはあなた自身しかないということです。こうした認識がなければ、片頭痛は治すことは到底不可能です。

 こうしたことから、このような生活習慣の点検の仕方、さらにこれらの改善の仕方として、以下のようなものを提示してきました。このように自分で治すしかないということです。そのために、以下のファイルを掲載しております。

 「片頭痛のセルフケア」 http://taku1902.jp/sub294.pdf

目次へ


6.片頭痛は”進行性疾患”???

慢性頭痛の生涯経過


 片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪するとされます。緊張型頭痛は、ごくありふれた取るに足らないものとされます。
 片頭痛が緊張型頭痛と連続したものであり、緊張型頭痛→片頭痛→慢性片頭痛(トリプタン乱用による薬剤乱用頭痛)へと移行していくものであり、緊張型頭痛は、専門医に言わせると取るに足らない頭痛ということから東洋医学でいう”健康”の段階に位置するものであり、片頭痛は東洋医学でいう”未病”に相当し、”慢性片頭痛(トリプタン乱用による薬剤乱用頭痛)”に至って、初めて”病気”としての頭痛となるということです。

 このことは即ち、自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」により治癒したものと思われます。
 恒常性(ホメオスターシス)には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、それはストレスなどに大きく影響されます。
 こうした、3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」と呼ばれます。
 そして、この3つがバランスをとりながら相互に作用しています。 

 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。

 このなかの、”セロトニン神経系””生理活性物質””腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態が持続することになります。東洋医学でいう”未病”ということです。
 そして、ミトコンドリアの問題、脳内セロトニンの低下、さらに体の歪み(ストレートネック)等々の”慢性化の要因”が加わることによって「ホメオスターシスの三角形」が”崩れる”ことによって、2~3割の方々が慢性化に至るということを意味しています。 ここでやっと”病気”になります。このような段階に至れば、もはや改善は至難の業となってくることになります。このため、早期に対策を講ずる必要があります。

”未病”の片頭痛を治す

 東洋医学でいう「未病」を病気に進みつつある状態と捉えますと、はやい段階で「未病」のサインを認識し、しかるべき手を打てばその進行を抑え、本格的な病気に移行することを防ぐことができます。(「未病」のサインが片頭痛なのです)
 中国最古の医学書「黄帝内経」の中において「未病を治す」という表現がありますが、未病は病気ではないのに、「治す」というのはどういうことなのでしょう。
 これは、健康であろうと病気であろうと、つねに自らの生活習慣に気を配り、より本来の姿に近い心身の状況にもっていこうとする、生き方の姿勢をあらわしている表現なのです。この人間本来の姿を、東洋医学(漢方)の世界では「中庸」と呼んでいますが、これはすなわち、健康と病気のまん中あたりのことを意味しています。
 つまり、健康すぎても、また病気だらけでも、いけない。
 からだの状態とは、どちらか一方向への偏りがないのが一番よいのだ、ということを意味しているのです。
 こういうことから未病の段階にある「片頭痛」で治さなくてはなりません。
 このように段階を踏まえて”慢性頭痛”には対処しなくてはならないということです。
 昨日も述べましたように、片頭痛は「生活のリズムを乱す」生活習慣にその原因があります。この生活習慣の問題点を見出して、これを是正するだけです。

慢性頭痛の発症様式

 緊張型頭痛では、デスクワーク、特にパソコンを使って仕事をすることにより、うつむき姿勢を長時間とると、首の後ろ側の頭半棘筋が緊張し、その筋肉を貫くように走っている「大後頭神経」が圧迫され頭痛が起こり、緊張型頭痛は明らかに首疲労からもたらされる病気で、首疲労を治療することによって、痛みがきれいに消えてしまいます。
 ところが、明らかに片頭痛と考えられる予兆や前兆を持っていて、片頭痛に有効なイミグランなどのトリプタン製剤を飲んだら、頭痛がぴたりと止まることから、典型的な片頭痛と他院で診断された患者さんに対して、頸筋の異常を治療したら、片頭痛が起きなくなるものが、片頭痛の一部に存在します。こうなると、片頭痛と緊張型頭痛という分類自体が怪しくなってきます。このように東京脳神経センターの松井孝嘉先生は指摘されます。
 頭半棘筋にこりが出ると、それが大後頭神経を刺激し、その刺激が三叉神経に伝わります。大後頭神経は、頭痛をもたらす神経です。大後頭神経と三叉神経は脳のなかで繋がっていますので、大後頭神経の刺激は、三叉神経にも伝わります。
 大後頭神経と三叉神経が同時に痛くなる現象は、よく知られています。これが、片頭痛を誘発・増悪・慢性化に関連しています。
 要するに、緊張型頭痛も片頭痛も一連の連続したものであるということです。

 緊張型頭痛も片頭痛も一連のものであり、緊張型頭痛が慢性頭痛の発症の起点となるもので、これに”ミトコンドリア”、”脳内セロトニン”、”体の歪み(ストレートネック)”の3つが付け加わることによって(遺伝素因を基盤に)片頭痛にまで進展していきます。  さらに、この根底にはホメオスターシスの乱れ(免疫・・腸内環境の悪化)や必須脂肪酸摂取の問題による生理活性物質のアンバランスが基盤・根底に存在します。
 トリプタン製剤は効くひとには絶大な効果を発揮します。問題は、辛い頭痛という痛みだけをトリプタン製剤で取り除いていますと、その根底にある病態は次第に増悪してくることになります。このため、自然と服用回数が増えてくることは避けることができません。 このため、必然的に服用回数が増加して最終的には「トリプタン製剤による”薬剤乱用頭痛”」に至ります。このようにして、慢性片頭痛へと進展することになります。

その根底にある病態とは

 この点については、以前にも記事に致しました。

  慢性頭痛の周辺 その33 慢性化
   http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11996717211.html

 詳しくは、こちらをご覧下さい。その要点は、以下のようです。

  1.体の歪み(ストレートネック)の関与
  2.「セロトニン神経系」の関与
  3.ミトコンドリアの関与
  4.ホメオスターシスの関与・・ストレス
  5.生理活性物質の関与 必須脂肪酸摂取上の問題点


 このような病態が、その根底には存在します。

 このような観点から、片頭痛がどのように発症してくるのかを理解することが重要です。


  片頭痛はどのようにして発症するのでしょうか 
     http://taku1902.jp/sub004.pdf

 この点をきちんと理解しておくことが重要になってきます。

 緊張型頭痛から片頭痛へ、さらに慢性片頭痛へと着実に進行する、まさに”進行性疾患”です。ですから、頭痛を抑えるために、市販の鎮痛薬、さらに病院で処方される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、エルゴタミン製剤、さらに片頭痛で現在最も多く使われるトリプタン製剤で、ごまかしていますと、その根底にある病態は着実に進展していきます。皆さんは、信じられないかもしれませんが、「頭痛外来」で処方される「トリプタン製剤」でも全く同じです。
 さらに、皆さんも経験済みと思われますが、初めは市販の鎮痛薬が効いていたのが次第に効かなくなり、現在、「トリプタン製剤」に変えている方も多いのは、このことを示しています。片頭痛は”熟成”させてはならないというのが治療の原則です。このためには、あなたのこれまでの「生活習慣を見直し」、問題があれば、早めに改善しなくてはなりません。先手、先手と手を打って対処しなくてはなりません。進行を止めるのは医者ではなく、あなた自身であることを忘れないで下さい。”くすり”では絶対に進行は止めることはできません。あくまでの、”一時凌ぎ”でしかないことを銘記しなくてはなりません。

 そして、以下のような6つの病態から「臨床頭痛学」は構築されなくてはなりません。

   1.ホメオスターシスの関与・・ストレス
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与

目次へ


7.”頭痛薬が頭痛の原因”ってホント

ホントです。頭痛薬を頻回に飲んでますと”薬剤乱用頭痛”を起こしてきます。

 頭痛薬の飲み過ぎが、頭痛の原因になることってあるんでしょうか?私は10年くらい片頭痛にずっと悩まされています。そのおかげで毎食後に頭痛薬を飲むクセがついてしまいました。
 頭痛薬はロキソニンを主に服用しています。パソコン仕事がメインです。
 朝起きた瞬間から鈍い頭の重さに悩まされ、PCの電源を入れて椅子に座った直後にはいつものいやーな痛みが襲ってきます。
 酷い時には布団から出られないほどの頭痛。これでは仕事も普通の生活さえできません。
 病院に行って脳内の検査をしてもらったところ、先生からは特に原因は見当たらない、とのこと。
 そんなはずはないと思って、いろんな病院を訪ねるも、みんな先生は首を横に振って「薬で様子をみてくださいね。」としかいいません。
 先日、酷い先生に否定されました。
「あなた、そんなに薬が美味しいの?薬ばかり飲んでるから頭痛になるんだよ。それで訪ねて来られても困る。甘えないでください。」
 ものすごく腹の底から怒りを感じました。きっとこの先生は頭痛に苦しんだことがないんだって。痛くて痛くて仕方がなく病院に訪れているのに、なんでそんなことを簡単に言えるのだろう。自分が情けなくて泣けてきました。
 でも、確かに薬を飲み続けています。あまり高額な薬を服用するのはイヤなので(キツイ&高い)、ロキソニンを毎食後に飲んでいます。
 とにかく今から起きる頭痛を少しでも軽くすればいい。それ一心で飲んでいます。
 でも最近、胃が痛い。きっと薬の影響で胃がボロボロになってきているのでしょう。でも頭痛薬がないのは怖い。
 精神的なものも影響していると思いますが、頭痛薬を飲みすぎることは危険な事でしょうか?
 また頭痛薬が頭痛を引き起こしている、ってことは本当にあるのでしょうか?あの医者の言葉がどこかで引っかかっています。
どなたかお詳しい方、教えてください。はやく頭痛を治したい。本当にそれだけです。

 この方の頭痛は、典型的な「薬物乱用頭痛」です。

薬剤乱用頭痛

 このように、頭痛の際に服用される頭痛薬が頭痛の原因となってきます。

 信じられないかもしれませんが、この”頭痛薬”には、皆さんが手軽に服用される市販の鎮痛薬、さらに病院で処方される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、エルゴタミン製剤、さらに片頭痛で現在最も多く使われるトリプタン製剤も含まれています。こういったことから、病院で処方される”おくすり”だからといって決して安心してはなりません。この点が、慢性頭痛をセルフケアしていく上で重要なことになってきます。

 それでは、どうしてこうした”頭痛薬”で薬剤乱用頭痛が起きてくるのでしょうか?

 まず、市販の鎮痛薬ですが、これらの鎮痛薬には、大半のものはアセトアミノフェン、とカフェインが含まれています。皆さんがよくご存じのカロナールが代表的なものです。
 このカロナールは、現在では発売中止となったセデスGの後釜です。セデスGは私の片頭痛時代にはいつも愛用していた程、麻薬並みの鎮痛効果がありました。セデスG中止後は、これに代わって”SG配合顆粒”となりましたが、これは以前のセデスGと比較すれば、何も効かないというのが私の感想です。これに類似したものがカロナールです。これも同様で、大して変わりはないようです。これは”十分な薬効量が含まれていない”ためです。こうしたことから、本年2月からアセトアミノフェンを1錠中500mgが含まれるものが発売されるようになりました。私も片頭痛の患者さんに試して頂きましたが、従来のものよりは格段に効果があるとのことでした。こうしてみますと、”1錠中500mg”が鍵を握っているようです。しかし、皆さんが購入されるものには、このような有効量は含まれず、大半は、この半分以下しか含まれておりません。こうしたことから、服用しても服用しても効果がないため、つい錠数が増えてくることになります。これらにはカフェインが同時に含まれますので、カフェイン中毒になるため、薬剤乱用頭痛を作ってしまうことになります。

 また、市販の鎮痛薬のなかには、最近は少なくなったようですが、アスピリンを含むものがあります。このアスピリンはミトコンドリアの働きを悪くさせるために、片頭痛の方々が服用されますと、益々、頭痛を悪化させ、薬剤乱用頭痛に至ってしまいます。

 このような市販の鎮痛薬でなく、人によっては風邪薬を常用される場合もあります。この理由は、”咳止め”を目的としたリン酸コデインが風邪薬に配合されており、オピオイドという麻薬のような成分が含まれるため、”オピオイド乱用頭痛”となってきます。

 また病院で処方される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)があります。最近では、市販薬としても販売されています(ロキソニン)。必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスに問題があれば、その効き目を十分に引き出すことができず、つい服用回数が増えることになって薬剤乱用頭痛を作ることになります。

 現在のトリプタン製剤が販売される以前は、エルゴタミン製剤が片頭痛治療薬の主流でした。エルゴタミン製剤は前兆のある片頭痛の場合、制吐剤をうまく併用することによって抜群の効果を発揮していましたが、問題は前兆のない片頭痛の場合、服用のタイミングが極めて難しく、患者さんはつい”先手””先手”で服用せざるを得なくなって、知らぬ間に過剰服用となって薬剤乱用頭痛を引き起こしていました。
 現在では、エルゴタミン製剤はクリアミンとして残っておりますが、クリアミンの効能書きには、”頭痛治療薬”と銘打たれ、緊張型頭痛にも片頭痛にも保険適応となっていることから、一般開業医は頭痛診断がどうであれ、安易に処方され、極端な場合は1日3回毎食後、延々と処方され、薬剤乱用頭痛を量産させていることも忘れてはなりません。

 そして、現在のトリプタン製剤ですが、片頭痛の場合、効くひとには麻薬並の絶大な効果を発揮するため、つい飲み過ぎにつながってきます。トリプタン製剤は、大半は有効時間が短いため、片頭痛発作の持続時間が長いと、1回の服用で頭痛を抑制できずに、服用回数が増えざるを得ないという宿命にある薬剤で、市販の鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、エルゴタミン製剤より以上に ”薬剤乱用頭痛を引き起こしやすい薬剤”とされていますので注意が必要です。
 これまで、片頭痛診療の重鎮とされる名古屋の寺本純先生は、このような薬剤乱用頭痛の治療の難しさをこれまで訴えてこられ、特に”トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛”を改善させる難しさを強調され、”従来の予防薬”では全く効かないとされ、最近ではボトックス治療による方法を提唱されます。そして、先生は、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛からの脱却にはボトックス療法しか現状ではないとされます。そして、その有効率は、1年以内で80%であり、残りの20%は脱却できないとされています。このように、一旦、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛に陥れば、運が悪ければ、一生、頭痛で苦しむことを余儀なくされてしまうことを意味します。まさに、頭痛地獄の絵図そのものということです。
 参考までに、寺本先生の提唱される「ボトックス治療」は現在、保険適応はなく、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛から脱却する唯一の方法でありながら、簡単に・身近な医療機関では受けることは出来ないのが現在の日本の状況です。
 ですから、一旦、トリプタンによる薬剤乱用頭痛に至れば、治すことは至難の業です。
 トリプタン製剤は、効くひとには絶大な効果があるため、つい飲み過ぎになってきます。 しかし、このような”トリプタンによる薬剤乱用頭痛”に至れば、脱却は極めて困難になるということを認識しておく必要があります。

薬剤乱用頭痛の発生機序

 ところで、このような「薬物乱用頭痛」はどのようにして起きるのでしょうか?

 これまでは、以下のような説明がオーソドックスのようです。

 市販の鎮痛薬の長期乱用などに伴い興奮性が非常に高まった状態になるという考え方があります。こうしたことから片頭痛発作時にトリプタン製剤を勧める医師もいますが、こうした考えで、安易に服用すれば、容易にトリプタンによる薬剤乱用頭痛を作ります。
 その理由は、苦しい片頭痛という痛みだけをトリプタン製剤で取り除いていますと、その根底にある病態は次第に増悪してくることになります。このため、自然と服用回数が増えてくることは避けることができません。このため、必然的に服用回数が増加して最終的には「トリプタン製剤による”薬剤乱用頭痛”」に至ります。

 また、鎮痛薬を絶えず飲んでいますと、伝わってくる痛みを鎮痛薬が取ってくれますので、脳の痛み抑制センターが仕事をしなくなり、ちょっとした痛みでも、痛い、と感じるようになります。するとまたすぐに鎮痛薬を飲む、センターはますます仕事をしなくなる、また痛みを感じる、また薬を飲む、という悪循環に陥ります。
 また、このようにも申されます。痛み止めを多く飲み過ぎると、脳の痛みの調節系は働く必要がなくなり、脳の痛みの番人がさぼってしまいます。ちょっとした痛みにも、さらに痛み止めを飲むことになり、悪循環になります。痛み調節系の機能低下により頭痛が毎日くるようになったと思われます。このように説明されています。

 しかし、私は、以下のように考えております。

 病気を治すために飲む薬や、空気中に存在する有害物質、そして食品添加物や洗剤、化粧品などに含まれる化学物質は、体にとっては異物なのです。
 これらのものは、つい最近まで、人類の体内に入ることはなかった物質なので、体は異物と理解してしまうのです。
 そして、異物を解毒しようと、ある酵素を出します。この酵素が働く過程で、活性酸素が発生してしまうのです。このため、過剰に服用した鎮痛薬は異物そのものであり、これを解毒するために過剰に活性酸素が発生することによってミトコンドリアを弱らせることによって、片頭痛を増悪させます。さらに「セロトニン神経」の働きまで悪くすることになります。このために「脳内セロトニン」の低下をもたらすことになります。

 薬は現代の医療において、欠かせないものですが必ず副作用というものがあり、これが”化学的ストレス”になるのです。
 薬物乱用頭痛の場合、このように鎮痛薬、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤の飲み過ぎは、当然、”化学的ストレス”になって来ます。
 ストレスは個人差というものがあります。ストレスに強い人と弱い人はいるのです。 ストレスに強いかどうかは生まれつきの性格や経験によって左右されると考えられてきたのですが、最近の脳科学の研究によって、そうではないことが分かってきましたのです。ストレスに対する耐性の違いは”脳の活性化”と深く関わっているのです。
「ストレスに弱いとセロトニンの量が減少しやすい」です。
 人間の体は、肉体的、精神的、物理的、化学的なストレスを受けると、脳内の視床下部のストレス中枢が刺激されるのです。そうすると、セロトニンが多く放出され、その量が減少してしまうのです。いずれにせよ、ストレスに対応するセロトニンの分泌量が少ないと、痛みを感じやすくなって来ます。これが、薬剤乱用頭痛へと繋がってきます。
 いずれにしても、長期間にわたって「鎮痛薬、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤」を飲み続けますと「セロトニンの枯渇状態」を引き起こす結果に至り、脳内セロトニンの低下は、”痛みの閾値を下げる”ため痛みを感じやすくさせるために、薬剤乱用頭痛を引き起こしてくることになります。

薬剤乱用頭痛を予防するには

 このような薬剤乱用頭痛の特徴は、飲んでも飲んでも効果がなく、かえって頭痛を酷くさせることになります。そして、目が覚めた朝方から頭痛を訴えてくることになります。 こういったことから、頭痛治療は、”薬剤乱用頭痛との戦い”といっても過言ではありません。このような”頭痛薬によって頭痛が引き起こされてくる”というジレンマがあることを理解しなくてはなりません。
 薬剤乱用頭痛を引き起こさないためには、こうしたお薬を”月に10回以内”に抑えることが重要となりますが、そう簡単にはいかないのが実情です。このように「お薬を月に10回以内に抑える」ためには、どのようにすべきかを考えなくてはなりません。
 ここが重要なことでありながら、「お薬を月に10回以内に抑える」ための手段として頭痛専門医は”予防薬”を使うことを勧めます。しかし、こうした予防薬の効果にしても、的確なものは何一つないのが現状であるにも関わらず、このようなことを勧めます。
 このように”予防薬の効果”が発揮される以前の段階で薬剤乱用頭痛を引き起します。
 先程も述べましたように、予防薬といえども人体には有害なものであり、化学的ストレスとなるものです。     

 このためにかえって、頭痛を増悪しかねないことになります。

 このように考えてみれば、薬剤乱用頭痛に至る原因は、各種の諸々の薬剤によって、ただ単に”頭痛という痛み”さえとれば、これで解決したと考えることにあります。

 慢性頭痛とは、私達の生体の生活のリズムの歪み(乱れ)すなわちホメオスターシスの乱れから起きてくる頭痛です。この「生活のリズムの歪み(乱れ)」の原因を突き止めることが最も重要になってきます。この原因を自分で把握しなくてはなりません。
 トリプタン製剤は、効くひとには絶大な効果があるため、つい飲み過ぎになってきます。 しかし、このような”トリプタンによる薬剤乱用頭痛”に至れば、脱却は極めて困難になるということを認識しておく必要があります。現実には、発作時にトリプタン製剤を服用せざるを得ないことも事実ですが、必ず平行して「生活習慣の改善」を同時に行っていくことが絶対条件となってきます。
 こうしたことから、「生活習慣を改善」させることなく、安易にトリプタン製剤を服用すべきでないということです。

 以上、薬剤乱用頭痛は、各種の諸々の鎮痛薬を頻回に服用することによって、ミトコンドリアを弱らせ、脳内セロトニンを枯渇させることによって起きてきます。
 このため、こうした鎮痛薬を服用する際には、「生活のリズムの歪み(乱れ)」の原因を突き止め、必ず平行して「生活習慣の改善」を同時に行っていくことが絶対条件となってきます。これが薬剤乱用頭痛を予防すると同時に、片頭痛を根治させる方法ともなります。

目次へ


8.なぜ、頭痛治療上”規則正しい生活”をしなくてはならないのでしょうか

これまで、片頭痛治療に際して、”おくすり”を服用すると同時に「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、リラックスするように」と、生活指導がなされてきました。なぜ、なのでしょうか?

生体リズムと規則正しい生活

 規則正しい生活を送りましょう。幼い頃から、何度も聞いた言葉ではないでしょうか?
 規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
 しかし、現代の生活環境は、健康的な生活を崩す要因が多く、24時間営業の飲食店や夜通しの娯楽、コンビニやテレビ・パソコンなどの普及により急激に変化しています。このような変化により、体の生体リズムにも悪影響が及んでいます。
 生体リズムを無視した不規則な生活を送ると、様々な不調を感じるようになります。生体リズム、自律神経、ホルモン、免疫はすべて連帯しているため、生体リズムが乱れると自律神経やホルモンバランスにも悪影響が及んでホメオスタシス機能を乱すのです。

ホメオスターシスとは

 外部の環境変化にかかわらず、体温や血圧、血糖値など、体内環境を常に最適な状態に保つ仕組みを恒常性(ホメオスターシス)と呼びます。さまざまな変動は、この恒常性を維持するための「環境に対する適応力」といえます。
 恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」と呼ばれます。
 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。
具体的にどのように働いているのでしょうか

 免疫系・内分泌系・神経系の”三つどもえ天秤”の維持システムをホメオスターシスと呼び、体の中では常にこのホメオスターシスによって書ききれないほどの維持機能を常にバランスよく保ちながら生涯にわたって健康を司っています。
 何らかの原因があり、体のどこかでわずかな維持機能の狂いが起こってもホメオスターシスの3つのシステムが、常に、必ず正しい均衡に戻そうとしてくれます。


 ですから少々のことでは病気になって現れることはありません。
           ↓
 しかし、こうした狂いの積み重ねにホメオスターシスが対応仕切れなくなると
やがて病気となって発現してきます。
           ↓
 ですから目先の症状を抑えても、ホメオスターシスの狂いを修正しなければ、再発・余病なども含め、完治に至らないことがあります。
           ↓
 このホメオスターシスを常に理想的に維持することが大事になってきます。


 免疫力・・・注目される言葉ですが、栄養と免疫力は、ホメオスターシスによってコントロールされ切り離せない関係にあることから、免疫力は栄養によって強くも弱くもなります。免疫力(免疫細胞)は、ホメオスターシスの一部にしか過ぎませんから内分泌系や神経系が密かに低空飛行を強いられている時は三つ巴のバランスが崩れていることを意味しているため免疫細胞が、独断で、且つ突出して働くことが出来る環境も望みにくくなります。
 このことが、免疫力を引き上げるだけでは、健康を取り戻しにくい理由です。

 ・・・たとえば
 免疫力を落とす感染症の陰に内分泌系や神経系の不具合が隠れていると免疫力UPの手段だけでは、ホメオスターシスは思うように動いてくれないことがあります。
 望みを託したい免疫細胞と言えどもただの細胞です・・・。
 栄養失調や周辺環境のサポートなしには働けません。
 免疫細胞は、互いに情報交換をするといった勉強もしなければなりませんし、合図を送ったり、合図を受けて行動に出たり、仲間を増やすことも必要です。

  ビタミンとミネラル補給をすることで、「免疫力が上がった!」と実感することは
 不思議でもなんとも無いことです。
  そこには<ビタミンとミネラルに支えられた正しい代謝>という過程を経ることで
 <免疫細胞が働くことが出来る環境づくりが整う >という関連性があるわけです。

 身体に必要な様々な栄養素が<代謝>を通じて備わることで

  ・交感神経と副交感神経(両方で自律神経と呼びます。)は正しく働き、
          ↓
 ・臓器を正常に動かすことが可能になります。
          ↓
 ・各臓器が正しく働くことで、漸く必要なあらゆるホルモンが分泌され
          ↓
 ・栄養は効率よくそれぞれの細胞にエネルギーの元として取り込まれ
          ↓
 ・これらを受け取った細胞たちは、代謝を重ね、不要物質を放出し
          ↓
 ・元気になり、活躍し
          ↓
 ・さらには正しい遺伝子を持つ細胞の生まれ変わりを可能にします。

 不要なもの(外部からの侵入や老廃物の排泄)を徹底して排除できる体内環境を整えることが出来るのも、十分な栄養があってこその技であり、力であって、健康は・・・元気な細胞の正しい働きなくしては得られません。
 
 食から見たホメオスターシスに大事なのものは・・・

 代謝の原動力になる栄養素と代謝を促進させる補酵素であり、水分と共に有害物質を排泄に導くことに尽きます。


    *新鮮で十分な水
   *ミネラル
   *ビタミン
   *必須アミノ酸群
   *3大栄養素 タンパク質、脂肪、炭水化物
   *4番目の栄養素と言われる2つの食物繊維
   *有害物質の除去は言うまでも無く・・  
          
 これら必要なモノを体が求める場所に送り込む為には、口から入るご飯の質と量はもちろんのことですが、前提である<有効に取り入れる腸環境>が無くてはなりません。
 ご飯に見合うだけの(内分泌に不足する)消化酵素も必須です。

 そして、害になるものは、そこから一歩も中には通さないという強く、且つ柔軟な腸そのものを、各種栄養で作り上げることが必要です。

 理想はあくまで理想であって・・・
 しかしながら、時には栄養摂取自体が厳しくなる場合も起こります。
 その時には『命を支える強い何かの力』を求めざるを得ませんが・・・

 健康な時期よりも病気を抱えている時期ほど、沢山の必須アミノ酸群とビタミンとミネラルが必要であり、これらを使って健康な時期よりも高い代謝効率を経て必要エネルギーレベルを確保し、かつ解毒を促進させ強い&正しい遺伝子を持つ新しい細胞を生み出しホメオスターシスから底上げを図らなければ、健康は取り戻せません。
 本来は、病気になる前に必要なことです。

内分泌に不足する消化酵素

 <代謝を促すための触媒の働き>を受け持つ酵素は、体内合成が出来るものとそうでないものがあり、体内合成出来るものであっても生涯における量は限られています。
 もし、外から供給されなければ、生合成に頼る以外に手段はありません。
 結果として、ホメオスターシスの内分泌系は疲弊することになります。
 健康を維持するには、消化と吸収を助ける意味でも、腸管免疫を守る意味でも、ホメオスターシスの疲弊を遠ざける為にも、食品から摂取できるものは、積極的に取り入れることが重要です。


慢性頭痛は「生体のリズムの乱れ・歪み」によるものです

 「脳の中に異常のない頭痛」の一次性頭痛(慢性頭痛)は、「生体のリズムの乱れ・歪み」から生じてきます。

 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。

 緊張型頭痛は、環境因子の色彩の濃い頭痛です。この発症には、身体的ストレスと精神的ストレスが関与します。身体的ストレスには「体の歪み(ストレートネック)」が関与してきます。精神的ストレスには、「セロトニン神経系」が関与します。

 片頭痛は、私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアの機能障害”による頭痛です。ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 そして、私達が日中活動している際に常時活動している神経系が「セロトニン神経系」です。このように常時エネルギーをたくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして「体の歪み(ストレートネック)」引き起こしてきます。
 セロトニン神経は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が、困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「ストレートネック」を引き起こします。
 このように、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 片頭痛の場合、「ミトコンドリアの働きの悪さ」に「脳内セロトニン低下」が加わることによって、姿勢保持が困難となり、前屈みの姿勢が長期間に渡って持続することによって、容易に体の歪み(ストレートネック)を形成してくることになります。

 そして、「体の歪み(ストレートネック)」は、慢性頭痛の起点となる緊張型頭痛の発症要因となるとともに慢性頭痛(片頭痛を含めて)の骨格ともなっています。

ストレスによる影響

 このように、免疫系・内分泌系・神経系の3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」によって、人の体はコントロールされているのですが、それがストレスにさらされることでバランスを崩し、慢性頭痛に繋がっていくことになります。

(1)ストレスとセロトニン神経系

 ストレスを受けると、脳にある視床下部がそれを感知し、副腎から副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)と副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)の分泌を促します。また間脳の橋の青斑核にあるノルアドレナリン神経からはノルアドレナリンが、交換神経末端からはアドレナリンが分泌されます。
 さらに、ストレスが続くと交感神経が過敏となり、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌が高まります。セロトニンは過剰に分泌されたこれらのホルモンを抑制して、自律神経のバランスを整える働きも担っています。人間の感情の基本は、"快"と"不快"です。快を感じた時にはドーパミンが分泌され、不快を感じた時にはノルアドレナリンが分泌されます。どちらにしても過剰の分泌は問題ですので、この時、セロトニンが働いて過剰分泌にブレーキをかけます。
 脳の中で”快・不快”を感じるのは大脳辺縁系といわれる場所です。辺縁系には記憶の中枢である「海馬」や、情動を感じる「扁桃体」があります。扁桃体の刺激は視床下部という場所に伝わり脳内に色々なホルモン物質が出て自律神経を刺激します。幸せな気分はセロトニンやエンドルフィンが放出され、不快や恐怖ではアドレナリンやノルアドレナリンが放出され交感神経の働きを強めます。
 嫌なことを経験しますと、海馬が”嫌な記憶”を扁桃体に伝えます。扁桃体では不快・恐怖・緊張といった反応が起こり、この刺激は視床下部に伝わりアドレナリンやノルアドレナリンが放出されます。アドレナリンは血管を収縮させますから肩や頸の筋肉の血流が減って筋肉の栄養が不足し、筋肉でできた老廃物を外へ運び出せなくなります。このため筋肉が凝ってしまうのです。これにより、肩こりが起こり、緊張性頭痛が引き起こされます。
 このようにして、体がストレスを受けると、最終的にストレスの影響を緩和するために副腎皮質ホルモンが分泌されます。
 副腎気質ホルモンはセロトニンが神経細胞を伝わっていく時にセロトニン回収口を塞いでしまいます(脳内セロトニンは生成量が少ないので、8割程度は回収しながら溜まりを作り、一部だけを神経の伝達に使う仕組みになっています)。
 副腎皮質ホルモンが回収口を塞ぐと、一時的に神経伝達に使われるセロトニンは増えるのですが、ストレスが長く続くと貯まりが少なくなって、セロトニン不足を起こすことになります。
 このようなことが繰り返し起きますと、セロトニンの再回収口は完全に機能を失い、慢性的なセロトニン不足を招きます。
 縫線核に細胞体を持つセロトニン神経系(セロトニンが神経伝達物質)は脊髄後角でシナプス接続して、痛みを抑制します。

 以上のことから、慢性的にストレスに晒されることによって、「脳内セロトニン不足」を来すことによって、痛みを制御ができなくなって、頭痛を感じやすくなります。

(2)ストレスとマグネシウム(ミトコンドリアの関与)

 通常、ストレスがかかるとアドレナリンが分泌されます。
 アドレナリンによって心拍数が上がって、血圧上昇、血管収縮、筋肉収縮が起こります。
 こうやって外部からのストレスに身体が対処しようとするわけです。しかし、こういった作用には必ずマグネシウムが必要で、ストレスがかかる状況が続けば、マグネシウム欠乏に陥ります。
 ストレスの研究で有名な、ハンス・セリエによれば、身体の短期的な闘争反応、逃避反応から、慢性的ストレスに移行する際にもマグネシウムが消耗されると言います。また副腎(ストレス調整臓器)は、コルチゾールやストレスホルモンであるノルエピネフリンを作り出しますが、ノルエピネフリンはアドレナリンに似た作用を示し、同じくマグネシウム不足を生じさせます。
 またストレスによる副腎の酷使は、マグネシウム不足を生みますが、体内のマグネシウムレベルが低い時にストレスにさらされると、より多くのアドレナリンが放出されてしまうのです。
 アドレナリンは、イライラや怒りっぽさ、短気、感情の爆発などを作り出すので、まさに悪循環の流れが出来上がるわけです。こういった悪循環をストップさせるのには、マグネシウムレベルを回復させることが重要になってきます。
 またストレス反応が続く間は、アドレナリンの放出を促進するのにカルシウムが必要とされますが、元々カルシウムが過剰になっているとアドレナリンが溢れかえってしまいます。しかし十分にマグネシウムがあれば、余剰カルシウムを抑えてくれ、通常レベル以下にしてくれるので、ストレス反応が抑制されます。

 ストレス状態にある人の尿に含まれるマグネシウム濃度を測ると通常時に比べてマグネシウムの排泄量が増えています。
 これは、ストレスに対する防衛反応として、ノルアドレナリンというホルモンが分泌されるときにマグネシウムが消耗されたためです。
強いストレスを感じると体内のマグネシウムがどんどん使われ、益々ストレス状態が悪化するという悪循環に陥ります。

 マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。

(3)ストレスと活性酸素

ストレスがたまると活性酸素が増える

 活性酸素を増やす要因には、食生活の乱れやタバコや大量の飲酒、過激なスポーツ、紫外線など、さまざまな要因があります。しかしそれだけではなく、ストレスも重要な要因のひとつです。代表的なメカニズムには、次のようなものがあります。

1.ストレスを受けると、ストレスに対抗する「副腎皮質ホルモン」が分泌される。この分泌と分解の過程で、活性酸素が発生します。
2.ストレスは、「抗酸化ビタミン」ともいわれるビタミンCを大量に消費します。
3.緊張が続くと血管が収縮し、一時的に血流が阻害されます。その後、血管が拡張したときに、血液が勢いよく流れますと、大量の活性酸素が発生します。
4.ストレスがあると高血糖になりやすい。この状態も、活性酸素が増える一因となります。

 イヤな仕事や勉強、人間関係などのストレスも、体内で活性酸素がドッと増えます。よく、ストレスから胃潰瘍、十二指腸潰瘍になった、とききますがこれも活性酸素が犯人です。ストレスにより血管が強く収縮し血流障害がおき、虚血状態に陥った後、血流が再開する時大量の活性酸素がドッと洪水のように発生するのです。
 ストレスホルモンの一種であるコルチゾルが免疫機能の重要な役割をになうNK細胞の機能を停止させ、生成時に活性酸素も発生させます。


 ストレスが体にダメージを与える理由は、体内のあらゆる栄養素が消耗し、瞬間的に血管が収縮して血行が悪くなります。この血流が再開されるときにドッと大量の活性酸素が発生するのです。
 体内のあらゆる栄養素が血液中に動員され、筋肉や副腎といったストレスとの闘いで活躍する組織に優先的に送られるのです。その一方、そのほかの組織は逆に栄養を絞りとられる結果となります。ストレスに対処するのに直接関係しない臓器(消化器や皮膚など)に送られる血液量が最小限に絞られます。
 ストレスが解消されると、これらの臓器にも血液が戻ってきます。このときにも、活性酸素が大量に発生すると考えられています。現在のように繰り返しじわじわとストレスが続く状況では、体にとって大きな負担となります。例えば、ストレスがかかると心拍数や血圧が上がるのは、身に迫る危険に対抗するために自律神経により様々な臓器が調整された結果です。身に迫る危険に対抗するための、体の仕組みになっています。


 もう少し詳しく説明しますと、精神的なストレスによりアドレナリンが分泌されると、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)は上がり、体脂肪も分解され始めるため体脂肪からの遊離脂肪酸が生成されるようになります。
本来、これらの体の変化は獣(外敵)などに襲われた時に人間が外敵と戦ったり逃げたりする時にエネルギー不足を起こさないための緊急的体勢の備えとして身に付いたものと考えられます。
通常、体脂肪のエネルギーへの利用は空腹時(食事を摂らない時)にエネルギーの不足分を補うために生じ、生成した遊離脂肪酸は直ちに体に必要なエネルギーとして使用されます。
 しかし、エネルギーとして必要性がほとんどなく、単に精神的なストレスだけによる緊張のためだけに生成した遊離脂肪酸は血中の遊離脂肪酸濃度を高めるだけの結果となります。ストレスから開放されると消費されるあてのない遊離脂肪酸は一時的に血中の濃度を高めるだけの結果となってしまうのです。
 その結果、血小板に直接作用して血小板の凝集を促進することや脳血管壁を傷つけ活性酸素を発生させるなどの現象を引き起こすと考えられます。
 このため、ストレスを受けている時に発症するのではなくストレスから開放された時に片頭痛を発症しやすくなるのです。
 このようにして放出された遊離脂肪酸が血小板に直接作用して血小板の凝集を引き起こすことにより脳血管内のセロトニン濃度が上昇することで片頭痛を発症すると考えられます。
 または、遊離脂肪酸が脳血管壁を傷つけ活性酸素を発生させ、その活性酸素が三叉神経や脳細胞を傷つけることにより片頭痛を発症させると考えることもできます。


 以上のように不規則な生活は、「ホメオスターシスの三角形」のバランスを乱す根本原因となるととに、セロトニン神経系を弱らせることになります。
 食事をバランスよく摂取しませんと、ミトコンドリアのエネルギー産生に影響を及ぼし、セロトニン産生における代謝経路に問題を起こしてきます。
 活性酸素等で傷ついたミトコンドリアの修復は寝ている間に行われるため、この修復には睡眠は不可欠です。睡眠不足になれば、ミトコンドリアは益々弱ってくると同時に、セロトニン活性化にも問題を起こしてきます。
 ストレスが持続すれば、ミトコンドリアが弱体化し、脳内セロトニンが枯渇してきます。
 こうしたことから、「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、リラックスするように」生活指導が行われてきました。
 そして、このような生活指導を厳守することが、片頭痛改善のための最低条件になっています。

目次へ


9.病院は”カルト宗教の神殿”か???

 このタイトルは小橋雄太さんのブログ「イミグラン錠・副作用なしで、偏頭痛を治しちゃえ」のなかで「病院と片頭痛」のなかで取り上げられた記事です。このなかで小橋さんは、以下のように記述されます。(大幅に編集をしていますが、要点は以下のようです)


 私達は、みんな小さい頃から「病気には薬」と教育されてます。子供の頃から「病気になったら薬と病院」と言われ続けてますから。その教育(洗脳?)から逃げれてません。
 偏頭痛持ちの中でも、かなりの人が「偏頭痛には薬しかない」と思い込んでいます。
 医者は、「薬は最新の医学で作られたのだから、それが一番いい」と言います。
 偏頭痛持ちの中でも、かなりの人が「偏頭痛には薬しかない」と、みんな知らないうちに洗脳されてしまってます。
 洗脳されてるので、医者と薬が絶対だと思い込んでしまってます。
 正直なところ、このマインドコントロールは強力で、解くのは大変です。
 言い方を変えると、ありがたい魔法の粉を信者に売ってるカルト教団のようなものです。
 頭痛薬を飲めば一時的に痛みが和らぎますが、また必ず再発します。
 薬がヤバイと思ってても、薬の誘惑に抵抗できていないのです。
 「偏頭痛には薬がいい」と言われてますが、現実にあなたは健康になってますか?
 最新の医学を信用するのも良いですが、単純にあなたが健康になったかを考えると...
自然に答えは出てきますね。
 でも、そもそも治せない薬に依存させるような行為を「治療」とは呼ぶのはちょっと怖いとは思いませんか?
 そして裏では、頭痛持ちのお金は製薬会社と病院を潤しています。
 病院のエライ人の黒いベンツに変わったりします。
 やがて製薬会社は薬の工場、病院は薬を売る営業所と化していきます。
 病院が「薬を出す自販機」になってしまっています。病気が治ってしまったら、病院と製薬会社が困りますから・・。
 しかし、あなたがその「患者からお金を吸い取る集金マシーン」、「信者に貢ぎさせるカルト教団」の犠牲になることはありません。

 このように指摘されて、「病院はカルト宗教の神殿か」と思われているようです。

 小橋さんが、病院をこのように評価されておられます。


 小橋さんとは別の観点から考えれば、以下のようになります。


 まず、頭痛専門医の方々の共通した考えとして、片頭痛は生まれつきの”遺伝的疾患”であり、将来遺伝子治療が開発されない限り治らないと考えています。
 こうしたことから、片頭痛は”不思議で・神秘的な頭痛”であり、まさしく、片頭痛は”神聖な頭痛”で、凡人のタッチできない頭痛とされています。
 「国際頭痛分類 第3版β版」を、頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とされ、世界共通の言語とされます。このため、専門家には専門家としての独特な問診方法を駆使され、極めて完璧に「国際頭痛分類 第3版β版」をこの問診の中に組み込まれます。
 そして、専門家にとっては「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療のロードマップであり、「慢性頭痛の診療ガイドライン」は道先案内人とされ、これに頭痛ダイアリーが必要とされます。こうしたことから片頭痛治療は「薬物療法」がすべてとなります。
 まさに、「国際頭痛分類第3版 β版」とは、専門家にとっては教義・教典のようです。 学会とは、このような”絶対的教義”を信奉する集団であることから”カルト教団・集団”なのでしょうか?まさに宗教法人そのもののようです。現実に、片頭痛の医療界に”カリスマ医師”がおられることからも納得されるかもしれません。頭痛診療・研究の世界は、まさしく”神秘性を秘めた霊界”そのもののようです。
 このように、片頭痛が”神聖な頭痛”として崇め奉られることによって、カリスマ医師を教祖様として、その信徒として患者団体が組織され、日本全国から片頭痛患者さんは”教祖”様のご託宣を求めてこうした頭痛外来へ参詣されます。
 さらに頭痛の専門家ですら全国各地で行う勉強会にこうしたカリスマ医師を招聘して”ご託宣”を仰ぎ、これを有り難く”拝聴”されているという構図が形成され、まさしく”カルト教団”そのもののようです。こうした、「勉強会」は一般の医師には公開されない謂わば「秘密結社の会合」を思わせます。
 こうしてみれば、トリプタン製剤は”神薬”とも称されるものであり、カリスマ医師をお慕いする信者はカリスマ医師から授けられる”神薬”を恭しく頂くというあり方が”何ら異常性”もなく受け入れられているのが現実のようです。
 このようにして、トリプタン製薬メーカーから”カリスマ医師”として煽て上げられ・祭り上げられることによって、医師は医師として、トリプタン製剤を乱発し、両者の利害関係が一致することによって万々歳という構図になっているようです。

 とくに「頭痛学」という”自然科学”の分野において、”絶対的な基準”を設けていること自体が”異常”とも考えるべきものです。まさに、”カルト宗教”の世界でもみるかのごとき錯覚を覚えます。

 その”教義”(例えば、片頭痛に関するものです)として・・

  あなたの頭痛は「頭痛持ちの頭痛」です。
 原因は、生まれつき、脳がちょっとしたことで興奮しやすい「脳過敏」にあります。
 このため、頭の良い、聡明な方が多く、一般人とは違います
 その症状は、神秘的で不思議なものです。普通の人間とは、デキが違う特別な存在です。
 生まれつきのものですから、治ることはありませんが、いずれ年をとれば起こらなくなります。(まさに、神懸かり的な発想としか言えません)
 頭痛と首とは全く関係なく、ストレートネック・「体の歪み」などは論外です。
 頭痛発作時には、トリプタン製剤をタイミングよく服用しましょう
 このように、毎回発作時にトリプタン製剤で対処しませんと、後々、頑固な頭鳴、耳鳴り、めまいを引き起こし、極めてやっかいな状態に至ります。
 しかし、このようにしておれば、いずれは治まってきます。

 このような”教義”のもとに、カイロプラクター・整体師・鍼灸師を排斥されます。
さらに、慢性頭痛を考える上で、最も重要とされる「体の歪み(ストレートネック)」
は、まったく検証することなく”エビデンスなし”、とされます。

 こうした論理そのものは、まさしく、カルト宗教・教団としか言えないようです。

「頭痛学」は”神学”なのか???

 頭痛専門医は、「国際頭痛分類 第3β版」をもとに「片頭痛」をあくまでも「症状」の上から捉え、個々の現象を”総合して”考えることなく、バラバラであるということです。
 この点は、間中信也先生が開設されるホームページ「頭痛大学」に象徴されます。
 確かに、膨大な論文が掲載されてはおりますが、これらがお互いどのように関連しているのかという”総括”が全くありません。これをご覧になられる読者の判断にすべて、”おまかせ”されているようです。
 これと同じことが、頭痛研究の場でも、存在するようです。例えば、片頭痛の領域においては、「女性の片頭痛」「小児の片頭痛」「片頭痛の発生機序」・・それぞれの分野には、昔から”大家”と称される先生方がおられ、独立した形で全てが説明され、お互いは、それぞれの”独立性”を厳守され、お互いの領域を侵さない方針のようです。
 こうしたことから、慢性頭痛全般、片頭痛全般を”総括”される先生はどなたも、これまでいらっしゃいませんでした。この点は、頭痛関連の特集号をご覧頂ければ、一目瞭然です。こうしたことは、統一した研究指針が存在しないことを意味しています。要するところ、一貫性がなく、一本筋が通っていないということになります。
 また、頭痛を研究される先生方には、脳神経外科、神経内科医、小児科医、産婦人科医、麻酔科医・・と多岐にわたっています。そして、何故だか、各科の先生方は、脳神経外科医の考えに対しては、特別の感覚を持たれておられるように見受けられます。
 とくにカリスマ医師と称されるメスを捨てた「脳神経外科医」にしか関心はありません。
 慢性頭痛が、「脳のなかには異常のない頭痛」とされながら、旧態依然として、二次性頭痛の”頭痛の発生機序”の観点から説明を試みられます。その代表が、片頭痛は”中枢神経疾患”であるという考えで、これは「片頭痛発生器」の存在を根拠とされます。同様に、「脳過敏症候群」もこのような観点が貫かれているようです。
 こうした考え方は、脳神経外科医が提唱されるが故に、脳外科医以外の大半の先生方は無批判に容認されておられる傾向があるようです。まさに、ベンケーシーの時代感覚が、現在でも受け継がれているというのでしょうか?

 そして、トリプタン製剤が販売されて以降、片頭痛研究は、トリプタンの作用機序を中心として行われているようです。これ以外には、全く関心がないようです。


 こうした時代において、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の出現は、青天の霹靂以外何物でもなかったのではないでしょうか?
 このような分子化学の立場から論じられる先生は、以前の下村登規夫先生以来ではないでしょうか? 今後、これに対してどのような対応を示されるのか見物です。
 このような観点の相違を認識した上で、後藤先生の著書をご覧になられれば、現在の「頭痛専門医」との考えの相違が理解されるのではないでしょうか?


 私の考え方は、これまでも繰り返しましたが、頭痛専門医の基準とされる「国際頭痛分類」を離れて、現実の「慢性頭痛」の方々の”生涯経過”がどのようになっているのかという観点から、片頭痛という病気がどのようなものかを、考えるべきと思っています。

 このように3者とも、片頭痛という病気を考える際の”基準”が全く異なるということです。

 一昨年の学会の「頭痛診療」の均てん化の理念はどこにあったのでしょうか? 外国の理念を徹底させることが、すべてなのでしょうか?
 それもトリプタン製薬メーカーの論理がすべてのようです。
 まさに”神学”の世界としか、表現できません。学問の世界は、それこそ、泥にまみれた、根気を必要とする世界ではなかったのではないでしょうか? きれいごとだけではないはずです。私には、全く理解不能の世界としか思えません。
 この本来の目的は、「ガイドライン」を徹底させるということなのでしょうか?

 こうした意味で、頭痛医療の原点をもう一度、振り返る必要があるようです。
 そうすれば、その真の目的が理解できるのではないでしょうか。

 少なくとも、片頭痛は本来「生活習慣病」であるはずです。ここに”遺伝性疾患”であるという論点を持ち込むことによって、小橋雄太さんには「病院はカルト宗教の神殿か」といった皮肉を言われている始末です。

 こうした、皮肉はあってはならないことです。片頭痛は以下のように考えるべきであり、これしか今後の展望は開けないと思っております。

 その基本はこれまでも述べておりますように、以下の観点です。

  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目が挙げられます。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
   2.免疫(腸内環境)の関与
   3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
   4.体の歪み(ストレートネック)の関与
   5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   6.ミトコンドリアの関与

 このような論点から、論ずるべきです。


 少なくとも「臨床頭痛学」は、自然科学の分野にある学問であるはずです。こうした世界に”絶対的な基準”を設けることそのものが”異常そのもの”であり、このような”異常性”を認識されない専門家の考え方そのものが問われなくてはならないはずです。

目次へ


10.片頭痛は”中枢性疾患”???

 最近の片頭痛研究領域では,片頭痛の発症機序の考え方に、片頭痛前兆の研究や片頭痛特効薬トリプタンの作用メカニズムなどから、現在では血管の疾患ではなく、大脳の深い部分にある間脳あるいは脳幹と呼ばれる器官の付近に「片頭痛発生器」があると考えられるようになってきています。つまり片頭痛は「中枢神経疾患」であると考えられています。 こうしたことから、中枢神経性の要素を考慮することがすでに近年の研究の主流になってきており,片頭痛の予防の考え方も中枢神経の興奮性(脳過敏)の抑制に変化しつつあり,片頭痛の予防薬の開発目標は、皮質拡延性抑制をいかに抑える薬を見つけるかが鍵になっています。そして、今後の新薬の開発に躍起になっている現状が存在します。
 この中枢神経の興奮性(脳過敏)の抑制を目的として、脳過敏症候群なる説も輩出され、専ら「抗てんかん薬のデパケンで治療する」のが原則とされ、これに従わない医師は「ヤブ医者」呼ばわりされている現状があり、デパケン以外の「抗てんかん薬」の新薬が多数検討されるに至り、さらに片頭痛は進行性疾患とされるに至っております。

 現在、このような考え方で片頭痛研究は進められていますが、・・・

 このような”考え方”のおかしさは、以下の点からも明らかです。

 片頭痛が本来、脳のなかに異常のない頭痛と、明確に”定義”しておきながら脳のなかに異常がある”中枢性疾患”としたことです。この矛盾をどう説明されるのでしょうか?
 百歩譲って、仮に片頭痛が進行性の中枢性疾患であるとすれば、行き着く先は”死”を意味しています。
 古来から、極めて多くの方々が片頭痛に罹患されましたが、こうした方々は片頭痛が原因で無くなられたのでしょうか?

 このように単純に考えても、こうした考え方の誤りは明白です。


 どうして、このような考え方に至ったのでしょうか?

 それは、まず、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の観点からだけで、考えたことにあります。片頭痛の病態はもっと別にあるはずです。これまで述べた通りです。

 さらに、皮質拡延性抑制の要因を”脳循環動態”のみから考えることにあります。
 これも、もっと別にその要因は存在するはずです。これもこれまで指摘しました。

 結局のところ、一次性頭痛とされる脳の中に異常のない頭痛である慢性頭痛全体を俯瞰するような”総説”を描くことができなかったことによるものです。
 片頭痛が、慢性頭痛のなかでどのように位置づけされるのかを俯瞰しなくてはなりません。こうした ”設計図もしくは羅針盤”ないがために、こうしたことが、これまで慢性頭痛の定義そのものを変更せざるを得なくなっています。

 これまでも述べてきましたが、中枢神経の興奮性(脳過敏)の要因は、本来、以下があるはずです。

             ”脳過敏”を引き起こす要因

          1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
        2.脳内セロトニンの低下
        3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続

 この点に関しては、以下の記事で述べたばかりですので、省略します。

    慢性頭痛の周辺 その44 脳過敏
      http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12001284444.html


以上から、片頭痛が”中枢性疾患である”とする考え方には無理があります。

 少なくとも、

         1.ミトコンドリアの機能低下
        2.脳内セロトニンの低下
        3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続

 から、考えるべきものです。

目次へ


11.製薬メーカーの”マインド・コントロール”って???

 どの製薬メーカーも「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念(存在意義)に掲げ、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業展開を図っています。このようにメーカーの存在意義を掲げ事業を展開し、医師および私達にアピールして参りました。これを特に医師は、信じ切っているのが現状です。
 果たして、これが真実の姿なのでしょうか。特に片頭痛医療の世界では・・

 ”製薬業界は私達の社会をコントロールし続けます。製薬業界の求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。この権力を確実に手放さずに済むよう、製薬企業は立法機関およびメディアをうまく操っています。全メディアを通じた大規模な宣伝キャンペーンでは、医薬品のPRおよび宣伝部門によって、製薬業界の真実を隠そうと煙幕が張られています。
 製薬企業は、ルイ・パストゥール、ロバート・コッホ等の医学上のパイオニアと重ね合わせて自社のイメージを描こうとしています。彼らは人道主義に基いて疾病の根絶を目指していると主張しています。しかしながら、真実はまったくその逆です。つまり、製薬業界は、製薬市場拡大の基盤として疾病を存続させ続けることが目的なのです。コーデックス・カルテルは、意図的な疾病の根絶妨害をその目的としています。したがって、製薬業界は人類救済の伝統にもとづいてではなく、自らの利益を維持するために無数の人間を犠牲にする組織的犯罪者のグループであるIGファルベン社の伝統に基づいて運営されているのです。”

 (DR.RATH HEALTH FOUNDATION の「製薬業界は一般大衆を欺いている」から引用)



 それでは、片頭痛医療では、どうなっているのでしようか

 まず、トリプタン製薬メーカーは、国際頭痛学会の名のもとに、「国際頭痛分類」を作成し、これまで大きな改訂を3回行ってきました。この「国際頭痛分類 初版」はトリプタン製剤が1980年代に開発されたことによって、これを臨床試験を行うための基準として作成されました。1990年代になり、トリプタン製剤が販売されてから、欧米でトリプタン製剤が爆発的に売れるようになり、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛が多発したことによって、2004年「国際頭痛分類 第2版」に改訂されました。この「国際頭痛分類 初版」をはじめ「国際頭痛分類 第2版」は欧米のトリプタン製薬メーカーとトリプタン御用学者が作成したものです。この点ははっきり認識しておかなくてはなりません。

 これに10年遅れて、2000年に日本でもトリプタン製剤が発売されましたが、この前年度の1999年から現在の学会を主導される方々はADITUS Japanを結成され、これはトリプタン製薬メーカーが運営資金提供され、日本全国の脳神経外科・神経内科を中心とした医師への啓蒙活動というよりは宣伝活動を展開しました。当時は、片頭痛の研究は、日本より欧米が遙かに進んでいたことから、片頭痛の知識をADITUS Japanを通して、医師に広めることになりました。

 このようにして、「国際頭痛分類 第2版」をもとに、「慢性頭痛診療のガイドライン」を作成されることになりました。慢性頭痛とされていますが、緊張型頭痛は取るに足らない頭痛とされ、結局のところ片頭痛の治療方針がすべてで、「国際頭痛分類 第2版」は欧米のトリプタン製薬メーカーとトリプタン御用学者が作成したものであったことから、当然のごとく、トリプタン製剤が片頭痛治療の第一選択薬とされ、これ以外はすべて一切エビデンスなしとされました。
 このような事実は、これまで悠久の昔から、カイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々の考え方があり、こうした考え方すべて排斥されることになりました。

 さらに、片頭痛の遺伝様式が、”多因子遺伝”によるものとする”日本独自の考え方が既に存在していましたが、こうした考え方はすべて排除され、一掃されることになりました。
 結局「国際頭痛分類第2版」で、片頭痛を明確に定義することによって”片頭痛と間違いなく診断”して、この片頭痛に対して「慢性頭痛診療のガイドライン」に基づいて”トリプタン製剤を処方させる”ためのものでした。 

 「国際頭痛分類第2版」は2013年に「国際頭痛分類 第3版β版」へと改訂されましたが、学会を主導される方々は、「国際頭痛分類 第3版β版」が「国際頭痛学会」が作成したという大義名分のもとに、片頭痛診療および研究を行う際の世界共通の言語であるとされ、この基準を片頭痛診療および研究を行う場面での絶対的基準とされるまでになってしまいました。そして、「国際頭痛分類第3版 β版」に記載されないものは、自らの手を汚して検証することもなくエビデンスなしとされ、まさに絶対的教義・教典とされます。
 このようにして、トリプタン製薬メーカーは学会を主導される方々を完璧に支配下におくことになりました。

 このため、学会を主導される方々は、日本の業績よりは、欧米の文献的エビデンスを最優先され、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考え、原因不明の”不思議な・神秘的な頭痛”とされ、一生、お付き合いすべきとされ、高価なトリプタン製剤と予防薬の併用を行う「薬物療法」に終始することになりました。
 こうしたことから、片頭痛が”多因子遺伝”という発想は生まれることはなく、予防すべき頭痛という考えは一切取り入れることなく、このことはトリプタン製薬メーカーには申し分のない見解となっているわけです。まさに利害は一致したことになりました。このようにして、片頭痛を予防し、撲滅するような考えに至ることはなくなってしまいました。

 さらに、トリプタン製薬メーカーは「患者団体」を味方に付けることによって、会員の方々を、一部の専門家に送り込み、トリプタン製薬メーカーはメーカーとして、こうした一部の専門家を”片頭痛医療界のカリスマ医師”と祭り上げ、こうした一部の専門家は医師として、トリプタン製剤を乱発し、益々、トリプタン製薬メーカー側から煽て上げられます。このようにして、トリプタン製剤の販路拡大・販売促進をさせてきました。

 2000年トリプタン製剤が日本で初めて導入されて以来、トリプタン製剤が次々に4つのトリプタン製薬会社から5種類発売になりました。その都度、発売前には全国の多くの施設で”治験”が行われ、発売後は”市販後調査”が行われ、こうした施設には製薬メーカーは多額の謝礼を支払います。こうした方々のなかにはこの謝礼をもとに”トリプタン製剤”の宣伝を目的とした書籍を次々に出版されます。これに対しても、メーカーとして支援の手を差し伸べます。

 最近では、生理痛が片頭痛そのものであるとして、専門医を宣伝員として、トリプタン製剤の販路拡大をめざしています。それも役者を変え、入れ替わり立ち替わりです。
 このなかでは、生理時の片頭痛が、いつもの片頭痛よりなぜ発作の持続時間が長く、程度も酷いのかを説明することなく、ただ単に”ある種”のトリプタン製剤を推奨されます。
 このことに関しては、「”頭痛”はなぜ女性に多い?」で明らかにしました。

 このような馬鹿げた考え方で、トリプタン製剤の販路拡大・販売促進をさせてきました。

 毎年、頭痛学会総会が開催されます。この総会では、他の学会と異なる点は、シンポジウム、教育講演、ランチョンセミナー、イブニングセミナー、招待講演等々、多数行われますが、これら全てが「トリプタン製薬」の製薬メーカーがスポンサーとなります。そして全国各地で、頭痛研究会や勉強会が開催されますが、すべてトリプタン製薬会社がスポンサーになります。
 そして、多くの研究者には人知れず”資金提供”をされ、いわばメーカーは学会を主導される方々との二人三脚で、片頭痛の啓蒙活動と同時にトリプタン製剤の売り込みを画策されてこられました。このようにトリプタン製薬メーカーは資金提供を惜しみません。
 このようにトリプタン製薬メーカーの前では、学会を主導される方々は、まさにトリプタン製薬メーカーの言われるがままのピエロのような存在でしかありません。

 トリプタン製薬メーカーは、1999年からADITUS Japanを手始めとして、一般の方々には新聞テレビ等々のマスコミを通じて、トリプタン製剤が”片頭痛の特効薬”との誇大広告を大々的に行い、ここでも”片頭痛医療界のカリスマ医師”を利用されてきました。
 こうした医師の説明では、必ず、片頭痛と緊張型頭痛を対比して説明され、あたかも片頭痛と緊張型頭痛が”全く別の頭痛”とされることになりました。現在でも、ネット上では、片頭痛と緊張型頭痛が全く別の頭痛とされるのが一般常識とされます。こうしたことは、専門医にまで波及させるほど徹底しています。こうしたことから、片頭痛が緊張型頭痛と連続したものでありながら、片頭痛と緊張型頭痛は全く別の頭痛であるとの考え方が専門家のなかまで浸透し、片頭痛と緊張型頭痛は全く別の頭痛であるとの”神話”を作り上げ、すべてのマスコミを操作してきました。
 このようにして、慢性頭痛の起点ともなる緊張型頭痛を取るに足らない頭痛と考えさせることによって、片頭痛の病態解明を”闇へと葬むる”ことにしてしまいました。

 このようにして、トリプタン製薬メーカーは、学会を主導される方々には、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の絶対的基準とさせ、慢性頭痛とくに片頭痛の本態解明を阻害してきました。

 さらに、私達一般の方々には、片頭痛は”遺伝的疾患”であり、原因不明の”不思議な・神秘的な頭痛”であり、一生、お付き合いすべきとされ、高価なトリプタン製剤を服用すべきと説かれます。片頭痛は緊張型頭痛と厳然と区別すべきとされ、緊張型頭痛は取るに足らない頭痛であり、片頭痛は一般人が立ち入ることが許されない”神聖な頭痛”といった”神話”を蔓延させてることで、マスコミを操作します。

 このようにして、トリプタン製薬メーカーは、学会および学会構成員さらに患者団体・一般患者までを完全に支配下におき、頭痛研究をコントロールしてきました。
 こういったことから、未だに片頭痛は”遺伝的疾患”であり、”不思議な・神秘的な頭痛”とされ、片頭痛は凡人が立ち入ることを許されない”神聖な頭痛”とされ、片頭痛病態の究明には程遠いという現状が生み出されてきました。

 こうしたことから、学会を主導される方々は、片頭痛の病態はすべてトリプタン製剤の作用機序から説明可能とされ、片頭痛の治療体系はトリプタン製剤が導入されたことによって確立されたと自画自賛され、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的な基準とすることによって、これがまた片頭痛の病態解明を阻んでいる原因ともなっています。自然科学の分野に”絶対的基準”を設けることが”異常な”ことでありながら、こうした”おかしさ”を”おかしい”とも思わせない程、コントロールしつくされており、これを自覚できていない専門家にも問題があるように思われます。この点が最も問われなくてはなりません。このような理不尽なことが行われています。
 そして、客寄せパンダにも等しい”頭痛専門医”という称号欲しさに、こうした方々が絶対服従される姿があるのかもしれません。このようにして、専門家の考え方をトリプタン製薬メーカーの論理に引きずり込んで、これに対して、何ら疑問すら感じていないということに他なりません。こうした現実を看過すべきではないはずです。

 このように、トリプタン製薬メーカーは、緊張型頭痛と片頭痛は全く別の頭痛であり、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であって、”多因子遺伝”という考え方は一切否定されます。
 そして、片頭痛の病態そのものは、トリプタン製剤の作用機序の観点からすべて説明可能とし、辛い頭痛からの解放を”最大の福音”とされます。
 このようにして、片頭痛は、原因不明の”不思議な・神秘的な頭痛”とされ、一生、お付き合いすべきとされます。
 こうした点を頭痛診療および研究において徹底させ、頭痛研究をコントロールし、片頭痛の病態解明に対して煙幕を張り巡らされ、片頭痛根絶とは程遠い現状に至らしめています。

 このようにしてトリプタン製薬メーカーは学会を主導される方々および専門家をマインドコントロール下に置くことによって、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的基準とし、研究をコントロールし、こうしたあり方そのものに何ら疑問を抱かせることもなく、こうした異常性を異常性とも感じさせなくさせています。
 このため、昨日のような「片頭痛が”中枢性疾患”である」といった突拍子もない考え方が、極く自然に・当たり前のように受け入れられます。
 一般開業医の眼からは「学会を主導される方々および専門家」とはカルト教団・カルト教徒としか思えないというのが実感とするところです。


 本来、片頭痛は以下のように考えるべきものです。


  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与


 このような論点から、慢性頭痛とくに片頭痛を論じていくべきです。

 あくまでも「国際頭痛分類第3版 β版」は単なる”頭痛の分類”に過ぎないはずであり、これを頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とすることに問題があります。

 こうした考え方が、私達、現実に片頭痛を抱え、悩まれる方々に有益な考え方なのかを、私達自身が冷静に見つめ直す必要があります。  

目次へ


12.マインド・コントロールされた専門家は??

 昨日の記事に対して、一般の方々に分かりにくいとのコメントを戴いたことから、角度を多少変えて書き直すことに致します。
 昨日は、どのようにしてトリプタン製薬メーカーが、専門家の方々をマインド・コントロールしてきた経緯・過程について述べました。

 実際に、専門家の方々は、これをどのように考えておられるのでしょうか?

 専門家の方々は、「国際頭痛分類 第3版β版」を、頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とされ、これを世界共通の言語とされます。
 専門家にとっては「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療のロードマップであり、「慢性頭痛の診療ガイドライン」は道先案内人とされ、これに頭痛ダイアリーが必要とされます。こうしたことから片頭痛治療は「薬物療法」がすべてとされました。

 頭痛診療の現場では、専門家としての独特な問診方法を駆使され、極めて巧妙・完璧に「国際頭痛分類 第3版β版」をこの問診の中に組み込まれます。独特な思考様式を展開され、緊張型頭痛は取るに足らない頭痛と除外され、片頭痛を最優先されます。
 そして、錯綜と複雑化した頭痛に対しては、頭痛ダイアリーを記録させることによって、「国際頭痛分類 第3版β版」をもとに診断を下すことになります。
 片頭痛治療の世界にトリプタン製剤が導入されたことによって、片頭痛の病態はすべてトリプタンの作用機序から説明され、片頭痛の治療体系は確立されたとされます。 

 (本来、片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛と考えるべきものです)

 さらに、頭痛研究の場面では、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”とされ、関連遺伝子の探索に腐心されます。
 決して、”多因子遺伝”といった観点からは考えず、環境因子が何かといった研究は論外とされ、こうした面からの予防は全く眼中にはありません。こうしたことから、片頭痛は、脳のなかに異常のある”中枢性疾患”と考え方を改め、片頭痛の予防の考え方も中枢神経の興奮性(脳過敏)の抑制に変化し,片頭痛の予防薬の開発目標は、皮質拡延性抑制をいかに抑える薬を見つけるかが鍵になっています。そして、今後の新薬の開発に躍起になっています。

 「国際頭痛分類 第3版β版」を絶対的基準とすることから、ここに記載のないことは、全く論外とされ、特に「体の歪み(ストレートネック)」は検証もすることなく、エビデンスなし、とされます。このため、「体の歪み(ストレートネック)」を理論的な背景とするカイロプラクター・整体師・鍼灸師の施術の価値を評価することはありません。
 卑近な例として、カイロプラクター・整体師・鍼灸師からは、片頭痛の前兆である閃輝暗点と「体の歪み(ストレートネック)」の関与を指摘され、自らの施術により閃輝暗点、片頭痛を改善されて来られました。
 実際に、小橋雄太さんには自分の片頭痛体験から、「体の歪み」を是正することによって前兆である閃輝暗点、片頭痛が改善されたと指摘され、私もこれを参考にして、実際の患者さんで検証することによって、「体の歪み(ストレートネック)」を改善させることにより閃輝暗点、片頭痛ともに改善されることが明らかになってきました。
 このように”片頭痛の前兆である閃輝暗点と「体の歪み(ストレートネック)」”の関与は明白であるにも関わらず、専門家は、閃輝暗点が発作時の血流低下の状態をSPECTもしくはMRIで確認したことだけのことを過大評価され閃輝暗点が”頭痛発作時の結末”を観察しているに過ぎないはずでありながら、昔取った”杵柄”をもとに”脳循環”の観点しか念頭にはなく、聞く耳をまったく持たれません。

 「体の歪み(ストレートネック)」は、慢性頭痛のスタートとなる緊張型頭痛の根本要因であり、慢性頭痛の基本的病態ともなるものです。
 そして、「体の歪み(ストレートネック)」まで至る以前の段階で、前屈みの姿勢から後頸部の筋肉の異常な緊張から生じる緊張型頭痛を、まったく取るに足らない頭痛として無視されます。
  こうすることによって、慢性頭痛のスタートになる緊張型頭痛を否定され、さらに慢性頭痛(緊張型頭痛も片頭痛も含めて)の骨格をなすはずの「体の歪み(ストレートネック)」を否定することによって、慢性頭痛そのものを骨抜きにしてしまっています。
 このようにして、慢性頭痛の原因そのものは不明とされることになっています。

  「体の歪み(ストレートネック)」は、片頭痛の慢性化・引き金・増悪因子ともなり、閃輝暗点を引き起こしてくるはずのものです。さらに、片頭痛発作が天気・低気圧に左右されることの最大の原因ともなっているはずです。
  このような、閃輝暗点や頭痛発作が天気・低気圧に左右されることは、一般人には、不可思議な症状そのものです。専門家が、「体の歪み(ストレートネック)」を否定することによって、片頭痛は”不思議で・神秘的な”頭痛ということになってしまいます。

 専門家たちは、欧米の文献的エビデンス(それもトリプタン御用学者の文献的エビデンス)を最優先されることから、本来、日本の業績であった”片頭痛が多因子遺伝”という考え方は、否定され、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であることが貫かれます。 こういったことから、”多因子遺伝”という考え方が排除され、予防的観点が失われることになりました。このため、「慢性頭痛の診療ガイドライン」には、生活指導(生活習慣の改善)の項目は織り込まれることはありません。
 この結果、片頭痛は予防するといった観点は全くなく、益々、片頭痛を熟成させることになり、片頭痛を永久的に”存続”させ続けることに至ります。
 こうしたことは、トリプタン製薬メーカーにとっては、極めて申し分ないことになります。これまで、トリプタン製薬メーカーは、莫大な資金を投じて、専門家たちを洗脳し、マインド・コントロールして来られたわけですから・・。

 「臨床頭痛学」という自然科学の分野に、「国際頭痛分類第3版 β版」という”絶対的な基準”を設けることの”異常性”を認識しなくてはなりません。
 まさに、カルト宗教そのものであり、トリプタン製薬メーカーによって洗脳され、マインド・コントロールされつくされて居ると言っても過言ではないはずです。

 このようにして、洗脳されマインドコントロールされた専門家の方々をどのようにして、誰がこのマインド・コントロールから解放させることができるのでしょうか。
 一般人の方々のマインド・コントロールからの解放の難しさが指摘されています。
 最近の例では、タレントの元オセロのN.T.さんが典型的です。NTさんは、霊媒師さんには、洗脳されてはないと言い張ります。しかし、周辺の方々は洗脳されていると主張されます。このような例をみても、洗脳された本人は決して、洗脳されたとは思っていないことが特徴とされます。このため洗脳からの脱却は困難を極めることになります。

 片頭痛医療界では、洗脳されたのは”医師”そのものです。こうしたマインド・コントロールされた”医師”は、自分が洗脳されているといった意識は、サラサラありません。 この点が最も問題とされなくてはなりません。こうした洗脳されていないと言い張る専門家に、あなたは洗脳されているから、ここからマインド・コントロールを解く必要があると説得したからといって、誰がこのような忠告に従うというのでしょうか。誰が解放させることができるというのでしょうか。こうしたことは到底不可能なことを示しています。
 とくに研究費が絡んでくれば、益々、困難を極めるものと思われます。

 これまでもカイロプラクター・整体師・鍼灸師の実績を否定され続け、さらに、最近では分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考え方が示され、これに従うことで極めて多くの方々は片頭痛を改善されて来られました。こういった実績・事実にも、これまでと同様に眼を背けるものと思われます。
 マインド・コントロールされた”人間”の本質的な特徴ですから、他人の言うことを聞く耳はまったく持つことはなく、周辺の状況には全く無関心です。

 このように考えれば、まさに暗澹たる気持ちにならざるを得ません。

 こうしたことを考えるなら、私達はどのように対処すべきでしょうか。

 結局、専門家とは、正反対に”片頭痛”を考えさえすれば済むことです。

 本来、片頭痛は以下のように考えるべきものです。


 
まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与


 こういった観点から、片頭痛を考え、どのようにして改善させ、予防すべきかを、皆さんと一緒に、考えていかなくてはならないと思っております。
 従来の「頭痛外来」のような”薬漬け”の医療から脱却すべきであり、それより、根本的に改善させ、予防すべきであるとの観点に方向転換しなくてはなりません。
 今後、こうした観点から、「素朴な疑問」を進めて参ります。批判する以上は、”対案”が必要とされるはずですから・・ 不安を煽る意図は全くありません。

目次へ


13.緊張型頭痛と片頭痛はまったく別の頭痛である・・ウソ、ホント

 片頭痛医療の世界にトリプタン製剤が導入された段階で、トリプタン製薬メーカーは、トリプタン製剤の販売促進目的のために、私達一般の方々に向けて、新聞・テレビ・ネットを通じて、「片頭痛の啓蒙活動」を行い、医師には、こうした片頭痛の知識をパンフレット・冊子にして啓蒙活動を盛んに行ってきました。
 こうした啓蒙活動のなかで常に示されるのは、「片頭痛が緊張型頭痛とは明確に区別される」とされてきました。これは、医師に対しては片頭痛であれば、トリプタン製剤を処方させるためであり、一般の方々には「片頭痛であれば、片頭痛の”特効薬”がある」ということを宣伝する目的で、明確に区別していました。これが、いつしか専門家の間ですら片頭痛と緊張型頭痛は明確に区別されると”錯覚”される原因にもなっています。

 こうしたなかで、専門家が使う、「国際頭痛分類第3版 β版」の真の目的とすることは、片頭痛を明確に定義することによって”片頭痛と間違いなく診断”して、この片頭痛に対して”トリプタン製剤を処方する”ためのものです。
 このため、”片頭痛と明確に定義された”「国際頭痛分類 第3版β版」の基準に合致しないものが緊張型頭痛とされ、いわば緊張型頭痛は”ゴミダメ”的な性格の強い頭痛とされ、専門家の間では、極めて”取るに足らない頭痛”とされています。
 しかし、緊張型頭痛と片頭痛、の境界領域にあるものが存在し、この2つが明確に区別できません。
 そして、現実に、”同一の”一次性頭痛(慢性頭痛)の患者さんを詳しくみてみますと、緊張型頭痛の要素、片頭痛の要素、を混在しています。このように考えれば、緊張型頭痛、片頭痛、も一連の連続したものと考えるのが当然と思われ、こうしたことから、機能性頭痛一元論という考え方をされる頭痛の専門家もおられることを忘れてはなりません。

 単純に言えば、”生活に支障を来せば”片頭痛であり、”生活に支障がなければ”緊張型頭痛であり、この両者は連続したものであり、そして、緊張型頭痛であれ片頭痛であれ、共通した病態が存在しているということです。

緊張型頭痛がひどくなると片頭痛になる?

 「日常的に肩こりを自覚していて,疲れたり睡眠不足になると肩から後頭部に重い感じの痛みが上がってくる。後頭部の鈍痛で終わるときもありますが,我慢していると頭全体がガンガン痛んで吐き気も出現し,ひどいと嘔吐する。ガンガン痛いときには,家族の話し声もうるさく感じて,静かな部屋で暗くして横になると少し楽になる」といった患者さんはよく遭遇します。ひどい頭痛はおそらく片頭痛と診断して問題はないでしょう。後頭部の鈍痛に関しては、緊張型頭痛と診断される場合が多いと思われます。このように緊張型頭痛で始まり、程度が強くなると拍動性の頭痛を伴うものを、オーストリアのランス Lance は緊張・血管性頭痛 tension-vascular headache と命名しました。このように一連のものです。

片頭痛が緊張型頭痛に化ける?

 「20 歳ころから時々片頭痛発作を起こし結婚後片頭痛発作が頻繁になるが、40 歳ころから緊張型頭痛が加わってきて、50 歳を過ぎると寝込むようなひどい頭痛発作は起こらない代わりに、だらだらと重く締め付ける感じの頭痛が続くようになった。」このような患者さんは古い分類で混合性頭痛としていた典型例です。国祭頭痛学会分類では、以前のものは片頭痛で、中年以降の頭痛は緊張型頭痛と診断されるでしょう。このようなパターンを片頭痛が加齢とともに変化したということで、米国の Mathewは変容性片頭痛という概念を提唱しています。ただ国祭頭痛学会分類の範疇としては現在のところ認められていません。

 一方、片頭痛の治療に市販の鎮痛薬・トリプタン製剤などを乱用していますと頭痛が発作性の型から、連日性になっていくことがあります。

 いわゆる薬物乱用による「慢性連日性頭痛」ですが、これも 変容した片頭痛の一種と考えられています。

片頭痛と緊張型頭痛の多くは症状は重複

 片頭痛と緊張型頭痛の症状の多くは重複していて、個々の症状のみで診断することは困難です。たとえば、軽度~重度の頭痛、両側性および片側性の頭痛は両者に認められます。
 また、片頭痛、緊張型頭痛ともに拍動性でないことが多く、さらに、緊張型頭痛の特徴と認識されることの多い「肩こり」も多くの片頭痛で随伴しています。

片頭痛因子(血管症状)
    
    拍動痛
    片側性
    高度頭痛
    悪心・嘔吐

緊張型頭痛因子(筋症状)

     締め付け感
    圧迫感・頭重
    後頭部の頭痛
    肩こり


片頭痛の本質は「エスカレーシヨン」(Cady )


 まず神経系の変調があると予兆を、神経活性物質変化で前兆を、さらに、三叉神経が刺激・感作されますと(軽度の頭痛)緊張型頭痛が引き起こされます。 
 血管が活発化・賦活されますと神経血管系感作を引き起こし(中等度~重度の頭痛)片頭痛へ、中枢感作(再刺激に感じやすい状態)が起きますと、ひどい片頭痛(重度の頭痛)が起きてきます。
 すなわち、片頭痛は三叉神経の脱抑制(抑制が効かなくなった状態)により緊張型頭痛が起こり、さらに神経血管系が活性化されて初めて片頭痛が起こってきます。
 エスカレーシヨンの程度によって、緊張型頭痛~強弱さまざまな片頭痛が出現することが理解されることと思います。このように一連したものということです。
 天気に喩えますと、片頭痛は「雨」、緊張型頭痛は「曇り」に相当し、両者には明瞭な差があります。雨は曇り空から降り出します。つまり、緊張型頭痛が先行します。雨の降り方もさまざまであり、片頭痛の臨床症状の”多彩さ”と一致します。

 Cadyは片頭痛と緊張型頭痛は”共通の病態生理”を持つと考えられるとして,一次性頭痛(機能性頭痛)一元説について述べています。
 片頭痛の発生過程は,まず患者の”遺伝素因”にホルモン状況の変化や睡眠時間の変化,アルコール摂取などの”環境因子”が加わることで,片頭痛が起こりやすくなること,すなわち脳の感受性が高まることから始まります。
 次いで,気分や食欲の変調,肩こり,感覚や意識の変化,疲労などの前駆症状があり,症例によっては眼がチカチカするなどの前兆を伴って頭痛が出現します。ここまでが前駆期で,次の頭痛期は一般的に軽度の頭痛で始まり,病状が進行すると中等度~重度となり,光過敏や音過敏が増強,悪心・嘔吐などを伴って国祭頭痛学会分類診断基準を満たすことになります。そして頭痛が頂点に達すると,中枢性のアロディニア(異痛症)を呈することになります。
 つまり,一次性頭痛一元説では,頭痛が軽度の段階でおさまる場合は緊張型頭痛とみなしています。ひどくなれば片頭痛へ移行するということです。


 頭痛が起こり始めた時、この頭痛がどこへ行くかはミステリーなのです。緊張型で終わるのか、緊張型頭痛経由片頭痛なのか、片頭痛直行なのか。これは患者さんにも分かりませんし、医者にはもっとわかりません。(引き金がどの程度重なるかで左右されます。)
 頭痛体操やストレッチ、階段の上り下りをしてみても見極めがつかない場合は、飲み慣れた使いやすい鎮痛剤を飲んで戴いて、30 分後に頭痛が悪化してくるようならトリプタン系薬剤を飲んで下さい。また、朝から痛い場合は片頭痛と考えられますし、ご自分の経験上片頭痛だとわかる場合には、最初からトリプタン系薬剤を服用して下さい。


 以上のように、緊張型頭痛も片頭痛は明確には、現実に区別できないということがお分かり頂けたかと思います。その理由は、緊張型頭痛も片頭痛も共通して、頸椎レントゲン検査で、ストレートネックを高頻度に認めます。このため、このように臨床症状には、重複するものが多いということです。
 片頭痛は緊張型頭痛と連続したものです。緊張型頭痛から、片頭痛へと移行して発症してくるということです。
 ただ、なかには、ミトコンドリアの働きが極端に悪いような場合は、いきなり片頭痛のタイプから発症してくる場合も当然あります。この点も重要な点です。

 このように、片頭痛にしても緊張型頭痛の場合も、どのような”症状”があるかということで「国際頭痛分類 第3版β版」という国際頭痛学会が定めた基準に従って診断されていますが、これまでも述べてきましたように、クリアカットには区別できません。この理由は緊張型頭痛と片頭痛が連続したものであるからに他ならないからです。
 単純な表現をすれば、日常生活を送る際に、支障を来す程の激しい頭痛の場合は、片頭痛であり、支障を来す程でない軽い場合は緊張型頭痛ということになります。ということは、この中間に位置するものが当然存在するということに他なりません。
 こうしたことから、実際に頭痛が起きた場合、今回はどちらの頭痛なのかを、その都度、自分で判断する必要があります。ここが実際の対処の仕方の難しい点です。
 多くの片頭痛の方々は、「典型的な片頭痛」の経過を示し、「予兆期」に”生あくび”が出たり肩が異常に凝ってきたりというように”頭痛信号”を自覚されておられるようです。 こうしたことから、自分の「片頭痛の経過」を、あらかじめ把握しておくことが大切になってきます。そして、間違いなく「片頭痛の発作」であると判断できれば、即座に「トリプタン製剤」を服用することです。こうして、たちまちの発作に対処しましょう。こうしておいてから、予防・改善のための工夫をしていくべきです。

 片頭痛も緊張型頭痛も共通して「頸部筋肉群の疲労」を基盤として発症すると考えられます。この根拠として、両頭痛に共通してストレートネックが認められる点です。
 片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)のない場合は、首の筋肉のこりは、大後頭神経に痛みのみ起きることによって、純然たる「緊張型頭痛」を発症します。
 片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)があれば、片頭痛の場合は、「セロトニン神経が働きが同時に悪くなって「痛みの感じやすさ」が存在するところに、首の筋肉のこりの刺激が、大後頭神経から三叉神経に絶えず刺激が送られ続けます。このため、「痛みの感じやすさ」がさらに増強され、常時、脳の過敏性が高まった状態が継続していきます。
 片頭痛の基本的な病態は「脳過敏」(脳がちょっとしたことで反応しやすくなることです)にあるとされます。このように少なくともこうした3つの「脳過敏」を引き起こす要因が次々に追加されることによって、”緊張型頭痛”から”片頭痛”にまで進展していくことになります。

 そして、「体の歪み(ストレートネック)」は、これら慢性頭痛の起点となり、慢性頭痛の骨格ともなるもので、慢性頭痛の基本的な病態となるものです。

 こうしたことから、緊張型頭痛も片頭痛も連続したものであるということです。

 そして、その共通する病態は以下の6つが挙げられます。

  
1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与

 
 以上のように、緊張型頭痛と片頭痛が別の頭痛であるといった考え方は、2000年に、日本にトリプタン製剤が導入された時点で、トリプタン製薬メーカーが、洗脳した”愚かな”専門医を介して、大々的にあたかも片頭痛と緊張型頭痛が”全く別の頭痛”と啓蒙活動を行ってきたことにその由来があります。
 現在では、ネット上では、片頭痛と緊張型頭痛が全く別の頭痛とされるのが一般常識とされます。こうしたことは、専門医にまで波及させるほど徹底しています。こうしたことから、片頭痛が緊張型頭痛と連続したものでありながら、片頭痛と緊張型頭痛は全く別の頭痛であるとの考え方が専門家のなかまで浸透し、片頭痛と緊張型頭痛は全く別の頭痛であるとの”神話”を作り上げてしまったことを忘れてはなりません。
 このようにして、慢性頭痛の起点ともなる緊張型頭痛を取るに足らない頭痛と考えさせることによって、片頭痛の病態解明を”闇へと葬むる”ことにしてしまいました。
 片頭痛と緊張型頭痛が全く別の頭痛といった論点は、あくまでもトリプタン製薬メーカーの論理であり、慢性頭痛とくに片頭痛の本態解明を阻害してきた最大の原因があると考えなくてはなりません。このような事実を専門家ですら認識できていないことが、まさに憂うべきこととしか言えないはずです。

目次へ


14.緊張型頭痛は”頭頸部デイストニア”???

 専門家の方々は「国際頭痛分類 第3版β版」を金科玉条のごとく遵守されます。
 「国際頭痛分類 第2版」に改訂される以前は、多くの先生は緊張型頭痛と頸椎との関与を指摘されていましたが、「国際頭痛分類 第2版」に改訂されてからは、頭痛と頸椎との関連性は重要視されなくなった結果”頭痛と体の歪みはエビデンスなし”とされ、”緊張型頭痛は”頭頸部デイストニアによる”ものとされるようになりました。
 そして、「国際頭痛分類 第3版β版」にも、これが銘記されることになりました。

 果たして、こうした考え方でよいのでしょうか??? ホントなのでしょうか。


現代社会は、活性酸素に満ちあふれた生活環境にある

 活性酸素は、ミトコンドリアがエネルギーを作る際に産生されてきます。
 ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてきます。
 そして、私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 セロトニン神経系は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が、困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こします。
 このように、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 現代社会では、活性酸素に満ちあふれた生活環境に置かれていることを考える限り、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、脳内セロトニン低下と相まって、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、「体の歪み(ストレートネック)」が日常茶飯事にみられるようになってきました。こうした背景をまず、念頭においておくことが大切です。

緊張型頭痛の発症の起点は”前屈みの姿勢”

 日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。

 これにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。
 このようにして「体の歪み(ストレートネック)」が作られてくることになります。
 体の歪み(ストレートネック)とは、首だけでなく全身の歪みです。
 このような場合、頸椎X線検査では、側面像では頸椎は直線的となりさらに前へ傾き、さらに正面像では、左右のいずれかへ傾くことになります。この左右どちらかへの傾きが、体の歪み(ストレートネック)における症状の鍵を握っています。左右のバランスがとれておれば問題はありませんが、どちらかへ傾くことによって片側により負担がかかることによって肩こり・頭痛その他の症状の発現を引き起こすことになります。
 そうなれば、日常生活を送る際に、片側の頸部の筋肉だけに常時刺激が加わってくることになります。

「ストレートネック」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
↓                  ↓
↓       脊髄を介して三叉神経脊髄路核
↓                  ↓
↓       中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
↓                  ↓
↓       
脳の過敏性、頭痛の慢性化

自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頚性神経筋症候群
                    
(慢性頭痛)

緊張型頭痛の起こり方

 人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないようにS状の湾曲を呈しています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いておれば、後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。これが、専門家が”とるに足らない頭痛”とされる緊張型頭痛です。

職業性ジストニア

 これとは別に、”ジストニア”についてですが、職業性ジストニアがあります。

 これを理解して頂くために「職業性のジストニアについて」説明致します。

 字を書くときに自分の意志とは関係なく指に力が入り過ぎたり、手首が反り返ったり、また手がふるえてしまって、書字が出来なくなってしまう病気があります。これは「書痙」です。
 この「書痙」は、大量の字を書く事務系の職業の人に多くみられ、字を書く以外の動作には何ら支障がありません。ですから、原因は精神的ストレスと考えられてきました。
 しかし、最近では、「書痙」は脳の機能障害によって生じる異常な姿勢と筋肉の過剰な緊張によるものであることが明らかにされました。こういう状態を医学用語で”ジストニア”と言います。
 同じ動作や姿勢を過剰に反復してしまうことによって、異常な運動パターンを獲得してしまうためだろうと考えられています。言い換えれば、本来ありえない動作を誤って身体が覚えてしまう、つまり学習してしまうわけです。
 このジストニアという症状は、字を書く人だけに出現するわけではなく、熟練を要する複雑な運動を繰り返し過ぎると出現してきます。
 例えば、ワープロをタイプする人では、キーボードをタッチする時に指が曲がってたり手がねじれます(タイピストクランプ)。類似の症状は、ピアニスト、バイオリニスト、管楽器奏者などプロの音楽家にみられることも多く、楽器を演奏するときだけに指が曲がって伸びなくなったり突っ張ってしまったりします(音楽家クランプ、器楽演奏家クランプ)。特に、小指やくすり指など筋力が弱い指や、複雑な運動を要求される指に症状がでます。 だいたい器楽演奏家の100人に1人ぐらいの割合で起こっているのでは?と考えられています。
 書痙やタイピストクランプ、演奏者クランプなど、動作を反復すればするほどジストニア症状は悪化してしまいますから、仕事をすればするほど、また練習をすればするほど、逆に症状が悪化するという悪循環に陥ります。
 ジストニアは仕事のプロにとっては人生設計さえ狂わせてしまうことになります。
 このジストニアは医学的にも難しい症状で、頸椎の病気や心因性の病気、腱鞘炎、ストレス性障害などと診断されている場合も多くあります。
 職業性ジストニアの原因としては『過剰な特定部位の使用』と考えられます。
 職業性ジストニアが芸術家に多いのは練習、作品作りのために腕や足など特定の部位を長時間動かすためと言われています。

 話をもとに戻します。ストレートネックがあれば、常時”片側の頸部筋肉が刺激を受けている訳です、こうしたことから「職業性のジストニア」と同じように、過剰に負担がかかる頸部にジストニアが出現しても不思議はないと思われます。

 さらに、「体内のマグネシウムが不足するとジストニアになることがある」とも言われています。
 一般的に、マグネシウム不足になると瞼がピクピクする、足がつるといった症状が出ます。とくに、汗をかいたり、筋肉運動を連続して行っていて急に足がつることがあります。 また、布団に入って、爪先が伸びただけで足がつることもあります。典型的なマグネシウム不足の症状です。こんなときは200 ミリグラム程度のマグネシウムをとると、翌日にはほとんど改善されます。

 こうしたマグネシウム不足によって、常時”刺激を受けている頸部筋肉にジストニーが出現しても何ら不思議ではないと思われます。

 ということは、基本的に生活環境の問題から「ミトコンドリアの働きの悪さ」が悪くなり、このためにセロトニン神経の働きの悪さに繋がり、この両者が存在するために容易に体の歪み(ストレートネック)を形成することになります。このような状態にマグネシウム不足が加わることによって頭頸部ジストニアが引き起こされてくると考えるべきす。

 このように、体の歪み(ストレートネック)は、慢性頭痛の起点となるとともに、慢性頭痛の骨格ともなり、慢性頭痛の基本的な病態となるものです。
 さらに繰り返して言えば、活性酸素を発生させる生活環境によって、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、脳内セロトニン低下と相まって、体の歪み(ストレートネック)を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 ここにマグネシウム不足が追加され、頭頸部ジストニアが引き起こされてきます。


 このように”緊張型頭痛は頭頸部デイストニアによるもの”と考えるのではなく、緊張型頭痛は、「体の歪み(ストレートネック)」にマグネシウム不足が追加されたことによるものと単純に考えるべきものです。
 
 しかし、専門家は、「国際頭痛分類 第3版β版」を絶対的な基準とされることから、頭痛と体の歪み(ストレートネック)はエビデンスなし、と否定されるため、”緊張型頭痛は頭頸部デイストニアによるもの”といった項目をいれざるを得なくなっているということです。
 このような「国際頭痛分類 第3版β版」に執着する以前の問題として、緊張型頭痛の本質・根底に何が存在するのか、といった思考過程が必要とされるはずです。
 まさしく、トリプタン製薬メーカーからの呪縛のなせるワザとしか表現できません。


 ”前屈みの姿勢”から次第に前傾姿勢が持続することにより、頸椎X線検査上、頸椎は前へ傾斜することになります。さらに、これに無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。
 頸椎X線検査上では、正面像でみれば、左右いずれかへ傾くことになります。
 こうした状態に至ることによって、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の表現をお借りすれば”首こり”を来すことになり、緊張型頭痛を引き起こすことになります。
 「体の歪み(ストレートネック)」にマグネシウム不足が追加されて、初めて”頭頸部デイストニア”が招来されてくるということにほかなりません。
 ということで、”前屈みの姿勢” →頸椎X線検査上でみられる、頸椎の前方への傾斜→体の歪み(ストレートネック)」→”頭頸部デイストニア” へと段階的に進展してくることを意味しています。


 専門家は、こうした段階的に進展してくるということを考えることなく、すべて一緒くたに考えていることに問題があります。このため、「体の歪み(ストレートネック)」そのものの診断基準を持たないことになります。
 こうしたことから、”緊張型頭痛は頭頸部デイストニアによるもの”といったことになっています。


 
まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目が挙げられます。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
   2.免疫(腸内環境)の関与
   3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
   4.体の歪み(ストレートネック)の関与
   5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   6.ミトコンドリアの関与


 こういったことから、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在、ということを基本的な考え方とすべきであり、これに5つの要因が関与して、片頭痛へと進展していくものと考えるべきものです。

 この点が、トリプタン製薬メーカーからの「国際頭痛分類第3版 β版」が絶対的基準とする”洗脳”から脱するべきと提言している理由です。

 しかし、極めて残念ながら、トリプタン製薬メーカーに洗脳された専門家は、このようなミトコンドリア、脳内セロトニンといった観点から慢性頭痛を考察されないことが謂わば”致命的”となっています。「国際頭痛分類第3版 β版」という絶対的な基準に縛られた宿命ですから、致し方ないものと思われますが、このような「縛り」がある故に、考え方にも制限があるということです。専門家とは、こういう限られた世界で、ものを考えているということを認識しなくてはなりません。

目次へ


15.片頭痛は、なぜ改善されないのでしょうか???

 それは、2000年に、日本にトリプタン製剤が導入されたことにあります。
 それまでは、鳥取大学神経内科の下村登規夫先生がMBT療法を提唱され、これを忠実に実行されてこられた方々の9割の方が、片頭痛を改善されていました。
 しかし、2000年にトリプタン製剤が導入される段階から、トリプタン製薬メーカーは専門家に対して、片頭痛が”遺伝的疾患”であり、「国際頭痛分類」を、頭痛診療および研究の絶対的基準とさせることにより、専ら片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の面から説明させ、辛い頭痛から解放されたことにより、片頭痛の治療体系が確立されたとされ、「国際頭痛分類第3版 β版」に記載されないものは一切認めさせない、さらに緊張型頭痛と片頭痛は全く別の頭痛であると、洗脳しつくしたことに原因があります。このようにトリプタン製薬メーカーにマインド・コントロールされた専門家たちは、片頭痛は、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考え、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的基準とすることから、体の歪み(ストレートネック)と頭痛は、一切エビデンスなし、片頭痛と緊張型頭痛は全く別の頭痛であるとの”神話”を頑なに遵守され、片頭痛治療は、トリプタン製剤を第一選択薬とし、これに予防薬を併用する「薬物療法」がすべてとされました。

 そして、私達、片頭痛患者さんには、片頭痛は”一生、お付き合いすべき”とされ、片頭痛の誘因をみつけるように指導され、頭痛発作時には、毎回、トリプタン製剤を服用すべきであり、抗てんかん薬であるデパケンの服用を強要されてきました。
 こうしたことから、私達は、片頭痛が”遺伝的疾患”であり、一生治らないものと思い込まされてきました。 考えてみれば、家族にも片頭痛の方がおられることから、言われてみれば、その通りと納得され、薬好きの日本人の性癖から、痛くなればトリプタン製剤を服用して我慢するのが当たり前と洗脳され続けてきました。
 このように、片頭痛の方々は”不思議で・神秘的な頭痛”であるが故に”神聖な頭痛”とされ、片頭痛を持たない凡人とは、体のデキが違うと崇め奉られてきました。
 このようにして、片頭痛は絶対に治らないものと思い込まされてきました。


このような洗脳されない方々からは・・

 しかし、こういったトリプタン製薬メーカーに洗脳された専門家以外の方々から、とくにカイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々の施術により片頭痛が改善され、さらに一般の片頭痛で苦しまれた方々から自分で片頭痛を克服される方々が多数出現することにも繋がってきました。
 さらに、ネット上では「片頭痛改善マニュアル」も多数販売され、これを実践された方々の喜びの声も多数同時に掲載されています。
 このようにトリプタン製薬メーカーに洗脳された専門家の考え方に疑問が持たれるようになり、平成25年2月には、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生により、片頭痛の病態が明確に示されることに至りました。
 
 トリプタン製剤が導入される以前の時代には「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、リラックスするように」という生活指導がされ、これだけで片頭痛発作は完璧に抑制されていました。さらに「片頭痛のセルフケアー自己管理」の重要性が指摘され、これをを完璧に実行される限り、”片頭痛の9割の方々は、片頭痛がうまくコントロールされる(発作が起きなくなる)”とされてきました。

 片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪します。。
 Lyngbergらの報告では、成人片頭痛患者さんを12年間追跡し、完全・部分寛解:42 %、不変:38 %でした。一方、20 %は変容性片頭痛つまり片頭痛が慢性化しました。

 このよう事実から、トリプタン製薬メーカーに洗脳された専門家の考え方は疑問視されるように至っています。

 こうしたトリプタン製薬メーカーからの洗脳から逃れた方々の考え方を総括することが最も大切と思われます。

 まず、カイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々の施術の基本的な論点は、「体の歪み(ストレートネック)」にあります。こうした方々は、その施術の目的とすることは、「体の歪み(ストレートネック)」の是正・改善であり、これから派生する頸部および全身の筋肉疲労の改善を目指し、片頭痛を改善に導かれてきました。
 ネット上では「片頭痛改善マニュアル」の共通する点は、緊張型頭痛も片頭痛も同一のものであるとの立場・観点にあります。こうした論点は、専門家でも機能性頭痛一元論の考え方が存在し、片頭痛も緊張型頭痛も一連の連続したもののようです。
 自分で片頭痛を克服される方々が多数がおられますが、これらは、個々の観点から片頭痛の本質をついた考え方で行われ、独自に改善されます。


 そして、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、工学博士の眼で、分子化学の立場から、片頭痛の大半は、遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患であり、生活習慣病の一種とされました。
 この「ミトコンドリアの働きの悪さ」があるために、当然「セロトニン神経系」の働きも悪くなり、結果的に「脳内セロトニンの低下」を来すことになります。この「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」があれば、当然、「体の歪み(ストレートネック)」を併発して来ます。そして、日常の食生活の問題から、「ミトコンドリアの働き」と「脳内セロトニンの低下」が増悪されることになります。
 いろいろな生活習慣により”ミトコンドリアの働きがさらに悪化する”につれて、「活性酸素」を過剰に発生させてくる「片頭痛体質(酸化ストレス・炎症体質)」を形成することになります。この過剰に発生した活性酸素が引き金となって片頭痛発作を誘発してきます。 これらについて、これから述べていくことにします。
 このように、片頭痛の根本原因は、ミトコンドリアの働きの悪さにあるとされました。
 
 こうした、トリプタン製薬メーカーからの洗脳から逃れた方々の考え方を総括しますと、以下のようになります。


 
まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目が挙げられます。

    1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
   2.免疫(腸内環境)の関与
   3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
   4.体の歪み(ストレートネック)の関与
   5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   6.ミトコンドリアの関与


 以上のように、トリプタン製薬メーカーにマインド・コントロールされた専門家とはまさしく正反対の論点になってしまうことになります。

 専門家は、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序から説明され、基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップすることから、片頭痛治療上、トリプタン製剤を第一選択薬とされます。これは、まさしくトリプタン製薬メーカーの論理そのものということを明らかにしています。

 これに対して、トリプタン製薬メーカーからの洗脳から逃れた方々の考え方の基本的な考え方は、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」と考えています。
 片頭痛は、私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアの機能障害”による頭痛です。ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 そして、私達が日中活動している際に常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 この「セロトニン神経系」の働きが悪くなれば、当然、「脳内セロトニンの低下」が引き起こされることになります。これが専門家のいう「機能低下状態に陥っているセロトニン」を意味しています。
 こうした単純なことからみても、専門家は、ミトコンドリアの機能障害の結果だけの”尻ぬぐい”をトリプタン製剤で行っているに過ぎないことを意味しています。
 ということは、片頭痛発作時に使うトリプタン製剤というのは、「脳内セロトニン」の低下を補填するために使われているだけのことで、市販の鎮痛薬と同様に”単なる鎮痛薬”にすぎないということです。

 片頭痛の根本的治療とは、ミトコンドリアの機能障害を改善・是正におかなくてはならない、ということがお分かり頂けたかと思います。
 こういったことから、片頭痛発作時にいくらトリプタン製剤を服用したからといって、片頭痛は何時までも改善されることはなかったということです。確かに、鎮痛効果は抜群ですが・・

 本来、片頭痛治療の焦点は、「脳内セロトニン」をいかにして増やすか、さらに、「酸化ストレス・炎症体質」をどのようにして改善させるかに置かなくてはなりません。


今後、どのように考えるべきでしょうか

 専門家は、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考えていますが、鳥取大学神経内科の先生方の指摘されますように片頭痛の大半は”多因子遺伝”と考えなくてはなりません。
 確かに、単一遺伝子から生じるものがあることは事実ですが、このようなものは頻度的に極めて少なく、当面はこうしたものに注目すべきでなく、”学者様”に任せておけばよいことです。私達は、片頭痛の大半は”多因子遺伝”と考えて、対策を講ずるべきです。

 この”多因子遺伝”とは、複数(3つ以上)の関連遺伝子をもとに、これに環境因子が加わって病気が発症してくるものを言います。ということは、”遺伝的素因”が存在しても、これに”環境因子”が加わらないことには、片頭痛は発症しないということです。
 片頭痛の”環境因子”として「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがあります。これらの”環境因子”の関わり方は人それぞれです。
 片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生きざま”すべてが関与して起きてくるものです。これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が原因となっていることを意味しています。このために、あたかも”遺伝的疾患”であると誤解された理由でもあります。
 このような”環境因子”は、従来からその重要性が指摘されていた「片頭痛のセルフケアー自己管理」の具体的な内容に示されています。
 「片頭痛のセルフケアー自己管理」を完璧に実行される限り、”片頭痛の9割の方々は、片頭痛がうまくコントロールされる(発作が起きなくなる)”とされてきました。
 ということは、片頭痛を”多因子遺伝”と考え、この”環境因子”さえ改善させれば、”片頭痛の9割の方々は、片頭痛がうまくコントロールされるということです。
 どこの医学の世界に、有効率9割といった治療法があるというのでしょうか?

 こうしたことから、これまで以下のファイルを提示してきた理由があります。

   「片頭痛のセルフケア」 http://taku1902.jp/sub294.pdf

今後、問われることは・・

 私達は、今後、どのように対処・考えていくべきでしょうか。残された道は、トリプタン製薬メーカーにマインド・コントロールされた専門家の申されるように、片頭痛を一生、治らないものと諦めて、頭痛発作時にトリプタン製剤を服用しながら、片頭痛が起きなくなるまでの年代に至るまで、じっと我慢する道を歩むかどうかということです。
 それとも、こうした考え方とは正反対の立場から、対処するかの2つしかありません。
 片頭痛を”多因子遺伝”と考え、この”環境因子”さえ改善させれば、”片頭痛の9割の方々は、片頭痛がうまくコントロールされるということです。
 こうしたことから、片頭痛がどのような頭痛なのかをまず、理解した上で、これまでの自分の生活習慣のどこに問題点があるかを把握し、あとはこれを改善するだけのことです。
 「片頭痛のセルフケア」 http://taku1902.jp/sub294.pdfをご覧になられることです。
 後は、あなた自身が片頭痛を治そうという意志を持つかどうかだけのことです。
 治そうとされた方々は、すべて改善されている事実は忘れてはなりません。


 トリプタン製薬メーカーにマインド・コントロールされた専門家を頼っていてはいつまでも、片頭痛から解放されないということが理解されたと思います。

目次へ


16.片頭痛のトリガー(誘因)は見つかるのでしょうか?

「誘因探し」の重要性


 これまで「片頭痛の治療原則」として、まず第一に大切なのが「誘因探し」と、されてきました。このように何はさておき、「誘因探し」が求められてきました。
 本来、片頭痛は、発作が治まれば全く何ともありません。これは、何らかの引き金(誘因・トリガー)が原因で起きてくるからです。
 片頭痛は、様々なことが引き金になって起きることが知られています。例えば心筋梗塞を防ぐには、そのリスクファクターである高血圧や運動不足を解消することが大切であるのと同様、片頭痛を防ぐには、引き起こす原因を探しだしそれを除去することが大切です。
 片頭痛の誘因には、飲食物やストレス、人混みなど、さまざまのものがありますが、特定する際に難しいのは、人によって誘因が異なること、またそのときの体調によっては、誘因があったからといって必ずしも片頭痛が起きるとは限らないということです。
 片頭痛が起きたときには、その前に何を食べたり飲んだりしたか、そのとき何をしていたか、回りの環境はどうだったか、などを分析し、片頭痛が何によって起きたのかを考えてみましょう。同じ事が原因で何度も頭痛が起きるようであれば、それが自分の片頭痛の誘因だと判断し、必要のないものはできるだけ避けることで、片頭痛が起きるのを防ぐこ
とができます。このように言われてきました。
 片頭痛の誘因となるものは、睡眠不足や睡眠過多、人混み、赤ワイン、ビール、チョコレート、ハム、ソーセージ類などがよく知られています。このほかにも何か強い臭いが刺激になって起きる場合、また夢中になって読書やテレビゲームをしたとか、夜遅くまで友人たちと喋っていたなどということも、誘因になることがあります。
 人によって、またそのときの体調によって、環境によって、片頭痛を引き起こす誘因はさまざまです。睡眠不足が続きストレスも重なっている、というときに赤ワインを飲んだら激しい頭痛がきた、というように、いくつかの誘因が複合的に重なっているときにも注意が必要です。ここに「誘因探し」の難しさがあります。

 これまで多くの先生方は、片頭痛の誘発因子を挙げられます。東京女子医科大学・脳神経外科の清水俊彦先生は「頭痛女子のトリセツ」(マガジンハウス)でその詳細を示されます。

 こうしたことから、これまで「発作時の記録」の重要性を指摘されて来ました。

 要するに、片頭痛を防ぐには、その誘因を探し出しそれを除去するために必要だからです。
 最近では、小橋雄太さんは、そのブログ「イミグラン錠・副作用なしに偏頭痛を治しちゃえ」の中で、頭痛発作時に、その発作前日と当日の状況を詳細に記録を重ね、これを積み重ねる事によって、共通の発作要因を探り、原因と思われるものに対してひとつずつ対処していく方法を述べています。
 小橋さんは記録のための「専用ノート」を用意して、ノートが真っ黒になるまで詳細に記録されたようです。まさに執念というほか無かったのではないでしょうか?小橋さんが述懐されておられるように、なまじトリプタン製剤が効いていたらここまではしなかったと・・述べております。
 このようにまさに”執念”が必要とされます。
 このように「誘因探し」の重要性を指摘され、患者さんにも求められてきました。

誘因が、果たして見つかるのでしょうか

 私も、専門家の申されるように、片頭痛患者さんを最初に診せて頂いた際に、発作時の状況を記録して頂くようにお願いしてきました。その際に、私は、北里大学の坂井文彦・五十嵐久佳先生らが考案された「頭痛ダイアリー」を利用させて頂いていますが、頭痛発作時に「思い当たることがあれば」適用欄にメモしてもらうようにお願いするのですが、大半の方は、頭痛の起きた日と程度は記載されるのですが、肝心の「思い当たること」の記載はありません。いつも、私は、再来時に、この点をお聞きするのですが、決まって返ってくる「返答」は何がきっかけになったのか、原因はよく分からないということでした。
 片頭痛発作は、何か引き金になるものが無い限り起きないと、くどいばかりに説明するのですが、殆どの方々は誘因に気がつかれることはありません。あたかも、青天の霹靂のように、突如に、起きて来るという返事しか得られません。
 これまで、当医院では、一般的に、誘因(トリガー)となりうるものをすべて記載したものを、お渡しして、発作時に何が関与していたかを見つけ出すようにお願いしていました。具体的に、どこで、どのような状況で起きたのか、例えば、その日の体調はどうであったか(食事はちゃんと摂取していたか、睡眠は十分であったか、あるいはいつもより寝過ぎていなかったか、生理中ではなかったか)また、天気がどうであったか、さらに、どのような場面で頭痛が起こり始めたか、等々、気がついたことを記録してもらうことです。 このような誘因を見つけ出せるのは、患者さん本人しか出来ないことだからです。

 最近、来院された方で、ご主人が「片頭痛」なのですが、いつも奥さん同伴で来られ、本人に何を質問しても、何一つお答えにならず、奥さんだけが、ペラペラお話になり、この中で、休日の時に起きているように思われたため、睡眠の取り方についてお聞きして、初めて「寝過ぎ」が誘因と判明しました。そのため、休日も、平日と同じように起床するように指導し、一端は、落ち着いたかのようにも思われたのですが、最近、再度、激しい頭痛が4,5日続くため来院されたのですが、本人に何を尋ねても一切お答えになりません。今回は奥さん自身も気がついた点がなかったようです。ただ、痛い、痛いと言って来院されるのでは、何も解決しませんでした。
 このような例をみて理解して頂けると思いますが、夫婦で、1日のうち半分は生活を共にしていても、発作の誘因は、本人以外には、全く分からないということです。
 最も、患者さんにして欲しくないことは、片頭痛の原因が、CTで分からなければ、MRIであれば、原因が分かるのではないかと考えて、MRIを撮影してもらうことです。
 MRIを撮影したからといって、片頭痛の”誘因”は絶対にわかりません。
 いずれにしても、患者さん本人が、片頭痛発作時の状況の把握・分析の積み重ねを行うことが、片頭痛克服するための、最低必要条件だろうと考えて行って参りました。

 発作時の記録方法ですが、私は、これまで、上記のような、北里大学の坂井文彦・五十嵐久佳先生らが考案された「頭痛ダイアリー」を利用しておりますが、このダイアリーの摘要欄の空欄が狭いためか、ほとんどの方は記載されません。ただ頭痛の起きた日と、その程度くらいしか記入されません。このため、小橋雄太さんのように、専用のノートを用意して、発作状況を詳細に記録するのが一番よいのでしょうか?
 このように記録を重ねるだけで、自分自身で、発作の誘因が探り出せる方々は極めて少ないというのが実感としてあります。
 以前、「全国慢性頭痛友の会」の会長の秋山扶佐子さんに、「誘因探し」について意見を求めたところ、会長には、会員の片頭痛の方々の殆ど全員が「発作の引き金」が分からないという指摘でした。全く、その通りであると納得しました。
 このように、いくらこのように発作時の記録をお願いしても、発作の引き金が何かを見いだすことができない方が殆どのようです。

なぜ、誘因は見つからないのでしょうか

 これには2つが原因として考えられます。一つは、発作の誘因が、”日常生活そのものの中にある”ために気がつかない場合と、もうひとつは、自分の「片頭痛発作」のパターンがよく理解されていないことです。
 この「片頭痛発作のパターン」がよく分かっていない場合は、発作当初は緊張型頭痛のような状態から始まり、これが次第に片頭痛のパターンに移行していく方々です。
 これは、緊張型頭痛と片頭痛が連続したものであることに他ならないからです。
 片頭痛の方々がすべて、”頭痛信号”を感じているわけではないということです。
 緊張型頭痛から始まり、これが次第に増悪して片頭痛へ移行していく場合には、こうした”頭痛信号”は感じることはあり得ないということです。

 問題は、発作の誘因が、日常生活そのものの中にあるために気がつかない場合です。
 この場合、ストレートネックを必ずといって良いくらい持っておられます。
 最近、来院された 50歳男性の患者さんは、片頭痛の家族歴が不明で、頸椎レントゲン検査では、ストレートネックを呈し、直立位で、頸椎が前傾していました。発作の誘因として思い当たるものはなく、ただ趣味の「ラジコンの組み立て」を4,5時間にわたって長時間「うつむき姿勢」で行ったり、横になって、右側臥位で2,3時間ビデオ鑑賞を行って、枕を高くして就寝すると、翌朝、必ず、頭痛発作が起きると述懐されていました。
 この方は、「姿勢」に関連して、発作が起きており、本人は、トリガーを自覚されておられませんでした。このように「姿勢」に関連したものは、自分では、まず、トリガーを自覚できません。
 こうしたことから、私は、このような引き金となる要因としての「ストレートネック」以外に「食生活のあり方」との関連を付け加えるべきと考えるようになりました。そして、これらは日常生活を送っているだけで、誘因に繋がるというやっかいなものなのです。

 最近の誘発因子調査によりますと、「睡眠不足」71.1%、「頸・肩の凝り」67.1%、「旅行・外出」65.3%、「過労」52.9%、「目の疲れ」44.5%、「緊張」43.6%、「睡眠過多」27.6%などが挙げられました。また、チョコレートや赤ワインなどの特定の食品により頭痛が誘発されたとする人は極めて少数でした。
 このように、誘発因子として 「頸・肩の凝り」が高頻度に、挙げられています。
 実地臨床の場面でも、発作直前に、頸筋の異様な凝り・痛みを訴えられることを経験します。この事実は、絶対に無視すべきでないと考えます。あなたは、どうですか?
 特に、事務系のお仕事に携わっておられる方が、長時間パソコンとにらめっこした後に、発作が誘発された経験をお持ちの方は、いらっしゃると思いますが、いかがでしょうか?
 しかし、現実に片頭痛でお悩みの方々の大半は、この引き金に気づいておられません。 これは「ストレートネック」が関連していることの証拠とも言えます。
 さらに、チョコレートや赤ワインなどの特定の食品により頭痛が誘発されたとするのではなく、食事の問題・食習慣となりますと、さらに把握すること自体が困難ということです。こうしたことは、日常何も意識せずに行っていることが関係しているために、当然本人が気がつくこと自体無理なことだと考えます。

今後、どうすべきでしょうか

 こうしたことから、現段階では、生理に関連してとか、気圧の変化(天気が悪くなる前)とか、ストレスとかいったものしか患者さんは誘因として気がつかれないのではないでしょうか。こういったことから「誘因探し」そのものは困難を極めるというのが実情ではないでしょうか? 結局、「誘因探し」が片頭痛をなくすための方法としては、いかに不適切なものかが理解されるはずです。

 片頭痛の引き金となる「誘因」を見つけ出すことによって、誘因となるものを避けるか・もしくは取り除くことによって、頭痛発作を起きなくそうと勧められてきました。しかし、「誘因探し」の重要性が強調されている割には、大半の方々はこうした誘因を見つけ出すことが出来ない方が殆どです。そして、こうした「誘因」として挙げられるものは、生理とか天気の変わりめ(雨の降る前がとくによくない)、ストレスを挙げる方々がほとんどのようです。
 こうした生理・天気・ストレスに関しては、いわば片頭痛でお悩みの方々には”是正”不可能なことばかりであり避けられないため、おのずと”諦める”方々も多かったのではないでしょうか。こうしたことから考え方を変える必要があります。
 ということは、生理時になぜ、片頭痛発作が起こりやすいのかを知ることであり、なぜ片頭痛発作が、天気の変わりめ(雨の降る前がとくによくない)に左右されるのか、さらにストレスが・寝過ぎが、なぜ片頭痛にとってよくないのかを知ることです。
 このように、片頭痛はどのようにして起きてくるのかといった”一般的な知識”を得ることの方がずっと大切になってくるはずです。

  「片頭痛のセルフケア」 http://taku1902.jp/sub294.pdf

 こういったものを参考にして、片頭痛がどのようにして起きてくるのかを、まず、知ることが大事になります。3時間もあれば読破できるはずです。
 このような基礎知識をもとにして、頭痛発作時の状況を見つめ直すことが大切です。

 「誘因探し」といった雲をつかむようなことで無駄な時間を費やすべきではありません。
 人によって、またそのときの体調によって、環境によって、片頭痛を引き起こす誘因はさまざまです。睡眠不足が続きストレスも重なっている、というときに赤ワインを飲んだら激しい頭痛がきた、というように、いくつかの誘因が複合的に重なって発作が誘発されていることを考える限り、時間の浪費でしかありません。
 このような無駄な時間を浪費するよりは、こうした時間を「片頭痛がどのようにして発症し、どういった生活習慣の問題点があれば起こってくるのか」を知ることに費やすべきです。こうした知識をもとに、これまでの自分の生活習慣と照らし合わせれば、自ずと問題点が明らかになるはずです。あとは、これを是正すればよいことになります。
 もっと最短距離で、片頭痛は改善されることになります。

 このように、考え方を改めるべきです。

目次へ


17.ホームページ「頭痛大学」とは何でしょうか???

 皆さんは、片頭痛でお悩みの方々は藁でも縋る思いで、ありとあらゆる情報を求めてネット検索をされ、行き着く先は、頭痛の老舗とされるHPの「頭痛大学」ではないのでしょうか。このHPは私達、頭痛で苦しまれる方々の謂わば”道しるべ”とされたHPです。
 その開設された時代的な背景を振り返ることも大切です。

 現在の頭痛診療に至る概略を示す歴史を一覧表にお示しします。

       1973年 頭痛懇談会発足
       1985年 頭痛研究会となる
       1996年 ホームページ「頭痛大学」開設
       1996年 日本頭痛学会設立
       1998年 全国慢性頭痛友の会発足
       1999年 ADITUS Japan
        2000年 トリプタン発売される
       2005年 慢性頭痛診療ガイドライン 学会編
        2012年 頭痛協会設立

 このように、日本に「トリプタン製剤」が導入される時代を見越して開設されました。 これと同時に「全国慢性頭痛友の会」も結成されたことを忘れてはなりません。
 これまで、トリプタン製薬メーカーが、2000年にトリプタン製剤が認可されるまでに、このような布石を構築してきていたということです。

 皆さんも、こうしたトリプタン製薬メーカーに味方する専門家の開設されるHP「頭痛大学」をご覧になられてこられたかと思います。
 この中で、これまで何か疑問に思われたことはなかったでしょうか?

 諸々の論文の紹介は、極めて膨大のものです。こうした論文は、一般の素人には到底理解されないものであり、このような諸々の論文の紹介は、一般の方々を混乱に導くものでしかありません。このような膨大な諸々の論文をもとにした、基本的な”論説”が何ひとつありません。ただ、単に片頭痛という頭痛が”神秘的な、不思議な頭痛”であるということでしかありません。一本筋の通った論説は何ひとつありません。
 このような膨大な諸々の論文をもとにしたHPでありながら、なぜ、”総説”めいた論説をHP上に示されないのかを、疑問とすべきです。専門家である以上は”総論”と称される考え方が示されて然るべきでありながら、こうしたものがHP開設されて以来一切ありません。このような疑問を当然持たなくてはならないはずです。
 こうした疑問は、閲覧する私達自身が判断するように求められているようです。
 
 このような点を踏まえた上で、私のブログは、どのように考え・対処すべきかを問うためのものです。

 こうしたトリプタン製薬メーカーに味方する専門家の開設されるHP「頭痛大学」と相対峙した考え方で、私は、昨年10月25日、当「アメーバ・ブログ」に「頭医者のつぶやき」を開設しました。その記事の数および内容も「頭痛大学」を越えるものとすべく日夜、研鑽に努めております。
 私のブログの目的とすることは、トリプタン製薬メーカーに味方する専門家の開設されるHP「頭痛大学」からの離脱をひたすらに願っております。


 私達は、トリプタン製薬メーカーからの洗脳から離脱することが、まず求められています。こうした考えから、「素朴な疑問」のシリーズは、今後しばらくは、延々と継続する予定です。

目次へ


18.片頭痛予防薬で、片頭痛は予防できるのでしょうか?

片頭痛予防薬では、片頭痛そのものは予防することはできません。

 専門家が”片頭痛予防薬”として、使っている目的は以下のような点からです。

 例えば1カ月に3回も4回も頭痛が起き、トリプタンを飲まなければならないというような頭痛頻度が高い患者さんには、トリプタンへの依存を防ぐためにも患者さんに適した予防薬を処方し、頭痛が起きるのを防いだり頻度を少なくする必要があります。
 予防薬を飲んでおくと、たとえ頭痛が起きても軽くてすみ、またトリプタンの効果も上がるというメリットがあります。予防薬を飲むこと、そして頭痛が起きてしまったときにはトリプタンを飲むことで、実際かなりの頭痛を解消することができます。
 このように、発作の頻度を多少少なくし、頭痛の程度を軽減させ、トリプタン製剤の効きをよくする程度のもので、片頭痛を完全に予防・抑制するものは何一つありません。
 結局、片頭痛そのものを予防するような”代物”ではないということです。

 この予防薬としては、以下のようなものがあります。

   
1.ベータ遮断薬
   2.カルシウム拮抗薬
   3.カルデサルタン
    4.抗うつ薬
   5.抗てんかん薬
   6.ビタミン類
   7.ボツリヌス毒素


 予防薬として使用されているのは昔からある薬です。ただ、片頭痛の予防薬として効果があるということが見直されたのは比較的最近のことです。偶然、予防薬としての効果がありそうだ、といったようなもので確たる作用機序の明確なものはミグシスくらいです。

 現在、皆さんも服用される抗てんかん薬のデパケンにしても、「脳過敏」を抑制させているにすぎません。「脳過敏」そのものを抑制することを考えなくてはならないはずでありながら、こうした抗てんかん薬で「脳過敏」を無理矢理抑え込んでいるだけのことです。

 日本で初めて、片頭痛の予防薬として保険適用されたのは、塩酸ロメリジンという薬で、最近、各種の薬剤が保険適応になって参りました。

 2011年に抗てんかん薬のバルプロ酸、2012年にベータ遮断薬のプロプラノロール、抗うつ薬のアミトリプチリンが次々の保険で使えるようになって参りました。
 このように現段階では、4種類が保険で認められていますが、これをどのように使って行くのかは明確にされておりません。あくまでも経験論から述べています。
 どうして、有効なのかといった作用機序そのものが明確ではありません。

 そして、これらの薬剤が、すべての患者さんに効くというわけではありません。
 予防治療の有効率は決して高いものではありません。
 ほとんどの薬剤が、有効率は30~40%、すなわち10人中3~4人しか効きません。しかも、個人差が激しいので、薬によって有効率は異なります。効かなかった場合には、他の薬に変えてまた、2~3カ月様子をみる、という気長な対応が必要です。
 また、効果を確認できるまでの期間も短くないのです。
 予防治療に使われるどの薬剤も、効果を発揮するまでには4週間くらいはかかります。
 はじめの2週間くらいはまったく効かないのが普通です。3~4週めになっていくらか頭痛の回数が減っていると感じたら、効果があったと考えてよいでしょう。なかには、2カ月めになってやっと効果がはっきりしてくることもあります。
 このように、多くの患者さんは、予防薬の効果が現れるまでの期間が長く、極めて緩やかな効き方しかしません。
 確かに、数年間にわたって、1種類ずつ処方されておられる場合もあるようですが、このような方式は、あくまでも偉い先生方がされた場合のことで、じっと我慢して服用されておられる方々は少ないのではないでしょうか?
 大半の方々は途中で治療をあきらめ、ひいては頭痛患者さんが医療機関を敬遠される元凶になっているものと思われます。

 このような効き目しかないため、鹿児島の田村正年先生は予防薬の多剤併用療法を提唱され、最初から3,4種類の予防薬を同時に併用すべきとされます。

 私は、予防薬がこのような効果しか得られない理由として、片頭痛の発症要因として何が考えられるのかを、まず想定すべきであり、この要因を中心として是正すべきと思っております。こういったことから、治療当初から「生活習慣の是正」が必要と考えています。
 これまで、予防薬の効果が思わしくなかった理由として、治療当初からの「生活習慣の是正」が徹底して行われてこなかったことにあると思っております。
 治療当初から「生活習慣の是正」が行われる限り、もっと予防薬の有効性を引き出すことが可能と考えております。

 とくに、トリプタン製剤は効くひとには絶大な効果を発揮します。問題は、苦しい頭痛という痛みだけをトリプタン製剤で取り除いていますと、その根底にある病態は次第に増悪してくることになります。このため、自然と服用回数が増えてくることは避けることができません。このため、必然的に服用回数が増加して最終的には「トリプタン製剤による”薬剤乱用頭痛”」に至ります。
 このようになれば、現時点では”対処が極めて困難な状態”になりかねません。
 これは、40歳前後の女性の発作回数が多い場合には、注意すべきです。
 頭痛発作回数が多ければ、先程の「予防薬」の服用が勧められますが、このような「トリプタン製剤による”薬剤乱用頭痛”」によって引き起こされた頭痛回数の増加した状態では、現在の「予防薬」の効果は全くありません。このように予防薬の効果の限界を知っておかなくてはなりません。

 こうしたことから、このようなことに至らないためには、 治療当初から「生活習慣の是正」が行われることが必須となってきます。このような「生活習慣の是正」の指導もなく、予防薬だけを処方される専門家が”五万”といることを忘れてはなりません。これをされませんと、いつの間にか”薬漬け”にされてしまう運命になります。

 頭痛診療の指針とされる「慢性頭痛診療のガイドライン」には、このような極めて重要な「生活習慣の改善」の項目が一切記載されていません。このため、「生活習慣をどのように改善すべきか」といった指導もなく、薬だけを処方するといった診療が罷り通っているということです。この点は、私達は注意しなくてはなりません。

目次へ


19.片頭痛は予防できるのでしょうか

予防できますし、予防しなくてはなりません。

緊張型頭痛の段階で

 片頭痛は、緊張型頭痛から移行して起きてくるものです。このため、まず、片頭痛の出発点ともなる”緊張型頭痛の段階”で予防しなくてはなりません。

 日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。
  仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。

 これにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの”おかしな体の使い方”をしていると、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。
 仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。
 このようにして「体の歪み(ストレートネック)」が作られてくることになります。
 ですから、まず、「体の歪み(ストレートネック)」を予防することが極めて重要です。
 このため、日常的に前屈みの姿勢を取らざるを得ない生活環境に置かれていることを念頭に置いて、おかしな体の使い方をしていないかどうかをチェックしなくてはなりません。
 長時間に渡る前傾姿勢は厳禁であると心得、30分に1回は前傾姿勢を解き、首を労る配慮を常に行っていく必要があります。そして、”前屈みの姿勢”を強いられる作業環境におかれておれば、毎日の”背骨伸ばし”のストレッチを生活習慣としなくてはなりません。
 
 そして、「頭痛・肩こり」を自覚すれば、極力早めに医療機関を受診の上、頭部CTおよび頸椎X線検査を受け、頭部CTで異常のないことを確認の上、頸椎X線検査で「体の歪み(ストレートネック)」を確認しなくてはなりません。もし、この段階でストレートネックが確認された場合、その原因として”前屈みの姿勢”と”ミトコンドリアの関与””脳内セロトニンの関与”の3つの要因を念頭において対策を考えていかなくてはなりません。

 こうした場合、市販の鎮痛薬には絶対に手を出さないことが原則です。市販の鎮痛薬に頼らず、頭痛・肩こりを改善させる方法を考えなくてはなりません。そのために、「首」の555体操、指さし体操、頭痛体操、肩首のスットン体操、両手振り運動など適当に組み合わせて行い、頭痛・肩こりを改善しなくてはなりません。 
 ストレートネックに至っておれば、”体の使い方のおかしなクセ”がないか確認をした上で、「背骨伸ばしのストレッチ」、「仙腸関節のストレッチ」、「あご引きエクササイズ」、「簡易版・首の関節包内矯正」、「簡易版・腰の関節包内矯正」を組み合わせて行うことによって、徹底してストレートネックの是正に努めなくてはなりません。そうしませんと、この「体の歪み(ストレートネック)」は、今後の片頭痛の出発点ともなるものだからです。ここを疎かにすれば、片頭痛へ移行させていくことになります。
 この「体の歪み(ストレートネック)」を無視すれば、次第に増強してきます。

 これを無視すれば、これに諸々の要因が追加されることになってきます。

片頭痛体質を作らないために

 ここに、「ホメオスターシスの三角形」を乱す要因が追加されてくることになります。
 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。

 ”セロトニン神経系”の機能低下により「脳内セロトニンの低下」が引き起こされ、これは生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により低下・変動し、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると低下してくることになります。
 ”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、 局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。
 ”腸内環境”が「片頭痛体質形成」には極めて重要な位置を占めております。
 以上のような赤字の事項に注意することが大切です。この点を怠れば、片頭痛体質(酸化ストレス・炎症体質)を形成してくることに至ってくるということです。

「脳過敏」の要因を摘む

 そして、「ミトコンドリアとの関与」を想定した上で、ミトコンドリアを弱らせない対策を考えなくてはなりません。そのためには、マグネシウムを十分に補給することによってマグネシウム不足にならないようにする配慮が必要とされます。安易にアスピリンを含む鎮痛薬、意味のない抗生物質の服用を止めることです。そして、有害物質の摂取を極力控えることです。有害物質のデトックスをかねて水分補給に心がけ、食物繊維を十分に摂取することです。腸内環境の悪化を考慮して、便秘への配慮を行うことです。このためには肉食は控えめにすることです。
 さらに、「脳内セロトニン低下」を想定した上で、早寝・早起きを原則として、運動不足にならないように、こまめに体を動かし、”小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続けない配慮をしていくことです。
 そして、規則正しい生活を心がけるようにします。
 さらに、「ストレス対策」として、「セロトニン生活」を心がけるようにします。

 このようにして、徹底した「体の歪み(ストレートネック)」の改善に平行して、ミトコンドリア・セロトニン対策を行っていかなくてはなりません。
 結局、このような知識が最低限必要とされ、日常生活を送る際に念頭において注意していくことが大切になってきます。

片頭痛予備軍として考える

 家族および親戚のなかに”片頭痛持ち”の方がいらっしゃれば、将来の”片頭痛予備軍”と心得て対処しなくてはなりません。

 先程述べたことを厳重に実行しなくてはなりません。

     
 ”脳過敏”を引き起こす要因として

    1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
    2.脳内セロトニンの低下
    3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続


 の3つがあります。片頭痛の基本的な病態は「脳過敏」(脳がちょっとしたことで反応しやすくなることです)にあるとされます。このように少なくともこうした3つの「脳過敏」を引き起こす要因が次々に追加されることによって、”緊張型頭痛”から”片頭痛”にまで進展していくことになります。
 こうしたことから、常々、マグネシウム不足に陥らない配慮が必要とされ、少しでも油断すれば、マグネシウム不足になってくることを意識することが大切です。
 “小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンが低下」することになり、さらに生活習慣の不規則・ストレスによって、さらに低下することになります。先程の市販の鎮痛薬(アスピリン含有)や抗生物質の乱用、有害物質の摂取、カルシウムとマグネシウムの摂取バランスが悪ければマグネシウム不足が引き起こされミトコンドリアの働きを悪化させることになります。
 このような配慮を行う限りは、”緊張型頭痛”から”片頭痛”への移行は阻止できます。

 このようにして、片頭痛は予防は可能となります。特に、身内の方に片頭痛の方がおられれば、当然のこととして、自分が”片頭痛予備軍”であることを自覚して、上記のような配慮を早期から行わなくてはなりません。決して、血筋とか遺伝するものと考えないことです。このように考えれば、予防などは”論外”ということになりかねません。

子供さんへの配慮

 こういったことから、これまで片頭痛でお悩みの方々の子供さんが、最初に”頭痛”を訴えた場合、これは紛れもなく”将来の片頭痛予備軍”です。決して、血筋とか遺伝するものと考えないことです。

 こうした場合、子供さんの場合は、まず、「体の歪み」に注意する必要があります。

   ・長時間、変な姿勢でゲームをやっている
  ・小型のゲーム機などを長時間やっている

 特に、ゲームだけでなく変な体勢で本を読んだり、テレビを観ている子も要注意です。 このような点を、お母さん自身が注意してあげることが大切です。
  そして、「背骨伸ばし」のストレッチを、日課として、毎日、行わせることです。

 ミトコンドリアの働きを、さらに悪くさせないように注意が必要です。そのためには、頭痛時の鎮痛薬とくにアスピリン含有のものは服用させないことです。風邪などで、不必要な抗生物質を服用させないことです。
 そして、マグネシウム不足を来さないように生活習慣に注意することです。
 頭痛専門医で、子供の片頭痛の場合にも、いきなり抗てんかん薬のデパケンを投与される方がいますが、これもデパケンのミトコンドリア毒性を考慮すれば、よくありません。
 少なくとも、絶対に「薬剤」を使わずに、「背骨伸ばし」や食事をバランスよく(偏食は厳禁です)摂取させた上で、マグネシウム補給を食事で行うようにしましょう。

  
・牛乳も程々に・・成長期にあると考え、飲ませすぎは禁物です。
   ・ストレスをためない
   ・なるべく無農薬で精製されていない物を摂取
   ・加工品 清涼飲料水 食品添加物を避ける
   ・環境ホルモンを避ける
   ・洋食よりも和食でマグネシウムを補給


 特に、「砂糖など甘い物」を多くとらせないように注意が必要です。”おやつ”を与える際に工夫が必要になります。「砂糖など甘い物」はマグネシウム不足、片頭痛体質を作ってきます。
 砂糖不使用、砂糖無添加、シュガーレス、シュガーフリーといった商品を中心に”おやつ”の選択をしなくてはなりません。

 そして、ミトコンドリア、セロトニン活性化を目的として、「早寝・早起きを励行」し、食事に際しては、「よく噛んで食べる」ように注意してあげましょう。
 牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。子供さんはハンバーグを好みますので要注意です。
 市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分ですので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。生理活性物質のアンバランスを引き起こしてきます。
 食用油にも注意が必要で、「エゴマ油(シソ油)」や「亜麻仁油」、オリーブ油を中心に使って調理してあげましょう。

 以上のように、大半は食事に関連したものが殆どであり、これらは”お母さん”が注意してあげることが大切になってきます。
 このような注意だけで、多くの場合、片頭痛へ移行することなく、自然に治まってくるものです。こうしたことから、”親の注意”が極めて重要となってきます。


 ただ、注意すべきことは、現在の学会を主導される方々には、このような予防的な観点はまったくありませんし、ガイドラインにも記載されていません。
 そして、体の歪み(ストレートネック)は頭痛とは全く関係なしとされ、ストレートネックを是正するといった考え方はありません。こういったことから、こうした頭痛外来に期待することは全く不可能ということです。

 このため、自分で自分の子供の片頭痛は予防しなくてはならないということです。

注意すべきこと

専門家は、ただ”片頭痛の予防薬”を使うのが関の山です。こうした”片頭痛の予防薬”は、頭痛回数を減少させ、頭痛の程度を軽くし、トリプタン製剤の効き目をよくするだけの作用しかなく、片頭痛そのものを予防はできません。このことを知っておく必要があります。この点は、昨日述べたばかりです。このような論点では予防は不可能です。
 そして、専門家は、なぜこのように片頭痛の予防に積極的でなく、あるいは全く無視されていることが、どこに原因があるのかを冷静に判断しなくてはなりません。
 これまでも申し上げておりますように”トリプタン製薬メーカーに洗脳された専門医は、片頭痛を熟成させることしか念頭になく、こうした片頭痛を予防するといった考え方は、しないことは理解できるはずです。

 この世から、片頭痛患者がなくなれば、困るのは”トリプタン製薬メーカー”だからです。こうした単純な理由から、こうした考え方は一切容認されることのない理由です。この点を認識しなくてはなりません。
 これまで、専門家の方々は、このような指導をされて来られたのでしょうか?
 こうした現実・事実を認識しさえすれば、専門家が何を考えているのかは、理解されるはずです。

 ということは、私達は、自分で自分の身・子供を守ることしかない、ということです。


 本来、片頭痛は本来、以下のように考えるべきものです。

 
まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与



 このような、観点から、片頭痛は、”緊張型頭痛の段階”から積極的に予防しなくてはなりません。

目次へ


20.なぜ、「正しい姿勢」が大切???

どうして、正しい姿勢が大切なのでしょうか。

"インナーマッスル(別名"姿勢保持筋”)"...っていったい何?!

 スッと伸びた背筋、シャンとした歩き姿...姿勢のいい人が放つ空気は、年齢や性別を超えてきらきらとハッピーオーラが感じられます。いったい姿勢のいい人と悪い人、からだの使い方にどんな違いがあるのでしょうか? また、姿勢をよくするためには、どこの筋肉が大事なのでしょうか。
「姿勢を美しくするため、またよい姿勢をキープするためには、からだの"軸"を整えることが大事です。スポーツで想像するとわかりやすいのですが、たとえば、サッカーでも、からだを斜めに倒してボールを蹴るにも、外側に力がかかっていくのに軸がぶれてしまってはボールを蹴ることができません。
歩き姿や立ち姿も同じです。からだの中心である軸がブレてしまうと、姿勢が崩れてしまいます。つまり、軸をいかに固定できるかが、よい姿勢づくりにおいては非常に重要なのです。その軸を支える筋肉のことをインナーマッスルと言います。
 果たしてインナーマッスルとは、どんな筋肉を指すのか、いまひとつピンときていない人も多いかと思います。インナーマッスルとは、"からだの奥深く(深層部)にある筋肉の総称"。からだの内側にある筋肉のことです。
 からだの奥にあるインナーマッスルは、関節の位置を調整したり、腱と骨のつながりを支える重要な筋肉です。多くは骨の近くにあって、姿勢やなめらかなからだの動きなどをサポートします。
 このインナーマッスルのやっかいなところは、深層部にあるため、ふくらはぎや腕の筋肉などとは違って、ひと目ではわからないという点です。自分のインナーマッスルが十分にあるのか、はたまたまったく足りていないのか、その量は外から見てもわかりません。

 その代わり、姿勢や動きなどに如実に現れるのです。 

 インナーマッスルは、別名"姿勢保持筋肉"とも言われることもあります。

インナーマッスルは、からだの機能にも影響

 特に姿勢に影響を与えるインナーマッスルは、上半身と下半身をつなぐ骨盤、背骨周辺にあります。骨盤低筋群を土台にして、ヨットのように見えます。
 インナーマッスルは、例えるならヨットの帆柱を支える筋肉なのです。マストがピンと張っている(いい姿勢を保つ)ためには、インナーマッスルが必要です。この筋肉が弱ってきたり、どちらかが緩んでくると、脊柱をまっすぐに支えられなくなり、姿勢に悪影響を与えてしまうのです。
 インナーマッスルが姿勢に大きな影響を与える理由はもうひとつ。人間のからだの軸のなかには、多くの臓器があります。もしもこの部分に骨しかなかったら、内臓は飛び出てきてしまいます。からだの軸にある内臓は、インナーマッスルによって支えられているのです。
 ですから、インナーマッスルが弱ってくると、内臓が下がり、ぽっこりお腹の原因となったり、内臓の位置がずれることで、本来ない位置に空洞ができてしまいます。それによって、からだの機能も低下し、便秘などを引き起こすこともあります。インナーマッスルは、内臓を正しい位置におさめるコルセットのようなものです。
 インナーマッスルが強いと、内臓は正しい位置に納まり、機能が正常に働くばかりか、姿勢もよくなり、ウエストのくびれも生まれるなど、見た目の美しさにも影響します。

壁を使って、立ち姿をチェック!

 まずは、自分の立っているときの姿勢について、チェックをしてみましょう。
 壁に沿って立ってください。頭、肩甲骨、お尻、かかとは一直線になっていますか? 4か所を壁に付けて違和感のあるところはありませんか? 壁に付くけれども違和感がある...という人は、ふだん、その部分が前に出ているということです。姿勢に問題アリです。お尻が壁に付かない人は、おなかが前に出ているはずです。
 一般的に、よい姿勢とは横から見たときに、頭、肩、骨盤、ひざ、かかとの5つのポイントが一直線になっていることをさします。このポイントがズレてしまうと.姿勢が崩れてしまいます。立ち姿の姿勢を美しくするには、5つのポイントが直線になることを意識しましょう。
 座り姿勢同様、このときも重要なのは、ヘソ下の高さにあるインナーマッスル。立っているときにもヘソ下の高さにある前後の筋肉を骨に向けて押し当てるよう意識してください。
 姿勢を正すということは、言い換えると、"インナーマッスルが働くポジションに姿勢をもってくる"ことでもあります。きれいな姿勢に変える、その体勢を維持することは、インナーマッスルの強化につながるのです。

 インナーマッスルが強くなれば、正しい姿勢でいることがラクになるはずです。

正しい姿勢で、見た目の美しさだけでなく、からだの機能もアップ!

 姿勢が悪いままの状態でいると、インナーマッスルが衰えてしまいます。その衰えは、"歩行"にも影響がでてきます。インナーマッスルが弱いと、歩く際の推進力が低下して、歩行スピードが落ちてしまうのです。歩くスピードが落ちるくらい...と思うかもしれませんが、これはあなどれません。
 アメリカで行われた研究で、歩行スピードと生存率には深い関係があることがわかっています。歩行スピードが速い人は、高齢になっても生存率が高いという研究結果が出ています。
人間のからだのシステムは、直列なので、電池と同じで、1か所に弱いところがあれば、必ず機能や能力は落ちてしまいます。それが歩くスピードとなって現れるのです。
 姿勢を正しく保つことは、見た目の美しさをつくるだけでなく、からだの機能を高める効果もあるのです。

筋肉には、白筋と赤筋という2種類の筋肉があります

 人間には白筋と赤筋の二つの筋肉があります。

 男性には瞬発力を担う白筋が多く、女性には体を支える赤筋が多いです。
 ミトコンドリアは赤筋に多く含まれている事が分かっています。
 赤筋は身体の奥深くにあり、先程の「インナーマスル」と呼ばれます。
 白筋とは、名前の通り、色が白い筋肉で、全力疾走・ジャンプ・重量挙げなど一度に大きな力を出す運動に使われる筋肉です。筋肉を速く動かし、短時間の運動に向くため、別名「速筋」ともいわれています。
 また、もう一方の赤筋は、赤く見える筋肉で、ウォーキング・ジョギング・サイクリング・水泳など持久型の有酸素運動に使われる筋肉です。ゆっくりした運動を長く続けるのに、向いた筋肉のため、「遅筋」ともいわれています。赤筋は、呼吸のために肺を動かしたり、姿勢を維持するために骨を支えたりなど、生命を維持するためにも働いています。また、白筋は赤筋に比べて、加齢に伴い衰えるスピードが速い筋肉とも言われています。
 細胞レベルの話になるのですが、運動すると、筋肉の中で消費されるグリコーゲン、糖質、脂肪は、筋肉の中にあるミトコンドリアという細胞組織の中で燃やされています。このため、ミトコンドリア自体の量を増やせば、脂肪などを燃焼する場所が増えるということになります。
 赤筋は白筋より、体積が大きいため、毛細血管が多く、酸素が豊富に供給される筋肉組織です。したがって、このミトコンドリアは、白筋よりも赤筋の方に多く含まれているといわれています。ですので、ミトコンドリア自体の量を増やすためにも、ウォーキング・ジョギング・サイクリングなど、長い時間続けられるような有酸素運動が大切になってくるのです。マッチョ、ムキムキの身体になるから、運動はイヤという女性がいますが、持久型の赤筋を増やすような運動は、ムキムキにはなりません。事実、マラソンの女性選手に太った選手はいません。逆にマッチョマンになりたい男性諸氏はジム等で無酸素運動、筋肉トレーニングをしないとなれないということになります。
 無酸素運動は筋肉を鍛える役割があり、筋肉がつくと基礎代謝量が増えますが、有酸素運動で、付けることの出来る赤筋でも基礎代謝量は上がるのです。
 参考までに、体の中で、最も赤筋が多く分布している場所は、「背中」です。
 したがって背中の筋肉を集中的に鍛えることも、基礎代謝量を引き上げる良い方法ということです。背骨を支える「脊柱起立筋」という筋肉は、体の中で最も長い骨を支えるため、赤筋が最も多く存在している筋肉なのです。脊柱起立筋を鍛えるには、手とひざを床につけ、お馬さんの格好になり、片腕を上げ、その上げた手と反対側の足も上げ、「行かないで~」のポーズをすると良いのです。1回5秒、その体勢で制止することを左右10回ずつ行います。

脊柱起立筋(インナーマスル)には

 脊柱の両側には直立姿勢に重要な脊椎起立筋が姿勢をガードしています。
 背骨を支える「脊柱起立筋」という筋肉は、体の中で最も長い骨を支えるため、赤筋が最も多く存在している筋肉です。持久力のある筋肉は、まさにミトコンドリア系の赤い筋肉です。このように全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「脊柱起立筋」に、ミトコンドリア量が多い事がわかっています。
 こういったことから、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして姿勢が悪くなってきます。

 また、ミトコンドリアの働きが悪くなれば、セロトニン神経まで働きが悪くなります。
 セロトニン神経は、筋肉へ働きかける役割を担っています。
 セロトニン神経は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることで、影響を与えています。セロトニン神経が働きかけるのは、脊柱起立筋です。脊柱起立筋とは、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉のことです。まぶたが開き、首が立ち、背筋が伸び、歩いたりできるのは、この抗重力筋のおかげです。セロトニン神経が活性化していると、まっすぐな姿勢や生き生きした表情になることができます。反対にセロトニン神経の働きが弱まると、背中が丸まったり顔の表情がどんよりしてしまいます。


 以上、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。

 文明の発展とは逆に、今度は腰や体の弱体化が進もうとしています。
 また、活性酸素を発生させる生活環境によって、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、脳内セロトニン低下と相まって、体の歪み(ストレートネック)を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、姿勢を悪くする要因が、日常茶飯事にみられるようになってきました。

ミトコンドリアを効果的に増やすには

 毎日の生活習慣や運動時でミトコンドリアを増やすにはコツがあります。例えば、ミトコンドリアは持久力を司る筋肉に多く含まれると分かっていますから、筋肉痛にならない程度の運動を行うことです。ここが一番大切な点です。決して無理をしないことです。

<背筋を1分間伸ばす>

 先ずは、背筋を1分でもピンと伸ばす習慣をつけることです。実はミトコンドリアは筋肉の中でも姿勢を保つ為の筋肉、特に背筋と太ももの筋肉に多く含まれています。背筋を伸ばすには背中の筋肉を意識して使い続けることが必要で、とても持久力を伴う動作です。いつでもどこでも出来ますし、見た目も若々しくなります。

<毎日1分片足立ちをする>

 また、毎日1分ほど片足立ちをするのもお勧めです。例えば体重60kgの人が普段両足で立つことで30kgずつ支えているとすれば、片足立ちしている間、足にはその倍の負荷が加わります。普段両足で支える体を1分ずつ片足で支えることで負荷を与え、バランス感覚も鍛えることが出来ます。

 結局、正しい姿勢とは"背筋を伸ばす"ということです

 特別に時間を取らなくとも普段の生活の中で意識的に行うといいでしょう。
 "背筋を伸ばす"事は背筋を使うことになり持久力を必要とします。
 ミトコンドリアは持久力が必要な筋肉を刺激すると,優秀なミトコンドリアが増えるので。代謝を良くする為には背中と太ももの筋肉を刺激するとよいのです。
 背筋を伸ばすと首が重力に対して安定するので肩こりや頭痛などにも良い影響を与えてくれます。
 正しい姿勢がミトコンドリアを活性化させます。

片頭痛は、ミトコンドリアの機能障害による頭痛です

 こうしたことから、片頭痛治療上、ミトコンドリアの働きをよくさせるために「正しい姿勢」は不可欠のものです。
片頭痛を改善させるということは、美容にも直結しているということです。

目次へ


21.「体の歪み(ストレートネック)」は大切???

 「体の歪み(ストレートネック)」は、慢性頭痛を考える場合、極めて大切です。

それぞれの分野の方々の考え方

 まず、東京脳神経センターの松井孝嘉先生、さかいクリニック代表 酒井慎太郎先生は、「体の歪み(ストレートネック)」は、日常的な”前屈みの姿勢”とムチウチ事故の2つが発症の要因とされ、これが緊張型頭痛および片頭痛の原因と考え、この点が治療方針の根幹となっています。

 カイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々は、悠久の昔から、その施術の理論的な背景として「体の歪み(ストレートネック)」にその基盤を求め、自らの施術により「体の歪み(ストレートネック)」を改善させることによって、慢性頭痛を改善してきました。

 歯科医の先生方は、「体の歪み(ストレートネック)」は、歯の噛み合わせの悪さに原因があるとされ、「歯列矯正」と「テンプレート療法」を行うことで実績を挙げています。

 カサハラフットケア整体院の笠原厳先生は、「体の歪み(ストレートネック)」の原因として、外反母趾、指上げ足(浮足)、扁平足などの足裏の異常を挙げ、「足裏のバランス」を整えることを目的として治療をされて参りました。


 私は、「体の歪み(ストレートネック)」の発症要因として、ミトコンドリアと脳内セロトニンとの関連から述べて参りました。
 しかし、頭痛の専門家は、このような「体の歪み(ストレートネック)」は日常茶飯事にみられるものであり、さらに金科玉条のものとされ、絶対的な基準ともなる「国際頭痛分類第3版 β版」には、一切この点か記載されていないことから、「体の歪み(ストレートネック)」は頭痛とは全く無関係のものと考え、問題にすることなく無視されます。 このため、慢性頭痛の診断を行う場面では、CTやMRIの画像検査はされますが、頸椎X線検査を行うことはなく、もっぱら「薬物療法」に終始されます。

 このように、頭痛の専門家と専門外の方々とは、「体の歪み(ストレートネック)」に関する考え方は、正反対の観点をとり、ここに根本的な相違を示しています。

 それでは、どのように考えるべきなのでしょうか?

現代社会は、”活性酸素”に満ちあふれた生活環境にあります

 私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。活性酸素は、ミトコンドリアがエネルギーを作る際に産生されてきます。
 ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして「体の歪み(ストレートネック)」引き起こしてきます。

 そして、私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 セロトニン神経系は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が、困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こします。
 このように、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。

 現代社会では、活性酸素に満ちあふれた生活環境に置かれていることを考える限り、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、「脳内セロトニン低下」と相まって、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、「体の歪み(ストレートネック)」が日常茶飯事にみられるようになってきました。こうした背景をまず、念頭においておくことが大切です。

 この点が、専門家の言われる、「体の歪み(ストレートネック)」が日常茶飯事にみられる、ということを示しており、専門家にはこのような”時代的な背景”が念頭にないためです。

緊張型頭痛の発症の起点は”前屈みの姿勢”

 日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。
 これにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。

 現代社会では、活性酸素に満ちあふれた生活環境に置かれていることを考える限り、これに「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」 が常に存在しており、
 さらに、最も大切な点は、慢性頭痛の起点(スタート)は、

1.前屈みの姿勢や俯きの姿勢などを長時間続けるような生活習慣
2.「ムチウチなどの外傷」により、首の筋肉組織を痛めたりする

 にあり、ここから「体の歪み(ストレートネック)」を来すことにあります。

 このようにして「体の歪み(ストレートネック)」が作られてくることになります。
 体の歪み(ストレートネック)とは、首だけでなく全身の歪みです。
 このような場合、頸椎X線検査では、側面像では頸椎は直線的となりさらに前へ傾斜し、さらに正面像では、左右のいずれかへ傾くことになります。この左右どちらかへの傾きが、体の歪み(ストレートネック)における症状発現の鍵を握っています。左右のバランスがとれておれば問題はありませんが、どちらかへ傾くことによって片側により負担がかかることによって肩こり・頭痛その他の症状の発現を引き起こすことになります。
 そうなれば、日常生活を送る際に、片側の頸部の筋肉だけに常時刺激が加わってくることになります。

「ストレートネック」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
↓              ↓
↓       脊髄を介して三叉神経脊髄路核
↓              ↓
↓       中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
↓              ↓
↓       
脳の過敏性、頭痛の慢性化

自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頚性神経筋症候群
                     
(慢性頭痛)

緊張型頭痛の起こり方


 人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないようにS状の湾曲を呈しています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いておれば、後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。これが、専門家が”とるに足らない頭痛”とされる緊張型頭痛です。
 専門家には、頸椎X線検査では、側面像では頸椎は直線的となりさらに前へ傾き、さらに正面像では、左右のいずれかへ傾く、という決定的な所見の相違には配慮することなく、単に”側面像では頸椎は直線的となりさらに前への傾き”しか診ていないため、頭痛とどう関係しているのかといった考察が欠如してくるため、問題外とされることになります。

尾側亜核で三叉神経と頚神経が収束する

 ストレートネックのために、頭半棘筋に凝りが出ると、それが大後頭神経を刺激し、その刺激が三叉神経に伝わります。大後頭神経と三叉神経は脳のなかで、三叉・頚神経複合体を形成していて、つながっていますので、大後頭神経の刺激は三叉神経にも伝わります。
 このため、「体の歪み(ストレートネック)」が改善されないまま、放置されることにより、後頸部筋肉群にかかった刺激は常時、三叉神経核に送られ続けられることになります。このようにして、脳の過敏性、頭痛の慢性化へと繋がっていくことになります。さらに、閃輝暗点を引き起こす要因にもなっています。

 そして、この「体の歪み(ストレートネック)」は女性に圧倒的に高頻度に見られ、このため、慢性頭痛は女性に多いことになっています。

小児の場合では

 最近の子どもはゲームやパソコンを長時間続けてやっている子が増えてきています。また、ゲームだけでなく変な体勢で本を読んだり、テレビを観ている子もいます。
 小児でも、大人と同様に「体の歪み(ストレートネック)」は診られます。
 小児期にみられるストレートネックが、生まれつき「ミトコンドリアの働きの悪さ」のために形成されるものなのか、発育途上のためなのか、あるいは成人のストレートネックと同様に後天的に「姿勢の悪さや体の歪み」によって形成されてくるものなのかという点に問題を残しておりますが・・
 ただ、これまで、小児の片頭痛の大家とされる専門家の考えには、「体の歪み(ストレートネック)」といった概念は全く存在しません。

 先日も述べましたが、小児の片頭痛は、背骨伸ばしのストレッチによる「体の歪み(ストレートネック)」と食事上の問題点を改善させるだけで、大半の片頭痛は改善されます。
(一部の”ミトコンドリア病”に近いような片頭痛の場合は確かに困難ですが・・)

 専門家は、「体の歪み(ストレートネック)」と「食事上の問題点」を改善を徹底させることなく、姑息的な対処しかされず、挙げ句の果ては、小児の片頭痛の領域までにトリプタン製剤の適用拡大および市場拡大しか念頭にないようです。これは何を意味するのでしょうか??


  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。


 これが、慢性頭痛を考える際の基本原則です。

 「体の歪み(ストレートネック)」は、慢性頭痛の発症の起点(スタート)になるものであり、さらに緊張型頭痛および片頭痛の基本骨格(骨組み)となるものです。

 こういったことから、「体の歪み(ストレートネック)」は慢性頭痛において、極めて位置を占めています。

 専門家は、「国際頭痛分類 第3版β版」を遵守されることから、このような観点に至ることはなく、慢性頭痛の中の緊張型頭痛は、極めて取るに足らない頭痛とされ、片頭痛は原因不明の”神秘的で・不思議な頭痛”とされることに至っています。
 これは、緊張型頭痛も片頭痛も連続した一連のものと考えない結果でもあります。

目次へ


22.「歯の噛み合わせの悪さ」は、片頭痛によくない???

歯の噛み合わせ・・体の歪み(ストレートネック)との関連から

 脳神経外科の学会では「頭痛が起きる原因は、首の骨(頸椎)の歪みである」という報告がされています。
 そして、この頸椎の歪みが起きる原因の1つとして考えられるのが、歯の噛み合わせです。歯科領域では、「歯の噛み合わせを変えることによって、頸椎の歪みが改善される」という報告がされているのです。

 このことから、

  
歯の噛み合わせが悪い
     ↓
  首の骨が歪む
     ↓
  頭痛が起きる


 ということが考えられており、逆に言えば歯の噛み合わせを改善することによって、 歪みを治し、頭痛を改善することができると言えます。
 長年頭痛薬を飲み続けて治らなかった頭痛を、噛み合わせを改善することで改善することができたというケースが多数報告されています。

歯の噛み合わせが悪いと、どうして”頸椎が歪む”ののでしょうか?

頸椎の歪みと歯の噛み合わせの関係

 頸椎の歪みと歯の噛み合わせの関係について説明します。

 実は、歯の噛み合わせが悪い人は、頭が前傾して猫背になっていることが多いのです。
 なぜなら、私たちの身体は4~5kg近くある人の頭の重さを、頸椎と歯の噛み合わせによって支えています。
 噛み合わせに問題があると、重たい頭を支えることができず、頭が前に倒れてしまうのです。大事な頭を支えるためにも、歯の噛み合わせはとても大切なのです。

 では、あなたの歯の噛み合わせは大丈夫でしょうか?

 ここで簡単な自己診断方法を紹介します。

 まずは鏡を見て、口をゆっくり大きく開けてください。このとき、まっすぐ開かない、または左右にぶれながら動くようであれば、かみ合わせがずれています。
続けて、歯どうしが触れないように口を閉じ、また大きく開けて、という動作を10回くり返してください。だんだん、右と左の筋肉が同じ動きをするようになってきます。
最後に、口を自然に閉じた位置でかみましょう。これが、あなたのナチュラルなあごの位置です。
 この「ゆっくり開けて、閉じて」という動きは、いつも縮んでばかりの筋肉を伸ばし、楽にする効果があります。歯やあごにいいストレッチですから、ふだんの生活に取り入れてみてください。軽いかみ合わせのズレなら、このストレッチで治ってしまう場合もあります。
 ただし、痛みがあったり、おかしいなと思うときには、必ず医師に相談してください。

脚上げテスト

 仰向けに寝ていただき、誰かに片手でヒザを押さえ、片手で足首をつかんでもらいながら上に上げていきます。

そして、
 脚が90度近く上がる人=健康
 脚が上がらない人=頭痛が起こりやすい

ということがわかります。

 これは、腰の骨の下にある仙骨とその外側にある腸骨(お尻の内側の骨)を繋いでいる「仙腸関節」という関節と顎の関節は連動しており、これにより、仙腸関節の状態が良い人は脚が上がり、歯の噛み合わせが良いことがわかりますが、上がらない人は噛み合わせが悪いことがわかるのです。

どのように歯の噛み合わせは改善すれば良いののでしょうか?

 噛み合わせを治すための最適な方法は、「歯医者さんでの歯列矯正」と「テンプレート療法」という2つの方法があります。
 歯列矯正は矯正器具を付けたり、気になる歯を削って仮歯にして歯並びを変えていく方法です。あなたの周りにも歯に矯正器具を着けている人を見かけたことがあると思います。

テンプレートの使用方法

 そして、テンプレート療法は口の中に器具を入れて、歯の噛み合わせを改善していく方法です。テンプレート療法は、頭痛治療の奥の手と考えられているほど注目されている療法で、歯の噛み合わせだけでなく、全身の歪みにも効果を発揮します。
 人間の身体は、例えば右の奥歯がすり減っていたり、抜けていると頭が右へ右へ傾いてしまいます。また、左右両方の奥歯が低くなっていると頭を支える力が弱くなり、どんどん頭が前傾し、猫背になっていってしまいます。
 テンプレートは歯並びを矯正するのではなく、 奥歯の高さを調整して、頭を正しい位置に矯正する治療法なのです。

噛み合わせはインプラントにも悪影響を及ぼします

 噛み合わせが悪いままインプラント治療を行ってしまうと、トラブルの原因になってしまいます。また、インプラント治療によって噛み合わせが悪くなる場合も同様です。
 せっかくインプラントを埋入しても、噛み合わせ調整が適切でなければ、しっかり噛めませんし、頭痛や肩こりなどの症状の原因となってしまうのです。
 もちろん、インプラント治療に限らず、入れ歯やブリッジなどの歯科診療において、噛み合わせ調整は大変重要です。歯科診療が原因で噛み合わせが悪くなり、健康に悪影響が及ぶのでは元も子もありません。
 噛み合わせの調整は、歯科診療において大変重要なのです。

 しかし、歯列矯正には70~100万円もの治療費が、テンプレート療法もテンプレートを作るために30~50万円近く費用がかかってしまうため、本当に歯の噛み合わせが原因なのかがわからない人は、簡単に手が出せないかと思います。
 この点は、ネットで内田信友先生がHPで詳しく説明されていますので、こちらを参考にするのもよいかもしれません。「N.H.R.頭痛解消法」も販売されています。

 また、歯のかみ合わせの悪さが、咀嚼する度に三叉神経核に異常な刺激を送り続け、これが「脳の興奮性」を高め、これが片頭痛の原因となるとも考えられています。


 このように、歯科医の先生方も、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」の関連性を指摘されます。


 結局、歯のかみ合わせの悪さが「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてくるということです。
 しかし、専門家は、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」はエビデンスなし、とされるため、このようなことを容認することはありません。

 ただ、「体の歪み(ストレートネック)」があれば、一応、歯の噛み合わせの状態も検討すべきということのようです。

目次へ


23.”足裏病変”はなぜ悪い??

カサハラフットケア整体院の笠原厳先生は、以下のように述べています。

 外反母趾、指上げ足(浮足)、扁平足などの足裏の異常があると、重心が踵に片寄り過ぎており、足裏の免震機能が著しく低下し、歩行時に「過剰な衝撃波やねじれ波」が発生して首へ繰り返されることになります。つまり、足裏の異常は重心が踵へ片寄るため、2つの有害なストレスを発生させてしまいます。
 重心が踵への片寄ると、足裏のクッション作用が衰え、歩行時に「過剰な衝撃波」が首へ繰り返され、頚椎のつぶれ、左右異なる歩き方をするため体が揺れ易く、上部に伝わる時「過剰なねじれ波」となって首を歪ませバランスを悪くします。
 首の歪みとは、土台となる足裏や背骨に対し首が前に落ちていたり、逆に後に反っていたり、また左側や右側へ片寄っていたり、頚椎の生理的湾曲が少なく真っ直ぐ過ぎるため上下のバランスが悪いなどといった頚椎の特徴や姿勢を言うのです。つまり、首の(前・後)×(左・右)×(上下)の構造的な歪み(ズレ)を指すのです。
結果的に、「体の歪み(ストレートネック)」を併発してくるということです。

 足裏の異常つまり外反母趾や指上げ足(浮指)、扁平足などがあると重心が踵に片寄り足裏が不安定になります。
足裏が不安定になると、それを補うため頚に歪み(ズレ)が起こります。
その歪んだ首に、歩行時に発生する「過剰な衝撃波やねじれ波」が繰り返されるため、首が変形します。 『首の変形とは、歪み(ズレ)と微細な疲労骨折(圧迫)のことです。』
このように悪い足となる外反母趾、指上げ足(浮足)、扁平足など足裏の異常があると、 足裏が不安定になり、重心が踵の方へ移動して歩き方も悪くなってしまうのです。そして、悪い歩き方は時間経過に伴い、首に過剰な衝撃波やねじれ波という有害なストレスを歪みの多い首へ繰り返し伝えてしまうため、何倍もの負担を加え続けることになるのです。 次第に変形(歪みや微細な疲労骨折)を起こして頭痛を発症させてしまうのです。
 ですから足裏のバランスを整えて、重力の上に効率よく立ち、そして正しい歩行をすることが重要なのです。

具体的な対処法として

A. 足裏と首筋の付け根を低周波で刺激、ほぐします。足裏を刺激する目的は、外反母趾、指上げ足、扁平足などの悪い歩き方により足底筋群が疲労して固くなっているため、これをほぐします。もう一つは足裏への刺激により足底反射(原始反射)つまり踏ん張る力をつけるためです。

B. 次に専用マッサージ器(足裏天国)で足裏から首のマッサージを行い、血行促進と共に疲労を回復させ、次に行う整体が効果的かつ安全に行われるよう全身の筋肉をほぐします。

C. 足裏から全身のバランスを整える「足裏バランス整体」を行う。具体的に説明すると、足のリスフラン関節亜脱臼の整復、骨盤の歪みや猫背の調整、頚椎への安全整体です。

D. 整体の後にはその効果を持続させる為、足裏のバランスをテーピングで整えておきます。(足裏バランステーピング法)テーピングを外した後やテーピングができない場合はテーピングの代わりとなる3本指タイプの専用テーピング靴下を履きます。

 足裏のバランスを整えると、重力の上に効率よく立つことができるため自然と正しい歩行が促され全身のバランスが整うのです。また、靴の中には人工筋肉素材の免震インソールを入れるか専用の免震シューズを履き、足裏へ基礎工事となる免震構造設計を施します。

 結論として、片頭痛の90%は足と首の異常が関係しているのです。したがって治療法も「足裏から首のバランスを整え、重力との調和を図り、自然治癒力を発揮させる。」という事が根本治療となるのです。

 このように述べておられます。


 以上のように、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」の関連性を指摘されます。

 従来から、片頭痛のセルフケアの一項目として、以下のように指導されてきました。

 歩き方も健康を大きく左右します。自分に合った歩きやすい靴で、きちんと姿勢よく歩いていれば、からだのゆがみを 矯正してくれます。

 これらは頭痛のためだけでなく、健康や美容にもいいことなので、実践すべきです。

 こうした事実は、どのように解釈すべきなのでしょうか?

 こうしたことから、「体の歪み(ストレートネック)」を指摘された場合、このような「外反母趾、指上げ足(浮足)、扁平足などの足裏の異常」がないかどうかも、確認しておく必要があるようです。

目次へ


24.片頭痛はどのようにして発症するのでしょうか????

 ここで、これまで述べてきたことを”まとめ”ておくことにします。これまでの繰り返しですが、一部の特殊な精神疾患もしくは心療内科的な問題・原因をもとにした慢性頭痛以外のものは、以下のような発症様式をするものとまとめられます。(あくまでも一般内科開業医の視点からみた慢性頭痛です)

慢性頭痛は、「生体のリズムの乱れ」を引き起こす”生活習慣”から

「脳の中に異常のない頭痛」の一次性頭痛(慢性頭痛)は、「生体のリズムの乱れ・歪み」を引き起こす”生活習慣”から生じてきます。生活のリズムは恒常性(ホメオスターシス)によって維持されています。恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっております。3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」と呼ばれます。
「ホメオスターシスの三角形」は、ストレスにさらされることでバランスを崩し、頭痛に繋がっていくことになります。慢性頭痛は、ストレスの影響が極めて大きいのが特徴です。
 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。
 緊張型頭痛は、環境因子の色彩の濃い頭痛です。この発症には、身体的ストレスと精神的ストレスが関与します。身体的ストレスには「体の歪み(ストレートネック)」が関与してきます。精神的ストレスには、「脳内セロトニンの低下」が関与します。
 片頭痛は、「ミトコンドリアの機能障害」による頭痛であり、その大半は、遺伝形式は”多因子遺伝”によるものであり、”ミトコンドリアの働きの悪さ”という遺伝素因を基盤として、これに”環境因子”が加わって発症してくるものです。この環境因子として、”ミトコンドリア”、”脳内セロトニン”、”体の歪み(ストレートネック)”の3つの働きを悪くする要因があります。

「ホメオスターシスの三角形」を歪める要因

 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。

 ”セロトニン神経系”の機能低下により「脳内セロトニンの低下」が引き起こされ、これは生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により低下・変動し、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると低下してくることになります。

 ”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、 局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。

 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。こうしたことから、高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。
 ”腸内環境”が「片頭痛体質形成」には極めて重要な位置を占めております。

 さらに長期間に渡って”ストレス”に晒されることで、「ホメオスターシスの三角形」は、バランスを崩し、マグネシウム不足(ミトコンドリアを弱らせます)、脳内セロトニンの低下、過剰な活性酸素を産生してきます。

 このようにして、「ホメオスターシスの三角形」に”歪み”を引き起こしてきます。

現代社会は、”活性酸素”に満ちあふれた生活環境にあります

 私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。活性酸素は、ミトコンドリアがエネルギーを作る際に産生されてきます。
 ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして、姿勢が悪くなってきます。

 そして、私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 セロトニン神経系は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉に働きかけていることから、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が、困難となり、姿勢が悪くなってきます。
 このように、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。

 結果的に「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしやすくなってきます。

 現代社会では、活性酸素に満ちあふれた生活環境に置かれていることを考える限り、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、「脳内セロトニン低下」と相まって、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 こういったことから、現代では、「ストレートネック」が日常茶飯事にみられるようになってきました。こうした背景をまず、念頭においておくことが大切です。

 さらに、知らず知らずのうちに摂取される環境汚染物質や残留農薬などの有害物質は「代謝異常」にも深く関わり、「ミトコンドリアの働き」を悪くさせます。
 日頃から、こうした有害物質を除去させるためには、デトックスが必要となり、水分摂取が不十分で、食物繊維の摂取が少なければ、有害物質が蓄積することになります。その結果、益々、「ミトコンドリアの働き」を悪くさせます。
 また、身の回りには活性酸素を発生するものが多く存在し、これがまた「ミトコンドリアの働き」を悪くさせる要因となります。このため抗酸化物質の摂取が不十分であったり、睡眠不足になれば、活性酸素が過剰に蓄積することになり、これらがすべてミトコンドリアの働きを悪くさせてきます。
 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。こうした背景をもとにして、これらが「酸化ストレス・炎症体質(片頭痛体質)」を形成してくることに繋がってきます。

 このような要因が”慢性頭痛の発症の基本的な病態”として存在しています。このようにして、「ホメオスターシスの三角」のバランスがとれなくなり、「ホメオスターシスの三角」の歪みを生じることになります。
 このような要因が存在するため”片頭痛体質”である「酸化ストレス・炎症体質」が潜在的に形成されることになります。

 このような背景をもとに「体の歪み(ストレートネック)」が引き起こされやすい状況にあります。

慢性頭痛の発症の起点は”前屈みの姿勢”

 日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。 これにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、 赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。
 このようにして「体の歪み(ストレートネック)」が作られてくることになります。

緊張型頭痛の起こり方

 人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨全体にかかることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いておれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。これが、専門家が”とるに足らない頭痛”とされる緊張型頭痛です。このように頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いてることが、重要なポイントになってきます。

片頭痛の起こり方

 このようにして、日常生活を送る際の”何気ない姿勢(とくに前屈みの姿勢)や動作”などが長期間持続することによって「体の歪み(ストレートネック)」が形成されることになります。そうなってきますと、さらに、緊張型頭痛が増強されることになり、さらに「体の歪み(ストレートネック)」を基盤として片頭痛になる可能性のある方は、生まれつき「ミトコンドリアの働きの悪い」”遺伝素因”があり、頭痛を訴える度にアスピリンを含んだ鎮痛薬を服用し続けたり、ミトコンドリアをさらに弱らせる抗生物質の服用・マグネシウム不足・有害物質の摂取等々の生活習慣等によって、さらに「ミトコンドリアの働きが悪く」なって来ます。これとは別に“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンが低下」することになり、これがさらに増強されてきます。こうした「ミトコンドリアの働きの悪さ」があるところに、さらに「マグネシウム」の不足が持続してきますと、「脳過敏」を引き起こしてきます。そして先ほどのストレートネックが持続すれば、頸部の筋肉が絶えず刺激を受けることになり、この刺激は三叉神経核に絶えず送られることによって、さらに「脳過敏」を増強させます。これに生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により「脳内セロトニンの低下」の要因が追加されて、「脳過敏」を増強させ、さらに症状を多彩なものとさせます。


「ストレートネック」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
↓                 ↓
↓       脊髄を介して三叉神経脊髄路核
↓                 ↓
↓      中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
↓                 ↓
↓          
脳の過敏性、頭痛の慢性化

自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頚性神経筋症候群
                    
(慢性頭痛)

尾側亜核で三叉神経と頚神経が収束する


 ストレートネックのために、頭半棘筋に凝りが出ると、それが大後頭神経を刺激し、その刺激が三叉神経に伝わります。大後頭神経と三叉神経は脳のなかで、三叉・頚神経複合体を形成していて、つながっていますので、大後頭神経の刺激は三叉神経にも伝わります。
 このため、「体の歪み(ストレートネック)」が改善されないまま、放置されることにより、後頸部筋肉群にかかった刺激は常時、三叉神経核に送られ続けられることになります。 このようにして、脳の過敏性、頭痛の慢性化へと繋がっていくことになります。さらに、閃輝暗点を引き起こす要因にもなっています。


 片頭痛も緊張型頭痛も共通して「頸部筋肉群の疲労」を基盤として発症すると考えられます。この根拠として、両頭痛に共通してストレートネックが認められる点です。
 片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)のない場合は、首の筋肉のこりは、大後頭神経に痛みのみ起きることによって、純然たる「緊張型頭痛」を発症します。
 片頭痛の遺伝素因(ミトコンドリアの活性低下)があれば、片頭痛の場合は、「セロトニン神経が働きが悪くなって「痛みの感じやすさ」が存在するところに、首の筋肉のこりの刺激が、大後頭神経から三叉神経に絶えず刺激が送られ続けます。このため、「痛みの感じやすさ」がさらに増強され、常時、脳の過敏性が高まった状態が継続していきます。

             
”脳過敏”を引き起こす要因

          1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
        2.脳内セロトニンの低下
        3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続


 片頭痛の基本的な病態は「脳過敏」(脳がちょっとしたことで反応しやすくなることです)にあるとされます。このように少なくともこうした3つの「脳過敏」を引き起こす要因が次々に追加されることによって、”緊張型頭痛”から”片頭痛”にまで進展していくことになります。だいたいこうした時期は、女性の場合、初潮を迎える13歳頃に一致します。この点に関しては、女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、月経周期でその分泌量は大きく変わります。
 特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質であるセロトニンも急激に減ります。
 その時に頭の中の血管が拡張することで片頭痛が起こると考えられています。
 このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
 つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすいということなのです。
 
 以上のように、だいたいこうした時期は、女性の場合、初潮を迎える13歳頃に一致します。こうした年代に女性の場合は、片頭痛を発症してきます。
 そして、発症当初は、発作の程度も頻度も少ないのですが、これが結婚を契機として出産・育児を経験することになり、これまでの生活習慣は一変します。具体的には、睡眠時間が、育児に際して、十分に確保できなくなることを意味しています。片頭痛の場合、睡眠時間が確保できませんと、ミトコンドリアの働きを悪くさせ、ひいてはセロトニン不足に繋がってきます。根底にあるストレートネックは経験的に30歳までに改善させませんと、固定化してきます。こうしたことから、概して女性の場合、30歳を超えてきますと、とたんに頭痛の頻度も増え、程度も酷くなってきます。

次々に追加される悪化要因

 このため30~40歳代の苦難の時期を迎えてしまいます。さらに特に女性の場合、家族・夫婦間および職場でのストレスなどの”さまざまなストレス”が加わることにより、「脳内セロトニン」不足が持続することになります。
 こうした時期になると、鎮痛薬やトリプタン製剤の服用も月に10回を超えるようになり、これがさらに「化学的ストレス」となって(見方を変えれば、鎮痛薬やトリプタン製剤も私達の体には異物です。異物を解毒しようと、ある酵素を出します。この酵素が働く過程でも、活性酸素が発生してしまうのです。このため発作を起こりやすくします)、益々「脳内セロトニン」低下を倍増させてきます。これに対して抗てんかん薬(特に、デパケンは注意が必要です)を追加されることにより、一時的には発作回数は軽減されることはありますが、長期間連用しますと今度は「ミトコンドリア」を弱らせる結果、さらにトリプタン製剤の服用を減らすことができなくなるといった”泥沼の状態”を引き起こしてきます。 まさにエンドレスの状態に至ってしまいます。さらに、更年期を過ぎてきますと、若い頃のように血管の”しなやかさが失われ”反応性も乏しくなり、片頭痛本来の拍動性頭痛でなく、緊張型頭痛のような鈍い頭痛に変化してきます。これは、ストレートネックがそのまま持続しているためです。そして、頭痛に加えて、イライラ、不眠、めまいなどの不定愁訴が加わってきます。これが、東京女子医科大学脳神経外科の清水俊彦先生が提唱される「脳過敏症候群」そのものであり、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の提唱される「頸性神経筋症候群」に相当します。こうしたことから、うつ状態・めまい・冷え性等々のさまざまな”共存症”を合併することになります。これは「脳内セロトニンの低下」によるもので、こうした時期には同時に、本来は痛くない刺激を痛みと感じる”アロディニア(異痛症)”が出現してくることになります。また、片頭痛発作が天気・低気圧に左右され、寝過ぎで発作が誘発されやすかったりと多彩な症状を呈してくることになります。

 男性の場合は、「体の歪み(ストレートネック)」に加えて、食生活の問題から「ミトコンドリアの働き」が悪くなり、これに生活習慣の不規則により、また仕事上のストレスが重なることによって「慢性的な脳内セロトニンの低下」が引き起こされることによって、片頭痛へと発症していきます。

根底にはストレートネックが存在します

 このように、慢性頭痛発症の根底には、まず、体の歪み(ストレートネック)が存在します。このストレートネックは早い人では子供の頃から既に存在します。遅い場合は、前屈みの姿勢を強いられる作業環境に置かれ続けた場合、後天的にも形成されてくることになります。こうした方々は、片頭痛の発症時期は当然遅くなってきます。30歳以降に発症してくることも多いように思われます。
 また、ムチウチの事故に遭遇しますと、その後、ストレートネックが形成・増悪してきて、このために緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛のいずれの形でも頭痛が引き起こされてきます。しかし、国際分類では、ムチウチ後7日までに出現しませんとムチウチとの関連性は否定されます。しかし、現実には、ムチウチ後、かなり時間が経過してからムチウチと同じ症状が出現してくることは日常茶飯事ですが、この点は、国際分類では極めて曖昧な形になっています。これは、頭痛と頸椎病変に関する取り決めが極めて曖昧なことによります。こういう点から、ムチウチからストレートネックが形成されてくるという松井孝嘉先生の主張を頭痛専門医は全く受け入れることなく、片頭痛の”慢性化の治療不可能な要因”として”頭部外傷・頸部外傷”を挙げています。これは余談ですが・・

 また、群発頭痛の場合、最初は片頭痛のようなパターンをとりながら、ある時期から群発頭痛へ移行したり、片頭痛と群発頭痛との間を行ったり来たりする場合も経験されます。 群発頭痛は「体内時計」の乱れによって起きてくることが従来から指摘されています。 体内時計は、ミトコンドリア、セロトニンと関係があります。こうして考えれば、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛の慢性頭痛は、一連のものと考えなくてはなりません。

根本的に存在する要因

 このように慢性頭痛の発症には、「体の歪み(ストレートネック)」「ミトコンドリア」「セロトニン」の3つの要因が関与しています。根本原因は、「ミトコンドリアの働きの悪さ」にあり、この3つがお互いに、密接に関与し・影響しあっています。決して、この3つが独立して存在するわけではなく、相互に関係しあっています。
 この3つが片頭痛の”環境因子”となっていて、これらの関与の仕方の比重は各人・各様であり、どの要因のスペクトラムが色濃く関与しているかの違いと思われます。

 こうした観点から予防・治療の対策を考えなくてはなりません。そして、根底には先述の「酸化ストレス・炎症体質」が潜在的に形成されていることから、このような体質にならないよう配慮するとともに、これを改善しませんと根治には至らないということです。

 このような基盤ともとにして、過剰に産生された活性酸素が誘因(引き金・・トリガー)となって、容易に、「片頭痛」発作が引き起こされてきます。
 この際トリガーとなる活性酸素の”量”によって、片頭痛発作の程度が決まってきます。
 この片頭痛の発症の仕方は、項を改めて述べることにします。


 以上、片頭痛の発症様式を考える場合、以下が基本となっています。

 
まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与


 このような基本的なことを念頭において、片頭痛の発症様式を考えなくてはいけません。

 
 以上のように、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。これほど、「体の歪み(ストレートネック)」は、片頭痛発症においてまさに重要な位置を占めており、これ抜きには論ずることはありえないものです。

 これまで述べてきましたことは、「”頭痛”はなぜ女性に多い?」で述べたことと重複している部分が多いのですが、片頭痛がどのようにして発症してくるのか、さらに片頭痛が慢性頭痛のなかでどのように位置づけされるのかを理解することが大切です。
 今後片頭痛を改善させるためには不可欠な・基本的な知識となるものです。こうしたことから、敢えて繰り返して述べました。

 このような基本的な病態を念頭において、自分の頭痛と向き合うことが必要です。


 片頭痛の病態は、トリプタン製剤の作用機序の面からだけしか考えないということでは、自ずと限界があるということを認識しなくてはなりません。

 残念ながら、全世界の頭痛の専門家は、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」に注目することなく、片頭痛の病態は”頭蓋内の病態”にしか眼が向いておらず、こうしたことから日本の専門家は全てこれに従う現実があるようです。このような状況が持続される限りは、片頭痛の病態はいつまでも明らかにされることはないようです。
 それも、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛研究の”絶対的な基準”とされることだけを考えても、永久に解明されないのではないでしょうか。

 少なくとも、つまらない議論を繰り返す以前の問題として、”閃輝暗点という前兆のある片頭痛患者”の「体の歪み(ストレートネック)」を徹底的に改善させることによって、こうした”閃輝暗点という前兆のある片頭痛患者”がどのような状況に至るのかを確認しさえすれば、簡単に結論が出るはずでありながら、このような”単純な”ことすらされない専門医には、問題があるとしか言えないようです。このような疑問を解く鍵は、極めて身近に存在するはずです。ただ単に、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」の関与を、何ら検証もすることもなく、問答無用にエビデンスなしとすることに問題があります。

 これが、私の極めて”素朴な疑問”です。

 ただ、専門家には、このような「体の歪み(ストレートネック)」を改善させる”スベ”を持たず、さらにどのようなものが「体の歪み(ストレートネック)」なのかといった基礎的な知識そのものがないため、こうしたことを期待すること自体無理なのかもしれません。

目次へ


25.片頭痛治療には「栄養指導」は必要でしょうか?

頭痛とくに片頭痛には栄養指導は必須です。そして、片頭痛治療の根幹となります。

 これまでも、述べていますように、片頭痛は以下のように考えるべきです。

 
片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目が挙げられます。

  1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
   2.免疫(腸内環境)の関与
   3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
   4.体の歪み(ストレートネック)の関与
   5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   6.ミトコンドリアの関与


 このように、片頭痛は生活習慣病ともいうべきもので、「生活習慣病」では食事指導は必須の項目であり、これなしでは片頭痛は改善されることはありません。

 ミトコンドリアの働きが低下したり、異常をきたす病気を「ミトコンドリア病」といい、この病気を持つ人のほとんどが、片頭痛を持病として持っています。
 こうしたことから、片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”と考えられています。ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、細胞の中で呼吸し、エネルギーを生産している工場の役割を担っています。
 
 このエネルギー代謝を円滑に行うためには、食生活でとくに栄養素・ビタミン・ミネラルを”過不足なくバランスよく”摂取することが大切になります。偏食はダメです。
 このなかでも、ミトコンドリアの機能をよくするビタミンB2を摂取が必要とされます。 ビタミンB群を含む食品としては、卵、豚肉、レバー、うなぎ、焼きのり、大豆、ゴマがあります。
 
 ミトコンドリアは、糖と脂肪と酸素からエネルギーを生成する働きを持っています。
 食べ過ぎるとミトコンドリアは、栄養が体に行き渡っているため、怠け始めます。
 ミトコンドリアを増やすには、空腹が最も重要です。
 ミトコンドリアは、エネルギーが不足している時や、もっとエネルギーの需要が必要な時に活性化して増殖します。

 このため、過食は厳禁であり、カロリー制限に捉われるとストレスに繋がりますが、毎日食事制限をしなくても、時々空腹感を味わう「プチ週末断食」をお勧めします。空腹になると体はもっとエネルギーを作らなければと認識してミトコンドリアを増やし、エネルギーを作ろうとするのです。
 難しく考える必要はありません。平日は普段通りの食事を摂り、週末の1~2日だけ3割程度のカロリーにすれば良いのです。例えば朝は野菜ジュース、昼はざるそばなどの軽食、軽めの夕食にする程度で十分です。

 また、マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。
 片頭痛は、ミネラルの1種であるマグネシウムの不足が知られています。頭痛発作中の患者の脳内マグネシウム濃度を調べると、30%から50%の人が、通常より低いことは実験によりわかっています。
 マグネシウムは、血管の収縮を抑えたり、血小板が凝集するのを防ぐなど、血液の循環機能を整えます。そのため、マグネシウムが不足すると血管が痙攣(けいれん)しやすくなり、痛みに敏感になるので頭痛がひどくなります。
 マグネシウムを大量に摂取することで血液の循環がよくなり、また筋肉の収縮も抑えるので、片頭痛にも緊張型頭痛にも効果があります。
 マグネシウムを含む食品としては、大豆製品、ほうれん草、海藻、ひじき、するめ、魚介類、柿などがあり、積極的にこうした食品を摂取しなくてはなりません。

 ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に、必然的に活性酸素を発生します。さらに、現代社会では、身の回りは活性酸素に満ちあふれています。こうした過剰に発生した活性酸素は、ミトコンドリアの機能を悪くさせます。このため、活性酸素の毒消しをする物質、フリーラジカルスカベンジャーが必要になってきます。これを増やすことによって、人体に蓄積された有害な活性酸素を無害化することができます。
 フリーラジカルスカベンジャーは、おもにビタミンA、C、Eが含まれる緑黄野菜や乳製品から摂取することができます。

ビタミンA,C,Eを含む食品としては、

 ビタミンA:ニンジン、ほうれん草、卵黄、牛乳、バター
 ビタミンC:イチゴ、緑茶、ジャガイモ
 ビタミンE:大豆、落花生、しじみ、うなぎ


 このような食品を毎日摂取することが大切になってきます。


ミトコンドリアは、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在します。私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 このため、脳内セロトニンが低下することになります。「脳内セロトニンの低下」は「痛み閾値を低下」させ、頭痛を感じやすくさせます。このため、脳内セロトニンを増やすために、セロトニンの前駆物質であるトリプトファンを食物から直接取り入れることが必要になります。トリプトファンを含む食品としては、卵黄、牛乳、乳製品、大豆製品、いりゴマがありますが、これらを摂取する際にはコツが必要とされます。
 トリプトファンを食物から直接取り入れる際には、念頭におくべきことがあります。
 トリプトファンが通る場所(脳血液関門)に問題があり、ここは、ほかの必須アミノ酸も通っていく場所なのです。食品によってはトリプトファンよりも「フェニルアラニン」とか「口イシン」という必須アミノ酸のほうが多く含まれるものがあります。これらの必須アミノ酸がトリプトファンの邪魔をするため、トリプトファンが通過しづらくなってしまうのです。その代表的な食べものが、肉類や乳・乳製品なのです。
 結局、トリプトファンが多いだけではダメで、それと同時にフェニルアラニンとロイシンの量が少ない食品を選択して摂取しなくてはなりません。


 「脳の中に異常のない頭痛」の一次性頭痛(慢性頭痛)は、「生体のリズムの乱れ・歪み」から生じてきます。生活のリズムは恒常性(ホメオスターシス)によって維持されています。恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっております。
 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。

 ”セロトニン神経系”については、先程述べました。摂取上、知識が必要とされます。

 ”生理活性物質”は、必須脂肪酸とくにオメガ3とオメガ6の摂取バランスをうまくとることが大切になります。
 オメガー6系脂肪酸とオメガー3系脂肪酸の摂取比率は、体質改善当初は[1:1]、改善後は[2:1]が望ましく、シソ油(エゴマ油)や亜麻仁油を日常の食生活に取り入れることが勧められています。

 ”腸内環境”いろいろな原因で変化しますが、なかでも食生活は大きな影響を及ぼします。欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。食物繊維が不足した「不健全な食事」では、腸内細菌のよい働きを引き出すことはできません。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。
 特に食事のよし悪しは、腸の健康にとって決定的ともいえる重要性をもっています。高タンパク・高脂肪の肉や牛乳などを減らし、野菜料理に漬物や納豆などの発酵食品を加えた伝統的な日本食にすれば、“腸内フローラ”の崩れたバランスは回復し、健康を取り戻すことができるようになります。「食物繊維」の豊富な食事によって、腸内細菌をよい状態に維持することができるのです。欧米型の食事をやめて、野菜や発酵食品を中心とした伝統的な日本食にすることが、腸内細菌をよい状態に保つ強力な方法となります。

 私たちは、知らないうちに「有害物質」を口にしています。有害物質となるものは、添加物入りの食品や、農薬を使った野菜などです。食品には、添加物を使ったものがたくさんあります。このような有害物質になるものを身体に取り込まないことが大切です。
 無意識に摂取される、こうした有害物質を解毒するためのデトックスが必要となってきます。このため、水を十分に補給し、食物繊維を十分に摂取することが大切になってきます。

 また、「インシュリン過剰分泌」を抑える食事摂取方法も大切です。

 このようにざっとみても、食生活がいかに大切かが理解されたはずです。

 このような知識が最低限必要とされるということです。

 
クスリだけでは、片頭痛は到底改善できません。

 このようなことは、鳥取大学の下村登規夫助教授は、「MBT」という頭痛治療法を提唱され、次の5つを改善することで、およそ9割の片頭痛が改善するとされていました。
 ただし、最低でも3ヶ月、なるべく半年以上続けることが大切といわれていました。

  
1 マグネシウムの補充
  2 セロトニンの改善
  3 ミトコンドリアの機能改善
  4 フリーラジカルスカベンジャーの増加
  5 自律神経の安定


 MBTでは、自律神経の安定も提唱しています。歩行運動が効果的とされます。


 以上のように断片的に記載すれば、錯綜として何が何だか判りにくくなります。
 こうしたことから、系統的・体系的に栄養学を学ぶことが大切であり、必要になります。


第1章 栄養学の基礎知識

 1.エネルギー産生能力を増強させるために・・
 2.からだづくりはビタミン&ミネラルの補給がカギ。

第2章 最新の栄養学的知識

 1.動物性タンパク質の過剰摂取の害
 2.「牛乳信仰」の弊害・・・牛乳は悪い食品!?
 3.砂糖の過剰摂取の害
 4.第6の栄養素「食物繊維」
 5.ますます明らかになってきた「腸内細菌の重要性」
 6.脂肪・油の摂り過ぎによる弊害と、油に関する考え方

  ■1.動物性脂肪と植物性油
  ■2.脂質についての、新しい分類――分子構造の違いによる分類
  ■3.各脂肪酸の摂取状況(飽和脂肪酸・オメガ9・オメガ6・オメガ3)
  ■4.体内での各脂肪酸の変換
  ■5.最新の油の考え方――「オメガ3」と「オメガ6」のバランス
  ■6.局所ホルモン(プロスタグランジン)の働き

  「酸化ストレス・炎症体質」を益々悪化させるもの

     細胞膜と過酸化脂質について

第3章 現代人の栄養摂取状況

 高タンパク、高脂肪、砂糖過剰、ビタミン・ミネラル不足、低食物繊維
 食生活改善について・・・

このような知識を得るために、以下のようなファイルを用意しています。

     片頭痛の生活習慣の改善 食事療法編
       http://taku1902.jp/sub276.pdf

 このように、栄養指導は片頭痛治療上、根幹となっているはずでありながら、専門家は、ただ単に、「マグネシウム補充」「ビタミンB2」を楊子のツマのごとくあげているにすぎません。
さらに、平成22年11月に日本頭痛学会理事長が開設された「埼玉国際頭痛センター」には、食事指導の部門は存在しないことからも、専門家の食事指導に対する考え方が象徴されているようです。しかし、この施設は片頭痛治療のモデル施設とされています。
 このような施設をみても、専門家が、いかに食事指導を軽視しているのが伺われます。


 片頭痛が”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”であるという、基本的なことを忘れてはなりません。

 こういった理由から、片頭痛治療上、栄養指導は必須の項目になっています。
 食事指導ぬきでは、片頭痛は改善されることは、絶対にあり得ないことです。
 ただ単に、楊子のツマのごとく「マグネシウム補充」「ビタミンB2」を挙げるだけでは話にならないということです。

 こういった意味でも、片頭痛が生活習慣病である以上、おなじ糖尿病では、食事指針として「食品交換表」があります。これに匹敵するものが必要とされます。


 片頭痛治療の世界は、まさに”時代遅れ”のことをしているようです。

目次へ


26.欧米人と日本人の片頭痛に違いはあるの???

 一般的に、欧米人の片頭痛は日本人に比べ、頻度も多く、頭痛発作の程度も激しいとされています。この差異はどこからくるのでしょうか。

 まず、片頭痛と肥満の合併頻度は圧倒的に欧米に多く、日本人では、片頭痛と肥満の合併率は低いようです。
(米国人健常者のBMIは28.5、日本人健常者のBMIは22.7といわれていますので、これから推測しても、片頭痛に肥満が多いことは想像できると思います)
 このような背景をみますと、「片頭痛と肥満」が片頭痛の程度と何らかの関係がありそうに思えます。そこで、まず、以下の点から考えてみましょう。

まず、消化管の構造と機能の面から・・

 ”食べ物を食べてから便として排泄されるまでの時間”は24 ~ 72時間と言われます。
 日本人の場合、排便までの時間が平均で34 時間から44 時間(一日半から二日)、アメリカ人は70時間(約三日)、イギリスでは実に104 時間(四日以上)なのです。
 ところが、食物繊維を多く食べるインドやアフリカでは欧米諸国よりずっと短く、10 時間程度なのです。つまり、食物繊維を多く食べる国は排便までの時間が短く、肉食を主とする欧米では時間が長いという傾向があるのです。
 ところが、日本人の大腸の長さが約1.5m、欧米人で約1m。そう、我々の方が1.5倍も長いのです。このように大腸の長さが、欧米人では日本人に比べ短いにも関わらず、食べ物を食べてから便として排泄されるまでの時間に差が見られます。これは、欧米人は、肉中心の脂肪分が多い食事ですが、日本人は昔から野菜や穀物中心の繊維が多い食事だったことに関係があるといわれています。
 このように食事の内容によってこのような違いがあるようです。

食事内容による差は、何を意味するのでしょうか

 欧米人の”肉中心の食生活”は、マグネシウム不足をもたらすことになります。さらに腸内環境を悪化させることになります。
 また、食品添加物、土・水・大気汚染などが、マグネシウムの働きを阻害しているとも言われています。
 牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足・その他を招くことに繋がります。
 さらに、脂肪の摂取量も欧米人では、数段日本人より多いものと推測されます。
 とくに、米国人のオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の摂取比もかなり高いことからも生理活性物質との関連が示唆されます。
 肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取する高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、間違いなく腸内環境は悪化します。
 このように高タンパク・高脂肪は過食の原因となり、カロリーのとり過ぎとあいまって、「SOD」(スーパーオキシドディスムターゼ)や「グルタチオンペルオキシダーゼ」、「カタラーゼ」といった、抗酸化酵素”の活性に必要不可欠なマンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。結果、活性酸素の発生が増加することになり、ミトコンドリアの働きを悪化させます。肥満にもつながります。

食物繊維と現代病の関係

 食物繊維の摂取が、病気の発生と深い関係があることを示す有名な研究データが、1973年に、英国人医師バーキットによって発表されています。それはアフリカ人とイギリス人の“便”を比較したものです。

 その報告によれば、「アフリカ人」の1日の便の量は、イギリス人の4倍にも達し、太く軟らかく、ほとんど臭いがしません。それに比べ「イギリス人」の便は、硬く圧縮されていて細く、何よりもひどい悪臭がするのです。研究によって、アフリカ人は食べた物をほぼ1日で排泄しているのに対し、イギリス人は平均3日もかかっていることが分かりました。
 当時、アフリカの田舎に住んでいた人々の食事の特徴は「低脂肪・高食物繊維」で、食物繊維はイギリス人の3倍も摂っていました。バーキットと彼の仲間の医師たちは、食物繊維の摂取と病気との関連を調べ続け、その結果をイギリスの医学雑誌に発表したのです。 彼らの論文は、欧米の医学界に大きな衝撃を与えることになりました。
 その中でバーキットは、現代の欧米社会に多く見られる―心臓病・胆石・大腸ガン・虫垂炎・痔・肥満・糖尿病・静脈瘤などの病気は、「食物繊維」を大量に摂っているアフリカ人には、ほとんど発生していないことを明らかにしました。(ところが同じアフリカ人でも、都会に住み、欧米化した食事を摂っている人々の間には、欧米人なみに“現代病”が蔓延していました。)
 そうした報告に触発された世界中の医師たちのその後の研究によって、バーキット博士の発表は裏付けられました。大腸内での食物繊維の働きが明らかになり、その重要性が認識されるようになったのです。

 日本人は昔から野菜や穀物中心の繊維が多い食事だったことに関係があるといわれています。このように、日本人は、従来より食物繊維の多い食事をとっていました。
 しかし、最近では摂取量が少なくなってきていることが指摘されますが・・


 以上のように、欧米人と日本人の片頭痛の差異は食事の内容にあります。


 高タンパク・高脂肪・低食物繊維は、腸内環境を悪化させ、過食はミトコンドリアを弱らせることにつながり、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の摂取比もかなり高いことは生理活性物質のバランスを乱すことになります。
 このようにして、欧米人の片頭痛は日本人より、頻度も多く、頭痛発作の程度も激しいことになります。


 こうしたことから、片頭痛治療上、食事療法がいかに大切かを意味していると言えます。

目次へ


27.”太りすぎ”はよくない??

 昨日も述べましたように、欧米人は日本人に比べ、肥満が多く、これに関連して、欧米人と日本人の片頭痛の発作頻度および程度の相違を明らかにしたばかりです。
 片頭痛になりやすい要因にはさまざまなものが知られていますが、肥満もそのひとつと考えられています。肥満はさまざまな生活習慣病のもとになりますが、肥満の人は頭痛が慢性化しやすい、太っている人ほど頭痛発作が頻回に起きやすいということが報告されています。また、アメリカの研究では、肥満の子どもは頭痛になりやすく、頭痛を訴える未成年の若者にダイエットを勧めたところ、体重の減少とともに頭痛が軽減したという結果も示されています。もちろん成人でも片頭痛のある肥満の人には、頭痛改善のためにダイエットが勧められることがあります。

肥満に関わるホルモン

食欲をコントロールするホルモン
~脂肪細胞から出る“満腹“サイン「レプチン」~

 あなたの身体に蓄積している体脂肪、その脂肪細胞から食欲を調整するホルモンが出ていることを知っていますか?このホルモンは「レプチン」と名付けられていて(「痩せる」という意味のギリシャ語が語源)脳の視床下部に作用し「満腹」サインを送って、食べ過ぎを防いでいます。交感神経にも働きかけ、脂肪の蓄積を抑制してエネルギー消費を亢進する作用もあり、未来の「痩せ薬」としても期待されているホルモンです。
 脂肪細胞から出ているなら、太った人の方がよく効きそうな気がしますが・・・実はこのレプチン、受け取り方に問題があって、体脂肪の多い肥満の人はレプチンを受け取る「受容体」が反応しにくくなってしまう(レプチン抵抗性といいます)ことがわかっています。 常に剛速球のボールが投げ続けられすぎて、受け取るキャッチャーミットが壊れてしまったような状態です。つまり肥満の人はレプチンから「満腹」サインがたくさん出ているにもかかわらず受け取ることができずに、食べ続けてしまう→更に太る→更にレプチン受容体の感受性が鈍くなる→更に食欲抑えられず太る・・・という悪循環に陥りやすいのです。

 つまりダイエットで体重が減っても食欲を抑える作用がすぐには戻らないので、食欲は亢進したまま、という状態が一時的にできてしまうのです。この食欲亢進状態に屈してしまうと「リバウンド」を招くのですが、この窮地(?)を強い意志で乗り越えることができれば、そのうちレプチン抵抗性は改善し、食欲を抑えるように働きます。そこまで来ればもう無理しなくても自然に食べ過ぎたりしなくなってかなりラクになってきます。
 そう考えるとレプチン抵抗性の改善を待つ間の食欲亢進状態をどう乗り切るかがダイエット成功のカギを握ると言えそうです。

“安らぎ”と“満腹感”の深い関係「セロトニン」

 セロトニンは、脳内の様々な神経伝達物質に作用して「精神を安定させる」役割を持っていて、鬱病や神経症などの治療に使われることで知られていますが、実は「満腹感」を感じさせ、食欲を抑制する作用も持っているのです。強いストレスを感じたりイライラする時に甘いものや肉類などを食べたくなった経験はありませんか?セロトニンは、精神安定作用と食欲コントロール作用を合わせ持っているので、不足すると「精神的不安定」と「食べたい!」という欲求がよく連動して現れます。特に甘いものや肉類を食べると一時的にセロトニン分泌が増え、一時的でも気持ちが落ち着くのでこうしたものへの欲求が強くなると言われています。
 実は女性は男性に比べて元々セロトニンの脳内合成が少ないので、ストレスを感じるような状況におかれると、セロトニンが枯渇状態になって、情緒不安定になったり甘いものを中心とした過食へと走る行動が男性よりも強く出る傾向があります(ですから女性はケーキが大好きなんです!)。その上「月経前の体調不良期(PMS期)」には、セロトニンの受け取りを阻害する物質が出るため、更にその傾向が顕著になるとも言われています。
 こうした情緒不安定&食欲亢進状態を落ち着かせて、食べ過ぎを防ぐためにはセロトニン分泌を増やして食欲を抑制することが効果的なのですが、甘いものや高カロリーの肉類を食べることで一時的に凌いでいたのでは結局は過食となり肥満を招いてしまいます。

 そうしたものを食べることではなく、日常的な行動でセロトニン分泌増加に効果的、と言われていることを行う必要があります。食べることで気を紛らわせるのではなく、十分に休息し、ストレス解消&気分転換を上手に行って気持ちを安定・リラックスさせることがセロトニン分泌増加につながり、過食を防ぐことになるのです。食欲を上手にコントロールするためには気持ちが安定し、充実していることも大切なのです。

食欲亢進ホルモン「グレリン」

 ここまで「食欲を抑える」作用のホルモンについて紹介してきましたが、今度は反対に食欲を増進させる方へ働く「グレリン」という物質のハナシです。グレリンは、主に胃から分泌され脳の視床下部に働きかけるペプチドホルモンで、食欲を増進させ成長ホルモンの分泌を促進する作用を持っています。お腹がいっぱいでもう満足しているのに、デザートメニューが差し出されると「別腹」で、ついデザートも食べたくなってしまうことってありませんか?このように“満腹なのに更に美味しいものを”という“誘惑”に負けてしまうのも、グレリンの作用により「美味しいものを摂ることで得られる快楽」を欲求してしまうからではないかと言われています。また、胃の病気や不調で胃壁が破壊されると食欲が無くなるのは胃から分泌されているグレリンの低下による影響もあると考えられています。
 このグレリンは、先に紹介したレプチンとは逆に働き、拮抗的な関係で作用して常にバランスをとっていると考えられています。
 レプチンが出てくるとグレリンの作用は抑えられ食欲が抑えられますが、レプチンが減ってくると今度はグレリンの作用が働いて食欲が亢進し、「食べたい」衝動を抑えられなくなるのです。こうしたレプチンとグレリンによる食欲の「抑制」と「亢進」のバランスを安定させるには、先に述べたようにレプチン受容体の働きを鈍らせないよう、過剰な体脂肪の蓄積を減らすことが効果的なのですが、「睡眠」や「規則正しい生活」も大きなカギとなることが最近の研究でわかってきました。
 奇しくもセロトニンの分泌増加を図る場合と非常によく似ていて、結局はきちんと睡眠をとり規則正しい生活リズムを持つことがホルモンの助けを引き出して食欲コントロールを上手に行うことにつながってくるのです・・・。
 ところで、食欲を亢進させてしまうグレリンはダイエットにとっては悪者というイメージですが、最近の研究では不整脈を引き起こす心臓の交感神経を鎮静化させる働きがあることがわかり、心筋梗塞等の有効な治療薬になる可能性も期待されています。肥満やメタボリック症候群によって危険性が高まる心筋梗塞に、食欲を亢進させるホルモンであるグレリンが治療効果を発揮するなんて、なんとも皮肉な、というか、非常に興味深い話です。


その他食欲コントロールホルモン

 食欲を抑えるホルモンとしては、レプチン、セロトニンだけではなく、食後血糖値を下げるために分泌されるインシュリンも同様の食欲抑制作用を持っています。しかし、インシュリンは血中の糖分をエネルギーとして消費・代謝させる反面、余った分を体脂肪として蓄積させる作用も持っていますから出すぎると肥満を招く方に働き、過剰な状態が続くと今度はインシュリンを受ける作用がうまく働かなくなって(インシュリン抵抗性といいます)糖尿病につながる危険もあります。食欲調整と脂肪蓄積・エネルギー消費の作用はとても複雑に絡み合っているのです。
 マウスの実験では、食欲調整作用として男性は糖代謝を司るインシュリンの影響を受けやすく、女性は脂肪組織から出るレプチンの作用を受けやすいという性差が見られます。 セロトニン合成能は男性の方が高いですし、こうした男女の違いを男女の身体特徴や嗜好の傾向の違いと合わせて考えてみると、様々な意味を持っています。

肥満がなぜ片頭痛によくないのか?

 まず、血糖値を急上昇させると太りやすくなり(肥満)、片頭痛にもよくありません、ということを説明しましょう。
 分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は以下のように説明されます。

インスリン過剰分泌は「酸化ストレス・炎症体質」を悪化させる

 血糖値というのは血液中のブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖というのは、ご飯や麺類などの主食に多く含まれる「糖質」が分解されたもので人間が活動するための主なエネルギーになります。食事をすると糖質が消化吸収されブドウ糖になり吸収され、血液によって体のあちこちに運ばれます。
 血液の中のブドウ糖はそのままではエネルギーとして使えません。血管からエネルギーを使う器官の細胞に取り込まれないといけないのですが、その取り込む役割をするのが「インスリン」です。
 インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、食事をして血糖値が上昇すると分泌量が増え、血中に増えたブドウ糖を細胞に取り込みます。
 その取り込まれたブドウ糖がエネルギーになって、人間は活動することができるのですが、余分にとってしまったエネルギー(ブドウ糖)は脂肪として蓄えられてしまいます。ですから必要以上に血糖値を上げない方が良いのです。
 急激に血糖値が上がりすぎますと、血糖の急激な上昇を抑制するためにインスリンが過剰に分泌されることになります。過剰に分泌されたインスリンは血糖を下げすぎることになります。血糖値が下がりすぎると、血糖を適正なレベルに戻そうとするからだの仕組みが働き、体脂肪から遊離脂肪酸がエネルギー源として放出されるようになります。
体脂肪からブドウ糖などエネルギー源としての生成とその消費がバランスしていれば問題を生じることはありませんが、急激な血糖値の変化にそのバランスが崩れてしまうと血液中の遊離脂肪酸濃度を高めることになります。
 お菓子などの甘いものを食べると太りやすいといいますが、それは甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、すぐに使い切れないほどのブドウ糖が肝臓に運ばれ脂肪になってしまうのです。
 そのように、食べる糖質の種類によって、あるいは食事の仕方によって、血糖値の上がり方に違いが起こります。
 緩やかな血糖値の上がり方なら良いのですが、急上昇と急降下を繰り返すような食事をしていると太りやすいのです。上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが頑張って中性脂肪をたくさん作ってしまうということなのです・・・
 また、急上昇急降下の食べ方はすぐにお腹が空くので、食べる量が多くなってしまいますし、いつも大量のインスリンを出していると膵臓が疲れてしまい糖尿病になりやすくなってしまいます。
 では、どういう食事をすると、このような血糖値の上がり方になってしまうのかといいますと、お菓子を食べる、ソフトドリンクを飲む、などの糖分摂取だけでなく・・
「いただきます」と言ってすぐにご飯を食べる。
 朝食を抜くなど食事と食事の時間を長くあげてしまう。
そういった食べ方は血糖値が急激に上がってしまうのです。最近よく、食べる順番を工夫することが片頭痛治療・ダイエットに役立つといわれますが、食事の最初に食物繊維をとることが血糖値の急上昇を抑える効果があるからなのです。

 先程も述べましたが、セロトニンが不足すると食後の満足感を得ることができませんので、常に食欲が旺盛な状態となり、食べることにブレーキが利かなくなります。 さらに血糖のエネルギーヘの代謝までもが阻害されますから、肥満や糖尿病になりやすくなるのです。
 逆に、脳内のセロトニンが充分にあれば、食後に満足感や充実感を得られますから、肥満は解消していくことになります。さらに、セロトニンが増すことによって各組織の機能が活発になるため、基礎代謝が上がり、脂肪を効率よく燃焼させることができるようになります。
 一見すると痩せているように見えても、セロトニンが不足していると、内臓脂肪がたっぷりついてしまうことが起こり得ます。痩せ型で間食が我慢できず、内臓脂肪率が高く、高脂血症や高コレステロール血症という人は、セロトニン不足が原因かもしれません。

不眠は肥満を増強させます

 「睡眠時間が短いと肥満になりやすい」ということが報告されています。
 確かに起きている時間が長くなると、ついつい食事や夜食の回数が増えてしまいがち。
 ただ、その「つい食べてしまう」行動自体が睡眠不足によるものってご存知でしたか?
 睡眠不足が食欲増進につながるということを示したこんなデータがあります。健康成人男性1,024名を対象に、睡眠時間と食欲に関するホルモンの関連を調べた報告によれば、睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)の分泌が増えることが示されています。つまり、睡眠時間が短いと食欲に関するホルモンのバランスが乱れて食欲が増進してしまい、肥満につながりやすいと考えられます。
 また、別の研究では、健康な20代男性12名を対象に、4時間睡眠で2晩過ごした後と10時間睡眠で2晩過ごした後で、食欲に関するホルモンの変化と食べ物の嗜好について調べています。その結果、4時間睡眠で2晩過ごした後は、10時間睡眠の後に比べ、レプチン(食欲抑制ホルモン)が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)が増えており、実際に空腹感や食欲も増えていました。
 さらに興味深いことに、4時間しか睡眠がとれなかった後は、10時間睡眠の後に比べ、ケーキやクッキー、アイスクリームなどのスイーツや、ポテトチップスやナッツなどの塩気の強いもの、パンやパスタなどの炭水化物が食べたくなるという傾向がみられました。
 睡眠不足で食欲増進、さらにスイーツや炭水化物が食べたくなる…睡眠不足は肥満の大敵といえそうです。
 寝不足で骨休め不足になりますと、骨髄細胞のミトコンドリアが減少し、骨髄細胞の造血機能が低下するということになります。
 寝ている間に、活性酸素等で傷ついたミトコンドリアが修復されます。

 睡眠不足は、こうしたことから傷ついたミトコンドリアが修復されないため、ミトコンドリアの機能が悪化することになり、基礎代謝が低下することによって肥満を引き起こしてくることになります。

最後に

 ミトコンドリアには、 効率よくエネルギーをつくりながら活性酸素をあまりださない「質のいいミトコンドリア」と、エネルギー生成の効率が悪く、活性酸素をたくさんだしてしまう「質の悪いミトコンドリア」があります。
 年齢とともに基礎代謝量が減っていくのは、体の中の様々な機能の低下によるものですが、「ミトコンドリアの質が低下する」ことによってエネルギーをつくる機能が下がり、それによって基礎代謝量が低下することが大きな原因だといわれます。
 それならば、代謝を活発にし、肥満を防ぐのに有効な「質のいいミトコンドリア」を増やしていけば、贅肉とグッバイフォーエバーするスピードが早まるだけでなく、たるんだ肌や乾燥肌などの トラブル肌ともおさらばできるのです。
 しかもうれしいことに、質のいいミトコンドリアを増やす作業は、それほど難しいことではありません。
 質のいいミトコンドリアを増やして脂肪燃焼させるには、赤筋(遅筋)を鍛えるトレーニングです。なぜなら、ミトコンドリアは白筋ではなく、赤筋のほうにたくさん含まれているのです。赤筋の量を増やすためのトレーニングを行い、基礎代謝をアップさせて贅肉を落としていくことです。
 赤筋を鍛えるためのトレーニングは、成長ホルモンの分泌も促し、質のいいミトコンドリアを増やす ことができるトレーニングです。
 ミトコンドリアは特に、背中の筋肉と下半身の筋肉に多く含まれています。下半身の新しい筋肉からは マイオカインも分泌しますので、やはり下半身の筋トレが大切です。
 簡単な方法は「背筋を伸ばす」ことです。
 背筋を伸ばすということは、姿勢を正すために背中の筋肉を使うことになる。ピンと背筋を伸ばすことを日常的に意識するだけで、ミトコンドリアの量が増えていくのです。


 以上のように、肥満は、ミトコンドリア、脳内セロトニンに関連したものであり、これらは片頭痛発症の”基本的的な病態”となっているものです。

 この点に関しては、以前にも記事に致しました。

   肥満は片頭痛を悪化させる!?

     http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946790239.html

目次へ


28.ダイエットは、なぜ頭痛によくないの???

 ダイエットを始めてから頭痛が起こることがよくあります。それは、血糖値の不安定や栄養不良、脱水などを招いているのが原因です。頭痛には様々な原因がありますが、ダイエットと同時に頭痛が起きるというのであればそのダイエットが問題であることは明らかです。頭痛が起こるのはそのダイエット方法が身体に合っていないというサインであり、一度そのダイエットを見直すべきではないでしょうか?ダイエットとはただ体重を落とすだけではなく、健康的な人生を送るための生活習慣そのもののはずです。

ダイエットで頭痛が起こってしまう理由は

 ダイエットで頭痛が起こる原因のほとんどが、低血糖によるものです。低血糖はエネルギー不足の状態であり脳に必要な糖が不足してしまうと頭痛が起こります。また、脱水による水分不足で血流が悪いような状態では代謝は停滞してしまってダイエットの妨げになってしまいます。頭痛が起こるようなダイエットは健康的ではなく、例え体重が減ったとしてもリバウンドのリスクはかなり高くなるでしょう。また、同時に糖尿病などのリスクが高くなっていることも考えられるのです。
 頭痛が起こりやすいのは、低カロリーダイエットや炭水化物ダイエット、酵素断食ダイエットなどがあげられます。他にも、サウナスーツを着用しての運動でも頭痛が起こる場合があります。脳のエネルギー源は血液中の糖であり、極端な低カロリーの食事や断食などによって、エネルギー源が不足してしまうのです。

ダイエットが原因の頭痛

 置き換えダイエットや単品ダイエット、摂取カロリーを抑えるための欠食などは、栄養バランスを崩しやすく、体調不良を引き起こしてしまいます。
 ダイエットが原因の頭痛には、ホルモンバランスの乱れによるもの・自律神経の乱れによるもの・低血糖によるものなどがあり、放っておくと頭痛だけでなく、さまざまな症状を引き起こしてしまいます。ダイエット法や栄養バランスの見直しが必要でしょう。

ホルモンバランスが乱れて頭痛が起こる!?

 女性に多い頭痛であり、初潮を迎える時期や更年期などのホルモンバランスが不安定になる時期にも頭痛が起こりやすいとされています。
 また、ホルモンの影響で月経前になると頭痛が起こる人も少なくないのではないでしょうか。
 栄養バランスはホルモンのバランスに影響しやすく、栄養バランスが悪くなると、ホルモンバランスも乱れ、頭痛を引き起こしてしまうのです。

自律神経の乱れが原因となる頭痛

 脳内セロトニン低下は、自律神経とも深く関係しているため、栄養バランスがくずれると、ホルモンバランスが乱れ、自律神経の乱れも引き起こしてしまいます。
 自律神経のバランスが乱れて体の不調を引き起こす自律神経失調症は、特に女性に多いとされていますが、ホルモンバランスとの関係が深いということが理由の一つと考えられるでしょう。
 自律神経失調症は、頭痛だけでなくめまい・動悸・下痢・精神の不安定などさまざまな症状を引き起こします。頭痛は自律神経が乱れているサインかもしれません。他の症状が起こり、悪化してしまう前に、ダイエットの方法や栄養バランスを見直す必要があるでしょう。

血糖値が低くなりすぎると頭痛が起こる!?

 ダイエットで糖質の摂取量を減らしすぎると、血液中のブドウ糖が不足する低血糖症を引き起こしてしまうことがあります。低血糖の症状は、血糖値は60mg/dL以下の場合に起こるとされています。
 糖質は体に必要な栄養素であり、脳のエネルギー源です。糖が不足すると、体内でアドレナリンを放出したりして、蓄積されている糖を利用できるように働きますが、さらに糖が不足した状態が続くと、頭痛だけでなく、ふるえ・めまい・目のかすみ・脱力などの症状を引き起こすようになってしまうのです。
 低インシュリンダイエットなどの糖質の摂取量を控えるダイエットを行っている場合には、特に注意が必要とされています。

貧血が原因の頭痛

 十分な鉄分を摂取できないと、鉄欠乏性貧血になってしまいます。女性は、月経で定期的に鉄分を失ってしまいますので、特に鉄分の摂取が必要です。しかし、ダイエットによって栄養のバランスが崩れると、鉄分を十分に摂取できずに鉄欠乏性貧血を引き起こしてしまいます。
 鉄欠乏性貧血の症状は、頭痛だけでなく、立ちくらみ・めまい・吐き気などがあります。 また、肌荒れや代謝の低下も引き起こすため、美容にも悪影響を与えてしまいます。

 頭痛もなくダイエットがスムーズに成功する人と、ダイエット中に辛い頭痛で断念する人の違いは、普段からきちんとエネルギー生産できる身体かどうかにかかっています。ダイエットで頭痛が起こる、痩せにくいという人は、貧血傾向が強い人が多いようです。
 貧血傾向が強い人は、エネルギー生産がしにくく低血糖になりやすくなります。そのため、食事の量をセーブしたダイエットや、栄養バランスを無視したダイエットを行うと頭痛などが起こります。
 ダイエットを行うのは女性が多いのですが、貧血もまた女性が起こりやすい疾患です。 女性は月経によって定期的に血液を失っています。そのため、日々の食事できちんと補う必要があるのです。しかし、ダイエットで食事制限をし、必要な鉄分やタンパク質が不足すると、余計に貧血がひどくなってしまいます。せっかく痩せてもすぐにリバウンドし、痩せにくい体質ともいえます。

貧血だと頭痛を起こし脂肪燃焼もしにくい

 貧血は、それだけで頭痛が起こりやすい状態です。更に貧血の状態のままダイエットしても脂肪燃焼しにくいことが身体の仕組みからわかります。
 人はエネルギーを作る経路が2つあります。酸素を使わず食事からとりいれる糖質を分解してエネルギーを作る解糖系と、細胞内に酸素を取り込み糖や脂肪などを燃やしてエネルギーを作るミトコンドリア系の2つです。
 大きなポイントは、解糖系は酸素が不要で、ミトコンドリア系は酸素がないとエネルギーが作れないという点です。
 貧血とは、酸素を運ぶ赤血球が少ない状態です。そのため酸素をつかってエネルギーを作ることが難しくなり、解糖系でのエネルギー生産に偏りがちです。解糖系は食事の糖質を燃やしてエネルギーを作るので、食事の割合としても糖質の量が増えてくるわけです。
 普段から食事からとりいれる糖質を頼りにエネルギーを作っているタイプの人が、ダイエットで食事を減らすとどうなるでしょうか?当然、エネルギーを作れなくなってしまいます。脳のエネルギーを補給できなくなり、頭痛が起こるというわけです。
 貧血の場合、体内に酸素が不足するために、ミトコンドリア系でのエネルギー生産がうまくいきません。脂肪を燃やすのはミトコンドリア系の回路を利用した時だけ。つまり、貧血だと酸素が不足しているので脂肪燃焼することもできにくいということなのです。

頭痛を起こさない正しいダイエットのために

 ダイエット中に頭痛が起こる場合は、早目にその内容を見直す必要があります。特に貧血などの原因で低血糖になりやすいタイプの人は、断食ダイエットはお勧めできません。

•玄米や全粒粉などの精製されていない糖質を少し摂る
•赤身の肉やレバーをダイエットメニューに加える
•ビタミンB群を摂取する
•空腹時間を長くしない

 ダイエット中に頭痛を起こさないようにするためには、十分なエネルギーを食事から補充するか、体内でエネルギーを作れるようにすることです。
 玄米や全粒粉は血糖値を緩やかにあげるため、太りにくいものです。とはいえ、沢山食べたら太りますので注意しましょう。貧血を改善しなければ、ダイエットの効率はかなり悪くなります。赤身の肉なども食事に含めることで、鉄分不足を解消するようにしてください。手っ取り早くサプリメントで鉄分を補ってもいいですね。
 ビタミンB群はエネルギーを作る際の補酵素として働きます。食事でとるべきビタミンですが、不足しがちになるためサプリメントを利用しましょう。一般の食材としては豚肉に多く含まれます。
 低血糖を起こしやすい人が食事を減らし、また長時間空腹でいると、エネルギーが不足します。間食を利用して、空腹時間を減らしましょう。

 ダイエットの方法としては、一日分の食事量を前もって準備し、それを間食を含めて分割しながら食べる方法がお勧めです。 そうすることで、ダイエットに取り組みながら頭痛をおこす低血糖状態を避けることができます。


ダイエットとミトコンドリア

 ダイエットで大事なことは代謝を活発にすることです。
 ミトコンドリアはエネルギーを産生するための細胞小器官です。エネルギー産生には栄養素・ビタミン・ミネラルが過不足なくなければなりません。栄養素・ビタミン・ミネラルを補給するには食事が大切であることは容易に理解されるはずです。
 1日のカロリー摂取量のうち、1日のエネルギー消費量を超えたエネルギーは脂肪に変換され、エネルギーが必要な時のために体内に貯蔵されます。体の筋肉を増やし、基礎代謝を上げると1日のエネルギー消費量が増えるため、脂肪に変換されるエネルギーが減り、太りにくい体質になります。
 ミトコンドリアというのは細胞の中にある小器官で、生命活動のエネルギー源となるATPを生成しています。そして、ATPの生成の際には「クエン酸回路(TCA回路)」が使われます。クエン酸回路は、クエン酸サイクル(Tri-Carboxylic Acid)の頭文字を取ってTCA回路とよばれています。主な働きは、食事により取り込まれた脂肪の分解や消化で、アミノ酸やブドウ糖、アセチルCoAなどが生み出されます。また、アセチルCoAがTCA回路に入ることで、脱水・酸化・脱炭酸といった作用が生まれ、反応を繰り返しながら成分が変化していきます。
 TCA回路が活動し代謝効率を上げてくれることで、痩せやすく太りにくい体質に改善されるといった特徴があります。
 ダイエットを効果的に実践する場合、基礎代謝を上げることが非常に重要となります。 基礎代謝というのは、人間が生きていくために必要最低限だとされるエネルギーのことを指します。
 運動などで体を動かしていない状態や眠っているときでも、基礎代謝は常に消費されています。基礎代謝は生命活動の維持に必要なエネルギーですが、男性の場合1500キロカロリー、女性では1200キロカロリーが最低限必要です。
 この基礎代謝は加齢と共に低下していく傾向があり、10代をピークに後はどんどん失われてしまうのです。例えば、歳をとるとすぐに体重が増えてしまうようになるのも、基礎代謝が低下していることが大きな原因だといえます。そのため、10代の頃と同じような食生活を30代40代になっても続けていれば、簡単に太ってしまうわけです。このように基礎代謝が低下している状態では、いくら食事制限などのダイエットを行ってもなかなか成果は出ないものです。

 代謝を活性化させてダイエットする方法で行えば、加齢で基礎代謝が落ちている人にはピッタリのダイエット法です。基礎代謝を高めることはもちろんカロリーを消費しやすい体質に改善することも出来ます。

 食べ過ぎるとミトコンドリアは、栄養が体に行き渡っているため、怠け始めます。
 ミトコンドリアが働いてくれないと、体に入ってくる糖や脂肪はエネルギーに変換されにくくなってしまいます。
 ミトコンドリアは、食事から摂取した栄養をエネルギーに変えてくれるからです。
 余った糖は血液に流れ込み、分解されていない脂肪は細胞に蓄積し始め、肥満へと繋がります。ミトコンドリアはエネルギーを作り出す時に酸素を必要としますが、この酸素が活性酸素に変化して片頭痛悪化に繋がります。
 ミトコンドリアを増やすには、空腹が最も重要です。
 ミトコンドリアは、エネルギーが不足している時や、もっとエネルギーの需要が必要な時に活性化して増殖します。
 空腹になると、体はもっとエネルギーを作らなければと認識してミトコンドリアを増やし、エネルギーを作ろうとするのです。

■お腹をすかせて若くなる「週末断食」のすすめ

鶴は千年、亀は万年!?

 実はこれは理に適っているのをご存知でしょうか?
亀は動きが遅く、エネルギーの消費が少ない徹底した省エネライフスタイルのため活性酸素の発生を大幅に抑えることができるのです。そのため、細胞へのダメージが少なく長寿でいられるのです。ちなみに鶴は、ミトコンドリアの数が多く、非常に多くのエネルギーを作るのに対して活性酸素の発生が少ないためだと言われています。なるほど!だから亀は長生きなんです!!

 自由に食べ物を食べさせた猿とカロリーを70%に抑えた猿との二つの群に分け、20年間比較した研究がありました。カロリー制限した猿は、そうでない群に比べ、生活習慣病や老年病で亡くなる数が1/3程度で、しわや白髪が少なく、目の輝きも違っていたといいます。猿は人間と最も近い動物ですので、カロリーを抑えると若々しく長寿になると考えられます。
 しかし、実際に20年もの間、3割もカロリーを減らし続けるのは至難の業です。その後、研究は進み、総カロリーを減らすよりもミトコンドリアを増やし長寿遺伝子のスイッチをオンにすることが大切なこと、そしてミトコンドリアを増やすには、空腹感が最も重要であることも分かってきました。
 更なる実験の結果、20年間カロリーを7割に抑え続けるのと、週2日、30%のカロリーにすることでは同じ効果があることが分かりました。カロリー制限に捉われるとストレスに繋がりますが、毎日食事制限をしなくても、時々空腹感を味わう「プチ週末断食」をお勧めします。空腹になると体はもっとエネルギーを作らなければと認識してミトコンドリアを増やし、エネルギーを作ろうとするのです。
 難しく考える必要はありません。平日は普段通りの食事を摂り、週末の1~2日だけ3割程度のカロリーにすれば良いのです。例えば朝は野菜ジュース、昼はざるそばなどの軽食、軽めの夕食にする程度で十分です。

 片頭痛はミトコンドリアの機能障害によって起きる頭痛です。ミトコンドリアはエネルギーを産生するための細胞小器官です。エネルギー産生には栄養素・ビタミン・ミネラルが過不足なくなければなりません。栄養素・ビタミン・ミネラルを補給するには食事が大切であることは容易に理解されるはずです。こういったことから、食事は、ダイエット・片頭痛治療の基本となるもので、共通しています。

 そこで、最近ではミトコンドリア・ダイエットが提唱されています。

ミトコンドリア・ダイエットとは?

 まず、「軽い空腹状態で生活すること」。おなかがすくと、身体はもっともっとエネルギーを作り出そうとミトコンドリアを増やします。昼食を我慢するなんてことまでする必要はなく、小腹がすいたときの間食をやめ、夕飯まで我慢するなどして軽い空腹状態をつくります。一度に食べる量を少なくするというのもいい方法です。間食のカロリー摂取を抑えられ、しかもミトコンドリアが増えて糖や脂肪が燃えやすくなるのですから一石二鳥です。
 そして、「姿勢を保つよう心がけること」。ミトコンドリアが住んでいるのは、持久力のある筋肉です。片足に体重をかけて「休め」の姿勢をとったり、座ったときに姿勢を丸めるのをぐっとこらえて、正しい姿勢を維持するように心がけてください。見た目にも美しいですし、姿勢が正しいとおなか周りも普段よりしゅっとして見えます。かっこいい姿勢をとり続けることが、本当のかっこいい体型へと繋がっていくのを意識してみてください。
 さらに、運動でも増やせるのですが、これも無理がなくて簡単です。
「30秒間の無酸素運動と、30秒間の有酸素運動を繰り返す」ということをすればいいのです。
 例えば、腹筋の姿勢を30秒間保ったあとに、足踏みを30秒間する......というような感じです。運動が得意・苦手にも関係なく誰にでもできる方法です。
 簡単で無理のないダイエットなので、今まで挫折してきた方にも続けられるはず。ミトコンドリアに協力をお願いして、若くて美しい体型を目指しましょう。

ミトコンドリアダイエットの方法

 やり方のポイントは、「有酸素運動30秒」と「無酸素運動30秒」をセットにした1分間のエクササイズを、1日三回行うことです。
 しかも、有酸素運動といっても、軽くジャンプするとか、足を上げるなどの、簡単なエクササイズです。
 また、無酸素運動といっても、腕立て伏せの格好を30秒間保つ程度です。
 これらの有酸素運動と、無酸素運動を、わずか30秒ずつを組み合わせた1分間のストレッチ体操を、1日3回行うのが基本です。

 これによってミトコンドリアが活性化されて、代謝機能の高い身体に改善されていきます。


 ダイエットに関しては、”ほめやせダイエット”の中沢康彦さんの論説が重要となるもので、この点は片頭痛治療とも共通しております。参考までに・・・

 こうしたことから、ダイエットを行う場合には、ミトコンドリアの観点から行うのが理想的であり、同時に片頭痛まで改善されれば、いうことはないはずです。

 こうした観点から、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の提唱される「万能健康ジュース」を朝食代わりに併用することも有効な手段と考えております。

目次へ


29.甘いものの摂取過剰がなぜよくない???

砂糖、甘いものの過剰摂取が、なぜ、片頭痛治療にとってよくないのでしょうか?


砂糖は「空のカロリー食品」

 砂糖の過剰摂取が私たちの健康にマイナスとなる理由はいくつかありますが、まず挙げられるのが、砂糖は「空のカロリー食品」であるということです。現代人が大量に摂取している砂糖の多くは、真っ白に精製された白砂糖です。“糖”だけあって、その代謝に必要な栄養素(ビタミン・ミネラル)がほとんど失われてしまった精製糖です。そのため砂糖は、カロリーだけあって他の栄養素を含まないという意味で――「空のカロリー食品」と呼ばれています。
 砂糖以外の空のカロリー食品としては、アルコールや純粋なデンプンなどがあります。 米や小麦粉なども精製されて白くなればなるほど、空のカロリー食品に近づくことになります。ラードなどの動物性脂肪やサラダ油・テンプラ油などの精製油も、一部のビタミンがあるだけで、大半がほとんどカロリーだけの食品です。(精製されていない黒糖や蜂蜜・メープルシロップなどにはビタミンやミネラルが含まれていますが、“糖”である以上、微量栄養素の摂取を期待して摂るようなものではありません。)

「微量栄養素の欠乏」を引き起こす

 では、砂糖のような「空のカロリー食品」は、どうして健康に害をもたらすことになるのでしょうか。私たちが1日に必要とする“カロリー”は、運動量や体重から適量が決まっています。そこへカロリーだけを含む食品を大量に摂取すると、すぐにカロリー枠がいっぱいになり、他の食べ物を摂ることができなくなってしまいます。残されたわずかな枠で、「必須栄養素」のすべてを摂取しなければならなくなります。しかし、もともと空のカロリー食品の多い食事には必須栄養素が不足していますから、それが不可能であることは明らかです。
 砂糖を大量に摂ればお腹は空かなくなり、食欲は減少します。甘い物ばかり食べている現代の子供たちは、昔の子供たちのような、まともな食事は摂れなくなっています。ジュース・菓子パン・アイスクリーム・チョコレートなどを日常的に摂っている子供は、豆や野菜などは好みません。
 昔は、砂糖や脂肪などの摂取量が少なかったので、ご飯をしっかり食べてカロリーを補給しなければなりませんでした。そして主食のご飯に加えて、豆や野菜・魚といった副食をしっかり摂っていました。そうした“まともな食事”には、カロリー以外の栄養素も多く含まれ、食事全体の栄養バランスが保たれていたのです。それが現代では、砂糖や脂肪に偏った結果、大きく崩れてしまいました。
 食事の中で「空のカロリー食品」の占める割合が増えるほど、カロリーだけは満たされても必須栄養素は欠乏するという事態が生じます。現在、日本人が摂取している炭水化物の40%近くは砂糖によって占められています。また米も大半が白米で、栄養素は乏しくなっています。

 このような食事の傾向が、必須栄養素―特に“微量栄養素”を枯渇させることになります。砂糖の過剰摂取の害として最初に挙げられるのは、「微量栄養素の欠乏を引き起こす」ということです。このなかで当然マグネシウムも不足して来ます。
 よい食品というのは、カロリー栄養素の他にビタミンやミネラル・食物繊維などを含んでいます。こうした食品で食事を組み立てれば、カロリー枠を超えることなく、必須栄養素・微量栄養素を満たすことができます。

 食べ物が体内で利用されるためには、代謝を進める微量栄養素が欠かせません。しかし「空のカロリー食品」である砂糖には、ビタミンやミネラルなどは含まれていないため、それを摂ることで、体内の栄養素を消耗させることになります。つまり砂糖を摂ることで、もともと乏しい体内の“微量栄養素”が、いっそう欠乏してしまうのです。
 さらに砂糖の過剰摂取は、血液を“酸性”に傾けます。すると体はPHを一定に保つために、カルシウムなどのミネラルを必要とします。もし血液中に十分なカルシウムがなければ、ホメオスタシスの働きによって、骨や歯からカルシウムを溶かし出してくることになります。
 日本をはじめ先進諸国では、貧しい国々とは異なり、カロリー不足からくる栄養失調はありません。むしろカロリーを摂り過ぎて「微量栄養素の失調」に陥り、病気を招いています。砂糖の過剰摂取は欧米型の食事の特徴ですが、それが“生命の鎖”を弱体化させる大きな原因の1つになっているのです。

「低血糖症」を引き起こす

 砂糖の過剰摂取は微量栄養素の欠乏を引き起こすだけでなく、「血糖値を急激に上昇させる」という点からも健康に害を及ぼします。2糖類である砂糖は消化・吸収のプロセスがきわめて速く、摂取後、短時間で血液に運ばれます。そのため砂糖をたくさん摂ると、血糖値が急激に上昇することになります。(砂糖は時に直接、口や胃の粘膜からも吸収されます。)
 砂糖の大量摂取によって血糖値が跳ね上がると、血糖の調節のために「インスリン」というホルモンが分泌されます。あふれているブドウ糖を細胞内に取り入れようとして、膵臓は急いで「インスリン」を分泌することになります。(血糖値が高くなると「インスリン」が分泌されてブドウ糖は貯蔵に回され、反対に血糖値が低くなると「グルカゴン」がグリコーゲンを分解して、血糖を供給します。膵臓から分泌されるインスリンとグルカゴンという2つのホルモンが、血糖のコントロールをしています。)
 穀類に含まれるデンプンのように消化に時間がかかり、小腸からゆっくりと吸収されればよいのですが、砂糖の場合は一気に吸収され“高血糖”の状態を招くことになります。 すると膵臓は、血糖を下げるためにピッチを上げて多量のインスリンを分泌しなければならなくなります。こうしたことを繰り返していると、糖の代謝にかかわる膵臓や肝臓・副腎などの器官が疲弊し、血糖の調節に狂いが生じるようになります。
 わずかな砂糖が入っただけで、膵臓が過剰に反応して、必要以上にインスリンを出すようになると、血糖値の落ち込みがひどくなったり、慢性的な低血糖状態が続くことになります。これを「低血糖症」と言います。そして長期にわたってオーバーワークを強いられた膵臓は、やがて疲れ果て必要な量のインスリンを分泌できなくなり、低インスリン性の糖尿病を招くことにもなってしまいます。(砂糖だけが糖尿病の原因ではなく、脂肪の摂り過ぎがインスリンの働きを阻害することが分かっています。しかし過剰な砂糖が膵臓を疲れさせ、糖尿病の誘因となることには変わりありません。)

「低血糖症」による心身の異常

 低血糖症とは、脳を含む全身のエネルギー源である血液中のブドウ糖のレベルが、異常に低くなる病気です。それによって細胞へのブドウ糖の供給が不足し、脳と体のエネルギー・ショック状態が引き起こされます。(低血糖の影響は全身に及びますが、特に心臓・神経・脳への影響は重大です。)
 低血糖症によって起こされる症状はさまざまですが、まず極度の疲労や脱力感・動悸や震え・猛烈な飢餓感・あくびやため息などが現れます。特に脳はブドウ糖だけを唯一のエネルギー源としているので、低血糖の影響を敏感に受け、イライラ・かんしゃく・神経過敏・不安感・集中力欠如などの症状が現れます。
 血糖が低下していると、それがストレスとなり、副腎から「アドレナリン」というホルモンが分泌されます。アドレナリンは血糖を上げようとしますが、このホルモンには人を興奮させ、攻撃的にさせる作用があります。アドレナリンはストレスに対処するために必要なものですが、それが過剰に分泌されれば、人格を変えてしまうほど強烈な影響を及ぼすことになります。
 低血糖によって不快な症状が現れると、手っ取り早く血糖を上げてくれる甘い物や、アルコール・コーヒー・コーラなどの刺激物が欲しくなります。それらは即効的に血糖値を上昇させ、いったん症状は収まります。しかし、そうしたことの繰り返しによって状態は悪化し、低血糖症から脱け出せなくなってしまいます。
 現在、大きな社会問題になっている子供や青少年の心身の異常さは、「低血糖症」が大きくかかわっていると思われます。落ち着きがなくてすぐにキレる、頭が真っ白になって考えがまとまらない、無感動で無表情といった精神的脆さ・異常さの背景には、「低血糖症」の影響があるのです。
 アメリカでは、低血糖症についての認識がかなり浸透しています。そして多くの栄養学者が、砂糖の過剰摂取が低血糖症を引き起こし、心身に重大な悪影響をもたらすことを警告しています。アメリカで行われた研究では、犯罪者や非行少年の80%以上が低血糖症でした。まさに「犯罪の陰に低血糖症あり」ということです。また、精神病患者の67%に、低血糖症が関係していると報告されています。

腸壁のバリアーを壊し、アレルギーを引き起こす

 肉や牛乳・卵などの高タンパク食品が腸壁のバリアーを壊し、アレルギーをひどくします。「砂糖の過剰摂取」も同様です。砂糖も腸壁を膨張させ、透過性を高めてアレルゲン物質を血液中に引き込みやすくします。“腸管の透過性”が増大し、食べ物が大きな分子のまま吸収されてしまうのです。牛乳や卵に大量の砂糖を加えたケーキやクッキーなどの菓子類は、最もアレルギーを悪化させる食品の1つです。
 またアレルギーと低血糖症は、密接な関係があると言われます。低血糖症によるストレスが副腎を弱らせ、アレルギー反応をひどくします。アレルギーの体は常にアレルゲンに対処するために、強いストレスにさらされています。そこへ低血糖症のストレスが追い打ちをかけ、副腎に大きなダメージを与えることになります。すべてのストレスは、特にそれが長期にわたる場合、副腎を疲弊させ、アレルギーを起こしやすくします。(副腎が弱れば、低血糖症も起こりやすくなります。)
 さらに砂糖の過剰摂取によって細胞が壊れやすくなり、ヒスタミンの放出が促されます。ヒスタミンはアレルギー反応(抗原抗体反応)の過程で免疫のマスト細胞から放出される“起炎物質”で、腫れやくしゃみ・かゆみなどの炎症反応を引き起こします。
 大量の砂糖によって“腸内環境”が悪化すれば、腸のバリアー機能・免疫機能が低下します。腸内環境の悪化はアレルギーだけでなく、クローン病など大腸炎の素因をつくることになります。そして、片頭痛体質を形成してくることになります。また過剰な砂糖は血液の粘度を高め、細胞・組織を老化させます。

マグネシウムはストレスによって奪われます

 ストレスにより起こる現象で、例えば甘いものを食べることも体にとってはストレスになります。

甘いもの=ストレス

 ちょっと結びつかないないかもしれませんので、どういうことか説明します。
 まず、甘いものや小麦を食べると血糖値が急上昇し、それを抑えるためにインシュリンが分泌され、今度は血糖値が大幅に下がります。すると、今度は血糖値を上げるために副腎からアドレナリンが放出されます。人体には低血糖に対し数段階の回避システムが用意されています。
 血糖値が約65-70mg/dLに低下すると、 血糖値を上げるホルモンであるグルカゴン、アドレナリンが大量に放出され始めます。
 血糖値が約60-65mg/dLに低下すると、 三番目の血糖値を上げるホルモン、成長ホルモンが放出されます。
 最後に血糖値が60mg/dLをきるようになると、 最後の血糖値を上げるホルモン、コルチゾールの分泌が亢進します。
 血糖値を上げるために分泌されるホルモンの順番は、①グルカゴン、アドレナリン②成長ホルモン③コルチゾール です。
 血糖値を上げるためのアドレナリンは、他にも心臓のポンプ機能を速めたり、筋肉を活性化させたりします。アドレナリンは闘争反応、逃避反応を刺激します。
 すると、マグネシウムはアドレナリンによって緊張状態になった筋肉や臓器を弛緩させるために消費されます。
 このため、アドレナリン由来のこういった機能亢進にはすべてマグネシウムが必要になり、消費されます。

 「ストレス⇒アドレナリン放出⇒マグネシウム消費」という流れがあるわけです。

 このように、マグネシウム不足は、片頭痛の場合、脳過敏を来たし、頭痛を悪化させます。


 以上のように、砂糖の摂りすぎは、「微量栄養素の欠乏」を引き起こすことにより、マグネシウム不足に至ります。これ以外にも、低血糖症を来すことと腸内環境を悪化させることによって、片頭痛体質を形成してくることになります。このように私達にとっては何一つ有益なことはありません。


   甘い物の好きな方々へ
     http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11949242919.html

目次へ


30.”肉食系派”は、なぜ片頭痛治療上好ましくないのでしょうか

肉・牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎ”による弊害


 これまで、肉・牛乳(乳製品)・卵は、栄養価の高い食品と考えられてきました。これらの食品はスタミナをつけ、欧米人のような頑強な体をつくると言われ、積極的に摂るように勧められてきました。肉・牛乳・卵は、まさに「欧米型食事」を形成する中心的な食品です。
 必須アミノ酸を含む食品は、私たちの健康維持のためには不可欠です。そして肉や牛乳・卵などの動物性食品には、この必須アミノ酸が豊富に含まれ、理想的なタンパク源となっています。従来の栄養学では「完全タンパク質食品」と呼ばれ、重要視されてきました。
 しかし科学の最前線にある生化学栄養学・現代栄養学は、これまでの常識を覆し、動物性食品の摂り過ぎによる、さまざまな弊害を明らかにしています。「タンパク質の過剰摂取の害」を、科学的に明確にしています。

動物性タンパク質の過剰摂取

 穀類・豆など植物性のタンパク質を含む食品には、食物繊維や炭水化物なども多く含まれています。そのためたくさん摂っても、タンパク質の過剰になるほど食べ過ぎるようなことはありません。一方、肉類などの動物性食品を多食すれば、簡単にタンパク質の過剰摂取を招いてしまいます。
 現代栄養学では、タンパク質の必要量の目安を、大人では体重1kgにつき、1日に0.8~1gとしています。つまり体重60kgの人では、48~60gが適量ということになります。現在アメリカ人のタンパク質の平均摂取量は約90gですから、およそ体重90~110kgの人の必要量に相当する量を摂っていることになります。これでは、いくら体の大きいアメリカ人であっても過剰摂取と言えます。
 ところが1988年度の厚生省(当時)の調査では、日本人の大人のタンパク質の摂取量は、およそ80gにものぼっています。アメリカ人の体格に比べ圧倒的に小さな日本人が、ほぼアメリカ人並にタンパク質を摂っているのです。必要量の2倍近く摂っていることになります。アメリカ人でさえも摂り過ぎなのに、最近の日本人は、それ以上に過剰摂取に陥っているということです。(タンパク質の摂取源から見たとき、アメリカ人に比べ日本人は植物性食品からの摂取が多いのですが、現在では半分以上を動物性食品から摂っています。)

大腸ガンの原因となる


 肉の過剰摂取に、食物繊維の不足が加わって「大腸ガン」が引き起こされると言われています。動物性タンパク質を大量に摂ると、食べたものが十分に消化・吸収されないまま大腸に至り、腐敗を起こすようになります。そして腸内環境が悪化し、硫化水素・インドール・メタンガス・アンモニア・ヒスタミンなどの多くの毒素・発ガン物質がつくり出されるようになります。こうした強烈な組織毒が、人体の老化を早め、ガンをはじめとする多くの成人病を引き起こすことになるのです。
 さらに肉に含まれる大量の脂肪によって、いっそう腸内環境が悪化し、発ガン物質が多量につくられるようになります。加えて食物繊維の不足が、発ガンを促進することになります。間違った食事により腐敗し、毒素をため込んだ“便”が長時間にわたって腸内にとどまることで、発ガン物質の吸収が高まってしまうのです。肉食の増加にともない、大腸ガンは確実に増え続けています。

アレルギー反応を引き起こす

 タンパク質過剰摂取の弊害の1つがアレルギーです。アミノ酸に分解されていない大きな分子のタンパク質(未消化タンパク質)が、腸壁から吸収され、血液中に運ばれることがあります。そうした未消化タンパク質が免疫系によって「異物(アレルゲン)」として認識されると、アレルギー反応が引き起こされます。そして、かゆみや湿疹・腫れ・くしゃみなどの症状が現れるようになるのです。アトピーや喘息には、こうした「食物アレルギー」が大きくかかわっています。
 現代人が好む肉や牛乳・卵は、アレルゲンになりやすい食品です。日本人はもともと穀菜食民族で、穀類や豆類・魚からタンパク質を摂ってきました。それが短期間のうちに、大量の肉や牛乳を摂るようになったのですから、体はそれをうまく処理することができません。
 高タンパク食品は、それ自体がアレルゲンになるとともに、腸管(腸壁)の透過性を高め、さらに未消化タンパク質を引き込んでしまうことになります。多くの現代人は動物性のタンパク質を多食することによって、腸壁のバリアー機能を弱らせています。特に子供の場合は腸が十分に発達していないために、深刻なダメージを受けることになります。こうしたことが繰り返され、腸の炎症やむくみ・下痢などが起こり、いっそうアレルギーがひどくなるのです。
 最近、大腸炎やクローン病といわれ、腸の炎症や潰瘍・下痢などに苦しむ人々が増えていますが、動物性タンパク質の過剰摂取が、その大きな原因となっています。

カルシウムの喪失と、骨と歯の弱体化

 大量に摂取され血液中にあふれたタンパク質(アミノ酸)は、最終的には尿として体外に排泄されることになりますが、その過程で消化器系全体や、肝臓・腎臓に負担をかけることになります。過剰なアミノ酸が分解されると、毒性の強い窒素残留物(アンモニア)が生成されます。それは肝臓で処理され、無毒な尿素に転換されます。そして腎臓の働きを通じて、尿として排泄されることになります。このようにタンパク質を多量に摂ると、解毒の働きをする肝臓と、排泄を担う腎臓に、大きな負担をかけることになるのです。
 尿素が増えてくると、それを尿として流し出すために、体は多くの水分を必要とします。 そして尿と一緒に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も排泄されてしまうことになります。尿素の排泄がスムーズに行われないと有害な尿酸が生成され、関節にたまって痛風を起こすことになります。(こうした要因以外に、痛風の発症にはストレスが大きくかかわっていると言われています。)
 また大量のアミノ酸が分解されると、血液は急激に酸性に傾き、それを中和するためにカルシウムやマグネシウムが必要とされます。それらが血液中に不足していれば、骨や歯から溶かし出して補うことになります。
 さらに肉類は典型的な酸性食品で、カルシウムに対するリンの比率はおよそ50倍にもなっています。血液中のカルシウムとリンの比率は1:1に保たれていなければなりませんが、肉を多く摂ることで、そのバランスが大きく崩れてしまいます。その結果、血液中の酸・アルカリ濃度を調節するために、いっそう骨や歯からカルシウムが溶け出すことになります。
 このようにタンパク質を大量に摂ることによって、カルシウムなどのミネラルが失われ、骨の弱体化が急速に進行することになります。肉を多食する先進諸国では、骨粗鬆症が多発しています。日本においても、動物性タンパク質の摂取が増えた昭和30年代以降、骨粗鬆症や骨折など、骨の異常が急増しています。

肉の大量生産と汚染の問題

 今、私たちが食べている牛肉は、牧場でのんびりと草をはんで育った牛の肉ではありません。その大半が工業製品と同じように、大量生産システムによって飼育された牛の肉なのです。それは豚肉・とり肉も同様です。
 家畜たちは、終日、身動きもままならない環境に置かれ、ただエサだけを与えられ飼育されています。それでは病気になるのは当たり前です。そこで病気を防いだり肉質をよくするために、大量の抗生物質・ホルモン剤がエサと一緒に投与されることになります。現在では、そうした化学薬剤や耐性菌が肉の中から検出されることは、日常茶飯事となっています。
 平成14年度の横浜衛生局の食肉検査統計では、牛と豚の検査頭数の約73%に異常が見られ、肉の一部が廃棄処分になっています。つまり家畜の大半が病気だということです。 そして、その病気の家畜の肉を、国民が食べているということです。
 数年前から、ヨーロッパやアジアを中心に狂牛病や口蹄疫が大流行してきました。また2002年 秋には、日本でもついに狂牛病が発生し大騒動になりましたが、それは、家畜という生命体を異常に扱った結果なのです。

肉・牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎは、片頭痛にどう影響するのか

 肉・牛乳・乳製品、これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性があり、本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下します。
 またタンパク質を多量に摂ると、解毒の働きをする肝臓と、排泄を担う腎臓に、大きな負担をかけることになります。尿素が増えてくると、それを尿として流し出すために、体は多くの水分を必要とします。そして尿と一緒に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も排泄されてしまうことになります。こういったことから、マグネシウム不足を引き起こすことになり、マグネシウム不足は片頭痛悪化の元凶となってきます。

 また、高脂肪・高タンパク質食品に偏った食生活を続けると、カロリーのとり過ぎとあいまって、「SOD」(スーパーオキシドディスムターゼ)や「グルタチオンペルオキシダーゼ」、「カタラーゼ」といった、抗酸化酵素”の活性に必要不可欠なマンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。結果、活性酸素の発生が抗酸化作用より常に優位な状態、いわゆる「酸化ストレス」になり、酸化ストレス・炎症体質を形成してくることになります。
 肉類や乳・乳製品といっだ動物性タンパク質”たっぷりの食事は、腸内環境を悪くします。腸内の悪玉菌の大好物は、肉などたんぱく質や脂肪を多く含む食品です。
 悪玉菌はたんぱく質やアミノ酸を分解し、悪臭のする有害物質を作り出します。
 肉類は悪玉菌の格好のエサです。この点を忘れてはなりません。このようにして、酸化ストレス・炎症体質を増悪させることになります。
 肉食の多い欧米人の片頭痛は日本人に比べ、強度なことは、ここに原因があります。

 「セロトニンを増やすためには、トリプトファンをたくさん含んでる食べものをとればOK」と思われている人も多いと思われます。
 セロトニンは「トリプトファン」というアミノ酸を原料としてカラダのなかでつくられます。腸や血液に含まれる大部分のセロトニンは、脳に入っていきません。つまり、単純にトリプトファンが多い食べもの、たとえば「牛レバーやバナナをせっせと食べよう」なんて本や雑誌を見かけることがありますが、実際にそうしたからといって脳内セロトニンが単純に増えるわけではありません
 腸内や血液中のセロトニンは脳に入っていきませんが、トリプトファンはちゃんと脳に入っていくことができます。ですから、トリプトファンをたくさん取り込むことができれば、脳内セロトニンも充分につくることが可能になります。
 しかし、トリプトファンが通る場所に問題があってここは、ほかの必須アミノ酸も通っていく場所でもあるのです。この必須アミノ酸というのは、「フェニルアラニン」とか「口イシン」というものですが、食品によってはトリプトファンよりもこれらの必須アミノ酸のほうが多く含まれるものがあるのです。これらの必須アミノ酸がトリプトファンの邪魔をするため、トリプトファンが通過しづらくなってしまうのです。その代表的な食べものが、肉類や乳・乳製品なのです。……。
 つまり、牛レバーにはトリプトファンよりもほかの必須アミノ酸が多いため、実際には思ったほどトリプトファンがとれないのです。
 私たちのカラダの筋肉や骨などはタンパク質で出来ていて、このタンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。そのうち、9種類は必須アミノ酸と呼ばれる体内では合成できないアミノ酸です。その必須アミノ酸の中でもバリン、ロイシン、イソロシンは総称してBCAAと呼ばれる持久系のアミノ酸で、大切な栄養素です。
 この持久系アミノ酸BCAAは、まぐろの赤身、肉や卵などの食品に含まれているほか、最高の栄養といわれる母乳にも含まれています。
 このようにBCAAが多い環境では脳への取り込みが阻害され、脳内セロトニンがあまり増えないことがありますので注意が必要です。
 BACCは動物性蛋白質に含まれており、食品では牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉などが挙げられます。食べ物はバランスが大事なので、極端に摂取を制限すると逆に体調不良の原因になるので注意です。牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは逆に「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。
 
 セロトニンを増やすためは、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6、およびマグネシウム、亜鉛の不足を起こさないことが大切です
 トリプトファンはセロトニンの原料であると同時に、ナイアシンの原料でもあり、ナイアシンの合成が優先されます
 そのため、ナイアシンが不足していますと、折角、脳内に取り込まれたトリプトファンもナイアシンの合成に使われてしまい、セロトニンの合成へはまわってきません
 ナイアシンは魚介類や肉類などの食品に含まれており、腸内細菌により産生もされますので、適量の魚介類・肉類を摂食し、腸内細菌を健全に保っている限りにおいて、ナイアシンの摂取不足を起こすことはありません。
 この条件が整った状態で、セロトニンはトリプトファンを原料として、ビタミンB6、亜鉛、マグネシウムなどを補酵素として合成されます。

 こういったことから、肉・牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎは、腸内環境の悪化をきたし、ビタミンB3(ナイアシン)が産生されなくなり、結果的に「脳内セロトニン」がうまく作られなくなってきます。


 必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6が体内で化学変化を繰り返し、各種の「プロスタグランジン」が生成されていきます。(食物として体内に吸収されたオメガ3・オメガ6の大部分は、他の脂肪酸と同じく燃焼に回されますが、細胞膜からピックアップされた一部がプロスタグランジンに変換されます。)
 プロスタグランジンは原料である脂肪酸の違いによって、3つのグループに分けられます。そして、そのグループ内でさらに複雑な変化をして数十種類のプロスタグランジンがつくられます。
 ここで大切なことは、プロスタグランジンは大きく3つのグループに分かれ、グループごとに異なる働きをしているということです。なかでも「オメガ3系のEPA」からつくられるプロスタグランジンと、「オメガ6系のアラキドン酸」からつくられるプロスタグランジンは、相反する働きをして細胞機能のバランスをとっています。
 もう少し詳しく見てみると、オメガ6系からは2つのグループのプロスタグランジンがつくられ、互いに相反する働きをしています。現在、その材料となる「オメガ6」は大量に摂取されています。そのうえ大半の人々は、肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂っていますが、そうした食品には直接「アラキドン酸」が含まれています。そのためアラキドン酸由来のプロスタグランジンが大量につくられることになります。つまり1グループ目に比べ、2グループ目のプロスタグランジンだけが過剰に生成され、細胞機能のバランスを欠くことになります。


 以上のことから、肉・牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎは、マグネシウム不足を招き、腸内環境を悪化させ、生理活性物質のアンバランスを引き起こし、脳内セロトニンの低下をもたらし、片頭痛治療上好ましくないことばかりです。

目次へ


31.牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎは、なぜいけない??

私たちの健康にとって、カルシウムは非常に重要なミネラルです。しかし、一方でカルシウムのとり過ぎが「マグネシウム不足を引き起こす」ということはあまり知られていません。特に食が細い(小食)にもかかわらず、乳・乳製品が好きという人は要注意です。

牛乳をとり過ぎはマグネシウム不足を引き起こします

 牛乳は、カルシウムを多く含む食品としてよく知られています。でも、牛乳をとり過ぎると、カルシウムは腸から充分に吸収されることなく、そのほとんどが糞便とともに排泄されてしまいます。このとき、カルシウムだけではなく、体に必要なマグネシウムなどのミネラルや栄養素も一緒に引き連れて排泄されてしまうのです。
 では、もし牛乳に含まれるカルシウムを充分に吸収したとするとどうなるか? 血液中のカルシウム濃度が急激に高まります。これがまたよくないのです。
 体にはホメオスタシス(恒常性維持機能)という、バランスをとって正常値に近づけようとする働きがありますから、余分なカルシウムは尿としてただちに排泄されることになります。この排泄にともない、マグネシウムや亜鉛などのミネラル、他の栄養素がやはり失われることになるのです。
 このように、牛乳の吸収率がよいにしろ悪いにしろ、カルシウムを多く含む牛乳や乳製品をとり過ぎることは、結果的にマグネシウムをはじめとする必要なミネラルを失うことになります。実際、牛乳や乳製品など、カルシウム分か特に多い食品のとり過ぎによってマグネシウム不足になるケースは多いのです。
 ちなみに、カルシウムとマグネシウムの摂取比は「2一1」が適切と考えられていますが、牛乳そのもののカルシウムとマグネシウムの比は「10 一1」程度と、カルシウムの比率が高くてアンバランスです。それから代表的な乳製品であるチーズに含まれるカルシウムとマグネシウムの比は、ナチュラルチーズで「20 一1」程度、プロセスチーズ「30 一1」と、もっとバランスが悪くなっています。マグネシウム不足はミトコンドリアの働きを悪くさせますので、牛乳や乳製品のとり過ぎには充分に気をつけましょう。

 また、肉・牛乳・乳製品、これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性があり、本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下します。
 またタンパク質を多量に摂ると(肉食)、解毒の働きをする肝臓と、排泄を担う腎臓に、大きな負担をかけることになります。尿素が増えてくると、それを尿として流し出すために、体は多くの水分を必要とします。そして尿と一緒に、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も排泄されてしまうことになります。こういったことから、マグネシウム不足を引き起こすことになり、マグネシウム不足はミトコンドリの働きを悪くさせます。

 高脂肪・高タンパク質食品に偏った食生活を続けると、カロリーのとり過ぎとあいまって、「SOD」(スーパーオキシドディスムターゼ)や「グルタチオンペルオキシダーゼ」、「カタラーゼ」といった、抗酸化酵素”の活性に必要不可欠なマンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。結果、活性酸素の発生が増加することになり、ミトコンドリアの働きを悪化させます。

 肉類や乳・乳製品といっだ動物性タンパク質”たっぷりの食事は、腸内環境を悪くします。腸内の悪玉菌の大好物は、肉などたんぱく質や脂肪を多く含む食品です。
 悪玉菌はたんぱく質やアミノ酸を分解し、有害物質を作り出し、このためミトコンドリアの働きを悪化させることになります。

 牛乳の飲み過ぎは、過剰なカルシウムが排泄されるのと同時に、マグネシウム・亜鉛・鉄などのミネラルや、他の栄養素も失われてしまいます。その結果、さらにミネラル不足が進むことになります。
 砂糖のような「空のカロリー食品」の多い食事には必須栄養素が不足していますから、カロリーだけは満たされても必須栄養素は欠乏するという事態が生じます。結局エネルギー代謝が円滑に進まず、ミトコンドリアの働きを悪くさせます。

 ミトコンドリアは「生命のエネルギー工場」と呼ばれ、エネルギーを産生する重要な場所です。ミトコンドリアの働きの悪さは、新陳代謝やエネルギー代謝など代謝の低下を意味します。このエネルギー代謝を円滑に行うためには、食生活でとくに栄養素・ビタミン・ミネラルを過不足なくバランスよく摂取することが大切になります。
 偏った食事は、ミトコンドリアの働きを悪化させ、新陳代謝やエネルギー代謝が円滑に行われなくなります。

 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛である、ということを忘れてはなりません。

ビオチンとの関連から

 ビオチンはビタミンB群に分類されるので、肉類をはじめ魚類や、野菜、乳製品など幅広く多くの食品に含まれていますので、基本的に意識しなくても普通の食事を行っていれば、不足する栄養素ではありません。
 ビオチンの1日の摂取量は、成人は1日あたり45μgとされていますが、食事で過剰摂取になる事はほとんど無いとされています。ビオチンは卵の卵黄にも多く含まれていますが、卵の卵白にあるアビジンというタンパク質は、ビオチンと結合する性質ももち、ビオチンが吸収されにくくなってしまいます。
 この為、どうしてもたくさん卵を食べたい場合は、アビジンというタンパク質によって、ビオチンが吸収を妨げられてしまう危険があるので、アビジンの影響を受けなくするために、加熱調理してアビジンのタンパク質を変性させて、ビオチンが阻害されないようにしましょう。
 生卵の場合は、1日に6個以上食べると、ビオチンの急性欠乏状態になり、脱毛や皮膚炎、また倦怠感などの症状があらわれてきます。
 ビオチンが特に多く含まれている食品は、レバーや卵黄に多く、イワシやチーズからも多く摂取出来ます。また、ビオチンが多く含まれている食品でなくても、体内に合成されるものなので、肌荒れが気になる人や、老化が気になっている人でなければ、それほど意識して摂取しなくてはならない栄養素ではありません。
 ビオチンを食事で摂取する場合には、ビオチンの効果を高めるために、ビタミンB6と一緒に摂取しましょう。


 以上から、牛乳(乳製品)・卵の摂りすぎはよくないことが理解されたと思います。

目次へ


32.植物油がなぜよくないの???

「植物油は健康によい」???


 皆さんの中には、「植物油は健康によい」と思っている方も多いのではないでしょうか? もしあなたが「植物油は健康によい」と信じているのであれば、「植物油のとり過ぎが、じつは健康を害する最大の原因である」と認識を変えてほしいのです。
 あなたは「サラダ油」(植物油)を料理に使つていますか? サラダ油というネーミングは健康的なイメージがありますが・・・
 いまから半世紀も前、「植物油はコレステロール値を下げる」という実験結果がアメリカで発表され、「植物油=健康にいい」というイメージが先進各国に広まりました。ところが30年前、「植物油にはコレステロール値や心臓病の発生確率を下げる効果はなく、むしろがんの発生確率を高める」という発表が、アメリカの国立がん研究所からあったのです。そうした発表を受けて、各国でさまざまな規制が導入されました。

 サラダ油はカラダによいものではなかったのです。しかし、日本ではいまだに「植物油=健康にいい」と信じられています。
 もちろん、植物油の中にも「よい植物油」と「悪い植物油」があるので一概にはいえないのですが、悪い油のとり過ぎが、片頭痛発症の引き金となる「活性酸素」と「遊離脂肪酸」を発生させることにつがなっていることは確かです。よいものと悪いものを見極める目を持つことが大切です。
 私かお勧めする植物油は、昔ながらの製法「低温圧搾」で造られたシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油などのオメガー3系脂肪酸を多く含む植物油と、エクストラバージンオリーブ油、低温圧搾で作られたゴマ油やナタネ油などの植物油です。これら以外の市販されているサラダ油など多くの植物油は、いずれも「悪い油」といってもよく、多くとってはいけないものばかりです。また、マーガリンやショートニングなどの脂もダメです。
 こうした「悪い油」を原材料とするマヨネーズやドレッシング、植物性ヨーグルト、ケーキ、ビスケット、クッキー、チョコレート……なども、できるだけ避けたい食品といえます。加工食品の成分表を見ればわかるのですが、植物油が加えられていない加工食品はまれにしかありません。これらの植物油のほとんどは悪い油です。注意してください。
 植物油に多く含まれるのが「リノール酸」です。リノール酸は「必須脂肪酸」で、わたしたちのカラダには欠かせません。でも、穀類や豆類中心の食事をしていれば、充分に必要量がとれます。
 リノール酸は、活性酸素の発生などを抑える「生理活性物質」(体内でのさまざまな生命活動を調整したり影響を与えたりする)の原料になりますが、とり過ぎてしまうと逆にそれを抑制してしまいます。現代人の食生活は植物油を多くとり過ぎなので、むしろ活性酸素を過剰に発生させてしまっているのです。

脂肪酸の種類

 たとえばビタミンにもいろいろな種類があるように、脂質(油脂)にもいくつかの種類があります。これらは、分子構造上・脂肪酸として次のように分類できます。

I.飽和脂肪酸……酸素などと反応しやすい「二重結合」を持たないもの
  (ヤシ油や牛乳・バターに多く含まれる)
Ⅱ.一価不飽和脂肪酸……「二重結合」がひとつだけあるもの
  (オリーブ油の主成分であり、ナタネ油や牛脂に多く含まれるオレイン酸など)
Ⅲ.多価不飽和脂肪酸……複数の「二重結合」を持つもの
  (シソ油に多く含まれるα-リノレン酸や植物油に含まれるリノール酸、青魚に含まれるEPA・DHAなど)

 飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸は、おもに体を構成する細胞膜に使用されたり、中性脂肪として体に必要なエネルギーとなったりするものです。ただし、体をコントロールしている生理活性物質(私たちの生理活動に影響を与えるホルモン様物質)の合成に使用されることはありません。
 一方の多価不飽和脂肪酸には、細胞膜の構成やエネルギーの供給源となるほかに、「酸化ストレス・炎症体質」を決定する生理活性物質の原料になるという重要な役割があります。
 最近注目されているのが、多価不飽和脂肪酸の中の「オメガー3系脂肪酸」です。シソ油(エゴマ油)、亜麻仁油の主成分であるαーリノレン酸をはじめ、青魚に含まれるEPA(エンコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などが代表です。サプリメントとしても発売されていますから、皆さんもご存知のことでしょう。
 多価不飽和脂肪酸には、このほかにもリノール酸やアラキドン酸などのオメガー6系脂肪酸のグループがあります。体内でEPAやDHAはα-リノレン酸からも合成され、アラキドン酸はリノール酸からも合成されます。このように、同じグループ内の脂肪酸は体内で必要に応じて作りかえられるのですが、オメガー6系からオメガー3系などグループを超えての合成は決して起こりません。

大切なのは「オメガー3系脂肪酸」

 一般にオメガー6系脂肪酸をとり過ぎると「酸化ストレス・炎症体質」を形成し、逆にオメガー3系脂肪酸は「酸化ストレス・炎症体質」の形成を抑制する働きがあります。
 今日の食生活では、オメガー6系脂肪酸はとり過ぎとなり、逆にオメガー3系脂肪酸は不足しがちです。これは近年急激に摂取量が増えた植物油に、リノール酸などのオメガー6系脂肪酸が多く含まれること、さらに私たちが主食とする米をはじめ、小麦やトウモロコシ、そばなどの穀類の油分にもオメガー6系脂肪酸が多く含まれるからです(オメガー3系脂肪酸の15~30倍)。
 当然、片頭痛にならないためには、オメガー3系脂肪酸を含む食べ物を積極的にとるようお勧めするわけですが、なかでもEPAやDHAを多く含む青魚が有望です。
 ただし、ここで注意しておきたいことがひとつ。青魚のうち、ブリやマクロなどの大型魚には、メチル水銀やダイオキシン類といった環境汚染有害物質を多量に含むものが多いということです。小さければ小さいほど、こうした有害物質をわずかしか含みませんから、目安としては「手先から肘までより小さな魚」であるイワシやアジ、サバなどの小型の青魚がお勧めです。
 また、オメガー6系脂肪酸とオメガー3系脂肪酸の摂取比率は、体質改善当初は[1:1]、改善後は[2:1]が望ましく、私はシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油を日常の食生活に取り入れることを勧めています。
 ところで、もしあなたが花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患で悩んでいるのであれば、これまで述べてきた植物油にかかわる注意事項を忠実に守るだけで、その悩みは解消に向かうことでしょう。
 片頭痛の場合には、残念ながらこれだけでは充分な改善効果を実感することはできないのですが、まずはこの植物油の問題をクリアすることが、片頭痛体質にならないための第一歩です。ぜひお試しください。

生理活性物質としてのエイコサノイドの関与

「ホメオスターシスの三角形」の一角に”内分泌系”があり、全身のさまざまな生理機能を調節するもの(生理活性物質)には、「ホルモン」がありますが、特定の内分泌腺でつくられ、全身を支配しているのに対して、局所ホルモン(エイコサノイド)がこれとは別にあります。こうした調節物質を、ここではまとめて「プロスタグランジン」と呼ぶことにしますが、プロスタグランジンは個々の細胞でつくられ、細胞レベルでの調節を行っています。(そのため局所ホルモンと呼ばれています)しかし、その働きはきわめて重要で、身体全体の機能に関係していると言ってもよいほどです。
 局所ホルモン(エイコサノイド)は、必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6という脂肪酸からつくられます。
 必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6が体内で化学変化を繰り返し、各種の「プロスタグランジン」が生成されていきます。(食物として体内に吸収されたオメガ3・オメガ6の大部分は、他の脂肪酸と同じく燃焼に回されますが、細胞膜からピックアップされた一部がプロスタグランジンに変換されます。)

 プロスタグランジンは原料である脂肪酸の違いによって、3つのグループに分けられます。そして、そのグループ内でさらに複雑な変化をして数十種類のプロスタグランジンがつくられます。
 ここで大切なことは、プロスタグランジンは大きく3つのグループに分かれ、グループごとに異なる働きをしているということです。なかでも「オメガ3系のEPA」からつくられるプロスタグランジンと、「オメガ6系のアラキドン酸」からつくられるプロスタグランジンは、相反する働きをして細胞機能のバランスをとっています。
 もう少し詳しく見てみると、オメガ6系からは2つのグループのプロスタグランジンがつくられ、互いに相反する働きをしています。現在、その材料となる「オメガ6」は大量に摂取されています。そのうえ大半の人々は、肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂っていますが、そうした食品には直接「アラキドン酸」が含まれています。そのためアラキドン酸由来のプロスタグランジンが大量につくられることになります。つまり1グループ目に比べ、2グループ目のプロスタグランジンだけが過剰に生成され、細胞機能のバランスを欠くことになります。
2グループ目のプロスタグランジンと、オメガ3系からつくられる3グループ目のプロスタグランジンも、相反する働きをしています。しかもこの2つは、オメガ6系のグループ同士より強力な競合関係にあり、一方が大量につくられると、他方はその分だけつくられなくなります。ということは、現在のような「オメガ3欠乏」の状態では、圧倒的に「アラキドン酸」由来のプロスタグランジンが生成されることになるのです。「オメガ6」と「動物性食品」の過剰摂取から2グループ目のプロスタグランジンだけが異常に多く生成され、「オメガ3」の欠乏から3グループ目のプロスタグランジンが極端に不足してしまっているということです。そのために細胞機能のバランスが大きく崩れ、ミトコンドリア機能に障害をもたらすことになり、さまざまな障害・病気が引き起こされているのです。

 例えば“炎症”という作用の場合、それを抑制するプロスタグランジンが「オメガ3」からつくられるのに対して、アラキドン酸由来の「オメガ6」からは炎症を激化させるプロスタグランジンがつくられます。このように―「血栓を減らしたり、増やしたり」「発ガンを抑制したり、促進したり」「子宮を弛緩させたり、収縮させたり」「血管を拡げたり、狭めたり」して、互いに相反する働きかけをしています。車にたとえれば、アクセルとブレーキのようなものです。1つの生理作用に対して、それぞれ反対の働きかけをしながらコントロールしているのです。多種類のプロスタグランジンが互いに関係をもちながら、身体全体の機能を維持しているのです。
「オメガ3」と「オメガ6」の脂肪酸は、単なるカロリー源や組織の構成成分となるだけでなく、細胞機能を調節するプロスタグランジンの材料となっています。プロスタグランジンは、神経系・ホルモン系に続く「第3の調節系」と言われ、油の中でも最新の研究分野となっています。
 1982年には、欧州の3人の研究者がノーベル医学生理学賞を受けています。

オメガ3とオメガ6のアンバランスを引き起こす原因

 では、どうしてこのような異常な事態を引き起こすようになったのでしょうか。「オメガ3」も「オメガ6」も、植物性食品や植物油の中に多く含まれています。そして、その植物油がアメリカや日本において大量に摂取されるようになったのは、1960年以降のことです。食事が欧米型に向かい、油料理・揚げ物料理が多くなった時期ということです。
 食事の欧米化の中で摂取量が増え続けてきた油と言えば、コーン油・大豆油・サフラワー油(紅花油)などです。そして、それらをベースにしたマヨネーズやドレッシング・マーガリンなどです。実は、こうしたどこの家庭でも毎日のように使う油には、「オメガ6(リノール酸)」が豊富に含まれているのです。
(一般に使われる油の中には、45~75%もの「オメガ6」が含まれています。)
 一方、「オメガ3(アルファ・リノレン酸)」を多く含む油としては、シソ油・エゴマ油があり、欧米では亜麻仁油があります。しかし現代人のほとんどは、これらの油を料理に使うことはありませんでした。(日本ではあまりなじみのない「亜麻仁油」ですが、食用に用いられた歴史は古く、ギリシャ・ローマ時代からだと言います。北欧諸国では第2次世界大戦の前まで、どこの家庭でも使われていました。)
 また食品によっては、オメガ3を比較的多く含むものもあります。野菜(特に緑の濃い冬野菜)・海藻・魚(背の青い大衆魚)などです。そしてこれらの食品は、昔の日本人は日常的によく食べていました。そのためかつては、かなり「オメガ3」を摂取することができていたのです。油料理をひんぱんに摂るような現代とは違って、オメガ3とオメガ6のバランスは自然に良好だったのです。

 現代人は、オメガ3の摂取源となる野菜・海藻・魚などをあまり摂らなくなっているのに対し、オメガ6の摂取量は激増しています。食事が欧米型に傾けば傾くほど、「オメガ6」だけが多くなってしまうのです。こうして必然的に、「オメガ3」と「オメガ6」のバランスは大きく崩れてしまいました。

現代人の深刻な「オメガ3脂肪酸欠乏」

 食生活の欧米化が深刻な「オメガ3欠乏」を招いていますが、その一因としては、次のようなことも挙げられます。一般に現代人は、寒い地域の食物より、温かい地域の食物を好んで食べるようになっています。 
 温室栽培や輸入によって、冬でも、トマトやキュウリ・ピーマンなどの夏野菜が食べられるようになりました。実は、「オメガ6」が暖かい地域の農作物に多く含まれているのに対して、「オメガ3」は寒い地域の農作物に多いのです。ホウレン草・シュンギク・小松菜・白菜・ブロッコリーなどの冬野菜は、よいオメガ3の摂取源となっています。
 また精白技術の進歩が、オメガ3不足に拍車をかけています。穀類の胚芽にはオメガ3とオメガ6がともに含まれているのですが、精白することで「オメガ3」が失われてしまいます。
 さらにオメガ3不足の大きな原因として現代式の製油方法が挙げられます。食用油といえば、かつては手絞り的な圧搾法「コールド・プレス(低温圧搾法)」で製造されていました。しかし現代では、そうした方法でつくられているのは亜麻仁油・オリーブ油などの一部の油のみです。
 それ以外のほとんどの食用油は、化学的溶剤で原料の中の脂肪を溶かし出し、その後に溶剤を除去するといった方法でつくられています。そして最後の脱臭工程では、230℃以上もの高温処理がなされています。取り出された油には、部分的に水素が添加されます。“水素添加”とは、不飽和脂肪酸の二重結合部分に、高温高圧下で強引に水素をつなげて油を飽和状態に変えてしまうことです。こうすると油は酸化しにくくなって日もちがよくなり、商品寿命が延びるからです。
 こうした製油過程で真っ先に失われてしまうのが、水素と最も反応しやすい「オメガ3」なのです。原料となる大豆やゴマなどの種子類には、わずかですがオメガ3が含まれていますが、今述べたような製油方法では、ほとんどなくなってしまいます。そのうえ「トランス型脂肪酸」という有害な脂肪酸が生成されることになります。(「溶剤使用」「高温処理」「水素添加」という現代式の製油方法の中では、オメガ3だけでなく、ビタミンなどの栄養素も失われてしまいます。
このような原因が重なって、現代人の「オメガ3不足」は、きわめて深刻な状態になっています。
 そして、ミトコンドリアの働きまで悪化させることになります。その理由は・・

脂肪酸の種類の違い

 脂肪酸は体を構成している約60兆個の細胞の膜と、細胞内のミトコンドリアなどの小器官の膜をつくるのに使われています。体の働きを行う酵素は、細胞膜の助けを借りて働いています。また細胞膜は物質輸送の場でもあります。細胞膜には食べた脂肪酸がそのまま使われますので、どのような種類の脂肪酸を含む脂質を食べたかにより、細胞膜の状態が大きく異なり、細胞の働きが左右されます。
例えばミトコンドリアで働く酵素はリノール酸型の脂肪酸により膜に支えられていますが、もし、これがリノレン酸型などの他の脂肪酸だと酵素は膜から離れてしまい、エネルギーをつくることができません。
神経細胞はナトリウムイオンとカリウムイオンを入れ換えることで神経を伝達しています。このナトリウムイオンとカリウムイオンを入れ換えるたんぱく質を挟み込むように固定しているのがDHAやEPAです。もし、この脂肪酸がリノール酸型であれば、たんぱく質は固定できず神経は伝達できません。
 脂肪酸の種類によるもう一つの大きな違いは、膜の柔らかさです。融点が低い脂肪酸の方が体温では柔らかいのです。これらの脂肪酸がさまざまな組合せで膜をつくるのですが、その組合せにより膜の硬さ、つまり動きやすさが異なるのです。どのような組み合わせがよいのかはそれぞれの細胞が決めます。

~必須脂肪酸について~

 必須脂肪酸に含まれるものにはリノール酸、アラキドン酸、αリノレン酸、EPA、DHAなどがあります。これらは細胞膜のリン脂質の構成要素で、プロスタグランディン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどのエイコサノイドを産生します。
「リノール酸」は成長、生殖生理や皮膚の状態を正常に維持するうえで必須です。摂取されたリノール酸は人の体の機能を保つために必要なアラキドン酸に変換されます。しかし、アラキドン酸が過剰になると血圧を上げ、血液の凝固を促進し、アレルギー症状を悪化させます。
「αリノレン酸」は学習機能や網膜機能を高く保つうえで必須です。αリノレン酸はリノール酸系列の代謝を阻害し、アラキドン酸由来のエイコサノイドからの影響を和らげます。αリノレン酸がEPA、さらにDHAに変換されると血小板凝集の抑制、血管拡張、アラキドン酸作用を抑制します。DHAは脳、神経細胞の機能を働かせる作用を持っています。
「エイコノサイド」は細胞膜をつくっているリン脂質の多価不飽和脂肪酸からつくられます。そして材料になる脂肪酸の種類により正反対の指令を出すエイコサノイドになります。大まかにいうと、リノール酸型(主にアラキドン酸)は血管の収縮や血液を固めるエイコサノイドを、リノレン酸型(主にEPA)はその逆の作用をするものをつくります。他にもアレルギーに敏感にさせるのはリノール酸型で、ストレスも誘発します。
 こうしてみるとリノール酸型は好ましくない脂肪酸のように見えますが、リノレン酸型が多すぎると怪我をしたときに血が止まりにくくなり、内出血も止まりません。リノール酸型とリノレン酸型の適度なバランスが重要です。
 第6次改定栄養所要量の中で、リノール酸型とリノレン酸型の摂取比を4:1、さらに飽和脂肪酸:オレイン酸:多価不飽和脂肪酸の比率を、おおむね3:4:3と推奨されています。
 戦後の日本人の脂肪摂取量は1日20gぐらいであったものが、1960年以降は約3倍に増え、オメガ6系脂肪酸(リノール酸)も1日5~6gが14~15gに増えていますが、オメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)はそれほど増えていません。

健康によい油

リノール酸は「生理活性物質」の原料になります。この生理活性物質には、①「炎症を悪くする」、②「炎症を抑える」、③「両者の働きを調整してバランスをとる」の3種類があり、リノール酸はとり過ぎると①になってしまいます。
大事なのは③です。「酸化ストレス・炎症体質」にならないようにコントロールしてくれるからです。その原料となるのが「α-リノレン酸」や「EPA・DHA」です。
 サプリメントのCMで見たことがあると思いますが、EPAやDHAは青魚に多く含まれています。「α-リノレン酸」。α-リノレン酸は、体内でEPAやDHAに変わってくれるのです。α-リノレン酸は「エゴマ油(シソ油)」や「亜麻仁油」に多く含まれています。 αーリノレン酸やEPA・DHAは「オメガ3系脂肪酸」といいます。健康・片頭痛改善の決め手はオメガ3です。

目次へ


33.ケーキやクッキー、お菓子類などは大丈夫ですか??

市販されているサラダ油など多くの植物油は、いずれも「悪い油」といってもよく、多くとってはいけないものばかりです。また、マーガリンやショートニングなどの脂もダメです。 こうした「悪い油」を原材料とするマヨネーズやドレッシング、植物性ヨーグルト、ケーキ、ビスケット、クッキー、チョコレート……なども、できるだけ避けたい食品といえます。加工食品の成分表を見ればわかるのですが、植物油が加えられていない加工食品はまれにしかありません。これらの植物油のほとんどは悪い油です。注意してください。

危険な「トランス脂肪酸」について

 悪い植物油というのは、工業的に精製・加工されたもので、その製造過程で副産物として生成されるトランス脂肪酸という非常に危険な有害物質を含んでいます。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあることがわかっていて、動脈硬化や心臓病につながるなど、健康被害の原因となります。海外では、加工食品にトランス脂肪酸がどれくらい含まれているかを表示する義務や含有量の制限がある国もあるほどです。 トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングにもたくさん含まれています。マーガリンは即やめたほうがいいし、ショートニングを使っているお菓子なども、やはり気をつけたほうがいいです。そのほかでは、市販の揚げ物なども要注意です。何度も使い回しができる“持ぢのよい「硬化油」という植物油が使われていて、これにはトランス脂肪酸がいっぱいです。 このトランス脂肪酸をとることと、植物油の主成分であるリノール酸のとり過ぎが、片頭痛やさまざまな生活習慣病を発症させる原因となる「酸化ストレス・炎症体質」の最大の誘発因子となっています。ですから、悪い植物油を料理などに極力使用しないこと、こうした植物油を使って作られた加工食品を極力とらないことが大切です。ところで、今でもマーガリンが「健康によい」と信じている人は結構多いようです。もし、料理にマーガリンを使う必要があるのであれば、ただちにバターに切り替えてください。バターのとり過ぎも体にはよくないのですが、それでもマーガリンよりは健康上の問題は少ないといえます。 マーガリンやショートニングを使用している市販のケーキやクッキー、お菓子類なども極力とらないようにすることが、「酸化ストレス・炎症体質」に至らないためには大事です。

市販の揚げ物を食べてはダメ’・

 市販の揚げ物にも、油の”持ち”をよくするために、トランス脂肪酸を多く含む硬化油という植物油が使用されています。硬化油を使用した鶏の唐揚げやポテトフライなどの揚げ物類も極力とらないようにしたほうがよいでしょう。揚げ物を食べたい場合は家庭で作るようにしてください。その際には、圧搾製法で造られたナタネ油やゴマ油、またはオリーブ油を使うようにしましょう。 また、悪い植物油はドレッシングやマヨネーズをはじめ、多くの加工食品に使用されています。ですから、加工食品を手にとったら、必ず成分表を見るようにしたいものです。 「植物油使用」と書かれているものは、いずれも悪い植物油が使われていると思ってください。マヨネーズやドレッシングは、エクストラバージンオイルやシソ油を使った自家製のものにすると、健康にもいいし、美味しく安心していただくことができます。日常の調理には加熱用としてエクストラバージンオリーブ油を使い、ドレッシングやマヨネーズなどの非加熱用途には、シソ油(エゴマ油)またはエクストラバージンオリ-ブ油を用いるとよいでしょう。 また、穀類、種実類(ナッツ)、豆類、芋類など、天然の植物に含まれる油分にはリノール酸が多く含まれていますが、これらはよい油分であり、有害なトランス脂肪酸は含まれていません。 なお、リノール酸は必須脂肪酸です。摂取不足が気になるところですが、通常の食事(穀類や豆類を含む)をしているかぎり、あえて植物油や植物油を含む加工食品をとらなくても摂取不足を起こすことはありません。また、穀類や豆類を中心とした通常の食事では、リノール酸のとり過ぎを起こすこともありません。知らず知らずのうちに加工食品から摂取されるトランス脂肪酸やリノール酸のとり過ぎ、ドレッシングやマヨネーズ、唐揚げなどからの直接的な植物油のとり過ぎが問題です。

目次へ


34.「ブドウ糖スパイク」って何???

空腹時血糖と食後血糖の差が大きいことを「ブドウ糖スパイク」と言います。このような、いきなり難解なことを持ち出されても理解できないと思います。
まず、「血糖値」、「インスリン」について説明します。

 血糖値という言葉。「高すぎると糖尿病になる」…くらいの大雑把な知識はあるけれど、具体的にどのように体に影響があるのか、どんな点に注意すればよいのか、詳しくご存知でない方も多いのではないでしょうか?
 ダイエット中の人も、美容に気を使う人も、病気が心配な人も、そうでない人も、健康な生活を送るために知っておきたい「血糖値」「インスリン」の知識をまず整理しておきましょう。

血糖値とは

 血糖値とは、血液中に存在する「糖」の多さを表す数値です。この血液中にある「糖」が多いほど血糖値が高く、少ないほど血糖値が低くなります。
 血液中に存在する「糖」は、食事をすることで数値が増えます。食べ物に含まれる「糖」が腸で吸収され血液に送られるのです。
 食後の血糖値を上昇させるのは三大栄養素、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質だけです。血糖値が上昇すると、それを下げるホルモンであるインスリンが分泌されます。

血糖値の種類

 血液中の糖の多さには、二つの種類があります。それが「変動する血糖値」と、「変動しにくい血糖値」です。
「変動する血糖値」とは、食事を摂ると血糖値が上がり、しばらくすると戻ります。つまり1日で何度も変動している数値なのです。
空腹の状態でも血糖値がゼロになることはありません。この胃に食べものが無い状態での血糖値を「空腹時血糖」と呼びます。また、食後に上がる血糖値のことを「食後血糖」と呼びます。

 「変動する血糖値」に対し、「変動が少ない血糖値」というのもあります。それが「HbA1c」です。ヘモグロビン・エーワンシーと読みます。この「HbA1c」とは、血液中にある余計な「糖」と血液の赤色を造っているヘモグロビンがくっついたもの。「HbA1c」この4ヶ月ほど血液中に留まるので、血糖値の“4カ月の平均”と思っていただければ結構です。

インスリンの役割

 インスリンはすい臓のランゲルハンス島という部分にあるβ細胞でつくられている物質で、血液中のブドウ糖の量(血糖値)を調整するのが主な役割です。体内で唯一、血糖値を下げる働きをしています。インスリンには24時間継続して少量出続けている「基礎分泌」と、糖質を摂って一時的に血糖値が上がったときに出る「追加分泌」の2種類があります。
 これでわかるのは、何も食べていないときでも、人体には少量のインスリンが必要ということです。このインスリンの基礎分泌がなくなると、人体のほとんどの組織ではエネルギー代謝がまともに行えなくなってしまいます。
 そして、食事などで糖質を摂ると、血液中のブドウ糖の量が増えるので、インスリンも増やさなければなりません。そのためにインスリンを余計に分泌することを「追加分泌」と呼びます。
 追加分泌されたインスリンは、血液中のブドウ糖を骨格筋や心筋などの細胞内に取り込み、エネルギー源として使えるようにします。またインスリンは、血液中の余分なブドウ糖を体脂肪に変える働きもしています。一方でブドウ糖を燃やし、他方でブドウ糖を体脂肪に変えることで、インスリンは血液中のブドウ糖の量を減らすのです。
 このようにインスリンは、生きていくために欠かせないホルモンで、その分泌を担っているのがすい臓のβ細胞なのです。糖尿病というのは、このインスリンの作用不足によって血糖値が高くなる病気です。

血糖値の上昇でこんな危険が!

全身の栄養になるために血液中にいる「糖」。栄養となる大事な役割なのに、なぜ悪いイメージがあるのでしょうか?それは、「糖の使い道」にあります。
 血液の中に入った糖は、①細胞に運ばれる。もしくは、②血液中に留まる。のタイプに分かれます。その中で使われなかった「糖」が色々と面倒なのです。

血糖値の急上昇が肥満の原因に

まず①細胞に運ばれる場合は、以下のようなステップを踏みます。
食事を取ると一時的に血糖値が上昇します。血液の中に増えすぎた糖を減らそうと登場するのがインシュリンです。このインシュリンは糖を体の細胞へ運ぶのです。この運ばれた糖の使い道は、ご存知の通り主にエネルギーのためです。
 しかし、あまり動かずエネルギーを消費しないと、糖はそのまま脂肪になり蓄積されます。「食べてすぐ横になると牛(豚でしたっけ?)になる」の言葉はあながち間違っていないのです。
 消費するカロリーが少ないと糖は脂肪になります。では、どれくらい運動すれば消費されるのかというと、40kgの人がジャガイモを半分食べたら、1kmほどランニングをしないといけない…というのが1つの目安です。
 体重40kgの人が1kmランニングをして消費するカロリーがざっと(40×1で)40kcalくらいです。砂糖は1g=4kaclなので、40kcalを作るのに必要な糖質は10gとなります。ちなみにジャガイモ半分に含まれる糖質量が約10gです。

糖尿病の危険

 血糖値×危険=糖尿病と思う方も多いでしょう。
 この仕組みは、インシュリンの機能が低下することに起因します。
 毎日の食事で血糖値を上昇させすぎたり、常に何かをつまんで高血糖な状態が続くと、「インシュリン」の機能が疲れて糖を細胞へ運ばなくなります。つまり、血液の中を見ると「糖だらけ!」ということ。
 そして糖がエネルギーにならないので、体も活動できなくなってしまいます。この状態が糖尿病です。糖尿病と診断されていなくても、食後の血糖値が異常に高い「食後高血糖」の人は糖尿病予備軍。気をつけましょう。

老化現象(体の糖化)

 血糖値の上昇が生む危険はこれだけではありません。血液中に残った「糖」もまた体に悪影響なのです。それがアンチエイジングでもキーワードとなる「体の糖化」。血液中に残っている「糖」がタンパク質とくっつき、「劣化したタンパク質=AGEs」になります。
 このAGEsがコラーゲンを壊して肌のシミやシワを増やしたり、臓器を老化させたりと、悪害ばかり引き起こすのです。アンチエイジングの業界では、昔「体の酸化を防いで錆びない体に」…と言われていましたが、今は「体の糖化」のほうが怖いと言われているくらいなのです。

その他生活習慣病

 老化現象は、肌などの見た目だけの問題にはとどまりません。体の老化や病気にもつながるのです。
 糖とタンパク質の結合物自体がコラーゲンを傷つけるだけでなく、糖が「体内に不要な物質」となることで、悪者を退治しようと「活性酸素」が登場します。活性酸素が「悪い糖」を退治するのですが、強力すぎて一緒に血管も傷つけてしまうのです。するとカサブタが出来たような状態になり、血管を細くします。動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞など、血管が詰まっておきる病気につながるというわけです。

「ブドウ糖スパイク」とは

 空腹時血糖と食後血糖の差が大きいことを「ブドウ糖スパイク」と言います。世界中の糖尿病専門医の間で定着している言葉ですが、この差が大きいほど体内の血管内皮はリアルタイムで傷つけられ、将来の動脈硬化や心筋梗塞のリスクとなります。

 ここで重要なのは、1日に何回も糖質を摂ると、そのたびにミニスパイクが起きるということです。そして、ミニスパイクのたびにインスリンが大量に追加分泌されて、代謝が乱れます。基礎分泌の数倍から30倍ものインスリンが追加分泌されますから、人体にとっては救急車の出動に等しい緊急事態といえるでしょう。血糖値が180を超えるとリアルタイムで血管内皮が傷つけられるので、すい臓のβ細胞はこの緊急事態を何とかおさめようと一生懸命にインスリンを分泌するわけです。

 現代人は離乳後、1日3~5回も精製炭水化物を摂り、体内でブドウ糖ミニスパイクを起こしています。そのたびに代謝は乱れ、自然治癒力は浪費され、すい臓のβ細胞は疲れていきます。こうしたミニスパイクとインスリン追加分泌の積み重ねが人体をかく乱して、アレルギー性疾患や生活習慣病、さらに片頭痛の根本要因となっています。

 このようなことを40~50年もくり返せば、β細胞は疲れきってインスリンの分泌能力が低下し、糖尿病にもなります。近年のジャンクフードの増加は、こうした状況にさらに拍車をかけています。
 精製されていない玄米などなら、1人前食べても正常人だと40くらいまでしか血糖値を上げず、ミニスパイクが生じないので代謝が安定します。しかし、残念ながら糖尿病になってしまったら、玄米でも150以上のスパイクを起こしてしまうので、糖質制限食が必要となるのです。糖質制限食なら、血糖値の上下動は正常人ではほとんどなくなり、糖尿病でも大幅に少なくなります。

血糖値を上げる食事

 では、どのように血糖値が上昇するのでしょうか?最初にお話した通り、食事を取ると血糖値が上昇します。糖が含まれている食べものは全て血糖値を上昇させる原因となるのです。

 糖が多く含まれているのは以下のような食べものです。

1. お菓子
2 .主食である炭水化物
3. 清涼飲料水

 まず、言わずもがななお菓子。そしてご飯やパン、麺類などの主食である炭水化物。そして、気をつけたいのが糖が多く含まれているコーラやサイダー、ジュース、スポーツ飲料などの清涼飲料水です。

 朝ごはんにパンを食べて、昼にラーメンを食べて、間食にチョコをつまんで、夜ご飯はビールと定食…こんな一見当たり前な食事ですが、摂取しているのはほとんど「糖」。

 特に気をつけたいのが飲料の糖質です。固体であれば消化にゆっくりと時間をかけますが、飲み物は体内に入ってすぐ腸から吸収されますので、血糖値の急上昇を招きます。どうしても甘いものが飲みたい場合は、市販の飲み物は避け、オリゴ糖など血糖値の上昇を緩やかにする甘みを利用しましょう。

血糖値の上昇を抑えるには?

 オリゴ糖のお話をしましたが、ここからは血糖値の上昇を抑える方法や抑える食べものなどをチェックしていきましょう。

①血糖値を上げる食事を控える

 まず一番わかりやすい方法としては、血糖値を上げる、糖質の高い食事を控える。ということ。もちろん、全て排除する必要はありません。上記の糖の多い食材以外にも、野菜や調味料、大豆製品などにももちろん糖質が含まれていますので、何を食べても摂取はするのです。その代わり、毎食炭水化物メインの食事をやめる、甘いものを控える、清涼飲料水はやめるなど、毎日の食事に少し気を使うところから始めましょう。

②血糖値の上昇が穏やかな低GI食品

 血糖値の上昇のスピードは食べものによって違いがあります。例えば白米と玄米。同じお米ですが、玄米は薄皮で包まれている分消化に時間がかかり、血糖値の上昇は穏やかです。このような血糖値上昇のスピードを表す数値をGI値と言います。

③血糖値の上昇を抑える食品

 血糖値の上昇を緩やかにしてくれる食べものや調味料などがあります。糖の吸収スピードを遅くさせたり、糖を排出させたり、糖の分解を抑えたり、糖と一緒に摂取することで血糖値の急上昇を抑えてくれるのです。食物繊維や、効果のある成分が含まれたお茶などがありますのでチェックしておきましょう。

先程の、GI値とは?低GI食品や、GI値を下げる方法など!

GI値とは?

「GI値」とは「グリセミック・インデックス(Glycemic Index)」の略で、「グリセミック指数」と言われることもあるようです。
食品を食べたときの、血糖値の上昇の度合いを表す数値とされ、ブドウ糖を100とした相対値になっています。
 このGI値が高い食品ほど、その食品を食べた際に血糖値が上がりやすいと言われています。反対にGI値の低い食品を食べたときには、血糖値がゆっくり上昇するとされています。

ダイエットにGI値が必要な理由とは

 GI値は、自分の健康状態が気になる人や、ダイエットをしている人などから注目されているようです。なぜ、血糖値の上昇度合いが、健康やダイエットに関わってくるのでしょうか?
 血糖値が上がると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは、血液中のブドウ糖を身体中の器官に運ぶなどして、血糖値を下げる役割があります。
 さて前述の通り、GI値の高い食品を食べると、血糖値が一気に上昇します。急激に血糖値が上がると、インスリンが過剰に分泌されてしまうと言われています。
 インスリンには血糖値を下げるだけでなく、脂肪を作り、また脂肪の分解を抑制する働きがあるとされています。そのため、インスリンの過剰分泌は肥満につながります。
 また、ブドウ糖はインスリンによって、筋肉や肝臓、そして脂肪へと運ばれますが、筋肉や肝臓に送られるブドウ糖の量には限度があります。
 体内にたくさん取り込まれ、筋肉や肝臓で処理しきれなかったブドウ糖は、脂肪細胞に溜めこまれてしまいます。このことも、肥満の原因になります。
 また、GI値の影響があると言われているのは、肥満だけではありません。
 急激に血糖値が上がると、インスリンの分泌が追い付かなくなります。この場合は、食後しばらく経っても、血糖値が下がらなくなってしまいます。
 このような状態が慢性的に続くのが「糖尿病」です。糖尿病は様々な器官に合併症をもたらす、危険度の高い病気です。
 低GI食品は糖尿病の予防や改善に効果があります。また、高血圧症や心臓血管系の疾患など、生活習慣病全体の予防・改善にも適しています。
 GI値が健康やダイエットを気にする人から注目される理由としては、以上のようなものが挙げられるでしょう。

高GI食品

 具体的にどこまでが低GI食品で、どこからが高GI食品なのか、ということについては、諸説あるようです。しかし一般的には、GI値55以下の食品を低GI食品、70以上の食品を高GI食品と呼ぶことが多いようです。

 まず、高GI食品とされるものにはどのようなものがあるのでしょうか?

 高GI食品として挙げられることが多いものに、ご飯やパンなど、主食として食べられる食品があります。
 たとえば白米のGI値は84、食パンは91とされています。どちらも食卓になじみの深い食品ですが、GI値は高いと言わざるを得ないでしょう。

 主食とされる食品には、高GIのものが多いようです。パンと同じく小麦粉から作られるうどん(GI値85)や、ヨーロッパなどで主食とされることがあるジャガイモ(GI値90)、トウモロコシ(GI値70)なども高GI食品と言われています。
 ダイエットには禁物とされるお菓子にも、高GI食品と言われるものが多くあります。
 たとえば生クリームケーキのGI値は82、チョコレートは91、キャンディーは108とされています。砂糖を多く使った甘いお菓子だけでなく、しょっぱい味付けのせんべいも、GI値は89と高めです。高GI食品とされるお米が原料となっているためです。
 自炊する人は、日頃使っている調味料のGI値が気になるかもしれません。
 やはり高GIの調味料といえば砂糖。白砂糖のGI値は109、ヘルシーなイメージのある黒砂糖も99と高い数値です。甘いお菓子だけでなく、煮物などにも使われることの多い砂糖ですが、使い過ぎには気を付けた方がいいでしょう。
 なお、意外に高いのがコショウ(GI値73)。とはいえ一度に大量に摂取するようなことはあまりないため、コショウのGI値は気にしなくてもいいようです。

低GI食品

 主食とされるようなものにも、比較的GI値が低いものがあります。具体的には、発芽玄米(GI値54)や全粒粉パン(全粒粉とは、小麦の胚乳だけでなく、胚芽や表皮も一緒に粉にしたもの。GI値50)などが挙げられるでしょう。
 基本的に白米よりは玄米、小麦粉よりは全粒粉と、精白されていない食品の方が、GI値は低いと言われています。ちなみに、低GI食品とは言えないものの、スパゲティのGI値も65とやや控えめです。パンやうどん、ラーメンなど、他の小麦粉から作られている食品に比べれば、低い数値だと言えるでしょう。
 スパゲティのGI値が低いのは、スパゲティの原料となるデュラムセモリナ粉という小麦粉が、一般的な小麦粉よりもゆっくり消化吸収されるためだと言われています。
 野菜には低GI食品が多いとされています。ダイエットだけでなく、健康の維持のためにも、積極的に食べるようにしたいものです。たとえばキャベツのGI値は26、トマトは30、シイタケ(生)は28とされています。
 ただし前述の通り、ジャガイモやトウモロコシなど、GI値が高い野菜もあります。一般的にイモの類は、高GI食品だと言われています。
 大豆(GI値30)を原料とした味噌(GI値33)や納豆(GI値33)、豆腐(GI値42)などの大豆製品も、低GI食品とされています。タンパク質を多く含み、カロリーも控えめな大豆製品は、糖質制限中には重宝されることが多いようです。
 カロリーの点から、ダイエット中はお肉を控えているという人も多いかもしれません。しかし肉のGI値は、決して高い数値ではないのです。牛・豚・鶏などの種類や、様々な部位に分けられて販売されている肉ですが、あまりGI値には差がなく、多くは40台とされています。
 肉と同じく、タンパク質を豊富に含むとされる魚も、GI値は40台のものが多いようです。そもそも、炭水化物をあまり含まない肉や魚は、GI値にあまり左右されないと言われています。ただし、カロリーが高いものも多いので、あくまで食べ過ぎには注意した方がいいでしょう。
 動物性タンパク質といえば、卵や乳製品も低GI食品だと言えるでしょう。卵のGI値は30、牛乳は25、プレーンヨーグルトは25とされています。
比較的調理の手間が少なく、手軽に食べられるこれらの食品が低GIであるというのは、嬉しい話かもしれません。
 血糖値の上昇を緩やかにするなど、身体にいいと言われることの多い低GI食品ですが、一方で消化吸収がしにくいという一面も持っているとされています。
 そのため、消化器官系が弱っている時に低GI食品を多く食べると、胃腸に負担をかけやすいと言われています。

GI値を下げる工夫

 GI値が気になっていても、GI値が低い食品だけを食べるというのは、なかなか難しいことでしょう。
 ご飯などの主食を減らすと、おかずを食べる量が増える分、食費がかさみがちになってしまいます。外食をするときも、低GIの食材ばかりを使ったメニューだけを選ぶのは、簡単なことではないでしょう。
 しかし工夫次第では、食べ方によって食品のGI値を抑えることができると言われています。

 食物繊維を含む食品を食べることで、他の食品のGI値を下げる効果が期待できると言われています。
 特に、海藻やキノコ類などに多く含まれるとされる水溶性食物繊維には、ゲル状になって糖などを包み込み、吸収しにくくすることで、血糖値の上昇を緩やかにする効果があるとされています。
 また、大豆やゴボウなどに多く含まれるとされる不溶性食物繊維にも、腸内のブドウ糖を吸収するなどして、糖の吸収を穏やかにする働きが期待できるようです。どちらかの食物繊維を摂るのではなく、水溶性と不溶性を1:2程度のバランスで摂取するのがいいと言われています。
 食物繊維を含むものを多く摂ることで、食事のかさが増し、空腹感を感じにくくなるとも言われています。食物繊維を含むとされる野菜類や海草類には、低カロリーのものが多く、ダイエット中の人にとっては、特に役立つ食品と言えるでしょう。
 お酢にも、他の食品のGI値を下げる働きがあると言われています。料理にお酢をかけたり、お酢を使ったドレッシングなどを利用するほか、希釈して飲むタイプのものを取り入れても効果があるようです。
 ただし、空腹時にお酢を飲むと、胃腸に負担がかかりやすいとも言われています。身体に不調を感じる場合は、無理に続けない方がいいでしょう。
 油にもGI値を下げる効果があるとされています。たとえば白米をそのまま食べるよりも、チャーハンにした方がGI値が下がると言われています。
 ただし、カロリーが高くなってしまうことは無視できません。あくまで摂り過ぎには注意した方がいいでしょう。
 乳製品も、一緒に食べる食品のGI値を抑える働きがあると言われています。朝食のパンにヨーグルトや牛乳を添えるなど、ちょっとした手間で用意できるのが嬉しいところです。
バターなどカロリーの高い食品もあるため、油と同じく、食べ過ぎには注意した方がいいかもしれません。
 特定の食品を食べるだけでなく、調理法に気を使うことも、GI値を抑える効果があると言われています。
 スパゲティなどを茹でる際には、あまり柔らかく茹でないようにすると、GI値が下がると言われています。中心部分に芯が残る、アルデンテと言われる状態が適しているようです。

 以上のような点は、いずれ分子化学療法研究所の後藤日出夫先生にいずれ解説して戴く予定にしております。乞う、ご期待を・・・次回に掲載致します。

 いずれにしても、空腹時血糖と食後血糖の差が大きい「ブドウ糖スパイク」は、インスリン過剰分泌を来たし、肥満につながり、活性酸素を過剰に発生させ、「酸化ストレス・炎症体質」を形成させることになり、片頭痛治療上、好ましくないということです。

目次へ


35.”早喰い、ドカ喰い、過食”はどうしていけないのでしょうか?

 このような食べ方を常日頃していますと、「インスリンの過剰分泌」を起こしてきます。
 それでは、「インスリンの過剰分泌」は、どうしてよくないのでしょうか。
 この点について、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生に解説して戴きます。

インスリン過剰分泌

 血糖値というのは血液中のブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖というのは、ご飯や麺類などの主食に多く含まれる「糖質」が分解されたもので人間が活動するための主なエネルギーになります。食事をすると糖質が消化吸収されブドウ糖になり吸収され、血液によって体のあちこちに運ばれます。
 血液の中のブドウ糖はそのままではエネルギーとして使えません。血管からエネルギーを使う器官の細胞に取り込まれないといけないのですが、その取り込む役割をするのが「インスリン」です。
 インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、食事をして血糖値が上昇すると分泌量が増え、血中に増えたブドウ糖を細胞に取り込みます。
 その取り込まれたブドウ糖がエネルギーになって、人間は活動することができるのですが、余分にとってしまったエネルギー(ブドウ糖)は脂肪として蓄えられてしまいます。
 急激に血糖値が上がりすぎますと、血糖の急激な上昇を抑制するためにインスリンが過剰に分泌されることになります。過剰に分泌されたインスリンは血糖を下げすぎることになります。血糖値が下がりすぎると、血糖を適正なレベルに戻そうとするからだの仕組みが働き、体脂肪から遊離脂肪酸がエネルギー源として放出されるようになります。
 体脂肪からブドウ糖などエネルギー源としての生成とその消費がバランスしていれば問題を生じることはありませんが、急激な血糖値の変化にそのバランスが崩れてしまうと血液中の遊離脂肪酸濃度を高めることになります。
 緩やかな血糖値の上がり方なら良いのですが、急上昇と急降下を繰り返すような食事をしていると太りやすいのです。上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが頑張って中性脂肪をたくさん作ってしまうということなのです・・・
 また、急上昇急降下の食べ方はすぐにお腹が空くので、食べる量が多くなってしまいますし、いつも大量のインスリンを出していると膵臓が疲れてしまい糖尿病になりやすくなってしまいます。
 インスリンの過剰分泌を起こすと、必要以上に細胞内にリンが取り込まれて血液中のリン濃度が低下し、低リン血症を起こします。低リン血症になるとマグネシウムは腎臓から尿とともに多く排泄されます。このように、インスリンの過剰分泌もマグネシウム不足を起こす原因となります。
 肥満の人が健康を願うのであれば、何よりも標準体重(BMI:一25 以下)まで減量することが第一優先です(スポーツなどで筋肉体質な人は別として)。
 肥満であればあるほど、ミトコンドリアの増殖は抑えられてエネルギー代謝が少なくなり、さらに肥満になりやすくなるという悪循環に陥ります。
 食事はカロリーのとり過ぎに気をつけるとともに、いつも満腹でいるのではなく、次の食事の前には必ず空腹を感じるようにすることです。食事からブドウ糖の供給がなくなれば空腹感を感じ、体に蓄積されているグリコーゲンや中性脂肪からのエネルギー代謝が開始されます。このとき、ミトコンドリアは栄養分が不足してきたことを認識して数を増やそうとするのです。ですから間食はダメです!
 さらに、空腹時の運動は軽いものであっても、ミトコンドリアをより刺激することになり、効率よく数を増やすことにつながります。
 小断食(三度の食事を一度程度抜く)は、ミトコンドリアを刺激するのに有効な手段ですが、2日を越える絶食は、刺激ではなくミトコンドリアの死滅を招く可能性があり逆効果です。朝食を「万能健康ジュース」に変えること”は、日常的に軽い刺激を与えることになり、ミトコンドリアの活性化に有効です。

 標準体重以下(BMI一20 以下)の人はカロリーを制限する必要はなく、むしろ摂取カロリーを増やす必要がありますが、それでも間食は控えて、さらに空腹時には軽い運動をすることが、ミトコンドリアの数を増すためには効果的です。
 食べ物では、ブドウの果皮(赤ワインにも含まれる)やピーナッツの薄皮に含まれるポリフェノールの一種レスペラトロールに、カロリー制限と同じような効果があり、ミトコンドリアの数を増すといわれています。また、大豆や大豆製品に含まれるタンパク質成分のβコングリシニンや、黒豆の皮に含まれるアントシアニン、トマトなどに含まれるリコピンもミトコンドリアの数を増す効果があるといわれています。
 脂肪細胞から分泌されるホルモンの一種、アディポネクチンには、ミトコンドリアの数を増やす効果があるといわれています。これも肥満になれば分泌量が減り、減量すると増えます。標準体重でいること、きちんと空腹感を感じることが、ミトコンドリアを増やす最良の方法なのです。

 このように、食べ過ぎはミトコンドリアの働きを悪化させます。

 さらに活性酸素は細胞にインスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)を高めて、それにより糖尿病や動脈硬化を引き起こしやすい状態をつくるという悪循環になります。
 インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)は、それ自体で「酸化ストレス」を促進すると言われています。
 これらによって引き起こされる炎症反応は活性酸素の増加や細胞の酸化を促進する要因になります。
 血液中に溢れる遊離脂肪酸も直接的に酸化ストレスを増加させる要因になっています。
 血液中に大量の遊離脂肪酸があると、血液の酸化が亢進します。
 また、脂質が酸化されると細胞が障害されてしまいます。
 細胞を包む膜の活性酸素産生、細胞内のミトコンドリアでの活性酸素産生も促進します。
 また、肥満化した脂肪細胞からは様々な生理活性物質(アディポカイン)や炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が分泌されます。
  これらの生理活性物質や遊離脂肪酸などが合わさって、身体の「酸化ストレス」を促進する要因となり、全身の障害を招くことになるのです。


 そこで、“一度にドッと”分泌し過ぎないためには、次のように食事を心掛けることです。
 
 
ⅰ、単品に近い食事のときは血糖上昇の緩やか食品を選ぶこと、複数の食品の食事では血糖が上がりにくい組み合わせにする(インスリンを過剰に分泌させない)
 ⅱ、食品の消化・吸収の速度が早くなりすぎないように食事をとる(滞胃時間、食べる順番、咀嚼(そしゃく)時間などで調整する)
 ⅲ、血糖を上げない甘味料(難消化性糖質、オリゴ糖など)などを使用する


インスリンの過剰分泌を抑える食事法とは?


 糖質は消化されると、ブドウ糖や果糖、ガラクトース(乳糖の一成分)といった最小の単位まで分解され、体内へ吸収されます。ブドウ糖はインスリンの分泌を強く促し、血糖値もすぐにあがりますが、果糖やガラクトースはインスリンの分泌を強く促すことはありません。
 また、果糖やガラクトースは吸収後に直接エネルギーとして活用されたり、一旦中性脂肪に変換されたりしたあと、必要に応じてブドウ糖として血液中に放出されるため、食後すぐに血糖値が上がるということはありません。
 食品にはさまざまな種類や量の糖質が含まれていますが、食品によって消化や吸収の速度も異なってきます。
 糖質の中でも消化されやすく、消化したあとにブドウ糖を多く生成するものは血糖の上昇は大きく、消化速度が遅いものや消化したあとに果糖やガラクトースを多く生成するものは血糖をすぐに上げることはありません。
 そこで、実際の食事においてどの食品がどの程度血糖値を上げるかを知るために「グリセミック指数(GI)」が用いられることがあります。GIはブドウ糖や食パンをとった際の血糖上昇値を基準(100)として、それぞれの食品の数値を相対的にあらわしたものです。GI値の大きいものほど消化吸収が早く、また血糖の上昇も大きくなります。
 また、調理法によってもGI値は大きく変わります。たとえば同じ白米でも、焼き飯にするとカロリーは高くなりますが、消化吸収に時間がかかるため血糖の上がり方は緩やかになり、お茶漬けにするとカロリーは低くなりますが、消化吸収が早いので血糖の上昇は急激になります。
 ですから、同じカロリーになるように計算された食事Aと食事Bを食べても血糖の上がり方はまったく異なってきます。つまり、血糖値は摂取したカロリーで決まるのではなく、さまざまな栄養素の組み合わせや調理の仕方などで決まるということです。
 片頭痛を治すためには、インスリンの過剰分泌を抑制して〝錆び体質〟から脱却する必要があります。

 そのためにGI値を活用して理想の食事を導き出せばよいのですが、それは簡単なことではありません。食事の組み合わせは無数にあり、またGI値も調理法や体調(絶食、運動、休養などにより異なる体内グリコーゲンの蓄積状況など)によって変動しますので、あくまで目安にしかならないと覚えておいてください。
 また、タンパク質や脂質も消化吸収後すぐにブドウ糖に変換されることはなく、いったんアミノ酸や中性脂肪などに変換されたあと、必要に応じてブドウ糖として血液中に放出されることになります。
 ただし、タンパク質は血糖値を食後すぐに上げる要因ではありませんが、インスリンの分泌は強く促します。タンパク質のとり過ぎも「酸化ストレス・炎症体質」を悪化させる要因にもなりますので、充分に注意してください。

 健康であるための(食後の血糖値を上げすぎないための)、正しい食事方法とは?

 「インスリンの過剰分泌を防ぐ→〝酸化ストレス・炎症体質〟からの脱却→片頭痛が治る」という図式を実現するために、正しい食事のとり方を伝授します。
 さて、インスリンを過剰に分泌させないにはどうしたらよいか? ごくシンプルに考えるなら、食べ物がゆっくりと消化吸収されればいいのです。つまり――

   
◎咀嚼に時間をかける
  ◎滞胃時間をかける(胃から十二指腸までの移動時間)
  ◎消化吸収に時間をかける


 これができれば、血糖値が急激に上がることは理論上なくなります。しかも、ちょっとした工夫でそれが可能なのです。ではご説明しましょう!

滞胃時間を適正にする!

 順番は逆になるのですが、先にこちらの説明をします。
食後の血糖の上昇を左右するのは、じつは食べ物が小腸で消化吸収されやすいかどうか以上に、胃から十二指腸に送り込まれるまでの滞留時間(滞胃時間)にポイントがあります。たとえば、栄養素では糖質(炭水化物)よりもタンパク質のほうが2倍長く時間がかかります。一緒にとればその分、血糖の上昇が緩やかになります。
 また、脂質に注目すると、一般の油脂に含まれる脂肪酸は分子が大きくなるほど胃の働きを抑制して滞胃時間を延ばします。分子の大きい肉類の脂のほうが、分子の小さい魚の油よりも胃の働きを抑制する効果が大きいのです。このように、油脂には血糖を上げやすい(GI値が高い)食品と一緒にとると、血糖上昇を緩やかにする働きがあります(「お茶漬け」よりも「焼き飯」がその例)。
 それは酢酸や乳酸のような分子の小さな脂肪酸でも同じです。酢の物や乳酸飲料、乳酸食品などを食べると滞胃時間が延びることになります。
 さらに、調理法によっても変わります。たとえば卵の滞胃時間は、半熟卵では約1.5時間、生卵では約2.5時間、ゆで卵では約3時間となります。ジャガイモの場合には、焼きジャガイモにするとブドウ糖を飲んでいるのと同じくらいの速度で消化吸収されてしまいます。したがって、焼きジャガイモを食べるときにはサワークリームやバターなど、胃の働きを抑える働きのあるものを一緒に食べたり、ステーキなどのタンパク質・脂質の豊富な食品と一緒に食べたりすることで、適正な滞胃時間に調整することができます。
 さらにジャガイモに関していうと、ゆでる、フレンチフライにするといった調理法によってもGI値を下げることができます。

咀嚼(そしゃく)に時間をかける!

 咀嚼(そしゃく)には食物を細かく砕くとともに、食物を選別(魚の骨など食べられない物を除く)し、飲み込みやすくするだけでなく、次の効果が期待できます。

・消化液の分泌をよくする
・食欲の中枢神経を刺激し、食べ過ぎを抑制する
・あごの発達や歯を丈夫にする
・大脳を刺激し認知症を予防する
・集中力を高めストレスを緩和させる
・目のまわりの血行をよくし視力低下を予防する
・虫歯や肥満の予防をする

 このようなことから、食べ物は大いに噛んでいただくことをお勧めします。
 ところで、むかしから、消化吸収には「よく噛んで食べること」が推奨されていますが、じつはやたらと噛めばよいというものでもないのです。
 ほとんどの食べ物は空腸(小腸の前半)で消化吸収が終わります。ここまでの時点での消化速度を見ると、食物繊維を多く含むもの、糖質を多く含むタンパク質(豆類など)、アミロースの多い穀類(インディカ米など)、難消化性糖質など、もともと構造的に消化しにくいものほど消化吸収がゆっくりで、つまり咀嚼の程度にはほとんど関係なく、食べ物によって最初からある程度決まっています。
 咀嚼(そしゃく)の程度ではなく、食べ物自体の消化吸収のしやすさで決まってしまうということなのです。
 ただし、アレルギー皮膚炎やアトピー性疾患などのようにアレルゲンとして未消化物がとなる可能性が高い場合には、空腸と内容物との接触時間をできる限り短くするためにもよく噛む方が極(ごく)わずかかもしれませんが好ましいのかもしれません。
 いずれにしろ、咀嚼(そしゃく)に時間をかけるということは、消化吸収までの時間を長くすることになりますので、食後の血糖値の急激な上昇を抑えるためにも悪いことではありません。
 また、咀嚼(そしゃく)に時間をかけるようにするためには、調理の際に根菜類、肉類などは具材を大きめに切ることや、具材を軟らかく調理し過ぎないこと、丼ものにしないことなどの工夫をすると良いでしょう。
利き手と逆の手で食べると早食いを避けることもできます。
 結局、食後の血糖の上昇を抑えるには、咀嚼(そしゃく)に十分に時間をかけ(早食いをせず)、糖質(炭水化物)だけの偏った食事にならないように、タンパク質、油脂(あぶら)分を考慮した調理・摂り合わせをし、滞胃時間が短くなり過ぎないようにすることが大切ということになります。
 大切なのは、食べても直ぐに空腹にならず、胃もたれもなく、次の食事の時間の30分程度前にお腹がやや空(す)くように、糖質、タンパク質、脂質、食物繊維などを適正に組み合わせることが血糖の上昇を抑える最良の食事法ということができます。
 脂質を多くすると滞胃時間を長くすることができ、食後の血糖の上昇を抑制することは出来るのですが、反面、滞胃時間が長くなりすぎると胃もたれなどを起こし、胃疾患や逆流性食道炎などの可能性を高めることになります。
 
食物繊維を摂る!

 食物繊維には消化吸収を遅らせる作用があります。特に玄米や全粒小麦などの食物繊維の多い穀類、タンパク質と食物繊維を多く含む豆類は消化吸収を遅らせます。
 たとえば、食物繊維を多く含む玄米(含有量約3%)は、食物繊維をわずかしか含まない精白米(含有量約0.5%)よりも消化吸収速度は遅く、食後の血糖上昇は緩やかになります。
 食物繊維にはいろいろな種類がありますが、その種類によって生理的な作用も異なっています。特に水に溶ける食物繊維と水に溶けない食物繊維ではその作用が著しく異なります。
 水に溶けない食物繊維として、セルロース(大豆、ゴボウ、小麦ふすま、穀類などに含まれる)、ヘミセルロース(小麦ふすま、大豆、穀類、野菜類など)、リグニン(小麦ふすま、穀類、完熟野菜類など)などがあります。
 水に溶ける食物繊維としては、ペクチン(リンゴやみかんなどの果物、芋類、キャベツや大根などの野菜類など)、ヘミセルロース(コンブやワカメなどの海藻類など)、ガム質(大豆やカラス麦などの麦類など)などがあります。
 水に溶ける食物繊維は一般的に膨潤性が高く吸着作用があり、水に溶けると粘りけが強くなりドロドロになるなどの特徴があります。
 一般に食物繊維の多い食品は噛み応えがあるため、咀嚼(そしゃく)に時間がかかり咀嚼(そしゃく)力が向上するとともに食事時間が長くなります。
 食物繊維は胃に入ると唾液や胃液を吸収して膨潤し容積を増し、小腸においてもさらに、水分を吸収して膨潤し、小腸内容物の容量を増やすとともに、ドロドロの状態にします。
 内容物の容積が増すと、その中に含まれている糖質は希釈されますので、消化・吸収は緩やかとなり、血糖の上昇も緩やかとなります。
 一方、水に溶けない食物繊維は有害な物質と結合したり、有害な物質を吸着する作用がありますので、カドミウムやPCB、ダイオキシン類などの環境汚染物質やタール色素、食品添加物などの有害物質の体内への吸収を防ぐことができます。
 水に溶けない食物繊維は有害な二次胆汁酸や酸化コレステロールなども吸着し排泄することができますので有害物質の排泄に適しています。
 しかし、摂りすぎは同時に有用なミネラルや油溶性のビタミン類なども排泄することは覚えておかなくてはいけません。
 食物繊維は体内の消化酵素では消化されないため、小腸を通過し大腸に到達します。
 大腸では食物繊維の一部は腸内細菌によって発酵分解を受け(水に溶けない食物繊維は発酵を受けにくく、水に溶ける食物繊維であっても海藻類はほとんど発酵されません)、酢酸やプロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸のほか、炭酸ガス、水素ガス、メタンガスなどに代謝されます。
 生成された酢酸やプロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸の一部は腸内細菌自体の増殖にも利用されます。
 一般的に、小麦ふすまなど水に溶けない食物繊維は便の量を増す効果(便秘解消効果)はありますが、血清コレステロール濃度を顕著に低下させるほどの効果は認められていません。逆に、グアーガムやペクチンなどの水に溶ける食物繊維は血清コレステロール濃度を効果的に低下させることはできますが、顕著な便秘改善効果は認められないことが多いようです。

食べる順番を考える!

 全く同じ食事をとっても、食品の食べる順番によって食後の血糖が上昇程度は異なることをご存知でしょうか?
 食べたものは胃などの消化器官内で一部は混合されますが、胃から先では原則的に「先に入ったものは先に出て行く」ため、先に食べた順に、十二指腸、小腸へと進みます。
 そのため、糖質(炭水化物)だけを先に食べると、食後の血糖は上がりやすくなりますし、逆に食物繊維の多い食品や脂質の多い食品などを先に食べると、食後の血糖上昇は緩やかになります。
ご飯の前に酢の物を食べる、パン食には牛乳やヨーグルトを一緒にとる、でレッシングのかかった野菜サラダなどを先に食べるといったことも、食後の急激な血糖上昇を抑えるのにはよい方法です。
「カロリーが同じであれば、食べてしまえば同じこと」にはなりませんので、日頃より消化吸収速度を考えた食べ方(順序)に気を配ることも血糖の上昇を緩やかにするためには大切です。
 食べる順番の違いが、中性脂肪の溜まりやすさや基礎代謝にも影響を与えることにもなります(ダイエット効果に影響する)。
 勿論、食事中は些細(ささい)なことは気にせず、楽しく、美味しくいただくことが第一優先であり、大原則ではあるのですが。


難消化性糖質、オリゴ糖などの甘味料を使用する!

 砂糖や麦芽糖(水あめの成分)、ブドウ糖などの甘味料は血糖値を上げやすく、インスリン分泌を強く促します。
 果糖はインスリン分泌の刺激は小さいものの、中性脂肪になりやすく、内臓脂肪として蓄積されやすいという特徴があります。
 私のお勧めは、オリゴ糖や糖アルコールなどの難消化性糖質です。甘味充分にあり、胃や腸の消化酵素によってブドウ糖などへ消化されることがなく、インスリン分泌を促進しないからです。
 また、これらの難消化性糖質が大腸に到達し腸内細菌により発酵されるときに生成する酢酸などの短鎖脂肪酸がインスリン分泌を刺激することもありません。
 そのため、オリゴ糖や糖アルコールなどの難消化性糖質を摂取しても血糖が上がることや血中インスリン濃度が上がることはありません。
 ところで、血糖を上げない甘味料といえばサッカリンやパルスイートなどの合成甘味料もあります。これらの甘味料は安全性などに疑問が残されていることや、天然に存在しない化学物質であることから、私はお勧めしていません。
 難消化性糖質であるフラクトオリゴ糖は、健常者がとっても血糖値ならびに血中インスリン濃度に全く影響を与えることはありません。
 難吸収性のキシリトールやソルビトールも同様な傾向を示します。また、吸収はされても体内で代謝されずにそのまま尿中に排泄されるエリスリトールも同様です。
 難消化性糖質は小腸で消化・吸収されることなく大腸に達し、腸内細菌(善玉菌)のエサとなります。
 善玉菌であるビフィズス菌などの勢力が優勢になると、病原菌の増殖が抑制され、さまざまな感染症の発症が抑えられる可能性が高まります。また、難消化性糖質が醗酵・分解されるときには、酢酸やプロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸が生成されますから、酸に弱い腐敗菌や病原菌などの悪玉菌が抑制されることになります。
 また、これらの短鎖脂肪酸は、全身のエネルギーとしての利用や、腸壁細胞の新陳代謝を促進し、大腸の蠕動(ぜんどう)運動(ミミズが這うように腸の収縮が連続する運動)を促進し、便秘の改善にも寄与します。
 また、悪玉菌が減少すれば、インドールやスカトール、フェノール、アンモニア、硫化物など腐敗物質の生成が少なくなり、肝臓での毒性物質代謝負荷が軽減されることや発癌・老化促進物質などの内因性有害物質の生成が抑制されることになります。
 同時に、糞便や腸ガスの悪臭も改善されます。
 また、フラクトオリゴ糖をとることより血液中の中性脂肪が低下し、血清コレステロール濃度が低下するという報告もあります(プロピオン酸の作用)。
 難消化性糖質を摂取すると、腸管内pHが低下しカルシウムや鉄などの金属イオン吸収が促進されるという報告もあります。
 オリゴ糖や糖アルコールなどの難消化性糖質は砂糖のような甘味料としての強い刺激はありませんが、甘味料としての役割は十分に備えていますので、砂糖との併用を含め日常的に用いることが好ましいでしょう。ただし、急に摂取量を増やしたり、摂りすぎるとお腹が緩(ゆる)くなったり、ガスが多くなることがあります(健康上に悪いことではありませんが)。


 以上のように、常日頃の食事の摂取の仕方によっても片頭痛体質である酸化ストレス・炎症体質が形成されてきますので注意が必要になってきます。

目次へ


36.「糖質制限」って何???

 一大ブームを巻き起こした”ダイエット”を目的とした糖質オフ・制限です。
 また、肥満や糖尿病などさまざまな生活習慣病が予防・改善を目的として行われ、片頭痛の改善効果もあるとされています。
 これは、京都・高雄病院の江部康二先生の提唱されるものです。
 この「糖質制限」とは、私たちが毎日当たり前のように食べている米飯やパン、これらの「主食」を控えることをさしています。
 現代人が毎日摂っている食べ物は、人類本来の食生活とはかけ離れたものになっていて、その事実こそが、さまざまな生活習慣病がこれだけ増えたことの根本要因とされています。 いまの食生活を、人類本来の食生活である糖質制限食に変えることで、私たちは簡単に健康を手に入れることができ、実は、栄養士や医師が推奨するカロリー制限食(糖質60%、脂質20%、タンパク質20%)は、人類本来の食生活からみると最悪のバランスであると、江部康二先生は訴えておられます。
 それでは、高雄病院で推奨している「人類にとって最高のバランスの糖質制限食」とは、いったいどのような食事療法なのでしょうか?

「糖質制限食」は どんな食事療法なのでしょうか?

 現在、糖尿病専門医の間では、食後高血糖が大きな問題として注目されています。従来は空腹時血糖をコントロールしてきたのですが、それだけでは不充分で、食後血糖をできるだけ低くおさえることが大切だというのです。その理由は、食後高血糖が心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こす危険因子として確立されたからです。
 ところが、日本で常識とされている糖尿病の食事療法は、こうした実態に応えられるものになっていません。カロリー制限を重視した炭水化物(糖質)中心の糖尿病食というのは、血糖値をおさえるどころか、むしろ上昇させてしまうからです。
 食べ物が消化・吸収されたあと、脂質とタンパク質は血糖に変わりませんが、糖質は100%血糖に変わります。また糖質は、摂取直後から血糖値を急上昇させて、2時間以内にほとんどすべてが体内に吸収されてしまいます。これらは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質です。
 このように、糖質・脂質・タンパク質の3大栄養素のうち、血糖値を上げるのは糖質だけなのです。
 糖質を摂ると、血液中のブドウ糖(血糖)をエネルギーに変えようとして、インスリンが大量に追加分泌されます。インスリンは生きていくのに欠かせない大切なものですが、別名「肥満ホルモン」とも呼ばれるように、多く出すぎると体に悪い影響を与えてしまいます。
 そして実は、正常な人においても、この糖質の摂取がもたらす食後血糖上昇とインスリン大量追加分泌のくり返しが、糖尿病・肥満・メタボ、さらにはさまざまな生活習慣病の根本要因になっています。
 糖質制限食の基本的な考え方は、このような生理学的な特質をもとに、できるだけ糖質の摂取を抑えて、食後血糖上昇とインスリンの過剰分泌を防ぐというものです。
 簡単にいえば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは、米飯・パン・めん類などの米・麦製品や、ジャガイモ・サツマイモ・里イモなどのイモ類など、糖質が主成分のものです。もちろん糖質制限ですから、甘いお菓子やジュースもNGです。
 それさえ注意すれば、肉や魚はお腹いっぱい食べられます。

 
それでは、なぜ食後血糖上昇とインスリンの過剰分泌がさまざまな病気や症状を引き起こすのでしょうか?

 インスリンはすい臓のランゲルハンス島という部分にあるβ細胞でつくられている物質で、血液中のブドウ糖の量(血糖値)を調整するのが主な役割です。体内で唯一、血糖値を下げる働きをしています。インスリンには24時間継続して少量出続けている「基礎分泌」と、糖質を摂って一時的に血糖値が上がったときに出る「追加分泌」の2種類があります。
 これでわかるのは、何も食べていないときでも、人体には少量のインスリンが必要ということです。このインスリンの基礎分泌がなくなると、人体のほとんどの組織ではエネルギー代謝がまともに行えなくなってしまいます。
 そして、食事などで糖質を摂ると、血液中のブドウ糖の量が増えるので、インスリンも増やさなければなりません。そのためにインスリンを余計に分泌することを追加分泌と呼びます。追加分泌されたインスリンは、血液中のブドウ糖を骨格筋や心筋などの細胞内に取り込み、エネルギー源として使えるようにします。またインスリンは、血液中の余分なブドウ糖を体脂肪に変える働きもしています。一方でブドウ糖を燃やし、他方でブドウ糖を体脂肪に変えることで、インスリンは血液中のブドウ糖の量を減らすのです。
 このようにインスリンは、生きていくために欠かせないホルモンで、その分泌を担っているのがすい臓のβ細胞なのです。糖尿病というのは、このインスリンの作用不足によって血糖値が高くなる病気です。
 先日も述べましたように、空腹時血糖と食後血糖の差が大きいことを「ブドウ糖スパイク」と言います。世界中の糖尿病専門医の間で定着している言葉ですが、この差が大きいほど体内の血管内皮はリアルタイムで傷つけられ、将来の動脈硬化や心筋梗塞のリスクとなります。
 ここで重要なのは、1日に何回も糖質を摂ると、そのたびにミニスパイクが起きるということです。そして、ミニスパイクのたびにインスリンが大量に追加分泌されて、代謝が乱れます。基礎分泌の数倍から30倍ものインスリンが追加分泌されますから、人体にとっては救急車の出動に等しい緊急事態といえるでしょう。血糖値が180を超えるとリアルタイムで血管内皮が傷つけられるので、すい臓のβ細胞はこの緊急事態を何とかおさめようと一生懸命にインスリンを分泌するわけです。

酸化ストレスが慢性病の元凶

 最近、酸化ストレスが生活習慣病の元凶として、問題となっています。 
 人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。
 酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。細胞内のミトコンドリア(*)の活動で日常的に活性酸素が発生しますが、生体の抗酸化反応で処理しています。
 スーパーーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素です。生体内のビタミンC、ビタミンE、グルタチオンなどが抗酸化作用を有しています。

 ヒトにおいて、最も一般的な酸化ストレスの発生源は喫煙と高血糖です。

『高血糖→糖化蛋白生成亢進→糖化蛋白が種々の酵素と反応して活性酸素生成。』

 高血糖は、糖化蛋白(**)の生成を亢進させます。
 糖化蛋白は、様々な酵素と反応して、活性酸素を生成します。
 活性酸素は生体の酸化反応の本家本元です。
 酸化ストレスが、片頭痛・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。

 血糖値に関しては食後高血糖と平均血糖変動幅増大(「ブドウ糖スパイク」)が最大の酸化ストレスリスクとされています。これは世界中の医学界において、認められています。
 糖質・脂質・蛋白質のうち、食後高血糖と平均血糖変動幅増大(「ブドウ糖スパイク」)を引き起こすのは、糖質だけです。
 従って、日本糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)を、つらいのに一生懸命我慢して頑張っても食後高血糖と平均血糖変動幅増大を予防することは、理論的に不可能なのです。
 糖尿病の食事療法において、食後高血糖と平均血糖変動幅増大(「ブドウ糖スパイク」)を予防できるのは糖質制限食だけです。
 日本糖尿病学会は、「食事療法」と「食後高血糖と平均血糖変動幅増大の予防」について、学会として指針を示すべきだと思います。

(*)ミトコンドリア

 ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー生産装置です。
 酸素の存在下において、ミトコンドリアの中でTCA回路(クエン酸回路)が作動して、エネルギーを作って、それにより身体は活動しています。
 ミトコンドリアの活動の過程で出る「廃棄物」が活性酸素です。

(**)糖化蛋白

 糖化反応とは、グルコースなどの糖が、直接タンパク質または脂質に結合する反応の事です。
 糖尿病の検査指標のHbA1cは、糖化したヘモグロビンのことです。
 糖化反応の初期段階のアマドリ化合物としては、HbA1cやグリコアルブミンなどが代表的な物質です。
 糖化反応系はアマドリ化合物生成までの反応を初期段階と呼び、以降の後期段階反応と区別しています。
 最近AGEs(advanced glycation endprpducts:糖化最終産物)が注目されています。
 AGEsは血管内皮を障害して動脈硬化の元となり、活性酸素も発生させます。


肉や魚をお腹いっぱい食べられるのが 糖質制限食の特長

 糖質制限食の原則は、血糖値を上げる糖質をできるだけ控えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単にいえば、主食を抜いておかずばかり食べるということです。
 抜く必要がある主食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品、ジャガイモ・サツマイモ・里イモなどのイモ類など、糖質が主成分のものです。もちろん糖質制限ですから、甘いお菓子・ケーキ・ジュース、それに煎餅・おかきなどもNGです。
 一方、糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はしっかり摂っていいので、肉や魚はお腹いっぱい食べられます。焼酎・ウイスキー・ブランデーなどの蒸留酒、辛口ワイン、糖質ゼロの発泡酒なら、お酒を飲んでもOKです。
 カロリー制限食でお腹を空かして難行苦行に耐えることに比べれば、とてもラクに実践できます。
 糖質制限食は人類の健康食なので、太った人は減量できて、やせすぎた人は適正体重に戻ります。8~9割の人は、普通にお腹いっぱい食べて、カロリー計算はいりません。

糖質制限食には3つのやり方があります。

 1つめは「スーパー糖質制限食」で、朝・昼・夕とも主食なしです。1日を通して糖質を控えるので、血糖値は上がらず、インスリンの追加分泌はほとんど出ません。そのためダイエット効果や生活習慣病などの予防効果がもっとも高く、それまでとはまったく異なる代謝リズムになります。
 2つめは「スタンダード糖質制限食」で、1日3食のうち1回の食事だけは主食を摂り、残りの2回については主食を抜きます。主食を摂るのは朝でも昼でもよいのですが、夕食はお勧めできません。なぜなら、夕食後に就寝すると脳も筋肉も活動しないので血糖値が下がりにくく、インスリン(肥満ホルモン)によって脂肪が蓄えられやすいからです。
 3つめの「プチ糖質制限食」は、1日3回の食事のうち、夕食だけ主食を抜くようにします。朝・昼は適量の糖質を摂れるので実行はかなりラクですが、スーパーなどに比べれば改善効果はどうしても低くなります。

片頭痛での「糖質制限」

 それでは、糖質制限が、なぜ片頭痛に有効なのでしょうか。2つの観点から考えることが大切と思っております。

グルテンが片頭痛の原因になっている・・ある方の体験談から

 小麦・ライ麦・大麦など穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種「グルテン」。これが、片頭痛を誘発させる成分なのです。糖質制限でパンや小麦を摂取しないダイエットを行った人が片頭痛のない生活を送るようになったという話はよく聞くことです。
 医学的にはグルテンが片頭痛を引き起こす原因の一つとして確認されているとのことです。グルテンが原因となって頭痛が起こるメカニズムはまだあまり分かっていないようですが、グルテンを摂らないことで片頭痛の回数が減ったり、起こらなくなったりするのは確かなようです。

糖質制限がグルテンフリーに繋がった

 私はダイエットの方法で糖質制限を用いています。糖質制限は炭水化物を制限する食事制限方法なので結果的にパンや麺類などの小麦粉食品を食べていません。グルテン自体はたんぱく質で糖質制限で制限されるべき成分ではないので、ことさらグルテンを摂らないようにしていた訳ではありませんが、パンや麺類を食べていないので結果的にグルテンも摂ってない状態になっていたのです。
 グルテンが原因になる症状にはセリアック病が有名です。グルテンの一部は人の消化酵素では分解できす、小腸上皮組織に取り込まれてしまう場合があります。そうすると未消化グルテンは異物となるため、(グルテン抗原を持っている場合に)免疫反応が起こり炎症が起きる病気です。
 セリアック病ではグルテンフリーと総称されるグルテンを含まない食事を摂ることでアレルギーを起こさないようにします。糖質制限が間接的にグルテンフリーになっていた訳です。

炎症が原因か

 グルテンが原因となって頭痛が起こるメカニズムはまだ分かっていないと前述しましたが、研究では中枢神経系にグルテンアレルギーによる炎症が認められた症例もあるようです。中枢神経系とは脳と脊髄のことですから、グルテンは消化器系の炎症だけでなく頭痛の原因となり得る炎症も引き起こすようなのです。
 片頭痛のメカニズムは現在では皮質拡延性抑制が原因となっていると言われています。皮質拡延性抑制とは何らかの原因で大脳皮質の神経細胞(ニューロン)の過剰な興奮が起こり、それを抑制する動きが脳全体に伝わるという現象です。
 その抑制の波が神経伝達に乱れを起こし、三叉神経系で痛みとして現れるのが片頭痛と言われています。炎症は神経細胞(ニューロン)の興奮を誘う原因になりえますから、グルテンが原因の中枢神経系の炎症でも片頭痛が起きるものと思われます。

片頭痛が0回に

 私の場合、重度の片頭痛が起きるときは閃輝暗点という発作を伴なうことが多かったです。月2回くらい、年間では7回~10回くらい起こっていました。しかし糖質制限(グルテンを摂らなくなってから)を始めてから、0回となっています。糖質制限を初めてからほぼ一年経ちますが一回も閃輝暗点を伴う片頭痛は起きていないのです。
 片頭痛が少なくなったと言う程度ではなくぴったりとなくなった事はかなり劇的な変化です。痩せたから頭痛が軽減された可能性があるかもしれませんが、それであれば片頭痛の回数が徐々に減っていく感じになるはずです。
 しかし実際には糖質制限(グルテンを摂らなくなってから)開始後からすぐに、片頭痛が起こらなくなりました。この事がグルテンを摂らなくなったことと片頭痛が無くなったことに因果関係があるのではないかと思った理由です。

最後に

 因果関係は完全に解明されている訳ではないですが、もし片頭痛に悩まされているならグルテンを摂らないでみるのも手かもしれません。

 糖質制限は結果的にグルテンフリーにできる可能性が高いのでおすすめです。
 すべての人に有効なのかどうかはわからない面もありますが、個人的には自分の症状の推移とやってきたことから考えればグルテンを摂らないことが片頭痛の軽減に繋がるのではないかと思います。


活性酸素の観点から

  『高血糖→糖化蛋白生成亢進→糖化蛋白が種々の酵素と反応して活性酸素生成。』

  高血糖は、糖化蛋白の生成を亢進させます。
  糖化蛋白は、様々な酵素と反応して、活性酸素を生成します。
  活性酸素は生体の酸化反応の本家本元です。
  酸化ストレスが、片頭痛・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。

 この2点から、どのように考えるべきでしょうか。


片頭痛における「糖質制限」の問題点

 極端な「糖質制限」はエネルギー代謝に影響が及ぶことが懸念されます。ということは、ミトコンドリアの働きに対する影響です。
 さらに、糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はしっかり摂っていいとされていますが、高脂肪、高タンパクは腸内環境の悪化を招くことになります。
 ミトコンドリアを増やすには、空腹が最も重要です。お腹を空かす程度ということを念頭に置き、このあたりのバランスを考えながら行う必要があります。
 このように考えれば、「プチ糖質制限食」のやり方で、1日3回の食事のうち、朝食だけ主食を抜くのが最も適切と思われます。こういった意味で、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生が提唱される朝食に「万能健康ジュース」を取り入れることで「プチ糖質制限食」を行うことが最も適切と思われます。
 そして、昼食・夕食は、インシュリンの過剰分泌を来さないような食事方法を行うべきと思われます。


糖質制限ダイエットの弊害

「即効性がある」とブームが続く糖質制限ダイエットですが、現在、その安全性に警鐘が鳴らされ始めたことも忘れてはなりません。
 もともとは糖尿病や重度の肥満患者に対する食事療法として考案されたものですが、いまや「手軽に痩せられるダイエット法」として、老若男女を問わず人気を集めています。 人気の秘密は、糖質さえ制限していれば、あとは肉でもアルコールでも摂取OKという取り組みやすさと、目に見えて現れる効果にあります。
 炭水化物の糖分は体内で中性脂肪に変わり、人間のエネルギー源となる。炭水化物を絶つことで中性脂肪を減らして痩せる、いたって単純なメカニズムのダイエット法なのです。
 お年寄りの場合は、筋力が落ち、骨粗鬆症になり、骨折を引き起こすこともあります。
 糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、毎日大量の肉を食べなければなりません。数kgもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです。
 糖質制限ダイエットは、評判ばかりが独り歩きして、過剰なやり方が横行する。若い人や糖尿病患者が、医師の指導のもとで一定期間やるのはいいでしょう。しかし、65歳以上の高齢者は安易に手を出すべきではありません。寝たきりになる危険性が非常に高いからです。 実際、糖質制限で筋力が低下したと来院する高齢患者が増えています。
 要注意なのは女性。骨粗鬆症は圧倒的に女性に多く、60歳代で2人に1人、70歳以上で10人に7人が悩んでいます。ダイエットは女性のほうが熱心だからでしょうか。糖質制限を始めて骨粗鬆症を加速させてしまったという中高年女性の患者も多くみられます。
 筋力が低下したり、骨粗鬆症になってしまった高齢者は、ほんのちょっとの病気や怪我で入院すると、あっという間に寝たきりになってしまいます。
 筋力低下、骨粗鬆症、動脈硬化が引き起こす脳卒中—さまざまな病気との関係が指摘される糖質制限です。
 高齢者は消化吸収能力が落ちているため、男子高校生より体重1kgにつき必要な1日のタンパク質の量が多い。そうでないと、体が維持できないからです。そんな高齢者が糖質制限をすれば、内臓組織の原料となるタンパク質が不足し、体はどんどん老化します。だから原則的に、糖質を減らしてはいけない。やるとしても、おやつなどの間食を抜くだけにする。高齢になったら、糖質とタンパク質、両方のバランスをよく考えて食事をすることが望ましいのです。
 このように、高齢者の「糖質制限」には、問題があることを忘れてはなりません。


 あくまでも、「糖質制限」は青壮年の方々が行うべきもののようです。

目次へ


37.「ケトン体ダイエット」とは???

 一般の方々には多少難解なことですが、「片頭痛の病態」を考える場合の基本的なことですので、しばらくお付き合い下さい。

ケトン体とは何?

「ケトン体」は、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という、3つの物質の総称です。
 体内のブドウ糖が足りなくなると、体の脂肪が燃焼されエネルギー源として使われるようになります。この時、肝臓で作られるのがケトン体です。
 通常、脳はブドウ糖しかエネルギー源として使うことができないとされています。しかしケトン体は、ブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源となると言われています。脳のほか、様々な臓器においても、エネルギー源として使われるとされています。
 またケトン体は、糖尿病などの疾患の検査にも活用されているようです。糖尿病のためにインスリンが生成されない場合などには、体内のブドウ糖をエネルギーとして使うことができなくなってしまうと言われています。この時にもケトン体が作られるため、ケトン体の濃度は糖尿病などの指標となるとされています。

ケトーシスとは?

 血液中のケトン体が増加し標準的な値を超えている状態を「ケトーシス」と呼びます。ケトーシスは、十分な食料を得ることができずに飢餓状態になっても、ある程度生きていられるようにするための、人体に備わった非常手段のようなものだと言えるでしょう。
 食料に困るということがほとんどなくなった現代の日本においても、宗教上の理由で断食をする人や、つわりで食事がとれない妊婦さんなどには、ケトーシスになる人がいるようです。
 ケトーシスの状態では、脂肪が分解され、ケトン体が主なエネルギー源として使われるようになるとされています。そのため、ダイエット効果が期待できると言われています。

危険!? ケトアシドーシスとは?

 なおケトン体は酸性なので、ケトン体が血中に増えると、血液や体液が酸性になることがあると言われています。このような状態は、「ケトアシドーシス」と呼ばれています。
 インスリンが体内で正常に機能している健康な人であれば、ケトアシドーシスになる心配はないようですが、特定の病気を持っている場合などには発症することがあると言われています。
 特に、主に1型糖尿病患者(何らかの原因でインスリンがまったく分泌できなくなったり、分泌量が極端に減ってしまうために起こる糖尿病で、生活習慣病とされる糖尿病は2型糖尿病だと言われています)に起こるとされる「糖尿病性ケトアシドーシス」は、嘔吐などの症状を引き起こすとされ、進行すると意識障害が起こり、死に至る危険もあると言われています。
 ご自身の健康状態をよく考えて、過度なダイエットは行なわないことをおすすめします。

ケトン体ダイエットとは?

 近年、「ケトン体ダイエット」という方法が注目されているようです。このダイエット法は、考案者であるアメリカ人医師、ロバート・アトキンス氏の名前をとって、アトキンス式ダイエットなどと呼ばれることもあります。
 このケトン体ダイエットとは、どのような方法なのでしょうか?ここでは大まかに、その内容をご紹介しましょう。

 まず、ダイエット開始からおよそ二週間、炭水化物の摂取量を極端に減らします。ちなみに、炭水化物の摂取量は、摂取カロリーの5%に抑える必要があると言われています。
 この状態を続けることで、身体が「ケトーシス」の状態になるとされています。それから、体重の増減や体調などを見ながら、少しずつ炭水化物の摂取量を増やしていくと言われています。ただし増やすと言っても、最終的に摂取カロリーの20%を超えないようにします。
 あえて身体をケトーシスの状態にすることで、脂肪を分解し、エネルギー源として使うことができるとされるケトン体ダイエットは、非常に効果の高いダイエット法と言われます。
 また、ケトーシスになると食欲が抑制され、空腹を感じにくくなると言われています。 ダイエットの大敵である食への欲求に、あまり悩まされずに済むかもしれません。加えて、脂肪をエネルギー源として分解させるため、動脈硬化などの予防にも効果があるのではないかと期待されているようです。

ケトン体ダイエットと糖質制限の違い

 炭水化物の摂取量をセーブするという点が大きな特徴であるケトン体ダイエット。この方法と糖質制限ダイエットとは、同じものなのではないか?と思う人もいるかもしれません。
 確かに似ている点もあると言えますが、この2つは、厳密には違う方法だと言われています。

 ケトン体ダイエットをする場合は、一日に摂取する炭水化物の量が、かなり厳密に定められています。漠然とした量の炭水化物を、長期間に渡って減らす糖質制限とは、この点が大きく違うと言われています。

 この2つのダイエット方法を比べた場合は、ケトン体ダイエットの方がより制限が厳しく、実行する際のハードルは高いと感じられるでしょう。
 単に主食を抜いたり、イモなどの高糖質の食品を避けたりするだけではなく、調味料にまで注意を払わないと、求められる制限をクリアするのは難しいと言われています。特に外食が多い人などにとっては、ケトン体ダイエットは実行が難しい方法かもしれません。

ケトン体ダイエットを効率よく行うためには

 ケトン体ダイエットをするときに、積極的に摂取するといいと言われている食品が「ココナッツオイル」です。ココナッツオイルに含まれている中鎖脂肪酸は、ラードなどに含まれる長鎖脂肪酸よりも分解されやすいと言われています。
 それ自体が脂肪として蓄積されにくいだけではなく、長鎖脂肪酸にも影響を及ぼし、燃焼されやすくする働きがあるとも言われています。そのため、ココナッツオイルはダイエットに適した食品と言われています。
加えて、中鎖脂肪酸を摂取することで、ケトン体が作られやすくなると言われています。 ケトン体ダイエットの際にココナッツオイルを摂取することで、よりよい結果を出すことができると期待されています。
 ココナッツオイルは、コーヒーなどの暖かい飲み物に入れたり、トーストに塗ったり、揚げ物をするときに使ったりと、幅広く活用することができます。比較的、食生活に取り入れやすい食材と言えるかもしれません。

 また、適度な運動も、ケトン体ダイエットの効率を高めてくれると言われています。

 炭水化物の摂取量を制限すると、自然とタンパク質の摂取量が増えるため、筋肉が落ちにくいと言われることもあるケトン体ダイエットですが、基礎代謝を高く保つためにも、適度に身体を動かして、筋肉量を維持するように心がけなくてはなりません。
 ちなみに筋肉が落ちると、基礎代謝(呼吸や体温調節などのために使われるエネルギーで、運動をしなくても消費されます)も落ちてしまい、消費カロリーの少ない、太りやすい身体になってしまうと言われています。せっかく厳しい食事制限をやり通しても、ダイエットをやめた途端にリバウンドしてしまっては、元も子もありません。
 なお、ケトン体ダイエットの効果を高めるために行う場合には、あまり激しい運動をする必要はなく、ウォーキングなどが適していると言われることが多いようです。

ケトン体ダイエットを行う際の注意点

 前述の通り、ケトン体ダイエットは効果の高いダイエット法だと言われることがよくあります。
 しかしその一方で、思わぬ副作用が出てしまうケースもあると言われているようです。
 まず、ケトーシスになるまでの間は、低炭水化物による副作用が出ることがあると言われています。
炭水化物の摂取量をかなり減らすため、頭がぼーっとしたり、頭痛や下痢などを起こしたり、イライラしてしまうなどといった症状が出ることがあるようです。
 また、ケトン体の濃度が高くなると、ケトン体を体外へ排出しようとする働きが活発になるため、脱水症状を引き起こす可能性があると言われています。
 水や甘くないお茶などを飲むようにし、多めの水分補給を心掛ける必要があります。

 ケトン体が原因で、口臭や体臭がきつくなることもあると言われています。
 この臭いは「ケトン臭」や「ダイエット臭」などと呼ばれることもあり、甘酸っぱいような臭いがするようです。ケトン体のアセトンが、この臭いの原因だと言われています。
 ケトン臭には個人差もあるようですが、人によっては他人とのコミュニケーションに支障をきたしてしまうほど、臭いが気になってしまうというケースもあるようです。
 なお、適度な運動を行うことで、ケトン臭を抑える効果が期待できるとも言われています。身体を動かすことで、効率的にケトン体ダイエットを進めるだけではなく、このようなメリットも得られるかもしれません。

 なお、低炭水化物による症状やケトン臭などは、ケトン体ダイエットだけではなく、ハードな糖質制限をした際にも見られることがあるようです。
 糖質制限ダイエットをしている人がこのような症状を避けるためには、緩い糖質制限から始めるのがいいと言われています。ハードなダイエットをすれば、その分短期間で大きな効果を得られるかもしれませんが、そのために体調を崩してしまうようなら、無理をして続けるのはおすすめできません。
 また、ケトアシドーシスを発症する恐れがあるとされる糖尿病の患者さんに限らず、健康状態に不安がある人や通院中の人などが、ケトン体ダイエットをしたいという場合は、かかりつけの医師など、専門家に相談する必要があるでしょう。


さまざまな神経疾患に応用されるケトン食、ケトン体の効能

 これから述べますことは、神経内科医の先生方の考え方で、決して頭痛の専門家が考えていることではないことを、まずお断りしておきます。
 一般の方々には難解ですので、興味のある方だけご覧下さい。

 『βヒドロキシ酪酸(ケトン体の一つ)は内在性のヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤として酸化ストレスの抑制に寄与する』ことから、ケトン体は酸化ストレスの抑制に寄与します。
酸化ストレスを抑制するということは、動脈硬化や老化やがん、パーキンソン病やアルツハイマー病や認知症にも好影響が期待できるということです。

 この「神経保護作用」をベースに

  てんかんとケトン食
  加齢とケトン食
  アルツハイマー病とケトン食
  パーキンソン病とケトン食
  ALSとケトン食
  癌とケトン食
  脳卒中とケトン食
  ミトコンドリア疾患とケトン食
  脳外傷とケトン食
  神経疾患(うつ病)とケトン食
  自閉症とケトン食
  片頭痛とケトン食

 このような神経疾患でのケトン食の可能性が示されています。

ケトン食による神経保護作用

 ケトン食治療の二つの顕著な特徴は肝臓におけるケトン体産生の上昇と血糖値の減少です。

 ケトンの上昇は主として脂肪酸酸化の結果です。アラキドン酸やドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などの特定の多価飽和脂肪酸(PUFAs)はそれ自身が電位依存性ナトリウムおよびカルシウムチャネルをブロックすることによって神経細胞膜の興奮性を制御し(Voskuyl and Vreugdenhil, 2001)、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPARs;Cullingford, 2008; Jeong et al., 2011)の活性化を通して炎症反応を抑制し、また活性酸素の産生を減少させるミトコンドリア脱共役タンパク質を誘導します(Bough et al., 2006; Kim do and Rho, 2008)。
 ケトン体そのものは高められたNADH酸化とミトコンドリア膜透過性遷移現象(mPT;Kim do et al., 2007)を通じてATP値を上昇させ活性酸素産生を減らすことによって神経保護作用を持つことが示されてきています。

 生体エネルギー機構を改善する同様のラインを通して、ケトン食はミトコンドリア発生を刺激し、結果としてシナプス機能を安定化させることが示されてきています(Bough et al., 2006)。

 第二のケトン食の主要な生化学的な特徴は解糖系の流量の減少です。解糖の減少は痙攣を抑制する(Greene at al., 2001)だけでなく霊長類を含む多数の種において生存期間を延長させる(Kemnitz, 2011; Redman and Ravussin, 2011)ことが示されてきています。
 他の重要なメカニズムとしてはミトコンドリア機能を改善させ酸化ストレス減少させること(ケトン体やPUFAsでみられる現象も同様)、アポトーシス促進因子の活性化を減少させること、インターロイキンや腫瘍壊死因子α(TNFα; Maalouf et al., 2009)のような炎症メディエーターを抑制することが挙げられています。
 さらに細胞内ホメオスターシスや神経傷害や機能不全を防ぐことにも寄与しているかもしれずKDの神経保護に関するメカニズムは他にもたくさんありそうです。


片頭痛とケトン食

 慢性的な片頭痛にはケトン食を考慮する理論的な理由があり、特に医学的に難治性の集団に対して考慮に入れる価値があります(Maggioni et al., 2011)。

 片頭痛にもケトン食が有効であるとする論文は、これまでにも症例報告がありましたが(Kossoff E.H.,Huffman J.,Turner Z., and Gladstein J.(2010).Use of the modified Atkins diet for adolescents with chronic daily headache. Cephalalgia 30, 1014–1016.)、
 大集団でその効果を実証するという試みは、Di Lorenzo C, et al. Migraine improvement during short lasting ketogenesis: a proof-of-concept study. Eur J Neurol. 2015 Jan;22(1):170-7. doi: 10.1111/ene.12550. Epub 2014 Aug 25. に以下のように示されます。

背景と目的:

 ケトン体産生は飢餓やケトン食という脂質代謝を誘導しケトン体合成を促す炭水化物を劇的に制限した食事レジメによって引き起こされる生理学的な現象である。

 最近、体重を減らすために超低カロリー、ケトン食を行っている周期の範囲内でのみ片頭痛が消失した患者が2名観察された。
 我々のこの観察を確かめるために、栄養士が臨床的に設定した2つの並行した片頭痛患者集団において、
 一方には1ヶ月間の超低カロリー、ケトン食に続いて5ヶ月間の標準低カロリー食を与え、他方には6ヶ月間標準低カロリー食を与える、フォローアップする事とした。

方法:

 96名の過体重の片頭痛女性がダイエットクリニックに登録され、盲目的にケトン食(n=45)か標準低カロリー食(n=51)のどちらかの処方を受けた。
1ヶ月の平均発作頻度、頭痛の起こった日数、内服回数が食事療法開始前と開始後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の時点で評価された。

結果:

 ケトン食群では、ベースラインの発作頻度(2.9回/月)、頭痛の日数(5.11日/月)、そして内服回数(4.91回/月)が、最初の1ヶ月が経った時点で有意に減少した(それぞれ0.71回、0.91日、0.51回、全体でケトン食対ベースライン, P<0.0001)。
 移行期間(1ヶ月目対2ヶ月目)では、ケトン食群はベースラインと比べて改善されているにも関わらず、それぞれの臨床的頭痛変数の一時的な悪化を示した(それぞれ2.60回、3.61日、3.07回)が、6ヶ月目までは継続的な改善を示した(それぞれ2.16回、2.78日、3.71回)。
 標準低カロリー食群では、頭痛日数と内服回数の著明な減少が3ヶ月目からのみ観察され(P<0.0001)、そして頭痛頻度の減少は6ヶ月目に観察された(P<0.0001)。

結論:

 ケトン食効果の基礎のとなるメカニズムはミトコンドリアエネルギー代謝を高め、神経炎症を打ち消す能力と関連している可能性があると考えられた。


 この研究で用いられたケトン食は超低カロリーケトン食といって、低炭水化物(1日30g)、低脂質(1日15g)、正常蛋白質(理想体重kgあたり1.0-1.4g)でカロリーを800kcal以下にコントロールするという、ちょっと厳しい食事療法であったようです。
 ただ参加された片頭痛患者さんは過体重の人ばかりであったので、多少低脂質であったところで、糖質を制限しているので、もともと蓄積されている脂質を燃焼させることによって、それほど空腹感を感じる事もなく1ヶ月の超低カロリーケトン食を完遂する事ができたのではないかと推測します。
 もう一つ、この研究の特徴的なところは、片頭痛が良くなったのがケトン食の効果なのか、やせた事による効果なのかをはっきりさせているところです。
 一般的にケトン食の効果は、やめた後もしばらく残存するという事がわかっています。
 この研究では1ヶ月間の超低カロリーケトン食を行った後、標準的な低カロリー食へと切り替えて、その後6ヶ月目までフォローアップしています。
 そして最初から6ヶ月間ずっと標準的な低カロリー食を続けた群と比べてどうなるかという事を見ているわけです。
 最初の1ヶ月でケトン食群でぐっと頭痛が改善しており、2ヶ月目以降は開始前に比べたら多少マシではあるものの、頭痛が再増悪している事がわかります。
 しかしながら減量効果は多少緩やかになりながらも6ヶ月目まで維持されています。
 もし減量のおかげで片頭痛が改善したのであれば、途中で再増悪するのはおかしいので、片頭痛が改善したのは減量のおかげではなく、ケトン食によってもたらされた効果だと言えると著者らは考察されていました。
 そしてそのメカニズムとして脳において抑制性および興奮性神経伝達物質を調節したり、ミトコンドリアの中でのNADH酸化を増やしたり、フリーラジカルを減らしたりする事で酸化ストレスに対抗すること、さらにはミトコンドリア遺伝子の発現を調節し、特に3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)合成酵素に働きかける事でミトコンドリア代謝を改善させる事が示唆されていました。
 実に多面的なメカニズムで片頭痛を押さえ込み、その結果、劇的な臨床効果を得ているのではないかと考えられます。


 以上、片頭痛がミトコンドリアの機能障害、酸化ストレスが関与しているということが基本的な考え方になるということです。

目次へ


38.『グルテンフリーダイエット』とは何???

グルテンって何?


 グルテンとは、小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれるたんぱく質の一種で、パンやケーキのもちもち感やふっくら感、パスタやうどんなど麺類のコシを出すのに必要な成分。 そのグルテンのなかあるグリアジンという成分には中毒性があり、食欲を増加させるはたらきをします。また、小麦に含まれるアミロペクチンAは、食後の血糖値を急激に上昇させ肥満の原因になります。
 小麦粉などの穀物にはグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質が含まれていて、水を加えてよくこねると両たんぱく質が絡み合い、粘りや弾力性のあるグルテンになります。小麦粉はグルテンの量が多いものから順に、強力粉、中力粉、そして薄力粉と呼ばれます(英語でも同様にstrong flour、medium flour、weak flour)。粘りが強く出る強力粉は焼いたときによく膨らむのでパンやピザなどに、キメ細かくさっくり仕上がる薄力粉はクッキーやケーキ生地、天ぷらの衣などに最適です。

 そしてグルテンフリーダイエット、つまりグルテン除去食は、セリアック病やグルテン過敏症、小麦アレルギーなど、グルテンの摂取が原因とされる疾患の増加とともに注目されるようになりました。
パンや焼き菓子、パスタなど『粉もの好き』にはきびしい現実ですが、このような理由から疾患やアレルギーがなくても、毎日の生活からグルテンをカットした『グルテンフリー』の食事法を取り入れる人が増えているのです。


欧米で人気の『グルテンフリーダイエット』とは?

 近年アメリカやヨーロッパで一種のブームとなっている『グルテンフリーダイエット』。 日本語にすると、『グルテンを除去した食事法』となります。ダイエットの意味は、日本では『減量』と捉えられることが多いですが、本来は『食事法、食生活』の意味。グルテンフリーダイエットは、元々はグルテンへの免疫疾患であるセリアック病や麦アレルギーに対する特別な食事療法でした。しかし、今では欧米の一般的なスーパーやレストランでもグルテンフリーのメニューや商品のラインナップが増え、より手軽に購入できるようになっています。

慢性的な体調不良の原因は、『グルテン』にあった!?

【日本でも増えつつある『グルテン過敏症』】

 一方で、現在大変注目されているのが「体調不良なのに原因がよく分からない」という人が、グルテンフリーダイエットを行なって体調が良くなったり、体質の改善がみられるという方々がおられます。その場合は、グルテンの消化・代謝不良が原因かもしれません。生命の危険にかかわる疾患がやアレルギーとは違って、病院で検査を受けてもはっきりとした異常が見つからず、不調を抱えたまま過ごしてしまっている人も多いはずです。それだけに、潜在的な『グルテン過敏症』の存在が関心を集めています。

【こんな自覚症状があったら、『グルテン過敏症』を疑ってみる】

 もしかするとグルテン過敏症かも…と疑われる場合は、まずは2週間ほどグルテンフリー生活を試してみるのがおすすめ。グルテンフリーの時に体調が良くなり、その後いつもどおりの食生活に戻してみると再び体調が悪くなるようであれば、体がグルテンを拒否している可能性が高いようです。まずは、下記の項目でセルフチェックしてみましょう。ひとつでも心当たりがあれば、グルテンフリーダイエットを試してみる価値あります!

□ 小麦製品が常に欲しくてたまらない
□ いつもボーッとして集中力がない
□ 疲れやすく、やる気が起きない
□ ニキビができやすい体質
□ 美容に気を使っているわりには効果が出ない
□ お肌も髪もツヤやハリがない
□ ダイエットの成果がいつもいまいち
□ 胃腸が弱く下痢や便秘に悩んでいる
□ 食後に膨満感があって苦しい
□ よく口内炎ができる
□ 感情の起状が激しく、うつ気味で落ち込むことが多い
□ 生理痛やPMS(月経前症候群)が重いのが悩み
□ アトピーや喘息の持病が改善されない
□ 片頭痛や、肩凝り、関節痛がひどい


【和食はグルテンフリーの強い味方!】

 欧米に比べると、グルテンフリーの食品が手に入りにくい日本。グルテンフリーの食生活を続けるにはどうすればよいのでしょうか。答えはずばり『和食』。幸運なことに主食の米がグルテンフリー! そのうえ、オメガ3脂肪酸が豊富な魚や、大豆製品、煎茶など、伝統的な和食は栄養バランスにすぐれ、病気予防や美容にも良いのです。どうしてもパンやパスタが食べたくなった時は、米粉を使ったものを。逆に気をつけたいのは、揚げ物の衣や餃子の皮、カレーやシチューのとろみや蕎麦のつなぎに使われる小麦粉などです。

ずっとパンを美味しく食べたいから、グルテンフリーを取り入れる!

 現在はグルテン過敏症ではなくても、『粉もの好き』で毎食のようにパンやパスタを食べるような生活をしている人は要注意です。おそろしいことに、今はだいじょうぶでもグルテンの過剰摂取は将来的に麦アレルギーになる可能性を高めてしまいます。『食べ過ぎない工夫』のためにも、積極的にグルテンフリーの食材を選択肢に入れる習慣を身につけて下さい。結果的に、ヘルシーな食生活つながりダイエット効果も期待できて一石二鳥です!  パンを愛する者にとって、美味しいパンは人生のよろこび。大切なものを失わないためにも、細く長~く!? グルテンと上手に付き合っていきたいものです。

グルテンフリーダイエットってどんな効果が?


ダイエット効果

 小麦に含まれるグルテンには、食欲をコントロールする中枢神経を刺激する作用があります。
 そのため、摂取すると食欲が増し、食べてもまたすぐに食べたくなる…という悪循環に。
また、小麦に含まれているでんぷん質、“アミノペクチンA”は血糖値を急激に上昇させ、肥満ホルモンとも言われているインスリンの分泌を促します。
 肥満と密接な関係があるグルテンを抜くことで、食欲増進が抑えられインスリンの過剰な分泌が防げるため太りにくい身体になります。

アンチエイジング効果

 小麦に含まれるアミノペクチンAには、シミ・シワ・たるみなどの老化を早める原因になる“糖化”を促進する作用があります。
 アンチエイジングの分野でも、若々しさや美しい肌を維持するためには、“抗酸化対策”同様に“抗糖化対策”が必要だと言われていますが、小麦を抜くことは抗糖化対策にもなります。
 また、小麦を使用した食品には、砂糖やトランス脂肪酸などの肌に良くない成分が含まれているものが多いため、抜くことで肌荒れやニキビが起こりにくくなります。

集中力・体力アップ

 アミノペクチンAには血糖値を急激に上げる作用がありますが、急激に上がったものは急激に下がってしまいます。
 そのため、小麦を含む食品を食べた直後はエネルギーが湧き出てきますが、すぐに疲れやだるさを感じやすくなります。
 グルテンフリーダイエットを行うと血糖値の急上昇が起こらないため、集中力や体力がアップすると実践しているアスリートも多いようです。


グルテンフリーダイエットのやり方

 基本的には、毎日の食事から小麦を抜くだけでもOKですが、よりキレイに痩せるための基本ルールをご紹介します。

1.まずは2週間からスタート!

 どんなダイエット法でも、ある程度の期間は続けないと結果は出にくいですからまずは2週間、出来る範囲で試してみることをオススメします。
 昼食がコンビニ食品などになってしまう場合も、おにぎりやサラダ、温泉卵、豆腐などの単品買いにすればグルテンフリーが可能です。
 また、飲み会やデートなどの外食でも、パスタならリゾットにする、揚げ物は控えグリルや蒸し料理にするといった工夫で小麦を避けられます。

2.朝食を抜くのはNG!

 グルテンフリーダイエッットでは、摂取カロリーそのものよりも小麦を抜くことで血糖値の上昇を抑え太りにくい身体を作るのが大切なポイントです。
 そのため、朝食には血糖値の上昇を抑えるたんぱく質を摂ることが推奨されています。
 朝はあまり食べないという方も、豆乳やヨーグルトなどで良質なたんぱく質を摂るようにしましょう。

3.カロリーより原材料をチェック!

 食品を買う時はカロリーを気にするよりも、原材料表示を見て小麦が入っていないかをチェックしてください。
 意外なところでは、カレールウやだし入りのお味噌汁、醸造酢などに入っていることもあります。

4.たんぱく質と野菜をバランス良く!

 血糖値の上昇を抑える作用があるたんぱく質は、野菜やフルーツと一緒に毎食摂るようにしましょう。
 タンパク質は、片手の平に乗る分量、野菜は両手の平に乗る分量が目安です。

5.オメガ3系脂肪酸や良質なオイルを!

 アンチエイジングにも欠かせないオメガ3系脂肪酸は、体内では合成できない必須脂肪酸です。
 青魚、亜麻仁油、しそ油、えごま油などに多く含まれていますので毎日の食事にプラスしましょう。
 また、オリーブオイルやココナッツオイルなどの良質な油も、キレイに痩せるためには不可欠です。
 炒めものに使う他、サラダにふりかけたりヨーグルトに入れたりして意識して摂るようにしてください。


グルテンフリーダイエットで食べていいものは?

 グルテンフリーダイエットは、“糖質制限ダイエット”とはちがい、炭水化物を抜いて糖質の摂取量を減らすのが目的ではないためお米は食べてもOKです。
 グルテンフリーの食品とグルテンを含む食品は次のようなものがあります。

グルテンフリー(小麦を含まない)食品

●米 ●雑穀 ●餅 ●十割そば ●ビーフン ●春雨 ●米粉パン
●米粉 ●玄米粉 ●そば粉 ●大豆粉 ●葛粉 ●片栗粉
●コーンスターチ ●ベーキングパウダー ●ココナッツパウダー
●肉 ●魚 ●野菜 ●果物 ●豆類 ●芋類 ●豆腐 ●こんにゃく
●納豆 ●バター ●チーズ ●ヨーグルト
●和菓子 ●チョコレート ●ゼリー ●ポップコーン ●ナッツ


グルテン入り(小麦を含む)食品

●パン ●パスタ ●うどん ●ラーメン ●ベーグル
●焼きそば ●マカロニ ●全粒粉 ●パン粉 ●麸 ●ピザ生地
●ワンタン ●餃子の皮 ●天ぷら・唐揚げの衣 ●肉まんの皮
●洋菓子 ●カレー・シチューのルウ ●ビール ●発泡酒


グルテンフリーダイエットのメニュー例

 グルテンフリーダイエットでは、小麦を抜いてたんぱく質と野菜を摂れるメニューが推奨されています。
 そのため、和食が理想的ですが、洋食派の方でも小麦抜きにできるメニュー例をご紹介します。

朝食メニューとポイント

<ポイント>たんぱく質を必ず摂る!

●ごはん+野菜のお味噌汁+納豆
●ヨーグルト+フルーツ+ナッツ
●野菜サラダ+フルーツ+豆乳
●卵料理+野菜サラダ


昼食メニューとポイント

<ポイント>単品だけの食事は避ける!

●ごはん+魚or肉料理+お味噌汁
●魚orチキンのソテー+野菜サラダor野菜スープ
●魚介類のリゾット+野菜サラダor野菜スープ
●山菜そば+卵料理


夕食メニューとポイント

<ポイント>魚or肉料理+野菜+穀類でバランス良く!

●ごはん+魚or肉料理+野菜の煮物
●玄米リゾット+魚or肉料理
●魚or肉と野菜のグリル
●魚or肉と野菜の鍋


 近年、海外ではグルテンフリーのレストランやファーストフード店なども登場し、アメリカのスーパーではグルテンフリー食材のコーナーもあるほどです。
 健康や美を意識する人たちの間では、小麦を抜くことはもはや常識になりつつあります。
 欧米型の食事に慣れ親しんだ私たちも、グルテンフリーダイエットを機に日本食の良さを見直しつつ、キレイに痩せて太りにくい体質を維持したいものです。


そのダイエット効果は?

 実はダイエットを成功させた人の口コミはそこまで多くなく、体型維持できたけれどもダイエットまで行かない、そして失敗した人が多いのが事実です。
 なぜそうなってしまっているのかというと、このグルテンフリーダイエットは実際に痩せるための方法ではないからです。
 あくまでも、この方法は体型維持をするための方法で、すぐに痩せることが出来る方法ではありません。
 そして便秘が治ったという方もいらっしゃいますが、これは便秘の理由によって治る治らないがあります。
 もしこのグルテンフリーダイエットをするのなら、体型維持を目的としてしてください。
 かなり痩せたいとしているのなら、カロリー管理そして有酸素運動などを加えるようにしてダイエットをしていきましょう。

 結局、グルテンフリーダイエットを簡単にやるには、昔ながらの和食にすることがもっとも簡単な方法です。また食べ順にも気をつけて、運動も取り入れていけばダイエット効果は倍増します。


グルテンフリーダイエットと片頭痛

 小麦・ライ麦・大麦など穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種「グルテン」。これが、片頭痛を誘発させる成分なのです。糖質制限でパンや小麦を摂取しないダイエットを行った人が片頭痛のない生活を送るようになったという話はよく聞くことです。

 グルテンが原因で頭痛が起きるセリアック病、その他のグルテン過敏の病気を患っている人は、グルテンアレルギーで片頭痛の発作を起こしている場合があります。グルテンが原因となり片頭痛になるしくみはいまだに分かっていませんが、片頭痛持ちの人は一般の人と比べると、セリアック病の割合が10倍にもなるという調査もあります。

セリアック病の実験

 セリアック病の実験で、セリアック病の人をグルテンフリーにした時、6か月で一部の人は全く片頭痛がなくなり、その他の人も片頭痛が大きく改善したと答えたとのことです。 セリアック病は、グルテンの一部が消化出来ずに免疫反応が起こり、炎症が起きます。 セリアック病にならないためにはグルテンフリー、グルテンを含む食材を摂取しないこと。そうする事で、アレルギーを起こさない生活が送れるのです。
 このグルテンフリーの効果はてきめんで、長年片頭痛と向き合ってきた生活が嘘のように片頭痛がピタリと治まる人がとても多いです。驚くほど劇的な変化をとげ、消費期限が切れた頭痛薬を見付けて以前片頭痛が隣合わせだった生活を思い出すほど忘れて生活をしている人もいるほどです。
 パンを食べない生活というのは、パンに馴染みがある人にとっては大変かもしれませんが、片頭痛に苦しむ人は一度試しても良いかもしれません。


グルテンフリーダイエットの効果 – 片頭痛

 グルテンフリーダイエットと片頭痛の関係は、片頭痛がなくなったという症例は簡単に沢山見つかり、その因果関係も研究されているようです。

 まず、以下のような疑問があります。

1.セリアック病の人は普通の人よりも片頭痛がよくあるのか
2.片頭痛もちの人は、セリアック病になりやすいのか
3.グルテンが片頭痛を引き起こすのか

1.について

 2001年の調査。スペインの子供86人、ドイツの大人、イスラエルのセリアック病の子供111人を対象にしたところ、スペインで19%が片頭痛もち。(セリアック病でない人の場合10%)。ドイツで28%、イスラエルで12.6%(セリアック病でない人の場合5.7%)というそれぞれ高い数字が出ています。

2.について

 2003年イタリア、トルコ、2011年にイランで調査されたが、はっきりと確証をえる結果は得られなかったようです。

3について

 セリアック病の原因と片頭痛の原因が同じである(グルテン)とはいえない。同じ病気、例えば高血圧の人の原因がみな同じ1つの事であるとは限らないように。
 それでもなお、セリアック病と片頭痛は関連性があると考えられています。小さな調査ですが、セリアック病と診断された4人を、グルテンフリーにしてから6か月追跡調査したところ、1人が完全に片頭痛がなくなり、3人は大きく改善したとのことです。頭痛が緩和されたのは、PETスキャンによると脳への血流がよくなったことに伴う。他の予備研究で12人を対象にした時も、同様の結果が得られました。

結論

 セリアック病と片頭痛に関連性はありそうですが、はっきりとした確証は得られませんでした。グルテンが片頭痛の原因であるとする、記事はネットや新聞にも見かけますが、まだ仮説の域にすぎず、結論づけるにはまだ早いようです。

 「毎日片頭痛があり何軒もの病院をまわっても改善しなかった人が、グルテンフリーダイエットを始めたら1週間以内に片頭痛が止んだ。」
という個人の体験談は、英語のサイトでいくつもあります。こういった個人の体験も本当のようです。


 グルテンは免疫疾患を引き起こすので、人によって症状が様々です。グルテンが片頭痛の引き金になるかどうかは証明されていませんが、人によってそういう症状がでることは考えられると思います。

目次へ


39.適切な栄養バランスとは???

 これまで述べてきましたように、片頭痛治療において「糖質制限食」「ケトン体ダイエット」「グルテンフリーダイエット」等々、さまざまな食事療法が提唱されています。

 基本となるのは、ミトコンドリアがエネルギー産生を円滑に行うための食事療法にあります。三大栄養素である糖質、脂質、蛋白質を”バランスよく”摂取した上で、ビタミン、ミネラルを過不足なく摂取することが重要になってきます。

 糖質に関しては、「ケトン体ダイエット」では、一日に摂取する炭水化物の量が、かなり”厳密に”定められています。「糖質制限食」では、”漠然とした”量の炭水化物を、長期間に渡って減らすことを勧め、「グルテンフリーダイエット」では、”小麦粉”だけを食事から抜くことが提唱されています。

 このように血糖値を高める原因となる「糖質」の制限に的が絞られ、果たして、1日の糖質摂取量をどの程度にすべきかの一定の考え方がなく、漠然としています。

 これまで「カロリー制限食」として、栄養士や医師は「糖質60%、脂質20%、タンパク質20%」が推奨されてきました。しかし、「糖質制限食」を提唱される江部康二先生は、人類本来の食生活からみると最悪のバランスであるとされます。

 このような「糖質60%、脂質20%、タンパク質20%」という摂取比率には科学的根拠はないとされ、どのような比率が適切なのかは明確になっていません。「人間にとって最高の健康食」としての”糖質、脂質、タンパク質の比率”がどのようなものなのでしょうか。とくに片頭痛治療上、どのような比率が適切なのでしょうか? 特に、年代によってこの摂取比率は当然変わってきます。成長期にある年代、成人、妊婦、では比率は変わって当然のことです。

 また、糖質のなかの食物繊維も重要な位置を占めています。

 エネルギー源となる糖質の摂取量をどの程度に設定するのかが大切になります。

 極端な糖質制限を行えば、エネルギー源を脂質に求めなくてはならなくなります。こうした場合、誰でも可能なものとは思えないはずです。 そうなれば、「過食にならない」程度のカロリー数を設定した上で、糖質、脂質、タンパク質の比率をどのようにするかを考えなくてはなりません。

 このように、まず「人間にとって最高の健康食」としての”糖質、脂質、タンパク質の比率”がどのようなものなのか、さらに片頭痛治療上、どのような比率が適切なのか、を栄養学的観点から決定すべきでありながら、現在の頭痛の専門家は現在では何故だかまったく無関心のようです。この理由がどこにあるのかを明確にすべきです。

 蛋白質に関しては、総摂取量をどの程度にすべきか、腸内環境を悪化させない量を想定しなくてはなりません。そして、トリプトファン摂取に関連して、アミノ酸比率が重要になってきます。

 さらに、脂質では、体内では合成できない必須脂肪酸のオメガ3系、オメガ6系脂肪酸の摂取比率も重要になります。シソ油(エゴマ油)や亜麻仁油、エクストラバージンオリーブ油、ゴマ油やナタネ油などの良質な油も念頭に置かなくてはなりません。さらに、総摂取量も問題になってきます。とくに糖質との関連から重要になります。 さらに「インスリン過剰分泌を来さない食事摂取方法」の指導も大切になります。

 ビタミンに関しては、ビタミンA、B群、C、Eの摂取が大切になり、カロテン(カルテノイド)、ポリフェノール類、などの「抗酸化物質として食品」から摂取することを念頭において配慮しなくてはなりません。 こうした野菜は、食物繊維・抗酸化物質との関連から片頭痛治療上極めて重要な位置を占めており、その摂取量は厳格に設定される必要があります。


 また、ミネラルに関しては、マグネシウム、カルシウムの摂取バランスも大切になります。亜鉛、鉄、その他の微量ミネラルに配慮しなくてはなりません。さらに、マグネシウムは日常の食習慣・ストレスなどにより容易に不足しがちなってき、片頭痛治療上で極めて重要なミネラルであり、マグネシウムの基本摂取量も設定する必要もあります。 このように、毎日摂取しなくてはならない食事のことですので、こうした栄養素、ビタミン、ミネラルの摂取のあり方の基本原則を確立しなくてはなりません。


 片頭痛治療の根本原則は食事にあることを考えれば、管理栄養士さんの役割は極めて重要であるはずです。

 そして、これらをうまく取り入れた”献立”レシピが当然必要となります。

 このような具体的なことを行うのは、管理栄養士さんしかいません。

 このような考え方で、今後の片頭痛治療は進めていかなくてはならないはずです。


 以上のようなことを念頭において、”片頭痛治療における栄養学”が構築される必要があり、これを実際に行っていく場面での管理栄養士は重要な役割があります。

 少なくとも、食事は人間にとっては、生活の中の楽しみ、嗜好として重要な位置を占めています。原則として「健康食」として推奨される「人間にとって最高のバランス」とはどのようなものかを探求し、これを日常の食生活に取り入れ、適宜”嗜好としての食生活”をとりいれることが大切ではないでしょうか?

 余りにも、「人間にとって最高のバランス」としての健康食に拘る余り、これがストレスとなって、片頭痛を誘発させる原因ともなれば、ミイラとりがミイラにならないとも限りません。このためには気楽に実行できるようにすることが大切になってきます。


「人間にとって最高のバランス」とはどのようなものなのでしょうか

バランスのとれた食事とは・・・

 医者や栄養士はよく、バランスのとれた食事が大切であると言います。しかし、これほどあいまいに使われている言葉はありません。バランスのとれた食事が大切であると言う医者や栄養士自身が、それが実際にどのような食事を指すのかが分かっていないのです。 具体的な指示を出さずに、どうして患者に食生活の改善を指導することができるでしょうか。それでは口先だけのきれいごとになってしまいます。「バランスのとれた食事」とは、どこまでも具体的な内容によって示されるべきものです。

 具体的に言えば、ビタミンやミネラルなどの必須栄養素・食物繊維・薬理効果の高い植物栄養素を十分に含み、オメガ3とオメガ6の摂取比率が適正で、抗酸化栄養素・解毒栄養素・酵素をたっぷり供給できる食事のことです。 しかし、こうした栄養学的条件をすべてクリアした食事を栄養学理論に基づいて組み立てようとすると、それがいかに難しいことであるかがすぐに理解されます。あまりにも諸条件が複雑に入り組み、現実にどのようにメニューを立てたらよいのか分からなくなってしまうのです。現代栄養学の理論を忠実に実践しようとすればするほど、食事の組み立ては困難をきわめ、絶望的になってしまいます。


伝統的な日本料理・長寿村の食事をモデルにした「食事」

 栄養学の理論が分かっても、それを実際の食事改善に結びつけるのは容易なことではありません。「必須栄養素を満たす」という1つの条件だけにしぼって考えてみても、その難しさは十分に理解されるはずです。一定のカロリーの枠内で、50種類もある必須栄養素を過不足なく摂取できる食品の組み合わせを、短時間に、しかも毎日計算できるような人はいないでしょう。 10種類くらいの必須栄養素なら、何とか理論どおりの食事の組み立てはできると思うかもしれませんが、実際にメニューをつくってみると、すぐにカロリーの枠を超えてしまいます。まして50種類もの必須栄養素や食物繊維・酵素などを完璧に満たそうとすれば、毎日毎日、家畜なみに穀類や野菜を食べ続けなければならなくなってしまいます。 「正しい食事」は人間を健康にし、「悪い食事」は人間に病気をもたらします。私たちの食事が正しいものかどうかは、それを続けた結果に反映されるのです。つまり人々の健康状態は、それまでの食事が正しかったか、間違っていたかを示す指標と言えます。 こうした発想から、食事療法のヒントを探ってみましょう。

伝統的な日本食への注目

 現代栄養学が始まった頃、欧米の栄養学の研究者は、伝統的な日本人の食事に注目しました。なぜなら日本は欧米と肩を並べる先進国でありながら、国民の平均的健康状態が飛び抜けて高かったからです。ここで対象となった日本人の食事とは、現代人が一般に食べているようなものではなく、50年以上も前の日本人の食事のことです。 日本の伝統食についての研究の結果、さまざまな栄養学的事実が明らかにされることになりました。我が国の伝統的食事の中でも、特に刺身や多種類の発酵食品・大豆食品に関心が集まりました。そしてこれらが、日本人の健康と長寿を支えてきた大きな要因であることが突きとめられたのです。

 今や欧米では、「日本食は健康によい」という認識が定着しています。そのため、鮨・刺身・豆腐・納豆といった伝統的な日本食が、海外で大流行するようになっています。多くの外国人が豆腐ステーキを食べ、すしバーにせっせと足を運んでいます。

 ここに食生活の1つのヒントがあります。つまり食事療法の具体的モデルとして、「伝統的な日本食」を考えてみるということです。(伝統的な日本食とは、昭和30年以前の食事のことです。)

長寿村の食生活

 また日本人全般という大きな単位ではなく、「長寿村」という特定の狭い地域に注目しても、食事と健康の明確な関係を理解することができます。日本各地には昔から、長寿村として知られる村々が点在していました。そうした中で最も有名な長寿村が、山梨県の棡原です。(現在の山梨県北都留郡上野原町) 長寿村という名前が示すとおり、そこでは90歳、100歳を超える老人たちを至るところで見ることができました。さらに驚くべきことは、その年寄りたちの健康レベルの高さです。かつての棡原では、80歳を超えた老人であっても畑仕事を日課とし、特別な病気で苦しむようなことはありませんでした。寝たきり老人は1人もなく、老人ボケや、糖尿病に代表される成人病とも全く無縁でした。年寄りたちは亡くなる直前まで普通に暮らし、ある日、眠るがごとく息を引きとっていました。まさに大往生という言葉がピッタリの、安らかな死を迎えていたのです。

 これまで棡原は、多くの研究者によってさまざまな角度から研究されてきました。その結果、棡原の人々の優れた健康状態と長寿の要因の1つが、村人の日常の食事にあったことが明らかにされました。

 しかし戦後、バス路線の開通にともない“陸の孤島”の生活は一変しました。村の若者たちの食生活はたちまち西洋化されたものになり、それと同時に、以前には存在しなかった現代病・成人病が急増するようになりました。村人の食生活は、伝統的な食事を続ける年寄りと、加工食品や洋食などの現代的な食事をする若者に分かれ、中年層の短命化が目立ち始めるようになってきました。やがて棡原は、かつての長寿村の面影を完全に失うことになってしまったのです。

 この棡原における出来事は、私たちが食事療法を考えるに際して、重要なヒントを与えてくれます。健康と長寿が当たり前だった当時の棡原の人々と同じような食事をするならば、彼らのような健康と長寿が得られる可能性があるということです。そして間違った食事を続けるなら、すぐに病気で短命化するということなのです。

伝統的な日本食・長寿村の食事こそが、食事療法の基本

 伝統的な日本人の食事と、長寿村の食事が、現実的に高い健康レベルをもたらしてきました。したがって、こうした食事をモデルにして真似ることが、そのまま食事療法の基本になるのです。そして驚いたことに、日本の伝統食や長寿村の食事は、現代栄養学が明らかにした科学的な理論と多くの点で一致しているのです。 つまり私たちが、かつての日本食や長寿村の食事をモデルにして、これにならう努力をするなら、個々の栄養学理論についてあまり神経質に考えなくても、結果として理想的な食事を組み立てることができるのです。日本の伝統食や長寿村の食事を真似ることによって、大半の条件を満たす食事をつくることができるのです。

 20世紀の人類に病気をまん延させてきた欧米型の食事の特徴は、肉・油・砂糖・加工食品が極端に多く、野菜が少ないというものです。高タンパク・高脂肪・高カロリー・低食物繊維・低ビタミン・低ミネラルが間違った食事の特徴です。それに比べ、よい食事のモデルである昔の日本食や長寿村の食事は、見事なまでに正反対なのです。欧米型の食事の最も対極にあります。肉料理・油料理・加工食品はめったに食卓にのぼることはなく、多種類の野菜が日常的に摂られてきたのです。

食事療法の基本とは

「伝統的な日本食」と「長寿村の食事」をモデルにして、これに近づけていくことが食事療法の指針になります。ただし単に昔の伝統食を真似るのではなく、現代栄養学の最新の科学的知識を応用して、伝統食の利点を引き上げた、さらに強力な伝統食でなければなりません。こうした観点から、食事療法の具体的な方向性について見ていくことにしましょう。 伝統的な日本食や長寿村の食事を真似てこれに近づけるためには、具体的な食事療法の指針が必要となります。その指針とは、次の10のポイントにまとめられます。


  
•1)加工食品・インスタント食品をできるだけ減らす
  •2)脂肪・油をできるだけ減らす(オメガ3を摂る)
  •3)肉・乳製品・卵を摂らないか、ごく少量にする
  •4)砂糖をごく少量にする。白砂糖を摂らない
  •5)主食を精製度の低い穀類にする。雑穀を加える
  •6)豆類を摂る。種子・ナッツ類を摂る
  •7)野菜をたっぷり摂る。果物を摂る。海藻を摂る
  •8)魚貝類を少量摂る
  •9)発酵食品を常に摂る
  •10)食材・調味料は自然で新鮮なものを使う


 このような基本的な考え方で食事療法は構築されるべきです。

 これほど、食生活は、片頭痛治療上基本中の基本で重要であるはずでありながら、頭痛の専門家は、ただ単に”マグネシウム・ビタミンB2”の補充しか推奨されていません。
 まさに、現在の片頭痛治療の世界は前時代的なことを行っているのではないでしょうか?

 この点が、まさに”素朴な疑問”とされる所以です。

 結局のところ、専門家には片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であるという考え方がまったく欠如しており、トリプタン製剤さえ処方し、予防薬を適宜処方しさえすれば、片頭痛治療は完結したものと考えているとしか思えないところです。これで、片頭痛が治るとでも思っておられるのでしょうか???  

目次へ


40.なぜ、片頭痛治療にデトックスが必要なの???

 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。 
 細胞内小器官である「ミトコンドリア」は私達に生きるエネルギーを与えてくれますが、反面、活性酸素を最も多く発生する細胞内小器官でもあります。
 ミトコンドリアを増やすと、体全体のエネルギー発生量を増やすことができます。ミトコンドリアを増やし、活性化させると、エネルギー合成時に発生する活性酸素の消去する機能も高まります。しかし、弱ったミトコンドリアの活性酸素を消去する機能は低く過剰の活性酸素が発生し、その活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくという悪循環が始まります。

身の回りは活性酸素を生み出す要因だらけ

 実は活性酸素は、私たちが生きていく上で、どうしても発生してしまうものなのです。
 私たちが体に酸素を取り込み、消費する過程で活性酸素は自動的につくり出されます。 激しい運動をしているときはもちろんのこと、仕事や家事などをして普通に生活しているときも、くつろいでいるときや眠っているときも発生するのです。
 私たちは生きている限り活性酸素から逃れることはできません。
 太古、地球の生物が酸素を体に取り込んで生きるようになったときからの、宿命といえるかもしれません。
 もちろん活性酸素が体の中で増える一方だと、人間はたちまち死んでしまいます。
 そのため、私たちの体は活性酸素を取り除く手段を持っています。
 ただ、この手段では手に負えない量の活性酸素が発生したとき、病気や老化が起きるのです。大量発生のきっかけにはさまざまなものがあります。
 体が傷を受けたり、ウイルスが侵入したときもそうですし、太陽光線も原因になります。
 これらは昔から、私たちの体に活性酸素を発生させる原因になってきました。
 その上、現在では、更に活性酸素を発生させる原因が増えています。
 それが食品添加物や洗剤、化粧品などに含まれる化学物質であり、大気中の有害物質や放射線などです。これらの原因は、昔にはなかったものです。
 豊富な栄養をとっているにもかかわらず、現代人に病気が多いのは、このことが原因ではないかと言われています。
 ウイルスや細菌は、病気を引き起こす元凶ですが、これも活性酸素発生の原因になります。これらの外敵が入ってくると、白血球が出動してきて外敵を殺そうとします。
 このときの武器が活性酸素なのです。白血球が敵の数に合わせて、びったり適量の活性酸素しか出さなければいいのですが、白血球は外敵を確実にやっつけるために必要量を上回る活性酸素をつくってしまいます。その余分な活性酸素が、まわりの細胞まで傷つけてしまうのです。体にとっての異物は、ウイルスや細菌ばかりではありません。
 実は、病気を治すために飲む薬や、空気中に存在する有害物質、そして食品添加物や洗剤、化粧品などに含まれる化学物質も、体にとっては異物なのです。
 このなかには、当然のこととして頭痛薬として使用される市販の鎮痛薬、非ステロイド性鎮痛薬、エルゴタミン製剤、さらにトリプタン製剤も含まれています。
 これらのものは、つい最近まで、人類の体内に入ることはなかった物質なので、体は異物と理解してしまうのです。
 そして、異物を解毒しようと、ある酵素を出します。この酵素が働く過程でも、活性酸素が発生してしまうのです。
 このように特に、現代の科学や文化の発達が生んだ数々の人工的な要因が、私たちを更にむしばんでいることが伺えます。
 薬や食品添加物の氾濫、農薬の普及、排ガスによる大気の汚染、水の汚染、原子力の利用による放射線被爆、電気製品による電磁波・・・・・生活環境の変化、破壊はすなわち体内での活性酸素の大量発生につながっているのです。
 昔から受けてきた紫外線にしても、オゾン層の破壊により、増加し続けています。
 こうした要因は、ほんの数十年の間に急速に増えてきたものです。
 私たちの体の働きは、太古から少しずつつくられてきたものですから、この数十年の変化にはついていくことができません。

 体の中には活性酸素を取り除く働きもありますが、人間のミトコンドリアは、活性酸素の発生源が今よりずっと少ない時代につくられていますから、新しい要因が生み出す過剰な活性酸素まで取り除くことはできない状態にあります。
 活性酸素をつくり出す原因がこれだけ増え、体の中には対抗する手段が充分にはないとすると、私たちの体の中には、過剰な活性酸素が存在しているということになります。
 これが現代人の体をむしばみ、病気をつくり出しているのです。
 食物の豊富な国に住み、快適な暮らしをしているにもかかわらず、現代社会に暮らす日本人は病気から逃れることができません。
 ガンや糖尿病、心臓病などの成人病の発生が増えているのも、昔はあまりみられなかった喘息や花粉症、アトピーなどのアレルギーが増えているのも、環境の悪化による活性酸素の増加が原因と考えられます。

 日本は長寿大国となりましたが、長寿を謳歌している人の多くは、活性酸素を発生させる要因が少ない時代に育っていることを忘れてはいけません。
 また、昔の日本人の食事は活性酸素を取り除くために理想的な食事ともいわれています。活性酸素の発生要因に囲まれ、欧米風に変化した食事をとって育っている若い人や子供が、長生きできる保証はどこにもないのです。
 また、高脂肪・高タンパク質食品に偏った食生活を続けると、カロリーのとり過ぎとあいまって、「SOD」(スーパーオキシドディスムターゼ)や「グルタチオンペルオキシダーゼ」、「カタラーゼ」といった、抗酸化酵素”の活性に必要不可欠なマンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。結果、活性酸素の発生が抗酸化作用より常に優位な状態、いわゆる「酸化ストレス」になります。
 偏食や過食は活性酸素の発生を加速し、がんや認知症などの疾患にも悪影響を及ぼします。カロリーのとり過ぎは活性酸素の発生量を増加させ、逆にカロリーを制限することは活性酸素の発生を減少させ、片頭痛を改善させ、老化の進行を抑制します。

 さらに、活性酸素の増加させる”環境の悪化”があります。

環境ホルモンとは?

 環境ホルモンが問題となりはじめたのは、1980年頃に世界各地で異常が発見されることによって、研究がされるようになりました。環境ホルモンは、外因性内分泌攪乱物質または外因性内分泌攪乱化学物質と呼ばれています。
 環境ホルモンという呼び名は、あるひとつの物質の名前ではなく、”生物のホルモンの働きを狂わせてしまう物質”の総称です。環境ホルモンは、体内の正常な働きをするホルモンの働きを壊すことで、様々な異常を引き起こします。
 体内の”ホルモンの働きを乱し”、生殖機能への影響などが心配されている環境ホルモンは、人工的に作りだされた化学物質で、正しくは「内分泌攪乱化学物質」といいます。環境ホルモンの多くは有機合成化合物で、環境庁が1998年5月に策定 、2000年11月に改定した「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」では、“動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常ホルモンの作用に影響を与える外因性の物質”とし、疑われる化学物質として65物質をあげています。
 また、ゴミの焼却の際に生ず環境ホルモンも大問題になっていますが、私たちの周りには 医薬品、農薬、食品添加物、合成樹脂、合成洗剤など、人が作りだした化学物質がたくさんあります。
 問題は人体がダイオキシンなど環境ホルモンである有機化合物を受け入れやすく、分解・排出しにくい点です。そのために体の中に残って害をもたらすのです。たとえば、女性ホルモンに似た環境ホルモンが体内に入り込むことで、ホルモン本来の働きが乱されることになります。環境ホルモンは、前立腺ガンとの関係が心配され、免疫力を低下させるのではという不安もいわれています。
 食物では、アメリカの肉牛や養殖の魚に環境ホルモンの残留が見られますが、これは家畜の飼料やエサに成長を早める成長ホルモンが混ぜられているからです。
 私たちはゴミを出さないなど、身近にできることから取り組み、これ以上環境ホルモンを作らないようにすることも重要ではないでしょうか。

環境ホルモンの原因

 環境ホルモンの原因となっているのは、化学物質です。化学物質を大量に摂取しているとは、誰もが思わないのでしょうが、日々の生活の中で環境ホルモンは、身体の中に取り込まれているといってもよいでしょう。殺菌剤・防腐剤・殺虫剤・農薬・食品添加物・ダイオキシンなど、約70種もの化学物質があげられています。さらに、環境汚染された状態の川や海などからも有害物質が検出されています。産廃処分場の侵出水から、30種以上の環境ホルモンが検出されたという例もあります。

環境ホルモンの影響

 環境ホルモンは、知能低下・学力障害・注意力欠如・ストレスへの過剰反応・ 拒食症・強迫神経症・様々な不安症・鬱状態・アレルギーなど、人や生物に、多大な悪影響を及ぼすことがわかっています。さらに、環境ホルモンの影響を受けている動物の肉などを食べることも環境ホルモンの影響があります。そして、人間への影響として、キレやすい子供が増えたことも環境ホルモンの影響ではないか?と言われています。
 私たちが、なにげなく食べているジャンクフードには、着色料や保存料といった食品添加物(化学物質)が大量に入っています。さらに、カップメンやお弁当などの容器や缶ジュースの缶には、化学物質が使われていて、微量ですが、溶け出しています。私たちが、安全だと思っているものには、実際、多くの化学物質が入っているというのが現状なのです。しかし、そういったものは、私たちの目に見えるものではなく、見逃してしまいがちです。

 このように私達の身の回りには「有害物質」に満ちあふれている生活環境におかれています。このため有害物質に対する対策を考える必要があります。


 
デトックス(解毒)を行う上での基本的な対応は、次のようにまとめられます。

1.有害化学物質を摂らない、発生させない(薬、飲酒、魚介類、腸内細菌の健全化など)
2.有害化学物質を体内に吸収させずに排出する(食物繊維、硫黄を含む野菜類など)
3.吸収したものは排泄する(皮脂、含硫アミノ酸・野菜、キレート剤、水分不足など)
4.解毒代謝を向上する(ビタミン・ミネラル類、解毒負荷軽減など)


 こういったことから、慢性頭痛を改善させるためには「デトックス」が不可欠となります。


デトックスとは

 デトックスとは身体の中の毒素を外に出すということです。不要なものは出してしまうことが大事なことです。ちなみに便秘になると不快感を感じます。イライラしたり身体が重く感じたりしますが、快便の時は爽快じゃないですか。またサウナや岩盤浴で汗をたくさんかいた時も気持ちいいです。老廃物や毒素を出した時には爽快感を感じるのです。
 もちろん毒はなるべく身体に入れないほうがいいのですが、現実的にはとても難しいことです。だからなるべく出してしまうために「デトックス」が必要なのです。
 体内の毒素や老廃物を外に出すこと。これは必要なことなのです。
 ストレスが続いて血圧や血糖が上がるなど、新陳代謝が低下することで体に必要な栄養素などが届きにくく、老廃物などの不要なものが、排出しにくい状況になってしまいます。つまりデトックスができにくい状況になってしまいます。
 毎日の食生活で取り入れる食べ物(たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・水)で私達の体が維持されています。その人間の体の70%前後は水でできていますが、水の使い方で体の中の老廃物や汚染物質を流しだすことに大きなヒントがあるのです。
 人の体は、日々代謝を行い古いものと新しいものとに交換しています。細胞の数で5000億個の細胞が入れ替わるといいます。
 その結果、不要物としてたんぱく質や核酸が分解されて出てくる老廃物や、生命維持や代謝によって出てくるものなどの有害物質なのです。
 体の不要物質は、血液によって回収されますが、血液の循環がスムーズに行われないと回収されずに臓器や細胞の働きを邪魔することになります。


●尿を出しましょう!!・・水分摂取を怠りなく

 尿は体の老廃物を排泄したり、病気を教えてくれたりと人間の体にとって大切な役割をしています。体に毒素をためず健康体にするためにも、毎日の生活においての解毒(デドックス)を心がけが必要です。
 基本のデドックス・・・多くの解毒(デドックス)の中でも基本ともいえるものが、水を飲むということです。あらゆる代謝は水のある環境下で行われるので、水を飲むことで代謝がスムースになり、細胞が解毒(デトックス)されていきます。
 特に、尿から有害物質を排出するためには、尿の濃度を薄く保つことが必要で、水分が不足して尿の濃度が高まると、有害物質が溶けずに体内残ってしまいます。
 水をコップでこまめに意識して飲むことです。目安は1日1から2リットルほどです。ただし、病気で医師にかかっている場合は、水分摂取の注意があるかもしれませんので、医師とご相談してください。

体のなかのさまざまな化学反応の媒体

 浸透圧バランス、pH調整、血液循環などの、体内で起こるほとんどの作用に水が関係しています。体温を調節や、栄養素を運んだり、不要なものを排出するのも、水が大きく関わっています。命の源とも言える働きをしているのです。
 大量の水が自分の中を流れ、あらゆる機能を支えていることを考えると、いきいきした体をつくるのに、水の質が体の良し悪しを左右すことになります。そのためにもよい水を取りましょう。 
 ストレスが多い環境下では体内で活性酸素が発生しやすく、さまざまな病気の80%は活性酸素が関与しているともいわれています。その活性酸素を消してくれるといわれる水素水が話題になっていますが、世界に奇跡の水といわれる名水もこの水素が多く含まれているそうです。

 ☆水の可能性に期待して、老廃物のデトックスを心がけましょう!

●食生活に気をつけましょう。・・食物繊維摂取不足には注意を

 沢山尿を出すために、食物繊維やカリウムは、便や尿を出やすくするので、たっぷり取ることをおすすめします。カリウムの多い食材には、ほうれん草やトマト、リンゴ、にんにく、人参、海藻など・・・。


要注意!食品添加物の現実

 食品添加物には、保存剤、殺菌剤、漂白剤、小麦粉改良剤、合成着色料、合成着香料、乳化剤などがあります。普通の食生活をしていても、私たちは1日に80種類以上の食品添加物を食べています。食品添加物の怖さとして、その発がん性が取り上げられています。
 摂取されている食品添加物の組み合わせによる害は測定されていません。仮に、食品添加物自体は、発がん性がないとしても活性酸素となると話が違います。いま、私たちが口にする食品は、食品添加物のお世話になっていないものが無い程です。
 そうした食べ物からも活性酸素が生まれるのです。食品添加物には亜鉛を消費するものが多く、亜鉛不足は、活性酸素を打消すSODの効果を弱めます。その結果体内に発生する活性酸素の増加が大量に増加することになります。そのような体内を水でデトックスをしましょう!


 このように片頭痛治療上、デトックスは不可欠な項目になっています。このため、水分を十分に補給し、食物繊維を摂取し、抗酸化物質を積極的に摂ることが重要になります。

目次へ


41.片頭痛治療に、水分摂取はなぜ必要???

水分摂取と片頭痛に関する従来の見解


 イスラム教にラマダンという断食の習慣がありますが、この時期に頭痛が増えることが知られています。こうした点から、飢餓や脱水が頭痛に関連することは以前から指摘されていました。

 ある研究者は、片頭痛患者18名に対して、水分補給として追加で1日1.5L の水分補給を12週間継続摂取させたところ、片頭痛の回数が減少したことから、適度な水分補給による片頭痛予防効果が期待されると報告されています。

 オランダのマーストリヒト大学の研究では、頭痛には、鎮痛剤よりも水の方が効果があるという研究結果を報告しています。
 この研究では、頻繁に起こる頭痛や偏頭痛に悩まされている100人の患者に、症状の改善のためストレスを減らし、睡眠時間を増加させ、カフェインを避けるよう指示。またそのうち50人には、3ヶ月間毎日1.5リットルの水を飲むよう薦めました。そして3ヶ月後、100人全員に頭痛に関するアンケートを行ったところ、水をたくさん摂っていた患者の方が頭痛を起こす頻度が少なく、痛みも和らいでいたことが判明しました。
 研究員らによると、水分補給によって頭痛が改善されたことは明らかで、短期間に集中して水分をしっかり摂ることは頭痛に効果があると言えるそうです。現在のところ水が頭痛を緩和するという科学的な根拠はありませんが、体を水分で満たすことは健康でいるために重要で、それによって気分が良くなり、頭痛が改善される可能性があるといいます。


 最近の研究では、脳動脈や硬膜やその血管などに分布している神経の炎症が、片頭痛の発生に関係していると考えられています。神経の炎症は、レニン-アンジオテンシン系と呼ばれる水分を調節する機構が活性化された時に増悪することも報告されています。
 また、レニン-アンジオテンシン系の機能を抑える、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬や、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)が片頭痛の頻度や程度を軽減することが報告されており、予防薬として期待されています。
 これらのことから、レニン-アンジオテンシン系が片頭痛の病態に関わっている可能性が高いと考えられ、体内の水分調節や血液の循環が片頭痛に影響を与えるだろうといわれています。

 東洋医学では、片頭痛も含めて、慢性頭痛は、体内の水の巡りが滞り、余分な水が溜まって、代謝に影響が出る「水毒」によるものと考えられています。
 水毒は、水分代謝に関与すると考えられる、脾臓の機能低下(脾虚)、腎臓の機能低下(腎虚)などによって起こります。脾虚や腎虚によって頭痛が起こると言われています。
 水毒が続くと、痰濁や瘀血が起こることがあります。東洋医学では、「湿が集まると水となり、さらに水が集まって痰となる」という考え方があります。体内に溜まった水分は、いずれ痰となって新しい病症を引き起こすといわれ、その一つとして頭痛があります。また、水分の代謝異常によって、血液の流れが悪くなると、瘀血を生じ、それによって頭痛が起こるとも考えられています。

 鹿児島の田村正年先生は、片頭痛予防薬の「多剤併用療法」を提唱されておられますが、これを行う場合、”水分摂取を十分に行っていないと如何なる薬も無効”と述べている程です。このように、片頭痛治療上、水分摂取は重要とされます。

 読売新聞社のサイト「ヨミウリ・オンライン」内の「大手小町」に設置された「発言小町」という掲示板のなかで頭痛に悩む小町さんたちが、自分なりの頭痛対策や効果のあった方法、また疑問や悩みを紹介されています。

 この掲示板において「水分補給」に関して、その有効性を指摘される方々が多いようで、これとは別にネット上でも多数紹介されています。


 しかし、「慢性頭痛診療のガイドライン」では、頭痛治療における「水分補給」のエビデンスの記載は全く存在しません。


 脳の脱水状態は、片頭痛の引き金となっている脳幹に存在する「片頭痛発生器」の機能低下を引き起こすため、頭痛が起きやすくなると推定されていますが、現段階では、脱水が頭痛を起こす確実な理由は分かっていないようです。

 このように、理由はともかく、多めに水分をとることで、頭痛の改善を実感されている方は少なくないと思われます。 


水分の役割

  人間の身体の半分以上、60%ぐらいは水分です。毎日2.5リットルもの水分が呼気や汗、便や尿で失われるのですからきちんと補給しないと体内の水分が不足してしまいます。

 では不足してしまうとどうなるのでしょうか? 水分は人間の体内でどんな働きをしているのでしょうか。 体内の水は、大きく「細胞内液」と「細胞外液」に分けられます。細胞内の水分は体内の水分の約3分の2を占めています。残りの3分の1の細胞外液というのは体内を循環する血液とリンパ液、細胞と細胞の間に存在する細胞間液があります。 「細胞外液」が行っている役割は、以下のようなものです。


     1. 摂取した栄養素を身体全体に運ぶ
    2. 体内の老廃物を体外に排出する   
    3. 体温の調節をする

 血液は、体の隅々まで酸素、栄養、ホルモンなどを運ぶ重要な役割があるのと同時に、老廃物や不要な物質を運び出して体外に排泄する大切な働きをしています。 その血液の半分以上は血漿という液体で、血漿のほとんどが水でできています(血漿の91%は水分です)。血漿にはナトリウムイオン、塩化物イオン、タンパク質などさまざまな成分が溶けていて、体に必要な栄養や酸素はこの水分にのせて運ばれているのです。
 そして血液は循環の過程で、腎臓を通過してクリーニングをされているわけですが、もしクリーニングができなくなると、体内に老廃物が溜まってしまいます。
 腎臓は血液の中の不要なものを大量の水(1日に170~180リットル)とともに濾過して、不要物を尿として体外に出す働きをしています。 また腎臓は体内の水分調節にも関係しています。水分の補給が少なければ、尿を濃縮し水の排出を減らし、多ければ尿の量を増やして体内の水分量のバランスを調節しています。 健康な人の尿の量は、約1.5リットル/日 程度と言われますが、最低でも500mlの尿を排出できないと、体内の老廃物を外に出しきれないと言われます。
 水分摂取が足りなくなると血液中の水分量も減ります。いわゆる「血液がドロドロになる」という状態ですが、そうなってしまうと運搬する力が落ちてしまうのです。つまり

  •身体に十分な栄養が行き渡らなくなる
  •体内の老廃物を体外に出すことができなくなる

ということになってしまうのです。 人間の平熱は 36~37℃ ですが、もし体温が1~2℃くらい上がったり下がったりするだけで体調が崩れてしまったり、場合によっては死に至る危険性もあります。体温調節はとても重要なことですが、体内の水分は体温を調節するために大切な役割を持っています。もし極端に水分量が少なかったとしたら外気温の変化に応じて体温が変化しやすくなってしまうことになります。

<代謝>

 血液の流れのところで、身体の組織に酸素や栄養やホルモンなどを運ぶのも、水分の大切な役割と述べましたが、つまり代謝という化学反応をするのに水分は必要不可欠なのです。 十分な水分補給をして血液をサラサラに保ち、身体の各器官の細胞に必要な栄養やホルモンを届けることは代謝をアップさせるのに大切なことです。もちろん、落としてしまいたい脂肪がエネルギーとして使われるということだって代謝なのです。ですから、水分が足りずドロドロ血液ではダイエットだってスムーズにいかなくなってしまうのです。

<便秘>

 便秘は頭痛にとってよくありません。食事量が減らすと便秘になりやすくなりますが、スムーズに排便されず毒素が体内に増えてしまうと代謝が低下してしまいます。腸内環境を整えるためには食物繊維が有効ですが、それだけでなく水分も大切なのです。水分が足りないと便が固くなって出づらくなってしまいます。

<食べ過ぎ防止>

 水を飲むことによって、満腹中枢が刺激されます。食べ過ぎ防止にも役に立ちます。食事中には水を飲むことも片頭痛のためにはいいことです。
 それと、水を飲むと舌の味を感じる「味蕾」と呼ばれる部分が発達して、 淡泊で低カロリーのものを好むようになることも減量に好都合と言えるでしょう。

美容と老化防止

 人間の老化と水には深いつながりがあります。生まれたて の赤ちゃんの体内の水分量は、約80%あります。でも、20歳を超えるころには約60%まで減少して、さらに年齢を重ねると体内水分量は徐々に減っていき50%を下回ってしまうのです。 年をとると新陳代謝が悪くなるといわれます。体内の水分量が減ることも代謝を悪くする要因なのです。
 加齢によって体内の水分は減るわけですが、体内を循環している水分(血液やリンパ液なの)や細胞内の水分の量はあまり変化しません。細胞間の水分が減少するのです。
 その細胞間の水分が減少すると、血管と細胞の間で、栄養や老廃物の受け渡しができなくなってしまいます。ですから、細胞はだんだん元気を失って、老化していくのです。

水分不足でシワも増える

 また細胞間の水分量の減少はシワ等ができやすくなる原因になります。細胞間の水分が減少するのはヒアルロン酸やセラミドやコラーゲンの減少が保水力を弱めるからです。ですからタンパク質やビタミンなど、栄養素の補給も大切なのです。
 ただ水を飲む習慣がなければ、それだけ水分量の減少は加速してしまいます。水分を摂取することと老化や美容にも深いつながりがあるのです。


 このように、水分補給というのは健康のために欠かすことは出来ないものです。


水のダイエット効果

<水でエネルギー代謝を高める>

 ここに、運動中の水分補給とエネルギー代謝の関係についての実験報告があります。

  これは運動中の水分補給の方法を、

   (A) 「喉が渇いたら自由に水分補給した人」、
   (B) 「水分補給を制限した人」 

  の2グループに分けて実験し、運動前と後の体重および体脂肪を比較したものです。

 結果は、(A)の「のどが渇いたら自由に水分補給した人」が(B)の「水分補給を制限した人」より、体重および体脂肪が格段に効率良く減少しました。スポーツ医学の分野では、体内の水分の欠乏が運動能力を著しく低下させることが立証されています。

 例えば、気温摂氏18度の条件で体重比の水分損失量2% (体重50Kgで約1リットル)の場合、運動能力が約20%低下します。これは体内の水分の不足がさせることによります。この ように、運動中の適切な水分補給はダイエット効果を高めるために非常に重要です。

食前30分から食後1時間は水を控える

 食事をしながら水を飲むと胃や消化のメカニズムはどのようになるのでしょうか。 胃の中に大量の水があると、胃液が薄められて酸性度が低いため消化が始まりません。
 まず水分の吸収が行われます。その際、胃の中に糖質の単糖類 (ブドウ糖、果糖など) があると水と一緒に吸収されます。これが血糖値を急激に上げ、インシュリンの分泌を促し、結果的に脂肪が合成されやすくなって肥満につながります。これは食事の前後でも同様で、水と単糖類の組み合わせは禁物なのです。したがって一般的には食前30分から食後1時間は水を控えた方がよいということです。  

コップ1杯の水が過剰な食欲を抑制する

 例外として、肥満解消のために食事の前にコップ1杯 (約2001m) の水を飲むとよいケースがあります。これは早食いで食事量が多いことが原因で肥満になっている場合です。
 食欲のメカニズムは脳の視床下部にある満腹中枢と空腹中枢によってコントロールされています。食事をすると血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が上昇し、あるレベルに達すると満腹中が感知して満腹感を得ます。 ただし食事を始めて血糖値の上昇を満腹中枢が感知するまでに20~30分かかります。

 このため早食いの人は知らず知らずのうちに食べ過ぎになってしまいます。これを解決するためには、まず第1によく噛んで食べることです。最低20回以上噛んで食事に時間をかけることが最も大切なことです。そして食前にコップ1杯の水を飲むことです。これは胃液の酸度薄めて過剰な食欲を抑制する効果があります。


新陳代謝などによる体内のエネルギー消費

 体内では絶え間無く生体活動が行われ、この体内エネルギー消費の増大もダイエット効果を生みます。 例えば、休に必要な物質を体内にとり入れ、不要になった古い物質を体外に排出する働きを新陳代謝といいますが、水はこの新陳代謝を活発にします。すると内臓の働きや発汗作用が活発になり、体内のエネルギー消費が増大します。


基礎代謝量

 新陳代謝などの生体の代謝とは物質代謝とエネルギー代謝、すなわち全細胞におけるすべての化学反応をいいます。このうち生命維持に最低限必要な生体活動によるエネルギー消費の量は基礎代謝量と呼ばれ、これには血管や消化管等の平滑筋、心筋、呼吸筋などの筋肉のほか、肝臓、甲状腺などの分泌によるエネルギー消費も含まれます。
 成人の1日の基礎代謝量は日本人で1,200~1,400Kcal、欧米人で1,500~2,000Kcalとされ、エネルギー消費量の60%を占めます。基礎代謝量は呼吸による酸素と二酸化炭素の消費量から算定されますが、体表面積に比例し、体表面積当たりでは1才児は80才の約2倍です。また体重当たりの基礎代謝量(基礎代謝基準値)をみますと、1才時で約60(Kcal/Kg/日)、10才で約36、20才で約24、40才で約22、60才で約21と年齢とともに徐々に低下していきます。
 年齢とともに低下する基礎代謝量の数値は、代謝能力が年齢とともに徐々に低下し、細胞活動が鈍くなっていくことを意味します。この代謝能力をいかに維持し高めるか。これは健康維持の根本テーマであると同時にダイエットの重要なテーマです。

 「からだに良い水の各条件が意味するところは、この生体内の化学反応を正常化し活発化することにほかなりません。細胞を活性化して代謝能力を高めます。生体内の正常な化学反応を阻害する有害物質などを排除した、酵素や抗酸化物が働きやすい環境として の「水」があります。「からだに良い水によって生体内の化学反応が活発になり、体内の工ネルギー消費が増大される。これが「水」による無意識のうちに行われるダイエットなのです。


水からのミネラル補給でダイエット

 ダイエットとミネラルがどのようにかかわっているのでしょうか。

 従来の食品からの摂取にはどうしてもカロリーがついてきますが、水からの摂取はノンカロリーです。これがダイエットの考え方に合致しています。しかもミネラルにはイオン化しないと吸収されないものが多いため、水から摂取した方が効率がよい点も理由になっています。
 例えば食品に含まれるカルシウムは、炭酸カルシウムや乳酸カルシウムなどの化合物になっているため、胃や腸の消化によってカルシウムイオンとなりさらに小腸の細胞膜を通過できる大きさになって初めて吸収されます。一方、水からのものはすでにイオン化されているものを多く含むため吸収しやすいのです。
 カルシウムのほかマグネシウムナトリウム、カリウムなど。イオン化されて初めて吸収されます。このように「ミネラルをミネラルを含んだ水から摂取する」ことは、ダイエットの面からも効率の面からも非常に合理的なのです。


 以上、「水分補給の役割」をまとめておきます。


1.水分をたくさん飲むと”基礎代謝”が挙がります

 水分を摂取する事によって身体の体温が下がります。人間の身体には恒常性機能(変化に対して、一定の状態を保とうとする働き)があり、下がった体温を元に戻そうとします。 体温を上げようとするにはエネルギーが必要になり、そして、身体はエネルギーを消費して下がった体温を元に戻します。 結果として、その働きにより基礎代謝が上ります。さらに水分はカロリーがありませんので、飲み過ぎて太るという事はありません。 ただ、注意しなくてはいけないことは、基礎代謝が上がるからと言って、一気に水分をℓ単位とか極端に摂取するのは止めましょう!1日に何回か分けて、出来れば食後に摂取する事をお勧めします。

2.有害物質の排出を促進させます

 水分をたくさん飲むと利尿作用が上がります。そして、利尿作用が上る事により、血中や細胞にある有害物質を排出させる働きを促進してくれます。デトックス効果というものです。 老廃物や毒素を排出させる働きを促すので、内臓の働きが活性化されます。 腸に流れ込む水分が便を柔らかくさせて、排出されやすくさせ、便秘にも効果があります。 便秘が解消されれば、便に含まれる老廃物や毒素が血中に戻される事が無くなりますので、肌荒れやニキビの悩みからも解放されます。

3.血流をよくさせます

 ドロドロの血液は、血栓が発生したり、それによって心筋梗塞、脳梗塞、脳出血等を引き起こしてしまうリスクがあります。 それに対して、たくさん水分を飲む事によって、血液をサラサラにして、血流をよくする効果があります。これにより代謝は促進されます。 ドロドロの血液は、高脂血症やコレステロールが原因の場合もありますが、身体の水分が足りていない場合も原因になります。

 以上のように、水分をたくさん摂取する事は様々なよい効果がありますが、水分を一気に摂取するのは止めましょう!

 このように水分は、私達の体の代謝を行うためには必要不可欠なものです。

  片頭痛は、ミトコンドリアの機能障害による頭痛です。ミトコンドリアがエネルギーを産生する代謝過程には、水は必要不可欠なものです。 水分不足は、このような代謝が円滑に行われなくなることを意味しています。 こうしたことから、片頭痛治療上、水分補給は不可欠な要素となっています。

目次へ


42.片頭痛治療に、食物繊維はなぜ必要???

片頭痛治療上、食物繊維は重要な働きをしています。

食物繊維とは

 最近になって日本でも、食物繊維(ダイエタリーファイバー)が話題になっています。かつては何の栄養価もない食べ物のカスのように扱われていましたが、栄養学の進歩とともに、その重要性が知られるようになってきました。現在では「食物繊維」は「食品中にあって、消化の過程で分解されない高分子成分」と定義されています。つまり食物繊維は、小腸までの消化プロセスでは消化・吸収されず、大腸まで達する食品成分のことです。今では新しい栄養素として、その有用性が明らかにされつつあります。
 食物繊維は消化・吸収されないために、他の栄養素のように体の構成材料やエネルギー源とはなりませんが、消化管を通過する間に、健康にプラスとなるさまざまな効果をもたらします。(食物繊維は消化吸収されませんが、実際には大腸で腸内細菌によって分解され、分解物が利用されることでエネルギーを発生します。)

 食物繊維は、成人病・生活習慣病の予防に有効であるだけでなく、体のバイオリズムの調節や、免疫力・治癒力を正常化するなど、きわめて重要な生理作用にかかわっています。 そのため「食物繊維」は、炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルに次ぐ第6の栄養素として注目を浴びるようになってきました。

食物繊維の種類

 食物繊維は大きく、水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」に分けられます。

 「不溶性食物繊維」は、主に植物の細胞膜を構成していて、立体的ですきまだらけの構造をしています。胃や腸の中でも水に溶けず、腸内細菌によってもほとんど分解されずに、そのまま排泄されます。不溶性食物繊維は水分を吸収してふくらみ、それが腸壁を刺激して腸の運動を活発にし、自然な便通を促します。   不溶性食物繊維には、全粒穀類をはじめ豆類・種子類・ナッツ類・野菜や芋類に含まれる、「セルロース」「ヘミセルロース」「リグニン」などがあります。(一般に「不溶性食物繊維」という場合には、この3種類を指しますが、ヘミセルロースの中には、わずかですが水に溶けるものがあります。)

 「水溶性食物繊維」は、植物の細胞内にある成分でヌルヌルして水に溶け、ゼリー状に固まる(ゲル化する)性質があります。胃や小腸で他の食べ物を包み込んで食物繊維が固まることで、食べ物が消化管を移動するスピードが遅くなり、それが健康にプラスとなります。水溶性食物繊維には、果物や野菜に多く含まれる「ペクチン」や、オーツ麦(カラス麦)や大麦・ライ麦などの胚乳に含まれる「ガム質」、コンニャクや山芋などに含まれる「マンナン」、ワカメやコンブなどに含まれる「アルギン酸」などがあります。(熟した果物や野菜に含まれる「ペクチン」は“水溶性”ですが、まだ熟していない硬い果物に含まれるものは“不溶性”です。このように果物が柔らかくなるのは、ペクチン質が変化するからです。)

 その他に動物性食物繊維として、エビやカニの殻の主成分である「キチン」があります。キチンは不溶性ですが、それを加工してつくられる「キトサン」は水溶性です。また動物の軟骨の主成分である「コンドロイチン硫酸」も、食物繊維の仲間と言えます。これは動物だけでなく、納豆・山芋・オクラなど、ネバネバしたものに少量含まれています。(このように食物繊維にはいろいろな種類があり、広い意味で“多糖類”――ブドウ糖やガラクトースなど、たくさんの単糖からできている――に属します。)

食物繊維と現代病の関係

 食物繊維の摂取が、病気の発生と深い関係があることを示す有名な研究データが、1973年に、英国人医師バーキットによって発表されています。それはアフリカ人とイギリス人の“便”を比較したものです。

 その報告によれば、「アフリカ人」の1日の便の量は、イギリス人の4倍にも達し、太く軟らかく、ほとんど臭いがしません。それに比べ「イギリス人」の便は、硬く圧縮されていて細く、何よりもひどい悪臭がするのです。研究によって、アフリカ人は食べた物をほぼ1日で排泄しているのに対し、イギリス人は平均3日もかかっていることが分かりました。
 当時、アフリカの田舎に住んでいた人々の食事の特徴は「低脂肪・高食物繊維」で、食物繊維はイギリス人の3倍も摂っていました。バーキットと彼の仲間の医師たちは、食物繊維の摂取と病気との関連を調べ続け、その結果をイギリスの医学雑誌に発表したのです。 彼らの論文は、欧米の医学界に大きな衝撃を与えることになりました。
 その中でバーキットは、現代の欧米社会に多く見られる―心臓病・胆石・大腸ガン・虫垂炎・痔・肥満・糖尿病・静脈瘤などの病気は、「食物繊維」を大量に摂っているアフリカ人には、ほとんど発生していないことを明らかにしました。(ところが同じアフリカ人でも、都会に住み、欧米化した食事を摂っている人々の間には、欧米人なみに“現代病”が蔓延していました。)
 そうした報告に触発された世界中の医師たちのその後の研究によって、バーキット博士の発表は裏付けられました。大腸内での食物繊維の働きが明らかになり、その重要性が認識されるようになったのです。

現代病を防ぐ食物繊維の働き

 食物繊維の研究が進むにつれ、その重要な働きが徐々に明らかになってきました。ここでは、現代人に不足している「食物繊維」の幅広い効果を見ていきます。

(1)カロリーの摂り過ぎを防ぎ、消化器官の働きを助ける

 「不溶性食物繊維」の多い食品は、パサパサして硬いため、よく噛まないと飲み込めません。そのため自然にゆっくりと食べるようになり、早食いによる過食が防がれます。食物繊維が、食品の水分や唾液・胃液などと混じり合ってふくれ、長く胃にとどまって満腹感が持続します。
 さらによく噛むことで歯ぐきやあごが強くなり、唾液も多く分泌されるようになります。唾液にはアミラーゼ(デンプン分解酵素)が含まれており、消化が助けられます。また唾液には解毒成分も含まれています。唾液の解毒作用はかなり大きく、有害物質の種類によっては、毒性を何十分の一にまで低下させることができると言われます。
 噛む動作(咀嚼) は、一定のリズムを伴った運動で、セロトニンの活性化に役立ちます。
 なぜ、唾液=つばを出すのがいいのかといいますと、唾液には、アミラーゼと言う酵素が入っていて、食べたものを消化することを助けてくれるほか、成長ホルモンも含まれています。この成長ホルモンは、傷ついた細胞を修復したり、新陳代謝を促し老化防止するなどミトコンドリアを守ってくれる要素があるからです。
 すなわち、唾液の量が多いと、それだけミトコンドリアが守られ、数が減るのを防いでくれると言うことです。また、味蕾の感覚を鋭敏にするとも言われています。
 成人が一日に出す唾液量は、0.5ℓから1.5ℓといわれています。
 平均値だけ見ても1リットルもの開きがあるのです。
 この量を増やすだけで、あなたのミトコンドリアは守られ、若さを保つアンチエイジングの効果もあります。

(2)ブドウ糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を防ぐ

「水溶性の食物繊維」は、胃の中で水分を吸収してゲル状に固まり(粘度が増し)、血糖のコントロールを助ける働きをします。食物繊維が胃の中で他の食べ物を包み込んで固まると、食べ物が胃から小腸にいくスピードが遅くなり、ブドウ糖などの栄養素がゆっくりと吸収されることになります。それによって食後の急激な血糖値の上昇が抑えられ、低血糖症や糖尿病の予防につながります。

 水溶性食物繊維だけでなく「不溶性食物繊維」も、ブドウ糖の吸収をゆるやかにします。たとえば玄米などのように精製度の低い穀類に含まれるデンプンは、食物繊維でしっかりと包まれています。これを消化するには、食物繊維の外皮を少しずつはがし、ブドウ糖を1つ1つ切り分けていかなければなりません。そのためブドウ糖は、ゆっくりとしたペースで吸収されることになります。(デンプンは炭水化物の1種で、非常にたくさんのブドウ糖からできている多糖類です。)
  「インスリンの過剰分泌→〝酸化ストレス・炎症体質〟→片頭痛発症 という図式がありますので、食後の急激な血糖値の上昇は、片頭痛治療上、必須となってきます。

(3)脂肪・胆汁の吸収を抑え、血中コレステロールを減少させる

「水溶性食物繊維」は、コレステロール・脂肪・胆汁などの吸収を抑制し、血中コレステロールを減少させる働きがあります。ゲル化した食物繊維は、腸内で脂肪やコレステロール・胆汁などを包み込み、その吸収を妨げて排泄を進めます。
 食物繊維が「胆汁」の排泄を促すことで、体内でのコレステロールの消費が増し、血中コレステロールを減らすことができると言われます。肝臓でコレステロールからつくられる「胆汁(胆汁酸)」は、腸内で脂肪と結びつき、小腸における脂肪の吸収を助けます。その胆汁を食物繊維が吸着し、便として排泄させることで、結果的に血中コレステロールが減少することになります。

(4)便通をスムーズにして、有毒物質の排泄を促進する

 「不溶性食物繊維」は、水分を吸収して数倍から数十倍(20~30倍)にもふくれるため、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を活発にします。水を吸って適度に軟らかでボリュームのある便は、腸内をスムーズに進み、無理なく排泄されることになります。「水溶性食物繊維」も、便通を助けます。食物繊維を材料にして「腸内細菌」が発酵を進め、その発酵物質が腸の蠕動運動を促し、自然な排便をもたらします。
 このように食物繊維の働きで便通がよくなり、便が腸内にとどまる時間が短くなり、腸内環境の悪化が防がれます。それによって発ガン物質・有毒物質の生成・吸収が抑えられ、排泄が促進されます。食物繊維には、食品や空気から取り込まれた農薬や重金属・有害化学物質などを吸着して、排泄させる効果もあります。
  またスムーズな便通によって力まずに排便できるため、痔や憩室症(腸内の圧力によって大腸に突起ができ、炎症を起こす病気)などが防がれ、静脈瘤の予防にもつながります。

(5)腸内細菌(有益菌)が働きやすい環境をつくる

 「水溶性食物繊維」は、大腸内で腸内細菌の“エサ”になり、細菌が働きやすい環境をつくります。腸内細菌は食物繊維を発酵させ、人体にプラスとなる多くの発酵物質を生成します。食物繊維が材料となって生み出された「発酵物質(酸性物質)」は、腸内のPHを弱酸性に保ち、腸内の腐敗からくる「有害菌」の繁殖を抑えます。そして「有益菌」が生育・活動しやすい環境をつくり出します。
また「不溶性食物繊維」は、ほとんど消化・分解されませんが、腸内細菌が住みやすい環境をつくるのに役立ちます。(一般に有益菌は「善玉菌」、有害菌は「悪玉菌」と呼ばれています。)
その他にも食物繊維には、さまざまな効用があります。海藻に含まれる「アルギン酸」は、消化管内のナトリウムの排泄を促し、ナトリウムの過剰摂取による害を防ぎます。また肝機能や免疫力を高める作用なども知られています。
キノコ類に含まれる「ベータ・グルカン」は、免疫力をアップし、ガンをはじめとする生活習慣病の予防に役立つと言われます。動物性食物繊維の「キチン・キトサン」も、その幅広い効果が注目されています。
腸内環境の悪化は、片頭痛体質である「酸化ストレス・炎症体質」を形成します。


 このように「食物繊維」のもたらすメリットは多くありますが、「(4)便通をスムーズにして、有毒物質の排泄を促進する」「(5)腸内細菌(有益菌)が働きやすい環境をつくる」というのが、最も重要な働きです。腸内環境を改善し、腸内細菌のエサになってその働きを助けることが、「食物繊維」の最大の効用と言えます。

片頭痛治療での食物繊維の重要性

 食物繊維には、食品や空気から取り込まれた農薬や重金属・有害化学物質などを吸着して、排泄させる効果もあります。(デトックスの役割)
 食べ物が胃から小腸にいくスピードが遅くなり、ブドウ糖などの栄養素がゆっくりと吸収されることになります。それによって食後の急激な血糖値の上昇が抑えられます。
 そして、腸内環境を改善し、腸内細菌のエサになってその働きを助けることが、「食物繊維」の最大の効用と言えます。(腸内環境を整える役割)

 食物繊維は、このようにして、片頭痛体質である「酸化ストレス・炎症体質」の改善にとって、極めて重要な位置を占めています。

目次へ


43.片頭痛治療上、便秘はなぜよくないの???

頭痛や肩こりは便秘による”腸内環境の悪化”が原因


  実は、便秘が頭痛の原因となることがあるというのを知っていますか。
 便秘が慢性化すると、それが原因で頭痛が起こる場合があります。
 便秘が続くと、お腹が苦しくなったり痛くなったりするだけではなく、肌荒れでニキビや吹出物、口臭がくさいなど、いろいろな体の不調が起こってきます。
 それは、便が腸内に留まることで腐敗し、有毒なガスを出すことによるものです。
 便秘している腸内からは、インドール、スカトール、アンモニア、アミンなどといった猛毒物質が発生しており、これらが腸から吸収され血液と一緒にあなたの身体中を巡ります。有毒なガスや腐敗した便は適度な時間に排出されないと、再吸収といって、有毒なガスや毒素が腸の壁から血液中に取り込まれ、毒素が体にまわってしまうことで、様々な不調が起きると考えられています。
 その症状のひとつに頭痛も挙げられ、便秘が解消すると頭痛が治る人は便秘が原因だったということになります。
 便秘が続くと、体がだるくなるという人も多いのではないでしょうか。
 血液に有毒な物質が混ざって全身を巡ることで、筋肉にも毒素や疲労物質が溜まりやすくなり、体のだるい感じや肩こり、腰痛などを起こすのです。
 この筋肉の緊張によって緊張性頭痛を起こすと考えられます。
 また、血行不良により脳に循環する血液量が減り、血管がストレスを感じることで拡張し、ズキズキと頭が痛むということも考えられます。
 便秘になるとイライラ・カッカしたりと怒りやすくなったり、不機嫌になるのは毒素のせいでストレスを感じているからです。

自律神経の働きが狂う

 また、自律神経が関係している場合もあります。便秘、頭痛ともに、大きく関係しているのが自律神経です。
自律神経は呼吸、体温調節や血液の循環、消化吸収など生命を維持するのに重要な機能を司っています。ところが、便秘が慢性化して腸内環境が悪化すると、自律神経のバランスが乱れるのです。自律神経は、血管の収縮や拡張などもコントロールしていますので、便秘によって自律神経が乱れたとき、血管の収縮・拡張のバランスも崩れてしまいます。
 それにより片頭痛が引き起こされるという見方もあります。
 悩む人が多い慢性便秘ですが、体内に老廃物を長期間留めている状態は宿便が溜まっている状態のことを指し、頭痛をはじめとする様々な症状を引き起こしてしまうのです。
 また、運動不足やセロトニン不足で腸の蠕動運動がにぶくなって便秘になりやすくもなります。このセロトニンが不足するとイライラしたり、キレやすくなったりします。
すぐ怒るようになったという人も含まれます。
 セロトニンを増やすには睡眠をしっかりとると増え、運動であれば、リズム運動でも増やすことができます。
 ちなみにリズム運動とは、一定のリズムで筋肉を緊張させたり、緩めたりを繰り返す運動のことですが、一定のリズムとは、同じ速度で歩く、走る、泳ぐ、踊る、こぐ、階段の上り下りなどをすることをいいます。
 でも、運動する時間がないとか、運動はイヤという人や運動していてもセロトニンが不足する、といった人などは、合わせて食事で補なうと良いです。
 便秘を改善するためには適度な運動や食生活を心がけ、自律神経のバランスを整えることが大切です。
 下剤で一時的に排便できても、便秘を根本的に改善しないことには自律神経の乱れも治らず、頭痛の改善にはつながりません。
 下剤にばかり頼っていると、下剤の副作用である大腸メラノーシスになる可能性があり、大腸メラノーシスとは大腸の中が真黒くなることで、大腸の機能が低下するとともに大腸ガン発症のリスクを高める症状です。
 その場しのぎの方法では完治させることができないということです。
 ですから、日頃から、腸内環境を整えるようにするために、何を取り入れ、何を止めるのかをしっかり把握し、便秘も頭痛も根本治療しましょう。

腸内環境の悪化の要因

 腸内環境はいろいろな原因で変化しますが、なかでも食生活は大きな影響を及ぼします。

 欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。食物繊維が不足した「不健全な食事」では、腸内細菌のよい働きを引き出すことはできません。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。

 抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。

 こうした食事やライフスタイルの間違いが、腸内細菌のバランスを崩し、人体にマイナスの働きを引き出すことになってしまいます。人間と共存・共生している細菌のトータル的な働きを、よい方向に向けられるかどうかは、人間サイドの姿勢によって決まるのです。
 特に食事のよし悪しは、腸の健康にとって決定的ともいえる重要性をもっています。高タンパク・高脂肪の肉や牛乳などを減らし、野菜料理に漬物や納豆などの発酵食品を加えた伝統的な日本食にすれば、“腸内フローラ”の崩れたバランスは回復し、健康を取り戻すことができるようになります。「食物繊維」の豊富な食事によって、腸内細菌をよい状態に維持することができるのです。欧米型の食事をやめて、野菜や発酵食品を中心とした伝統的な日本食にすることが、腸内細菌をよい状態に保つ強力な方法となります。腸の健康のためには、真っ先に「食事改善」に取り組まなければなりません。


腸内環境は健康維持には欠かせません

 腸内環境の大切さは、あなたもよく知っているはずです。毎日欠かさすヨーグルトや乳酸飲料をとったりしているのではないですか?
 腸内には、おもに小腸の粘膜部分などにいる「常在細菌」と、大腸で食べたもの(内容物)に生息する「腸内細菌」の2種類がいます。常在細菌は母親から受け継いでいて、小さい頃の食習慣や生活環境によって育まれ、少年・少女期にはほぼ「確定」し、あとは通常、死ぬまでそのままです。
 ところが、抗生物質を長期間とったり、大きなストレスを受けたり、糖質制限や無理な断食なんかをするとダメになってしまい、一度そうなると復活しません。とても繊細ですから大事にして下さい。
 なぜ大事にしたいかといいますと、常在細菌もトリプトファンからナイアシン(ビタミンB3)をつくってくれるからです。常在細菌がナイアシンをたくさんつくってくれれば、その分を体内でつくる必要がなくなって、脳内セロトニン用の材料となるトリプトファンを余分に確保できるのです。
「腸内細菌のために、毎日ヨーグルトを食べなきや!」と思ったあなた、それちょっと待って下さい! 腸内環境を悪くするのは、肉類や乳・乳製品といっだ動物性タンパク質”たっぷりの食事です。ですから、ヨーグルトはむしろ逆効果なのです。
 ヨーグルトで善玉菌を増やそうと思ったら、毎日数リットル単位で食べないと意味がありません。このようなことは土台無理な話です。
「ヨーグルトはカラダにいい」と信じている女性は多いと思います(男性も?)。でも、毎日相当な量を食べないと効果は期待できないようです。なぜでしょう?
ヨーグルトの原料は牛乳。だから含まれる乳酸菌は動物性”で、これが日本人の体質にはあまり合わないのです。
わたしたち日本人は長いあいた、西欧人とはちがって乳製品をほとんど食べない生活をしてきました。ですから、そもそも動物性乳酸菌とは相性がイマイチなのです。それに比べると、お漬物などに含まれる“植物性乳酸菌”はすっと食べてきたものですから相性がよいのです。ラブレクラウト(後藤日出夫先生の提唱されるものです)には「ラブレ菌」という植物性乳酸菌がたっぷりと含まれているので効果も出やすいというわけです。
「それなら、ラブレ菌の入った乳酸飲料を飲めばいいんじゃない?」と思うかもしれません。でも、とり方も大事なのです。
 腸内で細菌が生きていくには、仲間同士で集まって、他の集団と戦ったり共存したりする必要があります。この集まりを「細菌叢」といい、この状態をつくらないと細菌は生きていけません。
 ヨーグルトや乳酸飲料の場合、乳酸菌たちが細菌叢をつくれず無防備な状態のまま、胃酸や胆汁、免疫や他の細菌の攻撃を受けてしまうため、ほとんどが負けてしまって腸まで届きません。
 一方、ラブレクラウトの場合、乳酸発酵したキャベツ自体にラブレ菌が定住します。いわば食物繊維にラブレ菌が守られているような状態です。食物繊維は消化されにくいので、“船”のようにラブレ菌を腸まで運んでくれるのです。

 このことは、明日詳しく述べる予定です。


腸内環境と免疫

 食事から取り込んだ栄養を、吸収し体のすみずみに届けることが、腸の大切な役割です。
 さらに栄養を吸収するだけでなく、口から入ってきた食品と一緒にはいってくるウィルスや病原菌の進入を食い止めるという重要な役割をもちます。腸には、免疫細胞の6割以上が存在し、腸内環境を整えると免疫力がアップするといわれています。
 腸の中には、数百種類、数百兆個以上の細菌が住んでいると考えられ、人の体によい「善玉菌」やわるい影響を与える「悪玉菌」などが、せめぎあってバランスを保ちながら存在しています。
生活習慣の乱れや加齢によっても変化する腸内環境は、突然、あるいは徐々にそのバランスを崩してしまうことがあります。
 腸内の善玉菌の数が減って悪玉菌が増えると、腸内バランスが崩れ、栄養をきちんと取り込むことができなくなるだけでなく、風邪をひきやすくなったり、便秘や下痢などの不調を引き起こします。
 腸は、木でいえば根っこにあたる部分です。根っこが弱ければ、木は丈夫に育つことができません。
 腸内環境を整えて、腸をよい状態に保つことが、健康で丈夫な体を維持することに大きく関わっているのです。

 腸内環境の乱れとして実感する便秘は、多くの方が抱えていらっしゃる悩みの1つです。
 便秘は、便の水分が少なく硬く排便が難しい状態をいいます。
 年齢とともに、筋力が衰え便を押し出すことができず便秘になる場合や、ストレスで自律神経のバランスがみだれ、便秘になることもあります。
 女性に多いのは、排便を感じても外出先などで我慢をして、タイミングを失い便秘になってしまうケースです。
 腸内に便が長い間溜まると、腸内環境が乱れるだけでなく、便が腸内の悪玉菌のエサとなって、ますます悪玉菌が増え有害物質や、おならの元となるガスを発生させます。
 更に、便秘が続くと、有害物質が腸壁から吸収されて、血液中をめぐり、肌荒れやにきび、腹のはり、おなら、げっぷ、頭痛、口臭や体臭などの不快な症状だけでなく、様々な病気にも繋がることもあります。
 便の状態は、健康のバロメーターです。自分の排便のペースや便の色や状態を普段から気にかけるようにしましょう。
 1週間に排便が3回未満であれば、便秘といわれますが、理想は、毎日決まった時間にお通じがあることです。
 毎日体内の不要なものが排泄されると、腸の善玉菌を増やす環境も整いやすく、有害物質が腸壁から吸収される心配もありません。

 腸内環境を整えるために、悪玉菌が増えないように腸の中をきれいにして、善玉菌を増やしましょう。
 悪玉菌を増やさないようにするには、腸の中の老廃物や便をすっきり出すことが大切です。
 腸の掃除をするのに役立つのが、食物繊維です。
 食物繊維には、海草類などに含まれる水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、根菜類に含まれる水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。
「水溶性食物繊維」には、血糖値や血中コレステロールの上昇を抑える働きがあり、「不溶性食物繊維」には、水分を吸収して膨らむことで、腸壁に溜まった老廃物を掃除するだけでなく、腸を刺激し、便を出すために腸が動きだす蠕動運動を高めます。
 便秘が気になる場合には、「不溶性食物繊維」を意識して摂るようにしましょう。

 腸内の善玉菌と悪玉菌は、排便と同時に体外に出てしまうので、ぜひ食品から、積極的に乳酸菌などの善玉菌をとりいれましょう!
 ヨーグルトや味噌、漬物に含まれる乳酸菌は、腸の働きを整えるだけでなく、アレルギー症状を抑える働きや免疫力アップ、美肌、などの働きが期待できます。また、乳酸菌が腸内で、ビタミンB群を作りだすことがわかっています。赤血球をつくるときに必要なビタミンB12が不足すると貧血になりやすいことから、乳酸菌が貧血予防にも役立つといわれています。乳酸菌には、たくさんの種類がありそれぞれの特徴をもっているので、組み合わせて摂るとよいでしょう。野菜に含まれる「食物繊維」や「オリゴ糖」などは「乳酸菌」のエサになるので、腸内環境を整えるのにとてもよい組み合わせです。


腸内環境を整えるためには

1)肉の多い食事をやめる


 腸内の悪玉菌の大好物は、肉などたんぱく質や脂肪を多く含む食品です。
 ハンバーガーなどのファーストフードは悪玉菌が好む典型的な食事といえるでしょう。
 悪玉菌はたんぱく質やアミノ酸を分解し、悪臭のする有害物質を作り出します。便秘や下痢、肌荒れ、腸炎はもちろん、これらの物質が身体中に運ばれ、動脈硬化、高血圧などの病気の原因にもなります。
 肉類は悪玉菌の格好のエサです。この点を忘れてはなりません。肉食の多い欧米人の片頭痛は日本人に比べ、強度なことは、ここに原因があります。
 肉の食べ過ぎでニトロソアミンと二次胆汁酸がそろうと、大腸がんのリスクが跳ね上がります。

2)食物繊維や発酵食品を摂取する

 食物繊維は、便の元となり腸を刺激して便通につながる「不溶性食物繊維」と、腸内で水に溶けて有害物質を吸着し体外へ排出する「水溶性食物繊維」に分けられます。
不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよくとることで、おなかの中をよりキレイにすることができます。
 水溶性食物繊維を多く含む食べ物には、りんご、バナナなどの果物類、しいたけ、えのきだけなどのきのこ類、わかめ、こんぶなどの海藻類があります。
 不溶性食物繊維を多く含む食べ物には、大豆、いんげん豆などの豆類、ブロッコリー、ごぼうなどの野菜類、さつまいも、さといもなどのいも類があります。
 この二つをバランスよく摂取しましょう。
善玉菌を増やすにはヨーグルト、漬物、納豆、チーズなど発酵食品を食べることです。

3)適度な運動をする

 運動不足になると、腹筋が弱まり、腸の蠕動運動が弱まって便秘になりやすくなります。運動をすれば腸が揺れて動きが活発になるが、強すぎる運動は交感神経を興奮させます。 交感神経が興奮すると腸は動かなくなりますので、むしろ軽い運動がいいのです。
 過度な運動は逆効果です。軽い腹筋運動や、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的。

4)ストレスを貯め込まない

 ストレスがたまると、自律神経のバランスが乱れ、腸の運動が悪くなって便秘が起こりやすくなります。
 健康な腸内細菌を持つ個体は、不安や心配などのストレスが少ないのが普通です。
 腸の健康を保つためには、副交感神経が優位となる「リラックスして過ごす時間」をバランスよく確保することが必要になります。
 自分に合ったリラクゼーション方法を見つけて、腸内環境を良くしましょう。

5)腸内環境を整える「善玉菌」のヒミツ

 女性の大半がかかえている便秘の悩みです。便秘になると、腸内に悪玉菌が増殖します。 悪玉菌が増えることでさらに便秘は悪化し、負のスパイラルに陥ってしまいます。そこで、腸内環境を整えてくれる『善玉菌』に注目しましょう! 腸内をクリーンにしたら、次のステップとしては善玉菌を増やすことが重要なのです。ここでは、善玉菌を増やしてくれる食べ物をご紹介します。

その1:『生きた乳酸菌』を含むヨーグルト

 乳酸菌は悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。乳酸菌は体内に存在していますが、加齢とともに減少してしまいます。しかも、ストレスの多い現代人は、乳酸菌の減量スピードも速いのだとか。そのために、乳酸菌を含む乳製品を外部から摂取する必要があるのです。ヨーグルトは朝食べることで腸が1日中活発になります!
 乳酸菌と言えば、一番に思い浮かぶのがヨーグルトです。でも、先程述べたように”ヨーグルトなら全てOK”というわけではありません。乳酸菌は胃酸などによって死滅しがちなので、しっかりと生きて腸に届くものをチョイスする必要があるのです。
 この点も明日述べる予定です。

・その2:『植物性乳酸菌』を含む発酵食品

 善玉菌の増殖をサポートしてくれる、発酵食品。いま流行りの発酵食品ですが、たとえばキムチや漬物、味噌、コウジなどが挙げられます。
 おなじみキムチなら手軽に植物性乳酸菌チャージ!
 これらは『植物性乳酸菌』とよばれるものです。同じ発酵食品でもチーズなどの『動物性乳酸菌』よりも、生きて腸まで届きやすいという特徴があります。

その3:『オリゴ糖』を含む大豆製品

 大豆製品には、食物繊維がたっぷり含まれています。特にオススメなのが納豆ですが、納豆には善玉菌の増殖をサポートするオリゴ糖も含まれています。
 納豆が苦手な方は、豆乳、おからなどでもOKです。
 さらに、悪玉菌の増殖を阻害するのに役立つリノール酸も入っているので一石二鳥! 
 腸内をクリーンにしながら、さらに善玉菌を増やして健康な腸へと導いてくれるのでとても効率的です。納豆は健康な腸づくりのためにはパーフェクトな食べ物と言えるかもしれません。


「万能健康ジュース」「ラブレクラウト」の勧め

 この腸内環境の改善のためには、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、「万能健康ジュース」「ラブレクラウト」を以下のように勧められています。

 重度の便秘(便秘薬に完全に依存するなど)でなければ、「万能健康ジュース」を始めて数日で便秘解消と減量(ダイエット)の効果が現れ始めます。
 腸内細菌が乱れている方は当初下痢になることがありますので、下痢を起こした時は、いったんジュースの量を減らし徐々に通常量に戻すようにしてください。
 下痢の改善が目的であれば、「ラブレクラウト」を摂ることを優先し、便通が正常になってから「万能健康ジュース」を始めると良いでしょう。
 また、基本処方の「万能健康ジュース」で便秘が改善されない時は、まずニンジン(生)の量を増やします。次に、ビタミンCを3g~6g(1.5~3g/人)程度まで増量すると効果が現れることも多いようです。
 大さじ一杯程度のオリーブ油を加えることにより便秘改善効果が現れた方もおられます。
 また、便秘改善には「ラブレクラウト」の効果も大きいように思いますので、是非「万能健康ジュース」とともに「ラブレクラウト」の両方を併せて実践してください。
 それでも便秘が改善しない場合は、原因に精神的なストレスや運動不足、セロトニン不足のような他の要因が大きくかかわっていますので、そちらを直すことを優先してください。


 「万能健康ジュース」「ラブレクラウト」については、今後述べる予定です。


 以上、便秘は腸内環境の悪化、脳内セロトニンの低下によって起きてきます。腸内環境は免疫と関係があり、脳内セロトニンの低下は自律神経系と関係し「ホメオスターシス三角」の一角を担っており、「酸化ストレス・炎症体質」を形成しています。

目次へ


44.そもそも”ラブレ菌”って何???

私たちの腸にとって大切な役割をしてくれるのが乳酸菌です。
乳酸菌には様々な種類がありますが、最近注目されている乳酸菌といえば「ラブレ菌」ではないでしょうか。CMなどで聞いたことのある人は多いと思います。
 ラブレ菌は「ラクトバチルス ブレビス サブスピーシス コアギュランス」という長い正式名称が付いています。
 ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士が、京野菜である「すぐき」というカブの一種の漬物から発見しました。
 1993年にはマスコミで報道され、日本で生まれた乳酸菌として大きな話題になり、注目されるようになりました。
 健康志向が強いアメリカでも「マジックピクルス」などと称されて注目される食品となっています。
 ラブレ乳酸菌は他の植物性乳酸菌と同様に、生きたまま腸まで届いて悪玉菌の増殖を抑えたり、便通を良くしたりといった働きをしてくれますが、これらの働きとは別に、ガンやエイズなどの大きな病気を予防するといった働きもあると期待されています。
 ラブレ菌を含む「すぐき漬」は、京都の三大漬物の1つで独特の味わいのある漬物です。 ラブレ菌が注目されるようになり、すぐき漬を買い求める人も多くなっていて在庫切れの販売店も多いようです。

 以上のように、ラブレ菌は、「すぐき漬け」から発見された植物由来の乳酸菌です。酸の強い漬けものの中に存在できることで、体内の酸にも大変強く、強力な生命力で生きたまま腸に届くのが特徴です。
 整腸作用による便秘解消、美肌効果や、免疫力を高める効果、コレステロール値を下げる効果のほかにも、アレルギーを抑制する効果などが期待できます。NK細胞はガン治療にも用いられていますが、ラブレ菌はNK細胞を活性化させる働きがあるため、治療のサポートとしても活躍してくれます。
 ラブレ菌は、便秘や肌荒れに悩まされている女性だけでなく、生活習慣病に悩まされている人すべてにぴったりの乳酸菌だといえます。

ラブレ菌でガンやインフルエンザのリスク低減!?

 ラブレ菌とは京漬物“すぐき”から発見された乳酸菌で、整腸作用や免疫賦活に効果があると言われてきました。そんな免疫力を高める効果を持つラブレ菌を含む飲料が、インフルエンザ予防にも有効であるということがカゴメの研究で明らかにされました。
 カゴメは約3000人の小学生を対象とする大規模な調査を行いました。その調査によれば、対象者にラブレ菌を含む飲料を継続摂取させたところ、摂取した児童のインフルエンザ罹患率は、摂取しなかった児童に比べて明らかに低いことが確認されました。
 つまり、ラブレ菌飲料を続けて飲むことでインフルエンザのリスクを低減できる可能性が示されたということです。
 参考までに、乳酸菌のインフルエンザ予防作用についてはこれまでにも報告はいくつがありますが、今回のように、地域的な影響を考えて狭い地域内で行われた数千人規模の比較調査は、なんと世界でも初めてです。これはかなり信憑性の高い結果です。

 塩分と酸の濃度が高い過酷な環境で生き抜くラブレ菌は、胃液・腸液などの乳酸菌の生存を脅かす消化液に強く、腸までの生存率が高い乳酸菌です。
 乳酸菌は、腸内で活動して乳酸を作り、悪玉菌が生存しにくく、善玉菌が活動しやすい弱酸性の腸内環境を実現するので、下痢や便秘といった腸内環境の悪化による便通の不調を改善します。
 また、腸内で悪玉菌が出す毒素は、肌荒れの原因になるので、悪玉菌の減少による美肌効果も期待できます。
 一方、ラブレ菌はがん細胞やウイルスの侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質の「インターフェロン」の生成を促進させる効果があります。
 インターフェロンが生成されやすくなると、腫瘍細胞の発生や病原体などに素早く対応できるようになるため、身体の免疫機能が強化されます。
 特に、ラブレ菌が生成を促進させる「インターフェロンα」は、ガン細胞やウイルスを攻撃して感染症から身を守るために特に重要な「NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)」を刺激して活発化させる機能を持っていますので、ガンやウイルス感染などの重大な疾患への防御力を効果的に高めることができます。
 この他にも、ラブレ菌には、コレステロール値を下げて動脈硬化や脳血管障害、心臓疾患などを予防したり、アレルギーを抑制したりといった様々な効能があります。
 植物性の乳酸菌であるラブレ菌は腸内にほとんど定着することはありませんが、毎日、継続して摂取すれば理想的な腸内環境を維持することはできます。
 サプリメントや乳酸菌飲料などを上手に利用して、定期的な摂取を心がけることが大切です。

意外にも、ラブレ菌を配合した市販ヨーグルトはない

 ラブレ菌を摂取したいのなら、 飲み物・ サプリメント、 このどちらかになるでしょう。
 ラブレの飲み物はカゴメがだしているラブレがスーパーにいけばあるでしょうし、乳酸菌サプリメントはいろいろなメーカーがラブレ菌を配合した乳酸菌サプリメントを販売しているので、ラブレ菌を配合しているサプリメントの数は多いです。
 ラブレ菌を配合したヨーグルトはありませんが、ラブレ菌は摂取しやすい乳酸菌といえるでしょう。
 ただヨーグルトを食べるのが趣味で、ラブレ菌を配合したヨーグルトがほしいという人には、目的の製品がないということになってしまいます。
 自分でラブレ菌を植え継ぎして、自作ヨーグルトを作成する人もいるかもしれません。


 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生が考案されたのが「ラブレクラウト」です。

「ラブレクラウト」

 ラブレクラウトの「ラブレ」は、ラブレ菌のラブレです。最近、「ラブレ乳酸飲料」が次々に発売されているので、あなたも知っているかもしれません。先程も述べたように、京都の伝統的なお漬物「すぐき漬け」から発見された植物性乳酸菌で、腸内で酢酸や乳酸などをつくり、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。また、腸の新陳代謝を活発にしてくれるので、消化吸収力や免疫力を高めてくれるといわれています。実際、すぐき漬けをいつも食べている人ほど、がんの発生率が平均値よりも低いというデータがあり、ここに着目されました。
「グラウト」はザワークラウトのクラウトです。ビア・レストランなどでソーセージと一緒に出てくるキャベツの塩漬けです。腸内環境を整える乳酸菌(善玉菌)がたくさん含まれていることから、かつて永い航海に出る西欧人たちが、不足しがちなビタミンを補給するために作り出した食べものです。
ザワークラウトの主役であるキャベツには、「キャベジン」と呼ばれるビタミンUが豊富に含まれ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防する働きがあり、「食べる胃腸薬」といわれています。
 また、キャベツに含まれる辛み成分には解毒作用や抗酸化作用があることも知られています。さらに、血管をやわらかくして血流もよくなりますから、肩こりや片頭痛の女性にはうれしい食べものです。

ラブレクラウトに、なぜキャベツが???・・

 キャベツは古くから「食べる胃腸薬」として利用されてきましたように、キャベジンとも言われるビタミンUを含んでいます。
 ビタミンUは胃・十二指腸潰瘍の予防や治療に用いられ、胃酸の分泌を抑え、肝臓の脂肪蓄積を抑制する作用があります。
 キャベツに含まれるイソチオシアン酸塩には抗酸化酵素の生成を促し、解毒酵素を活性化することで肝臓の解毒力を高める作用があります。
 また、発酵の過程でイソチオシアン酸塩の生成は促進されますので、生のキャベツを摂取するよりも効果が高まることになります。
 最近、がん予防や解毒効果で話題になっていますブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファン(イソチオシアン酸塩の一種)と同じ成分です。
 ブロッコリースプラウトには多量のスルフォラファンが含まれていますが、量的にさほど多くを摂ることは難しいのではないでしょうか。
 その点、「ラブレクラウト」では量的にも比較的多く摂ることができます。
 また、抗酸化作用のあるビタミンCは摂取後数時間で尿から排泄されてしまいますが、スルフォラファンは抗酸化物質としての効果が三日間と長く持続するといわれています。
 このようなことから「ラブレクラウト」を毎日、摂り続ければ癌の発症や転移を予防する可能性が高まります。
 その他に、イソチオシアン酸塩は「血小板の凝集」を抑え、血管を柔軟にし、血圧を下げ、血流の流れをよくする作用があります。
 朝食時の「万能健康ジュース」と一緒に「ラブレクラウト」を摂ると胸焼けの原因となることがあります。
 胸焼けを起こすようであれば、「ラブレクラウト」を朝食時以外の食事毎にとるか、「万能健康ジュース」の一材料として用いてください。
 また、イソチオシアン酸塩にはピロリ菌の殺菌効果、皮膚や目の紫外線によるダメージを防御する作用があります。
 なお、発酵中にキャベツに含まれるビタミンCや葉酸が減少することはありませんので、発酵食品である「ラブレクラウト」には漬ける前のキャベツに含まれるビタミン類のほとんどは残存します。
 イソチオシアン酸塩:ワサビ、カラシ、大根、ブロッコリー、ケール、キャベツなどのアブラナ科植物に含まれるフィトケミカルの一種。抗癌・抗菌作用があり、抗酸化力は長時間(約3日間)作用し続け(ビタミンC、Eは数時間)、癌予防効果は高いといわれています。
 一方、甲状腺へのヨウ素取り込みを阻害し甲状腺腫などの原因となりうるのですが、日本では土壌に多くのヨウ素を含み全ての食品を介してヨウ素が豊富に摂取されることやヨウ素を多量に含む海産物の摂取量が多いことなどから、むしろヨウ素の過剰摂取が懸念される状況にあり、問題を生じる可能性は少ないといえます。

腸内環境を整えるために「ラブレクラウト」を

 ラブレクラウトは、癌予防・癌転移予防、および腸内細菌の健全化の目的で作られています。(癌予防ということは、活性酸素の発生を抑えることを意味しています)
 健康に良いと思っている魚介類と野菜の組み合わせの食事をすると発癌物質ができるということは余り知られていないのではないでしょうか。
 実は、魚介類や肉類に含まれている第二級アミンという物質と、野菜や漬物に含まれている硝酸塩(または、亜硝酸塩)という物質は胃の中で反応をし、ニトロソアミンという発癌物質を生成するのです。
 特に日本人に胃がんが多いのはこのニトロソアミンのためであるとも言われています。 勿論、ニトロソアミンは癌の転移にも影響を与えます。
 魚介類は特に第二級アミンを多く含みますので、魚介類を多く食べる日本人にとって、癌といえばまず第一に考えなければいけない大きな問題なのです。
 これらのことを踏まえ、癌に援軍を送らず、押さえ込もうと作られたのが「ラブレクラウト」です。
 ビタミンCは胃の中でこの第二級アミンと亜硝酸塩の反応を阻害します。
 また、キャベツには体内での発癌物質の生成を抑制するイソチオシアン酸塩という抗癌物質が含まれています。
 
 腸内で活躍するラブレ菌にもNK細胞を活性化し癌を抑制する効果があるといわれています。
 このように「ラブレクラウト」は胃の中、腸内、体内で発生する発癌物質を何段もの防御体制で癌を制圧するように考えられています。
 また、日本古来の漬物は善玉乳酸菌などを効率よく腸内に取り込むことはできるのですが、概して塩分が高いため、多く摂ることは好ましくありません。
 しかし、「ラブレクラウト」は塩分が少なく比較的多く摂取できるように作られていますので、腸内細菌の改善には絶大なる効果を発揮することができるのです。
 また、「ラブレクラウト」は腸内細菌を健全化し、癌を予防したり癌の転移を防ぐ目的以外にも、ビタミンUによる胃を丈夫にする効果も期待できます。


「ラブレクラウト」の名の由来

「ラブレクラウト」の名の由来は「ラブレ菌」と「ザワークラウト」を組み合わせた造語です。
「ザワークラウト」は比較的塩分の少ない北欧で発達した乳酸発酵食品の一種で、ソーセージなどと一緒に食卓に供されることの多いすっぱいキャベツの漬物です。
 一方、日本古来の漬け物は美味しく、少量で塩分の補給になるものが多く、長い間重宝されてきました。
 しかし、今日の食生活では日本古来の漬け物を多く摂ると、塩分を必要以上に摂りすぎることになります。
 そのため、腸内細菌が歓迎するほどの漬け物を摂取することは逆に塩分の摂りすぎによる健康を損なう可能性を高めてしまうことになってしまいます。
 そこで日本古来の乳酸発酵した漬け物に含まれている乳酸菌の優等生である「ラブレ菌」と塩分が少なく比較的たくさん食べることができるドイツ発祥の「ザワークラウト」を組み合わせて、作り出した究極の漬け物が「ラブレクラウト」なのです。
 効能については「ラブレ菌」と「ザワークラウト」の各々のものを後ほど述べますが、「ラブレクラウト」が腸内細菌に良いことと、「酸化ストレス・炎症体質」の改善に有効であることは多くの実践結果から確かめられています。
 こういったことから、片頭痛治療にも応用されています。
 特に、肉類、魚介類などの動物性のタンパク質と一緒に摂るとその効果を直ちに実感できます。
 摂取を継続することで体調が良くなっていることは必ず実感できるようになります。
 「ラブレクラウト」は食事毎にそのまま漬け物として一日100~150グラム程度を目安として摂ると良いでしょう(多くて摂っても問題はありません)。
 食事の最初に酢の物の代わりに食べると血糖値の上がり方が緩やかになり、食事の量も減ることになります(ダイエット効果が増す)。
 勿論、ザワークラウトのように加熱調理をして食べることも可能ですが、生きたまま善玉菌を大腸まで送り届けるためにも、加熱しないで摂られることをお薦めします(かなり酸っぱいので好き嫌いはあるかも知れませんが)。
 また、酸っぱいのが苦手な方かたは、浅漬けでいただくと随分食べやすくなります。
 美味しく頂くのが一番ですが、体質を改善する薬のようなものだと思うことも大切かもしれません。
 特に、比較的多めの魚介類や肉類などの動物性タンパク質を摂る場合には、発癌物質の生成を抑えることや、未消化タンパク質をエサとする悪玉菌の増殖を抑制するためにも、「ラブレクラウト」も多めに摂るようにしてください。

 「ラブレクラウト」は乳酸発酵した漬け物ですのでキャベツそのものに乳酸菌が定住していることから、乳酸飲料以上に生菌で大腸内に到達する確率が高くなります。
 また、食物繊維とともに細菌叢(細菌の集まり、細菌は単独では生息できず、菌叢を作ることによって生息している)を形成したものを食べることになりますので便秘や下痢の解消法としては驚くほど早くその効果が実感できます。
 繰り返しになりますが、健康に良いと思っている魚と健康に必要不可欠な野菜や漬物を一緒に食べると胃の中で発癌物質を作り出してしまうという意外な落とし穴にも「ラブレクラウト」は有効に作用するように作られています。


 日常の食事に「万能健康ジュース」と「ラブレクラウト」を取り入れることで、便秘や下痢はすぐに解消され、体の倦怠感がとれてくるのを実感できます。
 過食気味で肥満の人が他の食生活は従来のままであっても、朝の「万能ジュース」と家庭での食事毎に「ラブレクラウト」のとることを実践するだけでも、数週間で減量(ダイエット)効果が顕著に現れてきます。


では、つくり方を!

 以下、ラブレクラウトのレシピです

•キャベツ             一玉(約1kg)
•リンゴ              1/2個(約150g)
•出汁用の昆布           適量
•塩                27g(キャベツ+リンゴ+水の重量比2%)
•あら挽き粒こしょう        2粒
•ローリエ             2枚
•唐辛子(鷹のつめ)        1本
•水 (※ラブレ乳酸菌飲料 ) 200CC(※初回はラブレ乳酸菌70g+水130g)
•クエン酸             1g
•ビタミンC            1g


「ラブレクラウト」の作り方

 「ラブレクラウト」の作り方です。後藤先生の場合、一度漬けた分(キャベツ1キロ)は、だいたい1 週間から10 日で食べ切ります。では材料から。

キャベツ、りんご、塩、粒こしょう、ローレル(ローリエ)、唐辛子、昆布、キャラウェイシード、ディルシード、クエン酸、ビタミンC、前回の残った汁。

 まずは前回の残りの汁(200cc)をボウルに移して、これに材料にしていって調味液を作ります。初回の場合は、市販のラブレ乳酸飲料(プレーンタイプ)とを混ぜ合わせて代用します。次回以降は、食べ終わったあとに残る汁をそのまま使います。残り汁の場合は塩味が結構あるので、塩加減は気持ち少なめでもいいかもしれません。

 種をとったりんご(1/2 個)を、皮付きのまますりおろして入れます。昆布は水に戻しておいて細切りに、あとはちぎったローレル、粒こしょう(ガリガリと砕いて)、キャラウェイシード、ディルシード(お好みで)、クエン酸、ビタミンCを入れて、よく混ぜておきます。
 あとはキャベツを5ミリ幅くらいの千切りにしていきます。外側の厚めの葉は、切りはずしてよく洗ってから、何枚かずつ重ねて切っていくのがよいです。
 半分くらいになるまで千切りにしたら、ここで調味液を半量使って、軽く混ぜ合わせておきます。後藤先生 は保存容器に入れて混ぜ合わせるのですが、キャベツ丸々1個分をいっぺんにまとめて保存容器に入れると、相当かさ張るのでうまく混ぜ合わせることができないからです。
 とにかく、半分を混ぜておくと、キャベツもしんなりして、残り半分も混ぜやすくなります。残りのキャベツもだいぶ小ぶりになっているので、4等分くらいして一気に千切りします。保存容器に追加して、残りの調味液を全部入れて、上下に混ぜ合わせ、軽く手でギュッギュッと揉んでおきます。
  あとは重石(おもし)をして、しばらく放っておきます。そうこうするうち、表面まで水があがってきます。
そうなったら、重石をとり、空気に触れないように表面をラップで覆います。あとは、軽く重⽯をして(お皿など)、この時期なら⼀晩くらい表に出しておき、それから冷蔵庫に保存します。あとは熟成期間です。


作り方のまとめです

1.香辛料の調味液をつくります。粒こしょうはあら挽きに、ローレルは手で切り込みを入れ、唐辛子は種をとって細切りに。昆布は軽く洗って細切りにし、調味液用の容器に入れる。塩、ビタミンC、クエン酸を加え、リンゴは芯をとって皮ごとすりおろして入れる。水(最初はラブレ乳酸飲料入りのもの)を加え、よく混ぜて溶かしておきます
2.キャベツは洗って0.5cmくらいの千切りに
3.香辛料の調味液とキャベツを合わせます。漬け樽(ポリ容器)に千切りにしたキャベツを入れ、香辛料の調味液を入れて、まんべんなく&軽~く揉んでおく。重石をして半日から1日すると表面に水が上かってくるので、そうしたら重石をとり、ラップで表面をおおって空気に触れないようにして、再び軽く重石をします
4.発酵させます。夏なら2~3日、春秋は4~5日、冬は1週間くらい常温に置いておくと酸味が出てきて食べ頃になります。その後、冷蔵庫に入れて熟成・保存し完成!

ワンポイント

★生食でバリバリ召し上がれ!1日に100gくらいが目安
★夏場など、ザワークラウトのような臭みが出るようならクエン酸の量を多少多めに
★漬け汁は次回から「水」として再利用します
★塩は「自分のこだわりの塩」を使って下さい
★酸味が出て食べにくくなったら、少量オリゴ糖を混ぜると食べやすくなります

 「ラブレクラウト」の材料を揃えるのが大変だ。もっと簡単に作れる方法はないか、という方には、キャベツ、塩、ラブレ乳酸飲料、ビタミンC、クエン酸と水だけで作ることも出来ます。
 キャベツ1Kgに対して、塩は24g、ラブレ乳酸飲料(70ml程度のもの)、ビタミンC&クエン酸0.5g~1g程度、水(200mlからラブレ乳酸飲料を差し引いた量)が基本となります。
 この簡易処方の「ラブレクラウト」であっても、便秘解消、がん予防、肝臓の解毒機能向上など、ほぼ同じような効果が期待できます。
 美味しく作るポイントは、繰り返しになりますが醗酵中は空気に触れさせないことです。

「ラブレクラウト」は何故そんなに効くのか!?

 「ラブレクラウト」の効能は、おもにその材料として用いられている「キャベツ」と「ラブレ菌」により発現されます。
 さらに、ビタミンCとリンゴはその作用を補充的に高めるために加えています。
 その他の昆布やキャラウェイシード、粒胡椒、ローリエ、唐辛子、クエン酸にも多くの栄養素は含まれているのですが、ここでは「ラブレクラウト」の、旨み付け、香りつけ、風味付けなどをおもな目的として用いています。

 ラブレクラウトは腸内環境を改善させ、抗酸化物質を摂取することができ、片頭痛治療上重要になっています。

目次へ


45.トランス脂肪酸って何???

トランス脂肪酸、食品添加禁止=18年から、心臓病防止で―アメリカ


 平成27年6月16日、米食品医薬品局(FDA)は、マーガリンなどの加工油脂に含まれ、心筋梗塞などの発症リスクを高めるとされるトランス脂肪酸について、2018年6月以降に食品への添加を原則禁止すると発表しました。FDAは13年に規制案を提示し、その後の調査・意見聴取で、食品への使用に関し「安全とは認められない」と結論付けました。
 FDAのオストロフ局長代行は「今回の措置により、毎年数千件の致命的な心臓発作を防ぐことができる」と説明しました。ピザやケーキなどの食品業界は3年の猶予期間後、使用を全廃する必要があることになりました。
 トランス脂肪酸を過剰摂取すると、肥満や心臓病などの危険性が高まるとされ、米国の自治体などで規制の動きが出ていました。一方、日本では平均摂取量が世界保健機関(WHO)の基準値よりも少ないことから、通常の食生活を送っていれば健康への影響は小さいとされ、厳格な規制はありません。 

米「トランス脂肪酸」全廃へ、日本での影響は?

 マーガリンなどに含まれている「トランス脂肪酸」。アメリカのFDA=食品医薬品局は、動脈疾患との関連が指摘されていることなどから、トランス脂肪酸を多く含む油脂について、食品への使用を3年以内に全廃するよう通達しました。日本の対応は、どうなっているのでしょうか。
 日本でも、トランス脂肪酸は、マーガリンやお菓子をつくるときに使われるショートニングなどに含まれていますが、現在、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。
 WHOは、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするように勧告していますが、日本人の平均の摂取量は0.3%と推計されていて、内閣府の食品安全委員会は、「日本人の摂取量は少なく、通常の食生活では健康への影響は少ない」としています。
 「日本人の平均値に関しては届いていないので、規制が必要という状態ではない。ただあくまで平均値なので、何かをたくさん食べたりということは避けた方がいい」とされています
 今回のFDAの対応を受けて、食品安全委員会は、「今のところ評価を見直すことは考えにくい」としています。
 
 しかし、片頭痛を持っておられる方々にとっては、以下のようなことから決して無視できないことですので、敢えて繰り返しになりますが述べておきます。


それでは、トランス脂肪酸ってなんでしょう?

「悪い植物油」というのは、工業的に精製・加工されたもので、その製造過程で副産物として生成される「トランス脂肪酸」という非常に危険な有害物質を含んでいます。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあることがわかっていて、動脈硬化や心臓病につながるなど、健康被害の原因となります。海外では、加工食品にトランス脂肪酸がどれくらい含まれているかを表示する義務や含有量の制限がある国もあるほどです。
 トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングにもたくさん含まれています。マーガリンは即やめたほうがいいし、ショートニングを使っているお菓子なども、やはり気をつけたほうがいいです。そのほかでは、市販の揚げ物なども要注意です。何度も使い回しができる“持ぢのよい「硬化油」という植物油が使われていて、これにはトランス脂肪酸がいっぱいです。
 このトランス脂肪酸をとることと、植物油の主成分であるリノール酸のとり過ぎが、片頭痛やさまざまな生活習慣病を発症させる原因となる「酸化ストレス・炎症体質」の最大の誘発因子となっています。ですから、悪い植物油を料理などに極力使用しないこと、こうした植物油を使って作られた加工食品を極力とらないことが大切です。
 ところで、今でもマーガリンが「健康によい」と信じている人は結構多いようです。  もし、料理にマーガリンを使う必要があるのであれば、ただちにバターに切り替えてください。バターのとり過ぎも体にはよくないのですが、それでもマーガリンよりは健康上の問題は少ないといえます。
 マーガリンやショートニングを使用している市販のケーキやクッキー、お菓子類なども極力とらないようにすることが、「酸化ストレス・炎症体質」に至らないためには大事です。

市販の揚げ物を食べてはダメ’・

 市販の揚げ物にも、油の”持ち”をよくするために、トランス脂肪酸を多く含む硬化油という植物油が使用されています。硬化油を使用した鶏の唐揚げやポテトフライなどの揚げ物類も極力とらないようにしたほうがよいでしょう。揚げ物を食べたい場合は家庭で作るようにしてください。その際には、圧搾製法で造られたナタネ油やゴマ油、またはオリーブ油を使うようにしましょう。
 また、悪い植物油はドレッシングやマヨネーズをはじめ、多くの加工食品に使用されています。ですから、加工食品を手にとったら、必ず成分表を見るようにしたいものです。「植物油使用」と書かれているものは、いずれも悪い植物油が使われていると思ってください。マヨネーズやドレッシングは、エクストラバージンオイルやシソ油を使った自家製のものにすると、健康にもいいし、美味しく安心していただくことができます。
 日常の調理には加熱用としてエクストラバージンオリーブ油を使い、ドレッシングやマヨネーズなどの非加熱用途には、シソ油(エゴマ油)またはエクストラバージンオリ-ブ油を用いるとよいでしょう。
 また、穀類、種実類(ナッツ)、豆類、芋類など、天然の植物に含まれる油分にはリノール酸が多く含まれていますが、これらはよい油分であり、有害なトランス脂肪酸は含まれていません。
 なお、リノール酸は必須脂肪酸です。摂取不足が気になるところですが、通常の食事(穀類や豆類を含む)をしているかぎり、あえて植物油や植物油を含む加工食品をとらなくても摂取不足を起こすことはありません。
 また、穀類や豆類を中心とした通常の食事では、リノール酸のとり過ぎを起こすこともありません。知らず知らずのうちに加工食品から摂取されるトランス脂肪酸やリノール酸のとり過ぎ、ドレッシングやマヨネーズ、唐揚げなどからの直接的な植物油のとり過ぎが問題です。

不飽和脂肪酸には、炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類があります。
 シス(cis)とは、“同じ側の、こちら側に”という意味で、脂肪酸の場合には水素原子(H)が炭素(C)の二重結合をはさんで同じ側についていること表しています。トランス(trans)とは、“横切って、かなたに”という意味で、脂肪酸の場合では水素原子が炭素の二重結合をはさんでそれぞれ反対側についていることを表しています。
 天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、炭素の二重結合がすべてシス(cis)型です。これに対して、トランス(trans)型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸をまとめて「トランス脂肪酸(trans-fatty acid)」と呼んでいます。

食品にはどうしてトランス脂肪酸が含まれているのでしょうか?

 トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものがあります。

天然にできるもの

 天然の不飽和脂肪酸はふつうシス型で存在します。しかし、牛や羊などの反芻(はんすう)動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中に天然に微量のトランス脂肪酸が含まれています。

油脂の加工・精製でできるもの

 常温で液体の植物油や魚油のから半固体又は固体の油脂を製造する加工技術の一つである「水素添加」によってトランス脂肪酸が生成する場合があります。
 水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれています。
 また、植物から油を絞る際には、精製する工程で好ましくない臭いを取り除くために高温で処理を行います。この際に、植物に含まれているシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸ができるため、サラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれています。

トランス脂肪酸にはどんな種類があるのでしょうか?

 不飽和脂肪酸には、鎖の長さや二重結合の数と位置によってとてもたくさんの種類があります。トランス脂肪酸も同じで、「トランス脂肪酸」という名の脂肪酸が一種類だけあるのではなく、トランス型の二重結合を持つたくさんの種類の不飽和脂肪酸をまとめてトランス脂肪酸と呼んでいます。

必須脂肪酸について

 必須脂肪酸に含まれるものにはリノール酸、アラキドン酸、αリノレン酸、EPA、DHAなどがあります。これらは細胞膜のリン脂質の構成要素で、プロスタグランディン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどのエイコサノイドを産生します。
「リノール酸」は成長、生殖生理や皮膚の状態を正常に維持するうえで必須です。摂取されたリノール酸は人の体の機能を保つために必要なアラキドン酸に変換されます。しかし、アラキドン酸が過剰になると血圧を上げ、血液の凝固を促進し、アレルギー症状を悪化させます。
「αリノレン酸」は学習機能や網膜機能を高く保つうえで必須です。αリノレン酸はリノール酸系列の代謝を阻害し、アラキドン酸由来のエイコサノイドからの影響を和らげます。 αリノレン酸がEPA、さらにDHAに変換されると血小板凝集の抑制、血管拡張、アラキドン酸作用を抑制します。DHAは脳、神経細胞の機能を働かせる作用を持っています。
「エイコノサイド」は細胞膜をつくっているリン脂質の多価不飽和脂肪酸からつくられます。そして材料になる脂肪酸の種類により正反対の指令を出すエイコサノイドになります。 大まかにいうと、リノール酸型(主にアラキドン酸)は血管の収縮や血液を固めるエイコサノイドを、リノレン酸型(主にEPA)はその逆の作用をするものをつくります。  他にもアレルギーに敏感にさせるのはリノール酸型で、ストレスも誘発します。
 こうしてみるとリノール酸型は好ましくない脂肪酸のように見えますが、リノレン酸型が多すぎると怪我をしたときに血が止まりにくくなり、内出血も止まりません。リノール酸型とリノレン酸型の適度なバランスが重要です。
第6次改定栄養所要量の中で、リノール酸型とリノレン酸型の摂取比を4:1、さらに飽和脂肪酸:オレイン酸:多価不飽和脂肪酸の比率を、おおむね3:4:3と推奨されています。
 戦後の日本人の脂肪摂取量は1日20gぐらいであったものが、1960年以降は約3倍に増え、オメガ6系脂肪酸(リノール酸)も1日5~6gが14~15gに増えていますが、オメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)はそれほど増えていません。

調理に使う油脂

 大きく分けて動物性脂肪の飽和脂肪酸(獣肉油脂、牛乳、卵に含まれる)、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸(野菜、種子、芋類、海藻、魚に含まれる)などに分かれます。
 多価不飽和脂肪酸には、必須脂肪酸のオメガ(ω)6系不飽和脂肪酸(リノール酸)とオメガ(ω)3系不飽和脂肪酸(αリノレン酸)が含まれます。

①植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加し固化させた硬化油脂(マーガリン、ショートニング)、
②ヘキサンなどの溶媒を使った植物性油脂(市販の大豆油、コーン油、米油、ナタネ油、綿実油など)、
③高温の植物性油脂を使って調理した食品(揚げ物、フライ、天ぷら)、
④植物性油脂を含み高温で調理された食品(スナック菓子、冷凍食品など)


 には、「トランス脂肪酸」が多く含まれていることがわかりました。
 トランス脂肪酸は反芻動物の腸内細菌によってつくられ、反芻動物(牛、羊、馬、ヤギなど)の肉や乳脂肪中に含まれますが、それ以外の自然な状態では存在しない脂肪酸です。
 細胞膜をつくるためには不飽和結合部で折れ曲がった天然に存在するシス型の構造が必要です。直線構造をしたトランス型では細胞膜は弱く、壊れやすくなります。
 トランス脂肪酸の摂取量が多くなると、血管内皮、気道粘膜、消化管粘膜、皮膚などの細胞を含め体内の細胞機能が障害されて生物反応が正常に行えなくなり、アレルギー症状・神経系の症状・腸管の症状を悪化させ、病気を引き起こします。

細胞膜と過酸化脂質

生体膜は、細胞の外側を構成しているだけでなくミトコンドリアなどの細胞内小器官の構成物としても重要な役割をもっています。細胞膜の脂質の中にはリン脂質として不飽和脂肪酸エステル(少々不正確ですが、以下、単に不飽和脂肪酸といいます)が多く含まれています。リン脂質の中に適度に不飽和脂肪酸が含まれていることは膜の柔軟性のために必要です。しかし、不飽和脂肪酸は酸化傷害を容易に受ける分子でもあります。

活性酸素ラジカルやその他のラジカルと不飽和脂肪酸との反応の結果脂肪酸ラジカルが出来て、それが酸素と反応したものが過酸化脂質です。 過酸化脂質ができると生体膜の機能(柔軟性など)が変化するばかりでなく、それから生じる反応性の高いアルデヒドが周囲のタンパク質などを修飾する危険があると考えられています。細胞や血清中の過酸化脂質は、加齢で増加すると言われています。 不飽和脂肪酸は酸化され易い(ラジカルと反応し易い)ので脂溶性のビタミンEが膜の中に存在して酸化を防いでいます。 すなわち、ビタミンEは自らラジカルと反応してラジカルが不飽和脂肪酸と反応するのを未然に抑えています。
 この他、加齢によって細胞膜に起こる変化として構成成分の比率の変化があります。  すなわち、リン脂質の中の不飽和脂肪酸エステル対飽和脂肪酸エステルの比率の低下、コレステロール対リン脂質の比率の増加が起こります。これらの変化は、いずれも膜を硬くするので膜機能に有害となる可能性があります。

リノール酸(植物油)の摂りすぎによる弊害

 唐揚げ・てんぷら・フライに使用される油(リノール酸)は人間にとって必要な栄養素、必須脂肪酸なのですが、これは摂りすぎ注意です。リノール酸は非常に酸化しやすいという特徴のある油です。

 なぜ、油が酸化すると片頭痛に関係するのでしょうか?

 過酸化脂質は、コレステロールや中性脂肪が活性酸素によって酸化されてできたものです。これらは体内で作られるのです。
 過酸化脂質は、てんぷら油を使用後に長時間放置すると、油が酸化して悪臭を放つような油になるのですが、まさにこれが体内で起こっている状態です。
食べた物の油は体内で酸化すると、「過酸化脂質」という非常に厄介なものを生み出してしまいます。これは、活性酸素を発生させて、体内の細胞を傷つけたり、過酸化脂質自体が、臓器などの奥底に侵入して、内臓を破壊・傷つけて行ってしまう、「不要物・毒」みたいなものです。
 過酸化脂質が作られると血液の流れも悪くなり、脳内に必要な栄養や酸素が届かなくなりますが、過酸化脂質の分解が進むことによって、脳内の細胞に、酸素やマグネシウム、カルシウム、脳のエネルギー源のブドウ糖などがスムーズに供給されるようになり、老廃物も排泄されやすくなるので、頭痛を引き起こしにくくなります。
 われわれが生きてゆくために必要不可欠である酸素は、一方で体内の脂肪を酸化させ、体に害のある過酸化脂質を作りだすのですが、この過酸化脂質ができますと動脈硬化を促進し、血管に血栓が生じやすくなったりします。すなわち過酸化脂質は心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすようにも働くのです。ビタミンEはこの過酸化脂質の発生を予防する他、動脈硬化を防ぐ善玉コレステロールを増やすように働きます。
 ビタミンB2は、グルタチオンペルオキシダーゼという酵素と一緒に働いて、過酸化脂質の分解を促進する効果があります。過酸化脂質とは、体内に蓄積すると動脈硬化や老化を進行させ、発ガン性もあるといわれる有害物質です。動脈硬化は、高血圧や脳卒中、心臓病などの生活習慣病の原因にもなるため、ビタミンB2を摂ることは片頭痛・生活習慣病の予防にもなります。
過酸化脂質の生成を抑えるビタミンEも一緒に摂ると、より効果的です。

片頭痛・生活習慣病のような「酸化ストレス’炎症体質」の人は、体内で過酸化脂質が生成されやすく、これが活性酸素を過剰に発生させる原因物質となっています。
 過酸化脂質が多い体内では、このような細胞の破壊や傷が多く発生し、多くのストレスが発生しています。
 このストレスや活性酸素によって、血管神経周辺が炎症を起こして、痛みを発生させ、片頭痛を引き起こしていきます。
 さらに、血液がドロドロになって、脂質代謝に時間がかかるので、血液中に溶け出している「遊離脂肪酸」の濃度がいつも高い状態になります。
 この状態ではちょっとしたストレスや刺激でもすぐに反応して血小板が凝集し、活性酸素の発生が促進されてしまいます。

以上のように、過酸化脂質これらは体内で作られるのですが、それ以上に、そもそも過酸化脂質を多く含む加工食品などを過剰にとる食習慣のほうに問題があると考えられます。
 ポテトチップスなどのスナック菓子、インスタントラーメン、ピーナッツ、マヨネーズ、マクロの缶詰(缶を開けたあと)、黒くなった古い油分には注意が必要です。また、新しいものでもチキンフライなどの揚げ物を電子レンジで加熱すると、とがった部分や角の部分が過酸化されることがあります。
 過酸化脂質を作り出すのは揚げ物だけではありません。
 スナック菓子・コンビニ弁当・インスタントラーメン、お惣菜など、油で揚げてから時間がたっているものは、すでに空気によってかなり酸化が進んだ食べ物です。これらを摂取することで、なお一層体内の過酸化脂質が発生しやすくなりますので、控えるようにして下さい。

トランス脂肪酸も要注意!

 他にもトランス脂肪酸はかなり注意が必要です。
 味付きのポップコーン・マーガリン・ショートニング・お菓子パイにはものすごく多くのトランス脂肪酸が含まれています。マーガリン・ショートニングはダントツに多いです。
 トランス脂肪酸の摂りすぎは、血液中の善玉コレステロールを減らして悪玉コレステロールの増加を促し、癌の発生や動脈硬化、心疾患、糖尿病のリスクを高めてしまいます。
 トランス脂肪酸は活性酸素と相乗して、体内の細胞を傷得つけてしまいます。ですから、こういうものを普段からよく食べている方は、コレステロールによって肥満傾向になり、さらに、片頭痛を引き起こす活性酸素などの発生が非常に多いというわけなのです。

あなたは「植物油は健康に良い」と思っていませんか?

 もちろん、植物油の中にも「健康に良い植物油」と「健康に悪い植物油」がありますが、特にこの「健康に悪い植物油」を取りすぎると、片頭痛の引き金となる「活性酸素」と「遊離脂肪酸」を発生させる事につながります。
「健康に悪い植物油」というのは、工業的に精製・加工されたもので、その製造過程で、副産物として生成される「トランス脂肪酸」というとても危険な有害物質を含んでいます。
この「トランス脂肪酸」は、世界的にも問題になっていて、通称“狂った油”とも言われるほど危険なものです。
 このトランス脂肪酸を採ってしまうと、ガンになるリスクが高まったり、病原菌やウイルスに対して抵抗力がなくなるといわれています。
 また、善玉コレステロール(HDL)を減らし悪玉コレステロール(LDL)を増やすため、冠動脈性心疾患の発症リスクも高まることがわかっています。

 このトランス脂肪酸を含んでいる「悪い油」の代表例としては、このサラダ油以外にも次のものがあります。

マーガリン

 体に良い植物性だからって、バターをやめて積極的にマーガリンを取っていませんか?
 マーガリンは植物性ではありますが、液体ではなく半固形ですね。。。実は、これが大きな問題なのです。
 通常、植物性の油は液体です。(なので、「良い油」のオリーブオイルやごま油は液体です)
 もともとの液体の植物油を固形にするために使われる、様々な化学薬品が問題となるのです。
 そうやって薬品を加えながら加工していく過程で「トランス脂肪酸」ができてしまいます。

ショートニング

 このショートニングについても、マーガリンと同様の理由でおススメできない油といえます。


 と言う事で、「トランス脂肪酸」などの高熱で処理され、人工的・化学的に加工・精製された危険な油は極力避け、自然の必須脂肪酸を積極的に補うようにしたいものです。


脂質の取りすぎが片頭痛を引き起こす

 あなたが片頭痛になりやすい体質の場合は、特に過酸化脂質を多く含む加工食品を食べすぎる事は避けたほうが良いといえます。
 それは、ただでさえ体内で過酸化脂質が生成されやすい体質の上に、さらに食べ物からも取り入れてしまうと、完全に頭痛に拍車をかける体質になってしまうからです。
 この過酸化脂質は、体内で「活性酸素」を過剰に発生させる原因物質です。
 この「活性酸素」が脳内のセロトニン濃度の変化を引き起こし、それが脳の血管の収縮・拡張を引き起こしているのです。
 ですから、片頭痛持ちの場合は特に、この様な過酸化脂質を多く含む加工食品はなるべく食べない様にした方が良いと思います。

 それでは、具体的に過酸化脂質を多く含む食品とはどんな物があるのでしょうか?

過酸化脂質を多く含む食べ物

  ポテチなどのスナック菓子
  インスタントラーメン
  ピーナッツ
  マヨネーズ

 それ以外にも、黒くなった古い油分には注意が必要です。また、新しいものでもチキンフライなどの揚げ物を電子レンジで加熱すると、とがった部分や角の部分が過酸化されることがあるので注意が必要です。
 スナック菓子にしてもカップラーメンにしても、またピーナッツもマヨネーズも、好きな人は多いと思います。
 何にでもマヨネーズをかけて食べたり、その手軽さのあまりカップラーメンばかり食べてしまうと、ちょっとした事で頭痛を発症してしまう体質になってしまうので、今までの食生活を振り返って見直してみてください。

植物油(リノール酸)やトランス脂肪酸はなるべく避ける

 植物油(リノール酸)やトランス脂肪酸を取りすぎる生活をしていると、体内での脂質代謝が十分に行われず、血液中の遊離脂肪酸の濃度が高い状態になる事がわかっています。
 この遊離脂肪酸には細胞毒性(細胞を傷つける性質)が強いという特徴が有り、血小板の凝集を促進したり脳血管壁を傷つけたりして、これが「活性酸素」を発生させる原因となってしまうのです。
 ただ、通常は血液中のアルブミンというたんぱく質成分と結合して、毒性が弱められた状態で存在しているのであまり問題にはならないのですが、リノール酸やトランス脂肪酸などの「悪い油」をとり続けていると、このバランスが崩れて遊離脂肪酸の濃度が高くなってしまうわけです。
 そしてこのような状態になると、ちょっとしたストレスなどのわずかな刺激であっても、片頭痛の引き金になってしまいますので、特に「悪い油」は注意して避けるようにしたいものです。

 では、具体的にどの様なものが「悪い油」で、「良い油」とはどんなものなのでしょうか?

精製・加工処理された植物油は「悪い油」

 上にあげた低温圧搾で作られた植物油以外の、市販されているサラダ油などの多くは「悪い油」と言えます。
 また、マーガリンやショートニングなどの脂もダメです。
 こうした「悪い油」を原材料とする以下のような食べ物は特に注意したいものです。

  マヨネーズやドレッシング
  植物性ヨーグルト
  ケーキ
  ビスケットやクッキー
  チョコレート

    などなど…

 これらの加工食品の成分表を見るとわかりますが、植物油が加えられていない加工食品はほとんどありません。
 そして、これらに使われている植物油は、ほとんどが「悪い油」なので、注意してください。

 では、逆にどのような油をとれば良いのでしょうか?

まず、一般的に安心して使えるのは、オリーブオイルと低温圧搾絞りのごま油、菜種油

 ポイントは、「低温圧搾絞り」と言う点です。
 これは、コールドプレス製法とも呼ばれ、悪くならないように極力熱を加えず、光を当てずに絞るだけという単純な製法です。
 新鮮な油は、熱でも光でも酸化してしまうので、熱も光もできるだけ避けながらの製造がポイントなんです。

そして、一番おススメなのが、亜麻仁油です。

 特に必須脂肪酸の「オメガ3」を取り入れるという意味でも、この亜麻仁油はとてもおススメです。

オメガ3の必要性とは

 このように、健康に悪い油がある一方で、多くの現代人にとって不足している油があります。
 多くの慢性病、急性病やその他の身体の様々な不調に関係している油で、それが「オメガ3」なんです。
 この「オメガ3」というのは、青魚に豊富に含まれている「DHAやEPA」、エゴマや亜麻種子などの植物油に含まれている「α-リノレン酸」などの脂肪酸の総称のことです。
 これらの「オメガ3」は、必須脂肪酸と言われ、人間の生命活動に無くてはならないものにも関わらず、人間の体内では合成できない油なのです。
 ですから、食べ物として外から取り入れなければ生きていけない不可欠な油ということです。
 具体的に、この「オメガ3」の健康効果として言われているのは、

  血流を改善する効果
  生活習慣病を予防する効果
  脳や神経に対する効果

 など様々な効果が期待でき、実際に片頭痛の改善に限らず、糖尿病・肥満・がん・認知症・うつ病・統合失調・ウイルス感染・アレルギー・アトピーなどで症状の改善が見られたという研究結果も多く出ています。

 と言う事で、「トランス脂肪酸」などの高熱で処理され、人工的・化学的に加工・精製された危険な油は極力避け、自然の必須脂肪酸を積極的に補うようにしたいものです。


 この点は”素朴な疑問”として、以下のものを以前には記載しました。

  ケーキやクッキー、お菓子類などは大丈夫ですか??
   http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12036336096.html

目次へ


46.ビタミンB2を摂取すると有効なのでしょうか???

ビタミンB2の有効性の根拠は


 ミトコンドリアは、細胞の中で呼吸し、エネルギーを生産している工場の役割を担っています。ミトコンドリアの働きが低下したり、異常をきたす病気を「ミトコンドリア病」といい、この病気を持つ人のほとんどが、片頭痛を持病として持っています。
 このミトコンドリア病を持つ人々にミトコンドリアの機能をよくするビタミンB2を摂取させると、片頭痛が改善されることが分かりました。逆に、片頭痛もちの人たちもビタミンB2を摂取することで、7割近くの人の頭痛が改善することが分かっています。
1998年にShoenenらによって発表された論文によりますと、ミトコンドリア病の患者さんに1日1回400mgのB2を服用させた所、ミトコンドリアが元気になりミトコンドリア病が改善しました。このミトコンドリア病の主症状が片頭痛です。この事にヒントを得て、ミトコンドリア病に限らず片頭痛の患者さん55人に1日1回400mgのリボフラビン(ビタミンB2)を3ヶ月服用させた所、片頭痛の起す割合が半分に減った患者さんが37名だったと言う事でした。
 その理由は、ビタミンB2がミトコンドリアの電子のやりとり(電子伝達によりエネ
ルギーを産生する)を円滑にしたことにより、ミトコンドリア代謝機能を向上させたか
らだと考えられています。
 ビタミンB2は、グルタチオンペルオキシダーゼという酵素と一緒に働いて、過酸化脂質の分解を促進する効果があります。過酸化脂質とは、体内に蓄積すると動脈硬化や老化を進行させ、発ガン性もあるといわれる有害物質です。動脈硬化は、高血圧や脳卒中、心臓病などの生活習慣病の原因にもなるため、ビタミンB2を摂ることは片頭痛・生活習慣病の予防にもなります。
 いずれにしても、ビタミンB2が片頭痛患者の半数以上に改善効果を与えたことは事実ですから、ビタミンB2を積極的にとりたいものです。
  ビタミンB2を多く含む食品としては、牛、豚、鶏のレバーやハツ(心臓)、うなぎ、
うに、すじこ、サバ、ズワイガニ、納豆、いくら、タラコ、卵黄、まいたけ、モロヘイ
ヤ、のり、煎茶の茶葉、唐辛子などがあります。

 以上のように、片頭痛は、あくまでもミトコンドリアの機能障害という観点から考えるべき頭痛ということです。

目次


47.慢性頭痛になぜ、マグネシウムが大切なのでしょうか?

マグネシウムの役割


1.緊張状態から解放してくれます


 筋肉の動きは、筋肉細胞内のカルシウム量の増減で決まります。カルシウムの量が増えると筋肉が緊張(収縮)し、カルシウムの量が減ると筋肉が弛緩します。
 じつは、カルシウムの量を減らすときにマグネシウムが使われています。イメージでいいますと、細胞にカルシウムを出し入れするポンプがあって、マグネシウムはこのポンプがカルシウムを汲み出すときに欠かせないのです。ですから、マグネシウムが不足すると筋肉が収縮した状態を解消できなくなります。神経も過敏になるために痛みも感じやすくなります。
 マグネシウムは「抗ストレスミネラル」と呼ばれ、ストレスによって激しく消費されてしまうので、イライラ感が増したり、怒りつぽくなったりもします。こうした状況が長く続き、もしも心臓で激しい緊張状態が起こったら……心臓は麻痺を起こしてその動きを止めてしまうことになるわけです。これが突然死です。
 寝ているあいだに足がつる、まぶたがピクピクとけいれんするといった症状も、筋肉が緊張した状態が続くために起こります。こういう症状があらわれやすい人はマグネシウム不足です。
 また、片頭痛の前兆として「肩がこる」という人もたくさんいますがこれも同様です。心当たりのある方は、すくに「マグネシウム液」を水に溶かしたものを飲んでみてください。ちょつと多めに4~5ccほど。効果はバツグンです!

 マグネシウムの不足によって緊張型頭痛を起こすという研究報告もあり、不足したマグネシウムを補うことで頭痛を改善に導いてくれます。
 マグネシウムが役に立つのは、肩こりなど筋肉の緊張から来る緊張型頭痛です。マグネシウムは、筋肉の緊張を解いてくれます。また血管の筋肉をリラックスさせることで血流が増え、血行が良くなるからです。
 マグネシウムを大量摂取することで血液の循環がよくなり、また筋肉の収縮も抑えるので、緊張型頭痛にも効果があります。

2.こんなに大事なのに・・・ !?

 ところで、マグネシウムつてあまり“健康ネタ”には登場しない成分だと思いませんか? というのも、マグネシウムは比較的簡単にとれるものだと思われてきたからです。
 しかし、実際はそう簡単ではありません。ストレスに弱い女性のほとんどが、じつはマグネシウム不足です。たぶんその原因の1つには、カルシウムが多くてマグネシウムが少ない「乳・乳製品」(ケーキ含む!)のとり過ぎがあると思います。女性はみんな大好きですから。
 乳・乳製品には、カルシウムが多く含まれています。あなたも小さい頃、「丈夫な骨や歯をつくるために牛乳を飲もう!」といわれたでしょう。でも実際のところ、カルシウムをたくさんとってもほとんどが吸収されずに排泄されてしまうし、それだけならまだしも、マグネシウムなどほかの大事なミネラルを道づれにしてしまいます。「小食だけど乳製品は死ぬほど好き!」という女性は、超ヤバイかも知れません!?
 カルシウムとマグネシウムの摂取バランスは、カルシウム「2」に対してマグネシウム「1」が理想的だといわれてます。それが牛乳だと《10: 1》、チーズにいたっては《20~30:1》というバランスの悪さです。
 サプリメント(錠剤)でとるから大丈夫と思っても、ほとんど吸収されないので無意味です。マグネシウムは薄くして飲むのがいちばんいい方法です。毎日コツコツつづけて、マグネシウム不足を起こさないようにするしかありません!
マグネシウムは生命活動に必要な”代謝”の原動力となる、300種類の「酵素」のサポーターでもあります。

3.「むくみ」との関連

 マグネシウムが不足すると、筋肉などの細胞中のカルシウム濃度が高まり、細胞が“緊張状態”になります。この状態が続くと、血圧が上がったり、筋肉が動かなくなったり、細胞内のミトコンドリア(エネルギーをつくる)が死んでしまったりと、かなり“マズイ状況”になります。
 そのため、カラダを守ろうとする仕組みが働いて、細胞内に水分を取り込み、カルシウム濃度を下げようとするのです。これがいわゆる「水ふくれ(水太り)」の状態です。
 このとき、マグネシウムが適正に補給されれば、細胞から余分な水分が排出されて正常な状態に戻ります。
 健康ジュースやマグネシウム液による補充を始めると、一時的に尿の量が増えることがあるのですが、これは細胞内の余分な水分をとり除いてくれるからです。水分が減る分、体重も減少します。
 さらに、寝起きの顔がむくんでしまうのは、寝ているあいた、筋肉をほとんど使わないことが原因です。
 動脈の血液は、心臓のポンプにより全身に行き渡ります。反対に静脈の血液の“戻り”は(リンパの戻りも)、筋肉の働き、特にインナーマッスルの働きに左右されます。夜、寝ているあいだは筋肉が活動しないので、末端組織はもろにその影響を受けて戻りが悪くなるのです。ところが、朝起きて筋肉を使い始めると、末端組織にたまっている水分も抜けていき、まぶたのはれも次第に引いてくるというわけです。

ミトコンドリアの働きの悪さに、マグネシウム不足が加わると・・

 片頭痛は、ミトコンドリアの機能障害によって引き起こされる頭痛です。ここにマグネシウムの不足が起きるとどのようになるのでしょうか。

 マグネシウムイオンは細胞内小器官(ミトコンドリア)の膜構造ならびに細胞膜構造において膜の安定性を保つ役割をしています。
 細胞膜にはミネラルイオンが通過できる小さな「穴」があり、透過できるイオンの種類によって、「ナトリウムチャネル」とか「カルシウムチャネル」といった名がつけられています。これを使って必要なミネラルを自在に出入りさせることで細胞内のミネラルイオン濃度の調整をするのです。ミトコンドリアには、細胞内のカルシウムイオン濃度を適正に調整する作用があります。 
マグネシウムイオンが不足すると細胞内小器官(ミトコンドリア)の”膜構造ならびに細胞膜構造”のイオンポンプの力が弱くなり、細胞内小器官であるミトコンドリア膜の透過性も亢進し、ミトコンドリア内に入り込んだカルシウムイオンは、ミトコンドリア外へ出ていけません。カルシウムはミトコンドリア内に少しずつ蓄積してきます。ミトコンドリア内カルシウムイオンの増加が起こります。それを薄めるために細胞浮腫、つまり水ぶとりの状態になります。
 細胞内のカルシウムイオン濃度が異常に高くなり過ぎると、ミトコンドリアの調整機能は破壊されてしまいます。調整機能が壊れたミトコンドリアは死滅してしまいます。 ミトコンドリアのエネルギー産生やミトコンドリア自体の生死には、ミトコンドリア内のカルシウムイオン濃度が強く係わっており、カルシウムイオン濃度は片頭痛の発症にも非常に大きな原因となります。
 このようになった細胞に、適量のマグネシウムが供給されると、溜まっていたカルシウムイオンなどが排出され、それにつづき、水分も排出されますが、この水ぶとり状態も限度がありカルシウムイオンがある量を超えると、その細胞は不必要となり見捨てられます。そして、後にはカルシウムイオンなどで一杯になった固まりだけが残されます。 これが石灰化した細胞のことです。動脈硬化の原因の一つです。結果的に、この細胞は死滅してしまいます。
 細胞内のマグネシウムが著しく不足すると、カルシウムイオンを細胞外に排出するカルシウムポンプの調整機能が働かなくなり、筋肉は収縮状態(緊張した状態)が続くことになります。片頭痛の前兆や、発症の引き金となる脳血管の収縮は、脳血管細胞内のカルシウム濃度の高まりによっても生じます。それはつまり、マグネシウム不足がもたらす結果でもあるのです。
 このようにして、マグネシウムイオンの低下はミトコンドリア内カルシウムイオンとナトリウムイオンの増加およびカリウムの喪失による細胞内でのカリウムイオンの低下を招きます。同じくマグネシウムイオン感受性のATP依存性カルシウムポンプの活性低下を招くことになり、細胞は興奮しやすくなります。これが「脳過敏」を引き起こしてきます。
 このようにしてマグネシウムイオンの減少はミトコンドリアの好気的代謝異常をきたして、神経細胞を興奮しやすくすることになります。
 これらは片頭痛の根本的原因として考えられているものです。
 片頭痛では、ミトコンドリア代謝異常が生まれつき存在するために、ミトコンドリアはマグネシウムイオンの減少による影響をさらに受けやすくなることになります。マグネシウムイオンの低下は片頭痛発作の結果でなく発作の始まる前から存在しているのです。神経細胞の”興奮性の亢進”はマグネシウムイオンの減少の結果あるいはミトコンドリアの代謝異常の結果として生じているものです。このようにして、「脳過敏」が形成されることになります。
 片頭痛とてんかんは密接な関係にあって,「片頭痛は本質的にてんかんの一種である」ことが強調されていますが、”脳の興奮性の亢進”は、上記のことを示すものです。
 そして、マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。これが「脳過敏症候群」の本態です。市販の鎮痛薬の服用が原因ではありません。間違えないようにして下さい。この点は極めて重要なことで、忘れてはなりません。
 ネット上では、「脳過敏症候群」は、市販の鎮痛薬の服用による”不適切な治療”が原因であると大々的に吹聴されますが、これは根本的な誤りです。

それではマグネシウム不足の原因はなんでしょうか?  

 マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。

 それではマグネシウム不足の原因はなんでしょうか?

・アルコールの飲み過ぎ

 アルコールの多飲により 尿中にマグネシウムを排泄する量が増加します

・毎日の牛乳摂取

 カルシウムばかりが多い牛乳を いつも飲むことで 2:1が望ましいカルシウム:マグネシウムのバランスが狂い、マグネシウムの相対的欠乏を招いてしまいます

・ストレス

 ストレス対応ホルモンがマグネシウムの排泄を促してしまいます。

・激しい運動や暑すぎる環境

 マグネシウムは 汗とともに大量に排泄されます。

・食材のマグネシウム含有量が低い

 日本の土壌は火山灰土でミネラルが少ないため その土壌で育った作物はあまりミネラルを含まないのです。
 さらに農薬の使用で土壌が枯れ 以前より含有率は低下していると言われています。

・白米小麦粉など精製食品の摂取

 精製過程でミネラル分がそぎ落とされてしまっています。

・白砂糖の摂取

 消化分解にマグネシウムが大量に消費されます。

・加工品や清涼飲料水の摂取

 これらに多く含まれるリンによりマグネシウムの吸収が妨げられます。

・食品添加物や農薬等の摂取

 有害物質を解毒するために肝臓でマグネシウムを消費します。

・エストロゲン過剰(環境ホルモン含む)

 本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下します。
肉・牛乳・乳製品、これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性がある事をご存知ですか?
 例えば乳牛は、早くから、そして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があります。日本では規制も表示義務もないですが)
 アメリカでは、逆にこのホルモン剤を「投与してません」と書くと、投与している牛乳の販売を妨害する、と裁判が起こり、区別してはいけないようになっています。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが、乳腺炎を起こしやすくなります。その乳腺炎防ぐために、抗生剤も投与されているのです。
 肉牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されているようです。(EUでは一切禁止されていますが・・)
 ホルモン剤に抗生剤をお肉や牛乳・乳製品から取っているかもしれない、なんて、普通は気付きませんので注意が必要です。

・食の欧米化

 洋食より和食の方がマグネシウムを多く含む献立ですが、食の欧米化によりマグネシウムの摂取量は低下しています。

・生理時には・・

 特に更年期以前の女性は、月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理中は脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。

などなど。。。

 こういったことから容易に、マグネシウム不足に陥ってしまいます。
 このため、マグネシウムを不足を防ぐするには? 以下の点に注意しましょう。

  
・アルコールも牛乳も程々に
  ・ストレスをためない
  ・なるべく無農薬で精製されていない物を摂取
  ・加工品 清涼飲料水 食品添加物を避ける
  ・環境ホルモンを避ける
  ・洋食よりも和食でマグネシウムを補給


 繰り返しますが、マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。
 そして先程の「マグネシウム不足の原因」でも述べましたように、いろいろな状況で容易にマグネシウム不足が引き起こされてきます。特に、女性の場合はこの傾向が著しく、月経時の片頭痛をいつもの片頭痛よりも激しくさせる根源ともなっています。現在、普通の人でもマグネシウムが不足しやすい生活環境にあります。とくに先程も述べましたように、片頭痛の方々はマグネシウム不足が指摘されています。このため、日常的に「マグネシウム」を摂取することを意識する必要があり、油断すればすぐに不足してしまうことになります。

 このマグネシウムの摂取量は、それぞれの年齢によって推奨摂取量があります。これを満たすように、毎日摂取することが大切です。マグネシウムの補充は片頭痛治療の”要”となっていますので、このことを常々念頭におく必要があります。

 ”生理時にいつも片頭痛が起き、激しい”といった場合は、マグネシウム不足を疑うくらいに大切なことです。こうした場合は、必ず、是正に努めて下さい。

細胞内のカルシウムイオン濃度の異常

 先程も述べましたが、細胞の代謝には、細胞内外に存在するカルシウムやナトリウム、カリウムやマグネシウムといったミネラルイオンが大きくかかわっています。
 皆さんは高血圧の治療薬として用いられる「カルシウム拮抗薬」というのをご存知でしょうか? 細胞膜にはミネラルイオンが通過できる小さな「穴」があり、透過できるイオンの種類によって、「ナトリウムチャネル」とか「カルシウムチャネル」といった名がつけられています。これを使って必要なミネラルを自在に出入りさせることで細胞内のミネラルイオン濃度の調整をするのです。カルシウム措抗薬にはカルシウムチャネルをふさぐ働きがあり、カルシウムイオンが細胞内へ流入するのを防ぎます。
 ミトコンドリアには、細胞内のカルシウムイオン濃度を適正に調整する作用があります。
 ところが、細胞内のカルシウムイオン濃度が異常に高くなり過ぎると、ミトコンドリアの調整機能は破壊されてしまいます。調整機能が壊れたミトコンドリアは死滅してしまうのです。
 このように、ミトコンドリアのエネルギー産生やミトコンドリア自体の生死には細胞内のカルシウムイオン濃度が強くかかわっており、カルシウムイオン濃度は片頭痛の発症にも非常に大きな原因となります。

マグネシウムとカルシウムの関係

 カルシウムには筋肉を「収縮させる」作用があります。マグネシウムは筋肉細胞内のカルシウムをポンプで汲み出すように排出することから、収縮した筋肉を「緩める」作用があります。カルシウムとマグネシウムは、このように常に相反的に作用し、通常はカルシウムイオン濃度が適正に維持されています。
 しかし、細胞内のマグネシウムが著しく不足すると、カルシウムイオンを細胞外に排出するカルシウムポンプの調整機能が働かなくなり、筋肉は収縮状態(緊張した状態)が続くことになります。その結果、こむら返りを起こしたり、瞼がピクピクと痙學したりするなどの症状があらわれます。
 さらにマグネシウムの不足が進むと、筋肉細胞内のカルシウム濃度が高くなり過ぎて筋肉の伸縮ができなくなります。もしそれが心臓で起きれば、心臓の機能停止(死)といった重篤な状態に陥ることになるわけです。
 片頭痛の前兆や、発症の引き金となる脳血管の収縮は、脳血管細胞内のカルシウム濃度の高まりによっても生じます。それはつまり、マグネシウム不足がもたらす結果でもあるのです。

 マグネシウム不足の原因は先程も述べました。 その原因としては、利尿剤などの薬剤の服薬、食事からのマグネシウム摂取量不足、胃腸の吸収障害(下痢など)があり、そのほかにも多くの生活習慣に原因があります。
 たとえば、インスリンはブドウ糖とともにリンを細胞内に移動させる作用がありますが、暴飲暴食などによってインスリンの過剰分泌を起こすと、必要以上に細胞内にリンが取り込まれて血液中のリン濃度が低下し、低リン血症を起こします。低リン血症になるとマグネシウムは腎臓から尿とともに多く排泄されます。このように、インスリンの過剰分泌もマグネシウム不足を起こす原因となります。
 また、マグネシウムは「抗ストレスミネラル」と呼ばれるように、ストレスが多いときほど多く消費されます。片頭痛の人は精神的ストレスを受けやすく、ほとんどの人がマグネシウム不足であるといっても過言ではないと思います。
 その他、激しい運動、過労、過食など、マグネシウムを消耗する要因は、現代の生活環境の中に満ちあふれているのです。


以上、片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。ここにマグネシウム不足が起きてきますと、益々、ミトコンドリアを機能が悪化してきます。片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。
そして、現代の生活環境の中には、マグネシウム不足を引き起こす要因は満ちあふれており、ちょっとでも油断すれば、簡単にマグネシウム不足に陥ることになります。
 こうしたことから、マグネシウム補充は”片頭痛治療の要”となっています。

目次へ


48.片頭痛治療に「りんご」がなぜよいのでしょうか?

 りんごはリンゴペクチンを多く含みます。これが、なぜよいのでしょうか?

アップルペクチンは植物性の水溶性食物繊維

 ペクチンは植物性の食物繊維で、アップルペクチンは、ペクチンの中でもリンゴに多く含まれる水溶性食物繊維です。
 ペクチンは、よく食品添加物(増粘剤)として、ジャムやゼリーといった加工食品の粘度を上げる用途や、ヨーグルト飲料の乳タンパクを安定させる用途で利用されていますので、商品のパッケージで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

アップルペクチンは美容や健康の強力なサポーター

 そんなアップルペクチンには、一方で健康に好影響を与える効果もたくさんあります。 昔からリンゴは、「1日1個食べると医者を遠ざける」と言われているほど、健康に良い食品だとされていますが、それはアップルペクチンの効果も大きな要因の1つと言えるでしょう。
 例えば、アップルペクチンの効果としては、便秘解消、コレステロール値を下げる、血糖値の上昇を抑制する効果などがあります。さらに近年では、放射性セシウムの除去効果があるとしてより注目を集めています。

アップルペクチンで長期的にも短期的にも便秘対策を

 アップルペクチンが便秘対策として有効な理由は、なんといっても整腸効果です。

 慢性的な便秘の人では、腸内はかなり悪玉菌の強い状態となっているものです。腸内環境の悪さから便秘になることもあれば、便秘になったことで腸内環境が悪化するということもあります。いずにせよ、便秘と腸内環境は切っても切り離せない関係にあります。いかに腸内を整えるかが、便秘解消の鍵となっているわけです。

アップルペクチンは大腸に届き、善玉菌を増やす

 アップルペクチンには、小腸で消化されずに大腸に届き、腸内の乳酸菌の餌となることによって、善玉菌を増殖させてくれる作用があります。腸内細菌は常に多数派がより優勢となる性質を持っているため、悪玉菌より善玉菌が増えれば、腸内環境は改善され、便秘の解消に繋がるのです。
 腸内細菌のビオチン産生菌であるアシドフィルス菌が特にこのリンゴペクチンを好むことから、腸内細菌の改善をします。
 また、アップルペクチンは、便の容積を増やしてくれる働きがあります。すると大腸への刺激が大きくなりますので、腸の運動を促進することになります。
 いわばアップルペクチンは、便秘に対して長期的で根本的なアプローチと、短期的で即効的なアプローチと、両面からの効果を持っているということです。

その他の働きとして

 リンゴペクチンには悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる効果があるとされています。
 また、リンゴポリフェノールには血圧を下げる働きや抗がん作用、動脈硬化を予防する、血液をさらさらにする、育毛効果、筋力アップ効果、内臓脂肪の分解を促進するなどの効果があるといわれています。
 果皮に含まれるオクタコサノールは酸素の利用効率を高め、グリコーゲンを効率よく消費し、エネルギー産生量を増やし、持久力を高めるといわれています(オクタコサノールは渡り鳥のスタミナ源として有名です) 
 リンゴに比較的多く含まれるカリウムには血圧を下げる効果があります。
 これら以外にも、効能として、抗アレルギー作用、中性脂肪低下作用、虫歯予防作用、消臭作用、メラニン生成抑制作用、白内障予防作用、美白作用などがあるといわれています。

アップルペクチンの効果的な摂取法

 アップルペクチンは、リンゴの果肉以上に皮にたくさん含まれています。便秘への対策として食べる場合には、なるべく皮ごと食べると、より一層の効果を期待できるでしょう。
 実はペクチンという成分そのものは、リンゴ以外に柑橘類からも抽出可能なものです。 しかし柑橘類ではなかなか皮まで食べるわけにはいきません。数あるフルーツの中でもリンゴのペクチンへの注目が高いのは、身近で入手しやすい食べ物であるという点と、皮ごと食べやすいという点が大きいのです。
 皮が固くて苦手という人もいるかもしれませんが、心配にはおよびません。摺り下ろしたり、加熱してもアップルペクチンの成分は損なわれないからです。
 皮ごと摺り下ろしたり、焼きりんごなどに調理すると食べやすく、アップルペクチンの力を存分に受けることができるでしょう。

実際には・・

 マックス・ゲルソン博士の「ゲルソンの食事療法」のなかで、りんごが取り入れられています。
”彼は、まずリンゴだけのダイエットに挑戦しました。
生、そして焼きリンゴ、リンゴのソース、リンゴジュース。リンゴの砂糖煮。
その結果は上々で、全く片頭痛が起こらなくなったのです。”

 さらに、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案された「万能健康ジュース」で”りんご”が、その基本ベースとなっています。

 片頭痛治療上、「腸内環境の改善」は必須の事項になっています。

目次へ


49.片頭痛治療上、なぜ”鉄不足”がよくないの???

 頭痛には様々な原因がありますが、女性に多いのが貧血の影響による頭痛です。貧血と聞くと、めまいや立ちくらみなどをイメージする方も多いかもしれません。実際には、そのような症状が出るのはほんの一部で、頭痛をはじめ疲れやすい、息苦しいなどの不定愁訴など様々な影響を起こしています。いわゆる片頭痛も貧血が原因の可能性が高いのです。
 片頭痛持ちの人は、貧血になると頭痛が増え、頭痛の強度が増強してきます。

貧血が頭痛を起こす仕組みとは

 頭痛の原因の一つが貧血にあります。貧血というのは、酸素を運ぶ赤血球の数が少なかったり、赤血球が小さいことで全身に酸素が行き届かなくなった状態です。頭痛は様々な影響で起こりますが、脳が酸欠状態になっても起こりやすくなります。脳の酸欠で起こる頭痛は、片頭痛のようなズキズキするものから、頭が重くどんよりするような頭痛もあります。貧血というのは全身で酸素不足が起きています。酸素を燃やして作るエネルギー回路が利用できないため、身体にとってはかなり負担が大きい問題です。
 人間の身体で酸素消費が一番大きいのは脳です。体重の2%ほどしかない脳の酸素消費量は全体の25%にもなります。貧血によって酸素が不足すると、一番影響が出やすいのが脳なのです。エネルギー不足が起こると身体は疲れやすくなりますが、同時に脳の働きも低下しています。貧血による脳の酸素不足で、頭痛をはじめ、注意力や判断力の低下、神経症状など様々な影響が出るのです。貧血はあまりにも一般的で軽く考えられがちなのですが、貧血を改善することで、頭痛以外の不定愁訴が少なくなることも珍しくないのです。

 それでは、どうしてこのようになるのでしょうか?

頭痛だけじゃない不定愁訴をおこす隠れ貧血

 頭痛の原因が貧血であったとしても、一般の病院で貧血と診断されたことがないという人も少なくありません。健康診断では問題ないと言われたのに、貧血のような症状が出るというのはどういうことでしょうか?実は、気が付かない隠れ貧血の可能性があります。

 一般的に貧血を判断するのは、血液検査のヘモグロビン値です。このヘモグロビンの値は正常範囲にあっても、貧血症状が出る場合があります。保険診療で行う検査の場合、血液検査項目が決められています。しかし、貧血の正しい指標としてチェックしたい項目を検査しない場合がほとんどなのです。貧血かどうかの検査として確認すべき血液検査項目に「フェリチン値」があります。フェリチン値は鉄の備蓄量を確認できるのです。
 貧血かどうかを一般的にチェックするヘモグロビンは、例えると、財布の中身です。財布に沢山お金が入っていたとしても、貯金がゼロだったらかなり厳しい状況になります。 でも、財布の中にお金があれば、しばらくは大丈夫だし、周囲から見ても不足は見えません。フェリチン値とは鉄分の貯金のようなものです。一般的な検査では財布の中身だけを見て、経済状況を判断しているのと同じなのです。見落とされがちな鉄欠乏があるのに、病院では貧血と診断されないため、頭痛をはじめとする原因不明の不定愁訴に悩む隠れ貧血さんが多いと言われています。

「フェリチン値」検査の重要性

 ヘモグロビンの数値が正常でも鉄不足の場合がある?

 鉄が不足すると様々な症状として表れてきます。

 鉄が不足しているというと、まずピンとくるのが鉄欠乏性貧血です。貧血があるかどうかということを考える訳です。通常それ以上考えて踏み込む人ってほとんどいません。
 ただ基礎医学とかそういう個別の角度から見てみると鉄の欠乏っていうのは実は色んな症状を引き起こしてきます。鉄ほど大事なミネラルはないのではないでしょうか。人間の身体の中であるミネラルで一番多いのが鉄、その次が塩なのです。亜鉛もたくさんの働きをしていますが、鉄の働きというのはもう生命維持の為に是非必要ということです。
 地球上にもし鉄が存在しないとしたら人間は存在しません。それぐらい人間と鉄というのは切っても切れない関係にあります。その鉄が不足するということは実は大変なことなのです。通常は鉄というのはその赤血球の中に入っていてそして肺で吸った酸素を赤血球の所にくっつけて、身体の隅々の細胞まで酸素を送っていきます。その酸素は人間にとって必要だと皆分かってるわけです。大体ここまでが知識なのです。鉄が十分あると赤血球は十分ありますから問題なしだという風に一見見えるのですけども、実は鉄を必要としているのは身体の”細胞”の中でも必要なのです。皮膚粘膜の分野でも必要、それから免疫です。外から入ってきた物をやっつけようというにも鉄は必要です。それから身体の組織を作るコラーゲンという、例えば血管等をつくる組織のコラーゲンを作るときにも必要です。まだたくさんあるのですけども、そういうことで必要になってくるわけです。
 それでは、鉄っていうのは身体に取り入れたときに均等に、皆に均等に鉄を配るんであれば赤血球の鉄は少ない、つまりヘモグロビンです、普通検査だと、これが足りなけりゃ鉄足りないってすぐ分かるのですけど、実はこの配分っていうのは均等じゃないのです。 酸素が無いと死んじゃいますから、誰もが口に手を押さえて酸素を吸わないと死んじゃいます。だから酸素を吸うということは身体にとって一番大事なので最優先なのです。  鉄のほとんどは赤血球を作るほうにいきます。その残った分が”細胞、皮膚、粘膜、免疫、コラーゲン”に回ってきます。ですからどんなことが起こるかといいますと鉄の不足が起こると赤血球でほとんど使われて、そしてこれから下の部分、”細胞、皮膚、粘膜、免疫、コラーゲン”は鉄不足のまま過ごす事になります。鉄不足の考え方というのはまさに、ここで、赤血球のヘモグロビンだけが正常だ、貧血ありませんと言われたら大丈夫かといったら全然大丈夫じゃないのです。それは、酸素を運ぶ事は大丈夫だけど、細胞、皮膚、粘膜、免疫、コラーゲンの鉄の本来の身体にとって必要な作用はどうなんですかというとそれはもう全く分からないです。これを見抜いていく一つの指標が「フェリチン」という物質なのです。身体の中の検査項目です。「フェリチン」が最低でも40以上、できることなら100以上あればこの辺の機能はしっかりしてます、ということになります。ところが実際に診察の中で検査をしてみるとこのフェリチンが40等と、とんでもないと、5だとか6だとか場合によっては1未満、1に満たないのです。この数字から見たら恐ろしいです。1未満っていうとまあヘモグロビンはなんとかキープしていても”細胞、皮膚、粘膜、免疫、コラーゲン”の鉄はもうほとんど無いのです。こう言うのが鉄欠乏症、鉄の不足の実態なのです。
 ですから今の検査で言うとほとんどがヘモグロビンしか測りませんから”細胞、皮膚、粘膜、免疫、コラーゲン”を見落としてしまうということになるのです。だから鉄の不足を見る時は是非血中のヘモグロビンと「フェリチン」をせめて見てみないといけないということです。まあフェリチンも色んな要素で上がったり下がったりしますからそれだけでは判断出来ない事もあるのですけど最低限これを見てみる必要があるということになります。
 これが検査ではなかなか見つかってこないという鉄不足の実態なのです。それでは実際鉄不足かを見ようとしたときに”細胞、皮膚、粘膜、免疫、コラーゲン”の症状を良く知っておくと、鉄不足かなーって自分でも想像つきます。


 「細胞」にとって必要な鉄のほとんどは細胞の中でミトコンドリアというのが中にあるのですが、ここはいわば分かり易く言えば細胞の発電所みたいなもので、エネルギーを作る訳です。そのエネルギーは何に使われるかというと細胞に届いた色んな物質を取り入れるために使ったり、細胞そのものを運営していったり、これも一つの生き物ですからそれには当然エネルギーが必要です。そのエネルギーを作るのがミトコンドリアであって、そのミトコンドリアを上手く動かすには鉄が必ず必要で、鉄が無いとミトコンドリアは働かないのです。だからここで鉄不足が起こると、もうこの発電所の機能が落ちちゃうわけですから細胞レベルで元気がなくなってしまいます。ですから例えば筋肉の細胞が元気がなくなったらどうなるかというと、これは力が入りません。ちょっと動くと酷い疲れになるのです。だから鉄不足の人はこの疲れっていうのがかなり酷いです。ちょっと動くとすぐ疲れるとか、もう1日の終わりになると回復しようがないぐらいつかれて横になったら横になったままとか。夜の残った仕事がもうそれ以上出来ないとか。そういう状況になってしまいます。最後お風呂に入るのがもう入りたくなくなってきます。このように夜疲れてくる人は鉄不足の可能性が非常に高いのです。
 同じ細胞の中でも神経細胞等が力不足になって、出てくるのが集中困難です。集中力がなくなってくる。でもやらなきゃいけない事があるのに集中力も無くなるし、筋肉も疲れてくると結構イライラしてきてしまいます。こういうような苛々が出てきたり不安が強まったり、抑うつ感が出たりということです。細胞に関してはこういうことです。だから鉄不足になると細胞レベルで元気がなくなります。これは大変な事態です。だから意欲も無いし動きたくも無いし億劫だし、うつと同じような症状になってしまいます。


 こんどは「皮膚・粘膜」です。これは細胞が分裂するときに必要なミネラルというのは鉄と亜鉛なのです。鉄不足にれば、細胞分裂が出来なくなりますから皮膚粘膜が非常に弱くなってきます。なぜかといいますと皮膚・粘膜が1日2日で入れ替わって下から新しいのが出てくる、で粘膜が落ちて無くなっちゃうのですけど、皮膚だと垢になってしまうのが、それが1日2日で入れ替わっている人とこの入れ替わりが鉄不足のために悪くなって、同じ皮膚で1日2日じゃなくて何日もこう保つようになってくる、そうするとそれがだんだんと弱くなりますから皮膚から色々なばい菌が入ったり、異物が入ったり。皮膚というのは免疫の第一線なのです、変なものが入って来ないように守るためのものですのでそれが弱くなるとそこから色んな物が入って肌荒れが起こったり、粘膜の各種病気です、口内炎を起こしたり、女の人だといわゆるデリケートゾーンの荒れとか、そういうのが起こしやすくなったり、かぶれが起こりやすくなったりなんてことも実は出てくるのは鉄不足でよく起こることなのです。


 それから今度は、「免疫」というのがあります。これはどんなものかといいますと、外からばい菌が侵入してきます。そうしたらそれを白血球である細胞がばくって食べちゃうわけです。でやっつけるわけです。でも白血球の気持ちになってもらうとその食べたものどうなるのということになるのです。皆さんも悪いやつ、例えば毒饅頭があったのでパクッと食べちゃいました、ってこれで解決と思う人はいないでしょう。食べた後どうなるんですかっていったらそのままにしておいたら毒饅頭で自分がやられちゃいます、白血球だって一緒なんです。食べた悪いやつをその後白血球は身体の中で、ここで鉄が必要なのです。鉄を使ってフェントン反応といって活性酸素、活性酸素という細菌とかそういのはやっつけるのです。活性酸素をそこでつくるんです。その時鉄がフェントン反応起こしてくれないと作れません。それが鉄がない人は食べたまんま悪いやつやっつけれないですからそこで増殖したら自分がやられてしまいます。ですから鉄不足の人は膿んだ後の治りが凄く悪いのです。食べて膿にはなるんですけど、その後始末が出来ませんから傷の治りが悪い、膿んだ後の治りが悪いなんてことも起こってくるのです。鉄がいっぱいあるとそこでフェントン反応が起こって活性酸素をいっぱい作って食べた物をピシピシピシと自分の中でやっつけてくれるということが出来るのです。


 それからこの「コラーゲン」というのは、血管を作っているものなのです。そのコラーゲンの合成に鉄が必要なので鉄不足になるとそのコラーゲンが不足しましてしまい、血管がぷよぷよになっちゃいます。でぷよぷよになるどんなことが起こるかというと外からの圧力ポンとかかると血管が漏れちゃうんです。そうすると内出血を起こす。だから鉄不足の人はこういう症状が出ます。最近どうも内出血を起こすんですって。ぶつけた覚えもないのに内出血を起こしますってよく言われる。ぶつけた覚えって、人間はそこらじゅうでぶつけてますけど血管が丈夫だったら破れないだけのことです。血管が脆くなりますからちょっと当たったところがぷちぷちっと内出血を起こすと体中に痣みたいなものが出てくるということも実は起こってきます。


 このように赤血球以外のたった4つなのです、我々の機能というのはいかに鉄に守られているかっていうことが分かって頂けるのではないかと思います。
 生きていく上では他にも色んな必要な要素はいっぱいあるのです。鉄って自分とそれだけ色んなとこで関係してるんだなってことを是非分かって頂いてちょっと鉄不足にならないように意識して頂けるとよいと考えています。今みたいな症状が出ている人はフェリチンとかそういうものを測って出来れば鉄を摂るようにすると、それからそんな症状は出てないけど鉄大事だと思えば普段から食事の中で症状が出てない人でもなるべく鉄を摂るようにしていきましょうという風に考えて頂きたいと思います。その時の鉄、食べ物で言えばやっぱりレバーとかです、それからお肉の赤身です、レバー嫌いな人はお肉の赤身でいいですからそれをしっかり摂ってください。そしてあのひじきなんかも入ってるんですけど、もう本当少ないのでひじきだけで鉄をまかなうのはかなり難しいです。それから小松菜、ほうれん草に至っては鉄分が非常に少ない、昔とはもう違いますのでこれで摂るのもかなり厳しいです。バケツ1杯とか2杯とかのほうれん草を食べると賄えるかもしれませんがちょっと考えただけでも食べたくないです。それよりはお肉の赤身ということになってきます。

冷え症、シミ、シワは鉄不足

 以上をまとめてみますと・・
 女性は、体内で鉄の働きが落ちたり、鉄不足になったりすると、冷え症、シミ、シワ、免疫の低下といった症状が起こってきます。女性の冷え症は貧血に由来するという見方が主流ですが、貧血がなくても冷えは起こります。言い換えれば、「貧血がないから、鉄不足ではない」とは言い切れないのです。これを医学の分野では、「潜在性の鉄欠乏」と呼びます。
 それが冷え症の原因になったり、肌にシミを作ったりするのです。人間の体温維持には、「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質が関与しています。正確には「ATP」がエネルギーの源となっています。すべての細胞はこのATPをエネルギー源として使い活動した結果、体温維持や代謝、成長などが行われています。
 ATPは細胞の中にあるミトコンドリアで作られます。そして、ミトコンドリアの中には鉄が保存されています。例えば、過度なダイエットなどで鉄分が不足するとミトコンドリアで蓄えられていた鉄が使われて減っていきます。鉄が減ればATPを十分に作れなくなるので、体温を維持できず、冷え症が起こるのです。
 鉄不足がもっと進むと貧血になるが、冷え症はその前に起こる現象です。また、肌のシミのもとは、紫外線が当たった時の防御反応によって作られたメラニン色素です。通常、不要になった色素は、カタラーゼという酵素が消し去ってくれます。そのカタラーゼが働くためにも鉄が必要です。鉄が不足すればカタラーゼの活性も落ち、メラニン色素を消しきれなくなります。それがシミとなって肌の表面に残るのです。これも、貧血になる前から起こり始めます。一方、シワは、コラーゲンの合成が低下するとできます。コラーゲンの合成にも鉄が必要で、鉄が足りなくなってくるとコラーゲンの合成速度が遅くなるのです。
 そうしてコラーゲンが少なくなると、皮膚の下の水分保持が十分にできなくなり、乾燥してシワができる、という仕組みです。また、カタラーゼと言う酵素はシミを消すだけでなく免疫にも関係しています。従って、鉄があってカタラーゼが十分に働けば、粘膜が丈夫になります。反面、鉄が足りなくなってくると、免疫力が落ちて、風邪などを引きやすくなるのです。このように、女性にとっては鉄がとても重要なミネラルで、「月経がはじまってからは、鉄との闘いだ」と説く学者もいます。 

鉄分不足の貧血が片頭痛を引き起こす!?

 鉄の体内で以下のような様々な重要な役割を果たしています

1.鉄が赤血球の重要な構成要素として酸素の運搬に関わっている

 全身の細胞へ酸素を運び、蓄える。

・酸素の運搬 : 赤血球のヘモグロビン
・酸素の備蓄 : 筋肉細胞のミオグロビン

2.エネルギーを生み出す

 ミトコンドリアでATPを産生します。
 ATPは細胞の中にあるミトコンドリアで作られます。
 そして、ミトコンドリアの中には鉄が保存されています。
 たとえば、過度なダイエットなどで鉄分が不足すると、ミトコンドリアに蓄えられていた鉄が使われて減っていきます。
 鉄が減ればATPを十分に作れなくなるので、体温を維持することができず、冷え症が起こってくるのです。
 鉄不足がもっと進むと貧血になりますが、冷え症はその前に起こる現象です。

 グルコース→ピルビン酸→アセチルCoA→クエン酸回路→電子伝達系

 この経路でグルコースは完全燃焼できます。
 乳酸を溜めないためにはピルビン酸→アセチルCoAの補酵素であるB1,ナイアシンが重要です。
 しかし、この代謝が完結するためには鉄が十分量あることが前提条件になります。
 電子伝達系があるミトコンドリア膜には鉄は必須なのです。
 鉄不足→電子伝達系の機能低下→クエン酸回路が回らない→アセチルCoAが余る→ピルビン酸が余る→乳酸蓄積
すなわち、鉄不足があると、ATP不足と乳酸蓄積を生じます。

 鉄不足の人が糖質制限をしても、脂肪酸→アセチルCoA→クエン酸回路→電子伝達系、の代謝がスムーズに行かないため、効果が出にくいのです。ですから鉄を増やさないと話にならないということです。
 さらに、脳細胞のミトコンドリアでエネルギー生産もできなくなり、材料不足でストップ。そして、食事などによってやっと鉄分が補給され、血流が増加すると、一気にミトコンドリアの活動が増して、活性酸素を大量に出すという状態になるので、片頭痛の引き金にもなりかねません。

3.活性酸素からカラダを守る

 抗酸化酵素(カタラーゼ・SOD)の補因子として働きます。
カタラーゼやグルタチオン・ペルオキシターゼなどの抗酸化酵素の構成要素となって活性酸素の消去に関わっています。

4.コラーゲンの合成を助ける

 酵素シトクロムP450は鉄を補因子として、ビタミンCを補酵素としてコラーゲン特有のアミノ酸 (ヒドロキシプロリン・ヒドロキシリジン)を合成します。

5.有害物質の排泄を助ける

 肝臓に多い水酸化酵素シトクロムP450の補因子として、水に溶けやすく排泄されやすい形に換えます。
ミトコンドリア内でシトクローム酵素の構成成分としてATPの合成に重要な働きを負っています。

6.神経伝達物質(脳内セロトニン)の生産に関わっている

 鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られないので、貧血が起こります。貧血が起こると、脳内にも酸素や栄養素がしっかりと届かなくなるため、十分なセロトニンを合成することもできなくなります。
 セロトニンは、片頭痛を抑えたり、片頭痛の大元のストレスを抑えて体に負担がかからないようにしてくれる重要なものです。
 鉄分は実はセロトニンなどの神経伝達物質を作るときの酵素を助ける「補酵素」として機能しているため、鉄分が十分潤っている体内ではセロトニンがスムーズに作られますが、鉄分不足だと、セロトニンの生成自体が出来なくなるわけです。
 つまり、セロトニンの合成には、トリプトファンとビタミンB6とマグネシウムとナイアシンが必要!であり、実は「鉄分」も必要なのです。

 以上のように・・

 ミトコンドリアはチトクローム系酵素「ヘム酵素」を含みヘム鉄が材料のため、ミトコンドリアの多い臓器は鉄の赤い色をしています。貧血や鉄欠乏貧血など鉄の不足があると、TCAサイクルや電子伝達系での反応が進みにくいため、エネルギー不足で疲れやすい、強い冷え症などの症状が発現し、また脂肪が燃えにくくなります。
 鉄は、ヘモグロビンの材料になるだけではなく、各細胞のミトコンドリアにおけるエネルギー代謝の触媒のような働きをします。さらに、トリプトファンというアミノ酸からセロトニンができる過程で、チロシンというアミノ酸からドーパミンができる過程で、鉄が必要になってくるのです。

鉄の循環

 鉄は吸収されると、まず骨髄の赤芽球にはいり、ヘモグロビンとして合成されます。
 赤芽球は成長して赤血球となり、末梢血液中には3~4日後に現われます。
 赤血球は心臓から末梢へ動脈系を通過して酸素を運搬し、約120日の寿命をもつと考えられています。
 老化したヘモグロビンは脾臓で分解され、鉄は再び利用されます。


鉄不足はエネルギー不足と心得ましょう

 鉄については新しい認識として「鉄不足=貧血」ではなく、「鉄不足=エネルギー不足」だと思ってください。というのも鉄はエネルギーを作り出すうえで欠かせない成分なので、鉄が不足するとエネルギー不足になります。
 その結果、元気もでませんし、疲れやすいし、体温も上がらないので冷え症にもなりやすくなります。体のすべての機能が低下してしまうのです。
 鉄不足の影響が身体のどこにでるか、どういった症状であらわれるかは人それぞれなのですが、いわゆる女性特有のトラブルといわれるものの背景には鉄不足が関わっているケースが多いということは覚えておくといいと思います。
 実際に、不正出血だったり、便秘が鉄を摂取したところ改善したというケースもあるのです。この例は筋肉を収縮させる働きもする鉄分を補ったことで、子宮の筋肉がきちんと収縮するようになったこと、腸の蠕動運動が正常化したと考えられます。
 そいうことで、今現在、カラダの調子がいまいちすぐれないとか、年齢のせいかな?と思う衰えを感じているようならまずは鉄を補給するようにしてみてください。 病院にいくのはそれからでもいいと思います。

 ここで、ミトコンドリアの機能をおさらいしておきましょう。

「ミトコンドリア」というエネルギー製造工場

 わたしたちが食品から摂ったカロリーは、細胞内の「ミトコンドリア」というエネルギー製造工場で最終的にエネルギーに変換されどんどん消費されています。わたしたちの全身の60兆個の細胞が生きていくために、たとえ寝ている間でも、常にエネルギーが必要だからです。
 わたしたちが食べた三大栄養素の「糖質(炭水化物)」「脂質」「たん白質」は消化され、それぞれ「グルコース」「遊離脂肪酸」「アミノ酸」になります。その中で主にエネルギーとして使われるのは、おもにグルコースです。そして(中性)脂肪に変わるのも、グルコースです。つまりグルコースを細胞内のミトコンドリアで使いきってしまえば、(中性)脂肪になることはありません。(たん白質は主にLBM(脂肪以外の組織)の材料であり、脂肪は主にホルモンや細胞膜の材料となります。)
 しかし細胞内でのエネルギー産生には限界があるため、糖質をたくさん摂取したり、補酵素のビタミンB1の不足があると、結果として(中性)脂肪として蓄積され太ります。 また、低血糖でインスリン過剰分泌がおこると大量にブドウ糖が細胞内に取り込まれ、TCAサイクル(エネルギー製造工場)に入れなかったブドウ糖は(中性)脂肪に変わります。
 ビタミンB群は、「代謝ビタミン」とも「ダイエットビタミン」とも呼ばれます。
 それは、細胞内でのカロリー消費の主役が、ビタミンB群だからです。
 わたしたちが食べたカロリーはミトコンドリアに入り、TCAサイクルという場所に放り込まれて、燃やされてエネルギーに変わります。そのときにビタミンB群が不足すると、燃やすことができません。マッチに火をつけても燃えないように、ビタミンB群がないとカロリーをエネルギーに変えられないのです。ビタミンB不足でエネルギーに変われないカロリーは、脂肪として貯金されるのです。
 ビタミンB群不足では、太るだけでなく、エネルギー不足にも陥り、体調不良や疲労の原因となります。摂食障害の患者さまでは、飢餓状態でビタミンB群の強い不足があり、お若い方でもみなさん不定愁訴を訴えるのはこのためです。
補酵素の要であるビタミンB群の基質との親和性は個人差が大きく、その必要量は数倍から数十倍の差があることが指摘されています。
細胞内で呼吸器質(ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸、ケトン体)がエネルギーへと変換されています。
 ビタミンやミネラルが十分にないと、エネルギーを産生できません。
 ブドウ糖からピルビン酸へと変換される過程には、ビタミンB1とナイアシン(B3)が必要です。そしてピルビン酸からミトコンドリアに入りアセチルCoAとなりますが、それにはビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸が必要です。
脂肪を燃焼するには、まず細胞中の脂肪を運ぶアミノ酸が必要です。アミノ酸のリジン、メチオニン、セリンは脂肪を運んでくれます。脂肪が燃焼するには、たん白質、鉄、マグネシウムも必要です。
 ビタミンC不足でも、脂肪は燃えません。脂肪酸はカルニチンによってミトコンドリアに運ばれますが、カルニチンがアシルカルニチンにならないと内膜に届きません。そのためには、ビタミンCが必要です。ビタミンCが不足しても、脂肪を燃焼できないためエネルギー不足に陥り、疲労感が出ます。
常に細胞内でエネルギーを十分に作ることができれば、体調も良く、代謝の良い健康的な体を維持できます。そのためには、十分なビタミンやミネラルの補給が必要条件です。
一つの細胞は、10~数百個のミトコンドリアを持ちます。ミトコンドリアはチトクローム系酵素「ヘム酵素」を含みヘム鉄が材料のため、ミトコンドリアの多い臓器は鉄の赤い色をしています。貧血や鉄欠乏貧血など鉄の不足があると、TCAサイクルや電子伝達系での反応が進みにくいため、エネルギー不足で疲れやすい、強い冷え症などの症状が発現し、また脂肪が燃えにくくなります。
体温が1度低下すると、代謝は14%も低下するとも云われています。十分なヘム鉄の補給が必要です。

鉄欠乏性貧血とは?

 貧血にはいくつかの種類がありますが、女性に多いのは、体内の鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血です。鉄分の摂取不足、鉄の吸収が悪い、出血により鉄の補給量より排出量が多い、などが主な原因です。
 女性は月経の出血により鉄分が少しずつ失われていくことで鉄欠乏性貧血になる人が多く、20代、30代、40代と年齢が高くなるにつれて貧血の人が増える傾向にあります。40代になると女性の約3割が貧血になっています。
 体内で鉄が減少すると、貯蔵鉄であるフェリチンが使われ減っていきます。フェリチンが不足すると血液中の鉄分も徐々に不足し、最後にヘモグロビンが減少し貧血が起こります。治療では、体内に貯蔵鉄がどのくらいあるかを調べることがポイントになります。
 症状 動悸、息切れ、疲労感、めまい、頭痛、顔面蒼白、むくみ、氷がガリガリ食べたくなる、爪がもろくなるなど症状は多彩です。

 貯蔵鉄のフェリチン、理想値は100~300 で、男性の99.9%はフェリチン100以上です。 50歳以上の女性の80%はフェリチン100以上です。
 しかし、15~50歳女性の80%はフェリチン30以下の鉄不足で、、40%はフェリチン10以下の深刻な鉄不足です。
 鉄不足だと電子伝達系の機能が低下し、十分なATPが産生できません。このため 鉄不足の人はどんなに暑くても汗をかけません。


カフェインの作用として

 カフェインは鉄分の吸収を阻害しますので、貧血気味の女性、貧血の人は、せっかく他で鉄分を補ってもカフェインのせいで鉄分吸収がうまく行われないことがあります。
 その他にも体から亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンCやB群を奪うことが知られており、このためエネルギー代謝を始め、多くの代謝に支障がでます。
 またカフェインの過剰摂取(1日300mg以上)はホルモンバランスを崩しますので、こちらも様々な影響を及ぼします。
 コーラ類や紅茶にはインスタント・コーヒーと同じくらいカフェインが含まれていますし、緑茶、ココア、チョコレートなどにも含まれます。市販薬に多量のカフェインが含まれているケースもあります。
 知らず知らずのうちに、自分が思っている以上にカフェインを摂ってしまう状況があります。有効な部分ももちろんあるのですが、摂りすぎには注意した方がいい成分、ということです。
 そのいい例が、カフェインは頭痛を抑える働きがあるのですが、飲みすぎると逆に頭痛を引き起こす、という作用です。
 うまく摂り入れるといいのですが、過剰になると毒となります。注意したいものです。
何でもそうですが、偏った摂り方にいいことはありません。

片頭痛とカフェイン摂取と鉄補充の有用性

 カフェイン摂取制限と採血にて貧血を指摘された片頭痛患者さんに対し積極的にカフェイン摂取制限を行いさらに鉄欠乏性貧血に対し治療を行った際に症状の軽減がみられます。
(済生会松山病院 脳神経外科・神経内科 日本頭痛学会総会 2010)


 以上のように、片頭痛治療は、健康と美容と密接な関係があり、切っても切れない関係にあることが理解されたと思います。とくに女性の場合なぜ片頭痛が多いのかという理由にもなっています。これには鉄の不足が関与しているということです。


 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
 以上のように、鉄の不足は、ミトコンドリアの機能障害をさらに悪化させ、脳内セロトニンの産生を抑制させ、有害物質が蓄積し、抗酸化物質が作られなくなってきます。

目次へ


50.片頭痛治療上、「ニンジン」は、なぜ大切でしょうか

 にんじんは、根を食べる野菜の中では珍しく緑黄色野菜です。オレンジ色の色素はカロテンです。体内でビタミンAに変わります。緑黄色野菜の中でも、カロテン含有量はトップクラスです。約50グラム食べれば、成人に1日に必要な量のビタミンAがカバーできます。カロテンの名も、英語のキャロットに由来しています。
 カロテンは油に溶けやすい物質です。バターや油といっしょに調理すると、カロテンの吸収利用が促進されます。きんぴらや精進揚げなどは理にかなった食べ方です。
世界各国のにんじんはオレンジ色が一般的です。しかし、原産地といわれるアフガニスタン周辺に分布している野生種やこれから発達して現在栽培されているものは、白色、黄色、紅紫色、黒紫色などもあり、形も丸いものや長いものなどさまざまです。
 中国では胡の国から伝わっただいこんという意味の「胡羅葡(フロボ)」とよばれています。 中国から渡来したにんじんは、日本で古くから知られていた薬用人参と根の形が似ていたので、それと区別して芹人参(せりにんじん)とよばれました。せりと同じような葉をしていたからです。それが食用として広く利用されるようになり、いつしか「芹」がとれてにんじんとなりました。
 戦後、日本でも食卓の洋風化にともない、東洋系に代わり、西洋系の「カロチンにんじん」がポピュラーになりました。最近は、にんじん特有のにおいが少なくなっています。 健康志向とも相まって、「カロテンが豊富で、しかもにおいの少ないものを」という、消費者ニーズにそったためです。
 西洋系のにんじんの色はカロテンによるものです。長さが15センチ前後とこぶりになっています。日本で分化した品種は、三寸にんじん、四寸にんじん、五寸にんじんというように根の長さをもとに尺貫法で表現されました。
ニンジンは抗酸化作用のある「β-カロチン」と腸内細菌の健全化のための「食物繊維」が豊富であるのが特徴です。

β(ベータ)カロテン

 β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれるカロテノイドの一種で、強力な抗酸化力を持つ栄養素です。体内では必要量に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとしても効果を発揮します。
 人体の粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ったり、視力を維持するために必要不可欠な成分です。
 β-カロテンとは、1930年に発見された健康成分で、にんじん(carrot)の橙色のもとになっている栄養素であることからこう名付けられました。
 カロテノイドの一種であるカロテンは、主にα-カロテンとβ-カロテンの2種類に分けられます。
 β-カロテンはカロテンの中で最も多く自然界に存在しており、にんじんやかぼちゃ、ブロッコリー、トマトなどの緑黄色野菜や、みかんなどの柑橘類、すいかなどに多く含まれている成分です。
色の鮮やかな野菜や果物ほど、より多くのβ-カロテンが含まれているといわれています。

●β-カロテンの体内での動き

β-カロテンは、体内で必要量に応じてビタミンAとなり、働きます。
体内に入ったβ-カロテンは、約3分の1が小腸で吸収され、体内で必要な量のみがビタミンAへと変換されます。
ビタミンAは脂溶性のビタミンであるため、その性質上、過剰摂取に対する注意が求められる成分ですが、β-カロテンの摂取では必要な量しかつくられないため、その心配がなくなるといえます。
カロテノイドの中でもβ-カロテンのように、体内においてビタミンAとして働く健康成分はプロビタミンA(ビタミンA前駆物質)と呼ばれています。
プロビタミンAは約50種類存在しますが、β-カロテンはプロビタミンAの中でもビタミンAとして作用する割合が高い栄養素です。
ビタミンAへと変化したβ-カロテンは体内で他の栄養素の働きを促進するということが知られています。
ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEなどの成分は、ビタミンAが十分に存在しないとその働きや効果が発揮されないといわれています。
 ビタミンAは、ほかの健康成分や栄養素の働きを促進する役割も担っているため、その他のビタミンや栄養素とともに、バランス良く摂取することが大切です。

●β-カロテンの働き

β-カロテンは全てが体内でビタミンAに変換されるわけではなく、一部は脂肪組織に蓄えられ、β-カロテンとしての効果や効能を示します。
 β-カロテンはカロテノイドの一種であるため、強力な抗酸化作用を持っています。
 抗酸化作用は、カロテノイドに分類される健康成分全てに共通する働きで、β-カロテン以外にもルテイン、アスタキサンチン、リコピンなどが強力な抗酸化作用を持つといわれています。
 抗酸化作用とは、体内に発生した活性酸素を除去する働きのことです。
 活性酸素は、本来人間の体内に存在しており、体内に侵入したウイルスと闘うなどの働きを持つため健康維持には不可欠な物質ですが、体内で増加しすぎると、人間の体に害を及ぼしてしまいます。
 活性酸素が増加しすぎる主な原因としては、ストレス、紫外線、喫煙、不規則な生活習慣や加工食品の食品添加物などが挙げられます。
 増加を続けた活性酸素は、老化の促進や、動脈硬化やガンなどの進行によっては命に関わる病気にもつながってしまうため、活性酸素による健康への悪影響は軽視できないものとなっています。
 β-カロテンは、強力な抗酸化作用を持っているため、活性酸素を原因とするあらゆる病気の予防などにも効果が期待されています。

●β-カロテンの効率的な摂取方法

β-カロテンは、脂質とともに摂取することで吸収率が高まります。熱にも強い成分であるため、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜を調理する際は、油で調理するとβ-カロテンを効率良く吸収できるといわれています。

●β-カロテンの摂取上の注意

β-カロテンは、摂りすぎると手のひらなどの皮膚が黄色くなる症状が見受けられることがあります。
これは「柑皮症(かんぴしょう)」といわれる症状で、カロテノイド(主にβ-カロテンやβ-クリプトキサンチン)を含む食材などが多量に摂取されたことにより、血中のカロテノイド濃度が上昇することで起こります。
しかし、摂取を止めるとすぐに治まる症状であるため、長期間に渡って多量の摂取を行わなければ、症状自体に大きな問題はないといわれています。

[※1:脂溶性とは、油に溶けやすい性質のことです。ビタミン類ではビタミンAの他に、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが脂溶性ビタミンに分類されます。]
[※2:ビタミンB群とは、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸の総称です。]

 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案される「万能健康ジュース」には、にんじんが入れられ、ニンジンは抗酸化作用のあるβ-カロチンの摂取と腸内細菌の健全化のための食物繊維摂取を目的に用いています。

 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に発生するのが活性酸素で、身の回りは多くの要因で活性酸素が発生し、これが
ミトコンドリアをさらに弱らせ、頭痛発作の引き金にもなります。このため活性酸素を除去する働きのある”にんじん”が大切になります。
 食物繊維としての”にんじん”は、腸内細菌の健全化・インシュリン過分泌の抑制・有害物質除去にも大切になってきます。

目次へ


51.片頭痛治療上、ゴマはなぜ、よいのでしょうか

 ごまには、白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマなどいろいろ種類がありますが、ごまに含まれるゴマリグナンには活性酸素を撃退するパワーがあるとテレビで放送されたことから、数年前から人気が急上昇中です。
 さらに最近の研究で、アンチエイジング(若返り)にも効果があることがわかってきました。
 ゴマには抗酸化作用の強いゴマリグナン(セサミン)をはじめ、微量ミネラル類(鉄分、亜鉛、銅、マンガンなど)、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、リンなど)、トリプトファン(セロトニンの原料)、メチオニン(血液中のコレステロール値を下げ、活性酸素を取り除く)、葉酸などの不足しがちな有用な栄養素を多く含みます。
 ごまの健康効果を感じる摂取量の目安は1日に大さじ1~2杯(10g~20g)。

ごまに含まれる抗酸化物質 ゴマリグナン

活性酸素の働きを抑制


 私たちの体内では常に活性酸素が発生し、それによって細胞が酸化され、老化がすすみます。活性酸素が増えると、肝臓の働きが鈍くなり、肝機能が低下すると、だるさ・肌 のハリが無くなったり動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールが増え、生活習慣病の疾病など色々な病気にかかりやすくなります。活性酸素が過剰にたまると、身体を酸化させ、これが老化やガンの要因の一つになります。 この活性酸素を除去するのが抗酸化物質です。 ごまには、ゴマリグナンという抗酸化物質が含まれていて、有害な活性酸素の働きを抑え、老化防止に有効と言われています。(ゴマリグナンに、セサミン、セサモリン、セサミノール、セサモール、エピセサミン等が含まれています。)

ゴマリグナンの効果

 ゴマリグナンは特に脂質の酸化を防ぐ働きがあり、ごま油が他の油より酸化しにくいのはゴマリグナンのおかげです。
このゴマリグナンは食物繊維の仲間で、「ファイト・エストロゲン」とも呼ばれています。
”ファイト”というのは、ギリシャ語で植物を指していて、ゴマリグナンは、植物性の女性ホルモンの一種です。ゴマリグナンは、大豆や乳製品に含まれるイソフラボンと同じ く、女性ホルモン(エストロゲン)と似たような働きをします。それで、ごまには更年期の女性のホルモンバランスを整え、更年期障害を改善する効果があります。

ごま油に多い抗酸化物質 セサミノール

 セサモリンはごま油を作る過程で強い抗酸化作用をもつセサミノールなどの成分へと変化します。すった状態よりもセサミノールの含有量が多くなります。ですが、すりごまに含まれる食物繊維などは失われてしまうので使い分けるのが大切です。

もっともパワフルな抗酸化物質 セサミン

動脈硬化、心筋梗塞、二日酔い防止、高血圧改善!


 ごまの抗酸化物質であるセサミンは大切な肝機能の働きを活性化するエース選手です。
 体内の活性酸素の80%は肝臓で発生、ほとんどの抗酸化物質は、体内に入った時から活性酸素と戦い、消化・吸収され肝臓にたどり着くまで戦い続け、肝臓で待ってる多量の活性酸素との戦いまで生き残れないものもあります。しかしセサミンは門脈という血管から肝臓に到達し初めて抗酸化物質に変身します。その為パワフルに肝臓の活性酸素を除去出来るのです。
動脈硬化や心筋梗塞を防ぐには、血液中の余分な悪玉コレステロールを減らす必要があります。
そこでごまはこの悪玉コレステロールをダブルでブロックします。セサミンは悪玉コレステロールの生成を抑え、ごま油に含まれるリノール酸などの不飽和脂肪酸が悪玉コレステロールを溶解します。
その他、セサミンは二日酔いにも力を発揮します。アルコールの解毒を助け、肝臓がアルコールを分解する際に発生するアセドアルデヒドの生成を抑えます。その他、血圧を低下させ、高血圧を改善する作用もあります。

ビタミンEとの組み合わせで若返り効果UP!

 ビタミンE自体、抗酸化ビタミンと呼ばれ抗酸化作用がありますが、セサミンと一緒にビタミンEを摂ると、血液中のビタミンEの量が2倍になることが研究によって発表されています。
 また肝臓内にセサミンがあると、摂取したビタミンEの分解を抑えてくれる為、より効率よくビタミンEの抗酸化作用を全身に行き渡らせることが出来るのです。美髪作り、 血行促進、冷え性、肩こりを改善させます。ホルモンの異常分泌を整え、更年期障害を改善します。シミ、シワなども紫外線による活性酸素が原因なので、美容にも効くのです。

脂肪燃焼を促進!

 ごまに含まれるセサミンは脂肪燃焼を促進する働きがあると考えられています。脂肪燃焼にはPPAR-アルファと呼ばれる酵素がとても重要で、セサミンにはこのPPAR-アルフ ァを活性化する力があります、 その他セサミンには食欲抑制やエネルギー代謝の増大を介して、身体内の脂肪量を調整するペプチドホルモン、レプチンの分泌とも関わりが あり、血糖値のコントロールに欠かせないインスリン分泌を正常値に戻す作用もあるのではないかと考えられています。

 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案される「万能健康ジュース」には、ゴマが入れられ、ゴマは抗酸化作用のあるゴマリグナンが含まれ、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、リンなど)、トリプトファン(セロトニンの原料)と大切なものが多く含まれています。

 
片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
 ゴマには抗酸化作用があり、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、リンなど)、トリプトファン(セロトニンの原料)と大切なものが多く含まれているからです。

目次へ


52.片頭痛治療上、ビタミンCは、どうしてよいのでしょうか

ビタミンCとは


 ビタミンCは、皮膚や血管の老化を防ぎ免疫力を高める働きを持つ抗酸化ビタミンです。 コラーゲンの合成に働いて骨を丈夫にしたり、肌にハリを持たせる効果があります。シミ予防などの美肌効果や抗ストレス効果をはじめ、多様な生理作用を持ちます。
 ビタミンCは体内に入ると、小腸の上部から吸収されて肝臓に運ばれ、肝臓から血液によって全身へ運ばれます。
多くの動物は体内でビタミンCをつくり出す仕組みを持っていますが、人間やモルモット、サルなどに限っては自分自身でビタミンCを合成できないため、食事などでビタミンCを摂取する必要があります。

 ビタミンCは水溶性のビタミンで、においはなく、白色で酸味があります。水に溶けやすく熱や空気、アルカリなどで破壊されやすい性質があるため、洗う・切る・加熱するなどの調理で減少してしまいます。生で食べられる野菜は新鮮なうちにできるだけ生で食べたり、加熱が必要な場合には、短時間で調理できる方法にするか煮汁ごと食べられるようにすると、効率良くビタミンCを摂取することができます。
ビタミンCは調理法次第で半減してしまうことが多く、体内での消費も激しいため十分に摂取することが必要です。

<破壊されにくい、いも類のビタミンC>

ビタミンCは主に野菜や果物全般に多く含まれ、そのほかじゃがいも、さつまいも、緑茶などにも含まれています。同じ野菜でも、その野菜にとって最適な条件のもとで栽培され、旬の時期に収穫された野菜のほうが栄養素は豊富です。
ビタミンCは熱によって破壊されやすい性質を持っていますが、じゃがいもやさつまいもに含まれるビタミンCはでんぷんによって守られているため、調理による損失が少ないという特徴があります。

●ビタミンCの歴史

ビタミンCは、ビタミンC欠乏によって起こる「壊血病」という病気を予防する物質として発見されました。
16~18世紀の大航海時代、船員は長期間に渡る航海で新鮮な食材を食べることができなかったため、多くの船員が壊血病で命を落としました。壊血病は全身の血管がもろくなって歯ぐきや内臓から出血し、そのまま死にいたる病気です。バスコ・ダ・ガマによるインド航路発見の際には、160人の船員のうち100人が壊血病で死亡したといわれています。
1747年、イギリスの海軍医ジェームズ・リンドが、船員に毎日オレンジやレモンなど柑橘類を食べさせることで壊血病を予防できると発見しました。このことから、その後イギリスでは長期航海の際は各地に立ち寄り、新鮮な柑橘類を積み込んで、毎日船員にライムジュースやレモンジュースを飲ませ、壊血病の予防に努めました。
こうして柑橘類が壊血病を予防する効果は確かめられましたが、ビタミンCについて明らかになったのはそれから約200年も後になります。
1920年には、イギリスの化学者ドラモンドが、壊血病予防因子をビタミンCと呼ぶことを提案しました。1928年、ハンガリーの科学者アルベルト=セント・ジェルジが牛の副腎から糖類に似た物質を新しく分離し、ヘキスロン酸と命名しました。それと同時期に、アメリカのピッツバーグ大学の生化学者チャールズ ・キングらによってレモンからビタミンCが分離され、それがヘキスロン酸と同一物質であることが明らかになりました。
1933年には、イギリスの化学者ホーワースによって化学構造が明らかになりました。
ビタミンCの化学名はアスコルビン酸といいますが、これは抗壊血病効果を持つ酸、という意味で、抗 (anti-)、壊血病 (scorbutic)、酸 (acid)から名付けられました。
さらに、ビタミンCが世界的に話題になったのは、2回もノーベル賞を受賞したアメリカの化学者ライナス・ポーリング博士が、論文の中で「普段からビタミンCを取っていると、様々な病気を予防できる」「ビタミンCの大量投与は風邪などの病気の治療を助ける」という内容を発表したことによるものです。

●ビタミンCの働き

ビタミンCは抗酸化力 が非常に強く、老化の原因である活性酸素 から細胞や組織を守ります。このため、悪玉 (LDL)コレステロールがサビつくことによってできる過酸化脂質 の生成を抑えることができます。
 またビタミンCは、体を構成する重要なたんぱく質のひとつであるコラーゲンを合成する時に必要な酵素の働きを助ける補酵素として働きます。コラーゲンは体をつくるたんぱく質のうちの3分の1を占め、細胞と細胞をつなぐ接着剤のような働きをしています。この働きにより、細胞同士の結合を強くし、血管や筋肉、皮膚、骨などを丈夫に保つ働きがあります。

●ビタミンCの欠乏症

ビタミンCが欠乏すると、疲れやすくなる、免疫力が低下して風邪や感染症にかかりやすくなる、肌のハリが失われる、貧血になりやすくなる、といったことが起こります。
さらにビタミンCの不足が続くと、壊血病になります。壊血病は、体をつくるたんぱく質のひとつ、コラーゲンを十分に生成することができず、体中の血管、粘膜、皮膚組織の結合が弱くなって出血が止まらなくなる病気です。
小児の場合の壊血病はメーラー・バーロー症といい、骨の形成・発育に支障をきたすこともあります。
また、ビタミンCが不足することで骨粗鬆症や食欲不振といった症状もみられます。

●ビタミンCの過剰症

ビタミンCの吸収率は約90%と高く、体内に吸収されやすい性質を持っています。しかし過剰に摂取しても余分なビタミンCは2~3時間で尿中に排泄され、体内に蓄積されないため過剰症の心配はありません。
ビタミン剤やサプリメントなどによって、1日に10 g以上摂ると、嘔吐、腹痛、下痢、頻尿、発疹が出ることがありますが、これらは一時的なもので過剰症ではありません。
腎機能障害がある人は、腎シュウ酸結石 のリスクが高まることが報告されています。

ビタミンCの効果

●老化や病気から体を守る効果


ビタミンCが持つ抗酸化力は、活性酸素の増加を抑えて老化を予防するほか、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞など心臓血管系の病気の予防に役立ちます。
ビタミンCは、同じく抗酸化力を持つビタミンEを再生する働きもするため、ビタミンEと一緒に摂るとさらに相乗効果が期待できます。

<ビタミンCと喫煙> 

体を老化する活性酸素は、食生活のほかに喫煙、飲酒、紫外線などによっても多く発生し、活性酸素を消すために抗酸化物質が働いています。
タバコを吸う人の血液中では、ビタミンCの濃度が吸わない人に比べて低く、タバコを吸わない人でもタバコの煙にさらされていると血液中のビタミンC濃度が低くなることがわかっています。これは、タバコを吸うことによって発生する活性酸素を抑制するために、ビタミンCが消費されているためです。
タバコを吸う人は、吸わない人に比べてビタミンCの消費量が1日あたり約35 mg多く、ビタミンCを消耗しやすいといわれています。このためヘビースモーカーはタバコを吸わない人よりも2倍量のビタミンCが必要です。

●美白・美肌効果

ビタミンCは美容効果が期待できるビタミンの代表的存在です。
人間の皮膚は、紫外線の刺激を受けるとアミノ酸のひとつであるチロシンが、チロシナーゼという酵素の働きによってメラニンという黒い色素に変わります。シミ・そばかすは、このメラニン色素が沈着することによって起こります。ビタミンCはチロシナーゼの働きを阻害することでメラニン色素の沈着 (シミ)を防ぎ、透明感のある肌を維持する効果があるため美白効果が期待できます。
また、ビタミンCはコラーゲンの合成を助けて肌のしわを防いだり、傷ややけどの治りを良くします。

●免疫力を高める効果

ビタミンCは免疫力を高めて風邪をひきにくくし、風邪をひいたとしても早く治す効果があります。
風邪をひきやすい人は血中のビタミンC濃度が低いことや、風邪をひいたときには低かったビタミンC濃度が、回復するにつれて徐々に高くなるということがわかっています。
ビタミンCは、体内に侵入した病原菌を攻撃する白血球の働きを強化し、さらにビタミンC自らも病原菌を攻撃して免疫力を高めます。
また、ビタミンCがコラーゲンを生成し、細胞がしっかり固められることによって、風邪などのウイルスを体内に侵入させにくくすることができます。

 ビタミンCは抗ウイルス作用を持つインターフェロンという物質の生成を促します。インターフェロンは、抗生物質では効果のないウイルスの核酸を破壊し免疫力を高めるため、ウイルス性肝炎 (B型・C型肝炎)の特効薬としての期待が高まっています。
 ビタミンCは肝臓の薬物代謝に関わる酵素を活性化し、解毒作用を高める効果もあります。

●ストレスをやわらげる効果

ビタミンCは神経伝達物質であるドーパミン、アドレナリンなどの合成や、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成に関わっています。副腎は腎臓のすぐ上にあり、多くのホルモンを分泌している器官で、副腎でホルモンを合成する時にはビタミンCが大量に必要です。
人間の体はストレスにさらされると、それに対抗するために副腎からアドレナリンを分泌して血圧や血糖を上昇させ、防衛体制をとります。アドレナリンが使われると不足分を補うために生成されますが、アドレナリンの生成にビタミンCが使われるため、ビタミンCはストレスで激しく消費されます。
 ストレスは、不安やプレッシャー、緊張などの精神的なストレスだけではありません。寒さ・暑さや睡眠不足、騒音、喫煙などもストレスの要素です。激しい運動をした時や、病原菌に感染した時にも通常よりビタミンCの必要量が増加します。ストレスにさらされやすい環境で生活をしている方は、しっかりとビタミンCを摂ることが大切です。

●白内障の予防・改善効果

ビタミンCは、その高い抗酸化作用の効果として、活性酸素が原因の白内障の予防効果があるとされています。
白内障は、目の水晶体のたんぱく質が変性し、もとは透明であった水晶体が白く濁ってしまう病気です。
ビタミンCと白内障の関係に関する研究で、1日260mg以上のビタミンCの摂取で白内障の予防効果が得られたとの報告があります。

●貧血を予防する効果

ほとんどの貧血は鉄不足によって起こります。貧血を防ぐためには鉄を摂取することが必要ですが、鉄は吸収されにくい性質を持っています。ビタミンCは鉄を吸収しやすい形に変化させることで、吸収率を高め、貧血の予防に役立ちます。

ビタミンCはこんな食品に含まれています

○野菜:赤ピーマン、芽キャベツ、菜の花、カリフラワー、にがうり、キャベツ、ほうれん草、じゃがいも、さつまいも、ちんげんさいなど
○果物:レモン、アセロラ、キウイフルーツ、いちご、ネーブル、はっさく、ぽんかん、いよかん、パイナップル、グァバ、柿など
○その他:緑茶など


しかし、ビタミンCはドラグストアー(一般の薬屋や大手薬屋チェーンなど)に粉末のアスコルビン酸Kなどとして売っています(錠剤は駄目です)。
 ビタミンC(アスコルビン酸)は通常の食事で不足しがちなビタミンCの補充のために用いられます。
 果物や野菜にもビタミンCは含まれていますが、一般にその量は少なく、果物や野菜だけからでは十分な量を摂取することは困難と考えられます。
 ただし、サプリメントなどで一度に多くのビタミンCを摂取したからといって、多量のビタミンCが吸収され、体内に蓄積されるわけでもありません。
過剰に摂取されたビタミンCは数時間のうちに尿として排泄されてしまいます。
 厚生労働省はビタミンCの一日の最低摂取量を100mgとしていますが、この量では「酸化ストレス・炎症体質」の改善には全く不足しています。
 一人一人の酸化ストレスの状態により異なりますが、有害物質などの摂取機会の多い今日では、一般的に一日に1000mg程度は摂取する必要があります。
ビタミンCには酸化されたものを、元に戻す性質(還元といいます)があります。
 細胞の中で活躍する抗酸化ビタミンEやAは、抗酸化作用を発揮する(酸化される)と一回の酸化で不活性になります(役に立たなくなる)。
 それを、再活性させる(抗酸化作用を復活させる)のが、還元作用のあるビタミンCなのです。ということは、ビタミンCをとるということは、ビタミンEやAをとったのと同じことなのです。


 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案される「万能健康ジュース」には、ビタミンCとして”アスコルビン酸が粉末”で入れられています。それも一度で500mg以上が摂取できるように作られています。
「万能健康ジュース」で500mgのビタミンCをとっても、全部オシッコに???
ですので、毎朝の「万能健康ジュース」で一日に一度はタップリ摂取し、あとはマイドリンク(マグネシウム、ビタミンC、クエン酸入り)で、チョコチョコ摂取するのが健康であり続けるために必要とされます。

片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に出来ますが、これ以外にも活性酸素を生み出す要因に満ちあふれ、これがミトコンドリアの機能を悪化させます。
 ビタミンCは、このような活性酸素を消去する抗酸化作用をもっており、片頭痛治療上、重要な役割を果たしています。

目次へ


53.片頭痛治療上、クエン酸は、どうしてよいのでしょうか

クエン酸とは


 クエン酸とは、酢やレモンなどの柑橘類に含まれる酸味成分の一種で、古くより疲労回復に良いとして親しまれてきました。漢字では「枸櫞酸」と書きますが、枸櫞とは中国産のレモンの一種を指します。レモンをはじめ柑橘類に多く含まれていることからこの名前がついたといわれています。
クエン酸は、人間を含めた動物に広く分布する有機酸で、ジュースやゼリーなどの酸味料やpH調整剤、酸化防止剤などとして利用されています。
クエン酸は人間の体内において、摂取した食べ物をエネルギーに変えるために欠かせない成分です。エネルギーとは、人間が生きていく上で必要不可欠であり、エネルギーをつくり出すことができなければ、生きていくことができません。このエネルギーをつくり出す仕組みをクエン酸回路(TCAサイクル)と呼びます。
 クエン酸回路は、細胞内のミトコンドリアで行われます。三大栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の”代謝の要”ともいえる代謝経路です。摂取した食べ物の栄養素が体内に吸収され、酵素やビタミンによって分解される過程でエネルギーがつくられる仕組みのことをいいます。クエン酸は、クエン酸回路の中で着火剤のような役割を担っています。

●クエン酸の歴史

クエン酸は1784年にスウェーデンの科学者シェーレによってレモン果汁より発見されましたが、その健康効果は発見されるはるか以前から人々に注目されていたといわれています。
紀元前460~377年の古代ギリシャでは、医者のヒポクラテスがお酢の力に注目し、様々な病気の治療に利用していたという記録が残っています。また、日本で初めて食用のお酢がつくられるようになったのは、4世紀前半頃からだといわれており、7世紀初めの聖徳太子の時代には、自然食品として、お酢をつくる官職が置かれていたほど貴重なものとして扱われていました。
その後、1953年にイギリスの生化学者H.A.クレブスによってクエン酸回路というエネルギーをつくり出すシステムが発見されました。クレブス博士はこの功績からノーベル医学生理学賞を受賞しています。

●クエン酸の体内での働き

クエン酸は、体内では細胞内のミトコンドリアで行われるクエン酸回路の構成成分で、エネルギーをつくり出すための中心的役割をするほか、疲労物質である乳酸を分解することにより、疲労回復や筋肉痛の軽減に効果的と言われています。
また、その酸味により食欲を増進させる効果もあるとして、夏バテ防止などにも役立っています。その他、ミネラルの吸収を促進、肝臓の機能改善、肝臓病にも良いとされています。
また、クエン酸単体で摂るよりも、エネルギーをつくり出すために必要なビタミンB群と一緒に摂るとより効果的だといわれています。

<掃除に使えるクエン酸>

クエン酸は、酸性の成分のため、アルカリ性の汚れ落としに最適とされています。食品などに含まれている成分なので、体に害を及ぼすこともなく、安心して掃除道具として使用することができるとして古くから使用されてきました。
主な効用としては、手あかや水あかの汚れを落とす洗浄効果、アンモニア臭などの強烈なアルカリ性を中和することによる消臭効果、衣服の黄ばみ防止などがあります。
こうした効果が期待され、市販されている洗剤などにもクエン酸が配合された商品が多く販売されています。

クエン酸の効果

●エネルギー産生効果

クエン酸は、細胞のミトコンドリア内でクエン酸回路というエネルギー代謝経路の中心として働きます。
エネルギーとは、人間が生きていく上で非常に重要で、必要不可欠なものです。
人間の体は、約60兆個の細胞からできており、そのひとつひとつの細胞で、クエン酸回路を正常に行うために、クエン酸は非常に重要な役割を持つ成分です。
クエン酸は、このクエン酸回路の中で最初に生成される酸であるため、体内で不足することはほとんどありませんが、不規則な食生活などによって、クエン酸回路の働きが鈍くなってしまうことがあります。クエン酸回路の働きが鈍くなると、エネルギーがうまくつくり出せない状態となるため、摂取した糖や脂質、たんぱく質が燃焼されなくなり、いわゆる代謝が悪いという状態になってしまいます。クエン酸を外から摂取することによって、クエン酸回路が活性化され、代謝が向上されることでエネルギーを効率良くつくり出す効果があります。

●ダイエット効果

クエン酸には、三大栄養素の代謝経路であるクエン酸回路を活性化させる働きがあります。
クエン酸を摂取することで、クエン酸回路が活性化し代謝の向上にもつながることから、ダイエットにも効果的といわれています。

●疲労回復効果

クエン酸は、疲労回復にも効果があるといわれています。
疲労が溜まると、普段弱アルカリ性の人間の体は酸性に傾きます。これは、体内のクエン酸回路がうまくまわらなかったことにより、ブドウ糖が分解されたあとの残りカスのようなものである焦性ブドウ糖や乳酸が体内に多く溜まっている状態といえます。
クエン酸回路を活性化させることで、それらの有害物質が減少されると考えられており、疲労回復に効果的だといわれています。

●筋肉痛を防止する効果

筋肉痛の原因は疲労物質である乳酸だといわれています。
体内でエネルギーを生み出す際、ブドウ糖が必要となりますが、このブドウ糖が完全に燃焼されなかった場合、いわば燃えカスのようなものである焦性ブドウ糖ができます。これが筋肉に蓄積されると一部が乳酸に変化してしまいます。これが筋肉痛の原因といわれています。
クエン酸は、クエン酸回路を活性化させ、焦性ブドウ糖を分解するため、乳酸の生成を抑制する効果があります。このことから、運動時にクエン酸を摂取することで筋肉痛を防止する効果があるといえます。

●ミネラルの吸収を促進する効果

現代人に不足しがちなカルシウムなどのミネラルは、単体では吸収されにくいものであるといわれています。
しかし、クエン酸と一緒に摂ることで、クエン酸がミネラルを包み込んで結合し、その吸収を助ける働きがあるため、ミネラルの吸収促進効果があるといわれています。
これをキレート効果と呼んでいます。キレートとはギリシャ語で「カニのはさみ」という意味を持ちます。クエン酸がミネラルをカニのはさみのように包み込むことから、この名前がついたといわれています。
この効果から、ミネラルを摂取するためのサプリメントにはクエン酸が配合されたものが多く販売されています。

●痛風に対する効果

クエン酸は痛風に対して効果的だといわれています。
痛風とは、指先などの末端に尿酸が蓄積されることによって風が吹いても痛みを感じることからこの名前がつけられました。痛風の原因は、代謝異常による尿酸の蓄積にあります。 痛風の原因物質である尿酸は、普段は尿と一緒に体外へ排泄されますが、代謝異常が起こると尿中に溶け込まず体内に残ってしまいます。それによって尿酸値が高まり、末端に痛風の症状が現れるのです。
尿酸は尿が弱酸性であると、尿の中に溶け込みやすくなるため体外へスムーズに排泄されます。クエン酸は、強酸性の尿を弱酸性に変える働きがあることから、痛風に効果的だといわれています。

●食欲を増進させる効果

クエン酸は、その酸味により唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効果があります。

●肝臓病の改善効果

クエン酸には、肝臓の機能を改善し、肝臓病を予防する効果があるといわれています。


 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案される「万能健康ジュース」には、クエン酸が入れられています。
クエン酸は一般の食品スーパーチェーンやCo-OPなどに売っています。純度の低い排水管掃除用のクエン酸も売っているところがありますので、必ず「食品添加物」など記載の食品用途用を使います(これも粉体です)。
 梅肉エキス(梅肉汁を煮詰めたもの)には多くのクエン酸を含み、最も好ましいのですが、入手しにくいため、クエン酸で代用しています。


 
片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
 ミトコンドリアがエネルギーを産生する際にクエン酸を外から摂取することによって、クエン酸回路が活性化され、代謝が向上されることでエネルギーを効率良くつくり出す効果があります。

目次へ


54.片頭痛治療上、α-リノレン酸が、よいのはどうしてでしょうか

 α-リノレン酸を多く含む食品にはシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油があります。
 α-リノレン酸は今日の食生活では不足しがちなオメガ3系の脂肪酸です。
 オメガ3系多価不飽和脂肪酸 αリノレン酸とは脂質の主な構成成分である脂肪酸のひとつで、人間の体内では合成することのできない必須脂肪酸です。亜麻やエゴマなどの野菜に多く含まれている体に良い油で、体内ではDHAやEPAに変換され、血流改善や動脈硬化の予防に効果的な成分です。 
 EPAやDHAは青魚などに多く含まれるオメガ-3系脂肪酸として有名ですが、常時青魚を食べることが少ないことや、大きな魚には環境汚染物質も含まれていることから安心して摂取できるのがオメガ-3系脂肪酸としてシソ油(エゴマ油)です。
また、ニンジンに含まれるβ―カロチンなど油溶性微量栄養素の吸収を助ける働きもあります。

α(アルファ)リノレン酸とは?

  αリノレン酸とは健康に良い油の成分のひとつで、体内のリン脂質にも含まれる成分です。
脂肪酸は、炭素、水素、酸素から成っており、構造の中に炭素の結合を2つ以上持つ多価不飽和脂肪酸にあたります。多価不飽和脂肪酸は、人間の体ではつくることができないため、食品から摂取する必要がある必須脂肪酸に指定されています。
  αリノレン酸は、多価不飽和脂肪酸の中でもn-3系脂肪酸(オメガ3)と呼ばれるものに分類されます。これは、青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)と同じ分類に入ります。
  n-3系(オメガ3)とは、脂肪酸構造の中に炭素の最初の二重結合が、3つ目と4つ目の炭素の間にあることからそのように呼ばれています。
  リノレン酸には、「α(アルファ)」「γ(ガンマ)」「β(ベータ)」などの種類があり、これらは発見された順番を表しています。つまり、1887年に発見されたαリノレン酸はリノレン酸の中で1番目に発見されたということを意味しています。
  αリノレン酸は人間の体内では合成することができない上、不足すると脳や神経、皮膚などに影響が現れます。そのため、食品から摂取することが必須とされています。
  亜麻やエゴマ などに多く含まれており、最近では自宅で使用する植物油の中にもαリノレン酸が多く含まれているものは体に良いとされています。

  αリノレン酸の特徴として、非常に酸化しやすいということが挙げられます。酸化した脂肪酸を摂ることは体にとってあまり良いこととはいえません。酸化した油は、動脈硬化の原因になったり、体が酸化して老化スピードを速めたりするからです。そのため、αリノレン酸が入っている家庭用植物油などを使用する場合は、早めに使い切ることが大切です。 また、熱にも弱い性質があるため、炒め物などよりもドレッシングやマリネに使用する方が良いとされています。

  αリノレン酸は広葉植物の葉の葉緑体という光合成の光化学反応が起こる場所の膜組織からも得られます。また、ほうれん草やチンゲン菜の膜組織からも得ることができます。そのため、緑の葉は草食動物のαリノレン酸の供給源でもあるのです。
  αリノレン酸は1日あたり、2gの摂取が望ましいと考えられています。人間がほうれん草からαリノレン酸を1日2g摂取しようと思うと、約1.4kgものほうれん草を食べなければいけません。そのため、人間はαリノレン酸が多く含まれているエゴマや亜麻などから採取した油を多く摂る必要があるのです。

<n-3系脂肪酸(オメガ3)が注目されている理由>

  1980年代の初期頃から、研究者たちはn-3系脂肪酸に注目するようになりました。きっかけは、脂肪分の多い魚をたくさん食べているエスキモーの心臓病発生率が低いという研究報告が発表されたからです。脂肪は摂りすぎると、肥満や心臓病などのリスクをあげてしまいます。では、なぜエスキモーの心臓病発生率は低かったのか。これは、摂取していた多くの魚に含まれる脂肪が、n-3系脂肪酸だったからだということが研究の結果明らかになりました。

<必須脂肪酸はバランスが大事>

 必須脂肪酸と一口にいっても、これにはαリノレン酸とリノール酸の2種類があります。 これらはホルモンと似た働きをしますが、作用としては正反対なのです。例えば、αリノレン酸は血液を流れやすくして、細胞組織を正常に保ってくれる役割があるのに対し、リノール酸は血液を固めるのに役立ちます。
 グリーンランドやアラスカの先住民が、動物性脂肪の多い食品を多く食べていたにも関わらず心疾患が少なかったのは、リノール酸とαリノレン酸のバランスが保てていたからだといわれています。
 リノール酸とαリノレン酸の理想的なバランスは4:1だといわれています。

<固まる脂と固まらない油>

 同じアブラでも、牛や豚、鶏などのアブラは常温で固まり、植物や魚から採れるアブラは固まらないことは知られています。常温で固まるアブラのことを「脂(fat)」と書き、常温で液体のアブラのことを「油(oil)」と書きます。この両方を総称して「油脂」と呼びます。
 この違いは脂質の構造の違いによって表されます。つまり、飽和脂肪酸であるか、不飽和脂肪酸であるかによって変わるのです。飽和脂肪酸は炭素の2重結合や3重結合がなく、水素で飽和されている状態の脂質のことをいいます。不飽和脂肪酸は炭素の2重結合や3重結合がある状態の脂質のことで、融点が低い状態のものをいいます。
  一般的に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸はバランス良く摂ることが大切といわれており、その比率は2:1が望ましいとされています。


α(アルファ)リノレン酸の効果

 αリノレン酸は必須脂肪酸であり、体にとって必要不可欠の脂質です。n-3系の脂肪酸が持つ重要な働きは、細胞膜の構成成分になるということです。
 αリノレン酸にはその他の働きとして、血栓がつくられるのを防いだり、血圧を下げたり、アレルギーを抑制したりと様々な働きを持ちます。

●血流改善、血栓予防効果

 αリノレン酸は体内に入るとDHAやEPAに変換されます。
 DHAやEPAは血液をサラサラにすることで動脈硬化や心筋梗塞を防いだり、脳の働きを高めるなどの効果があります。また、体内でDHAに変換されることから、脳細胞を活性化する働きもあります。特に脳内の細胞膜にはDHAやEPAが必要となるため、αリノレン酸が不足すると脳や神経に異常が現れることが知られています。
 ところが、このαリノレン酸はサラダ油などの精製植物油やマーガリンに含まれるトランス脂肪酸を同時に摂取していますと、このEPAへの転換が阻害されてしまいます。要は、単なる油を余分に取っているだけのことになるわけです。
αリノレン酸の効果を期待したいのであれば、まず精製植物油の摂取を控え、トランス脂肪酸を摂取しない事が大切であるとされています。

●アレルギーを抑制する効果

アレルギーの原因のひとつとして、リノール酸の過剰摂取があります。
リノール酸とは、n‐6系の必須脂肪酸のひとつで、血中コレステロール値や中性脂肪値を一時的に低下させる働きがあります。その一方で、摂りすぎるとアレルギーを悪化させたり、大腸ガンの危険性を高めたりと体にとって良くない影響をもたらしてしまうのです。
αリノレン酸は、リノール酸に対して競合的に働き、アレルギーを抑制する働きを持っています。

●老化を予防する効果

人間の体は約60兆個の細胞からできています。その細胞ひとつひとつに、「細胞膜」と呼ばれる細胞の内外を隔てる膜が存在します。この細胞膜があることによって、細胞は内部環境を一定に保つことができるのです。また、バリア機能もあるため、特定の物質の進入を阻止する役割も担っています。
このように、人間にとって非常に大切な細胞を守る役割をしているのが細胞膜です。この細胞膜を構成しているαリノレン酸などのn-3系成分が不足することで、細胞膜がしっかりと構成されず、老化の促進にもつながってしまいます。


こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案される「万能健康ジュース」には、α-リノレン酸としてシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油を加えることによって、「酸化ストレス・炎症体質」の改善を目的に用いられています。
特に花粉症やアレルギー性鼻炎などは、他の精製植物油の摂取を控え、朝食に「万能健康ジュース」を実践するだけで、直ぐに症状は改善され始めます。
 花粉症やアレルギー性鼻炎がほぼ完治するまでには通常数ヶ月~半年は必要です(皮下脂肪が多い人はもっと長い期間が必要となります)。
 また、高血圧や高脂血症、高コレステロール血症には比較的早く効果が現れます。


 
片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
  必須脂肪酸のオメガ3およびオメガ6の摂取比率は生理活性物質のアンバランスを来すことになり、また細胞膜を構成するものであることから、細胞機能に影響を及ぼすことによりミトコンドリアの機能にも影響が及ぶことになります。

目次へ


55.片頭痛治療上、オリゴ糖は、なぜよいのか?

オリゴ糖とは?


オリゴ糖の定義は世界共通ではありませんが、一般的にこれ以上加水分解することができない単糖である、ブドウ糖や果糖などの糖が2~20個ほどつながったもののことを指します。
オリゴ糖の「オリゴ」とはギリシャ語で「少し」の意味を持ちます。そのため少糖類と呼ばれることもあります。
オリゴ糖には約20種類ほどありますが、天然の動植物に存在するオリゴ糖は、そのほとんどがスクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースといった二単糖です。
なかでも胃や小腸で消化、吸収されにくい難消化性の性質を持ち、腸内環境を整える効果で知られている食品に添加されているオリゴ糖には、主に以下のようなものがあります。

・フラクトオリゴ糖

ショ糖に1~3個の果糖が結合したもののことをいいます。消化酵素で分解されにくく、低カロリー甘味料として用いられます。腸内環境を整える効果を持つほか、虫歯になりにくい甘味料としても知られています。
フラクトオリゴ糖を多く含む食品として、にんにくやごぼう、アスパラガスなどがあります。

・イソマルトオリゴ糖

主にグルコース(ブドウ糖)を構成糖とするオリゴ糖の一種です。
腸内環境を整える効果を持ち、免疫力の向上にも役立ちます。また熱や酸に強く、防腐作用もあります。食品に旨みやコクを与えます。また防腐作用があるため、保存食に適しています。
イソマルトオリゴ糖を多く含む食品として、はちみつや味噌、醤油などがあります。

・ガラクトオリゴ糖

2~6個の糖が結合したものを指すことが多く、単糖であるガラクトースを主成分とするオリゴ糖の総称です。
腸内環境を整える効果を持ち、たんぱく質の消化、吸収をサポートします。また、ミネラルの吸収を促進する働きもあるといわれています。
ガラクトオリゴ糖は母乳に多く含まれています。

・大豆オリゴ糖

大豆に含まれる各種オリゴ糖の総称です。甘みは砂糖の70%程度で、カロリーは50%程度です。熱や酸に強く、他のオリゴ糖よりも少量で腸内善玉菌の増殖を促進させるといった特徴があります。

・その他

ショ糖、麦芽糖などがあります。

●オリゴ糖の歴史

オリゴ糖の歴史は古く、今から約100年前にさかのぼります。
かつて、フランスのルイ・パスツール研究所では、食品の腐敗や腸内細菌などの研究が盛んに行われており、その研究所で小児科医をしていたティシエが、1899年に健康な母乳栄養児の糞便から大腸菌とは全く異なる性質を持つ、ビフィズス菌を発見しました。
この発見によりビフィズス菌の特性の研究が進められ、同時にビフィズス菌を増殖させる研究も同時に進められたのです。
そして、その増殖因子が母乳に含まれるオリゴ糖であることがわかり、ビフィズス菌発見後、多くの研究で様々な種類のオリゴ糖が特定されました。
現在、オリゴ糖は腸内環境を整える効果を持つとして多くの健康食品に配合されるようになり、その有効性からオリゴ糖配合商品の特定保健用食品(トクホ)商品も数多く認められています。

●体内での働き

オリゴ糖の中には、胃や小腸で消化・吸収されにくい難消化性のものもあります。このため、大腸内で善玉菌のエサとなり、その増殖を促進します。
腸は体の根っこといわれるように、栄養を吸収する大切な部分です。腸内で悪玉菌が増殖してしまうと、体内に便などの老廃物が溜まり、便秘を招きます。便秘は肌荒れや食欲不振などを招いてしまうため、腸内の環境を整えることは、人間にとって非常に大切なことです。
また、食物繊維と同様に腸内の余分なコレステロールや胆汁酸などを排泄する働きもあります。

<虫歯になりにくい糖質「オリゴ糖」>

オリゴ糖は、糖質であるにも関わらず、虫歯の原因になりにくい糖質として注目されています。
虫歯の原因菌であるミュータンスは、糖質を栄養分として酸を出します。この酸が歯の表面を溶かします。これが虫歯といわれるものです。
オリゴ糖は、糖質でありながら虫歯の原因菌ミュータンスが、栄養分としてほとんど利用することができない成分です。そのため、虫歯の原因になりにくいとして、お菓子や健康食品などに使用されています。

 オリゴ糖は腸内環境を整えるため、便秘に悩む人にオススメなのです!

 オリゴ糖をエサとする大腸内善玉菌は酢酸やプロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸を産生し、腸管の細胞の新陳代謝や蠕動を亢進します。


 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案される「万能健康ジュース」には、オリゴ糖は大腸腸内細菌の健全化のため(善玉菌のえさ)と大腸腸管に直接エネルギー供与する(大腸の細胞の再生や蠕動運動を向上)ために用いられています。


  片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
 片頭痛治療上、「腸内環境の改善」は必須の事項になっています。

目次へ


56.「万能健康ジュース」って何???

 分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案された「万能健康ジュース」には、これまで述べてきたような片頭痛に好ましいと思われる「りんご、ニンジン、ゴマ、マグネシウム、オリゴ糖、α-リノレン酸、ビタミンC、クエン酸」がすべて入れられています。
こうしたことから、理論的には効かないはずはありません。

それでは、なぜ「万能健康ジュース」は効くのでしょうか。

「万能健康ジュース」は、次のような改善を目的に作られています。

①、不足しがちなビタミン類、ミネラル類、抗酸化物質がバランスよく取れること
②、腸内細菌を健全にすることができること
③、自律神経のバランスが正しく働きだすこと

 この中でも、「自律神経のバランスが正しく働き出す」ということについては納得しがたい!?のではないでしょうか。
「万能健康ジュース」か何か知らないが、ジュースごときを飲んで何故、自律神経のバランスが正しくなるのか!?といった疑問をお持ちの方が多いのではないかと思います。
 実は、生活習慣病や体調不良などは、結構、食事のとり方に大きな原因がある場合が多いのです。
 言い換えますと、消化能力が優れた欧米人の食習慣を模倣することや欧米式の考えをベースにした、日本人にとって間違った食事方法の結果がさまざまな生活習慣病や体調不良、自律神経の障害などを引き起こしているのです。
「ジュース」が直接的に自律神経を正すのではなく、間違った食習慣を「ジュース」で正すことにより、自律神経のバランスが正しく働き出すということなのです。

自律神経の働きを正す「万能健康ジュース」

 ご存知のように、私達の体に必要なさまざまな代謝は私達の意思にかかわらず、自律神経によりコントロールされています。
 自律神経には日中に活発に働く交感神経と、夜になって活発に働く副交感神経があります。また、交感神経は体の活動時や緊張している時に活発に働き、副交感神経は食事時やリラックスしている時に働くというように、互いに相反する働きがあります。
 そして、健康であるためにはこの自律神経が正常に機能していなければなりません。
 たとえば、睡眠中は副交感神経が優勢に働いているのですが、交感神経が優性であれば眠りは浅くなり(よく目が覚める)、体力回復機能も弱まってしまいます。
 このようなことから、良い睡眠を得るためには就寝前にキッチリと交感神経を抑制し、副交感神経を十分に高めておく必要があるのです。
 このように、副交感神経優位から交感神経への切り替えや、交感神経優位から副交感神経への切り替えには、切り替えに必要な時間を充分に取ることが必要となります。
 決して、熟睡中に突然起こされ、全力疾走するようなことを毎日やってはいけないのです。
 食べ物を食べれば副交感神経が活発化され、胃や腸が働き、栄養素の消化吸収がおこなわれます。
 また、副交感神経は排尿や排便を促し、昼の間に消耗した体のメンテナンスをつかさどります。
 目覚めの朝は、この副交感神経が優勢な状態から、昼の活動にそなえ交感神経が優勢な状態に切り替わっていく非常に大切な時期なのです。
 交感神経が働きだした朝の消化吸収能力は低く、昼・午後に向け向上していきます。
 そして、夜間が最も消化吸収能が高くなり、再び目覚めとともに消化吸収能力は低下することになります。
 ここで問題となるのが、一人ひとりの消化吸収能力のレベルなのです。
 一般に欧米人は歴史的な食文化の違いから消化吸収能力は非常に高く、日本人でも成育期の子ども達や異常に消化吸収能力の高い成人はいます。
 しかし、一般的な日本人、中でも特に低体温症の方や片頭痛、パニック障害など神経系の病気の人たちの消化吸収能力は低く、「朝食」が自律神経のバランスを乱す原因となるのです。
 栄養素的に、動物性タンパク質は消化吸収時の代謝負担は大きく、特に朝食では摂取したタンパク質の大半が消化吸収に費やされてしまいます。
 たとえば、消化吸収能力の低い人が朝からビーフステーキを食べると、消化吸収にかかわる全ての器官では、熟睡中に起こされ全力疾走するようなことが起きてしまうのです。
 そのため、朝から全ての代謝機能は乱され、自律神経の働きが乱れるとともに集中力のないけだるい一日が始まるのです(食事の内容により異なりますが、通常は食後1時間~5時間で消化吸収エネルギーは最大となります)
 朝食を「万能健康ジュース」に変え、副交感神経の大きな役割である消化吸収のリズムを正しくすることにより、朝から頭は冴さえ渡り、体は驚くほど軽くなり、集中力も上がり、疲労感はなくなり、気分が明るくなるのです。
 交感神経の働きを乱す最大の原因は「ストレス」、副交感神経の働きを乱す最大の原因は「過食」と憶えておくといいように思います。
 比較的少ないと思った量の食事であっても、特に消化吸収能力の弱い朝では「過食」となってしまうのです。
 特に栄養素の中でもタンパク質は消化吸収の負担が極めて大きいのです(朝は、わずかな量でも「過食」となりやすい)
 だからといって、朝食を抜くと血糖が下がりすぎ、「ストレス」を受けたときと同じような体の仕組みが働き、「酸化ストレス・炎症体質」の原因となる「遊離脂肪酸」や「活性酸素」が発生することになります。
 また、短時間の弱い空腹は基礎代謝を上げ、健康にとってもプラスとなるのですが、強く長い空腹はホルモンの異常な分泌を招き自律神経までも乱してしまいます。
 このように、交感神経が働きだす朝に必要以上に副交感神経を刺激しすぎることで、自律神経のバランスを乱すことになるのです。
 消化吸収にかかわるエネルギー負荷を最小限にし、且つ、昼食までに大きな空腹感じさせない基礎代謝程度のエネルギーを与えることが重要になってきます。
 そして、夜間の代謝(同化)で消耗したミネラル、ビタミンや昼からの活動時に発生するであろう活性酸素のための抗酸化物質を朝食時に補給することを目的に「万能健康ジュース」は作られているのです。
 朝食を「万能健康ジュース」に変え、単に朝食の消化吸収エネルギー負荷を極小化し、胃の負担を軽くすることにより、ほとんどの逆流性食道炎は1週間~2週間程度で改善します。
 さらに、「酸化ストレス炎症体質」の改善のためには、腸内細菌を健全に保ちビオチンを十分に産生させることや食事後のインスリンの分泌を如何に抑制するかということが大きな課題となります。
 そのため、「万能健康ジュース」には、ビオチン産生菌であるアシドフィルス菌の好むりんごをベースとし、食後の血糖値を急激に上げずに血糖が持続して補給されるように作られているのです。
  ただし、「万能健康ジュース」は運動不足気味の成人向け(特に生活習慣病が心配な方や、すでに生活習慣病である方など)に作ったものであり、成育盛りの子ども達やスポーツ選手(運動量の多い人)、妊婦の方は、朝からしっかりタンパク質もとってください(その分に見合った消化吸収能力は充分にあります。逆に、タンパク質を多くとるときは、しっかり運動することが必要です。

「朝はしっかり食べましょう!」の嘘と本当

 管理栄養士や医師の多くは誰にでも口をそろえて、「三食キッチリ、特に朝食はしっかりとりましょう!」といいます。
 前にも述べましたが、確かに成育期の子ども達、運動量の激しい人たち、妊婦さんの多くはその通りなのですが・・・・
 体がいつもだるい方、朝の目覚めが悪い方、いつも胸焼けしている方、・・・・・などなど、そして片頭痛の方、うつ病やパニック障害の方、自律神経失調症といわれた方、・・・・・・などなどは、朝食をしっかりとっている限り、永遠に病状が改善されることは期待できません
 よくTVでやってる、朝からタンパク質でダイエットなど、最悪の結果になります。
 というのは、朝のタンパク質を中心とした食事が自律神経を乱す張本人だからです。
 とは言っても、朝食を抜くのはこれまた低体温や内臓脂肪を溜める原因となり、全く良くありません。
 朝は副交感神経から交感神経に切り替わる非常に大切な時期ですので、スムースにバトンタッチすることが自律神経を正しく働かせるポイントなのです。
 ですから、「朝はしっかり食べましょう!」というの多くの方にとって「嘘」ということです。朝食は昼食までのカロリーの繋ぎ、しっかりした交感神経の立ち上げ、消化管のちょっとしたお休みというのが基本です。
「万能健康ジュース」はそのためにも作られた究極の朝食なのです。是非、朝は「万能健康ジュース」だけの朝食とし、すがすがしい一日をお過ごしください。
「朝に果物を取る意味合いは分かるが、ジュースにする必要はない」など、理屈をこねる「群盲象を評す」を地で行く小賢い先生もおられますが、「象の足を触っては、象は柱のような生き物だ!」などということからぼちぼち脱皮して頂きたいものです。 

驚きの「万能健康ジュース」を始めて

「万能健康ジュース」を実践し始めますと、ほとんどの体調の悪い方は劇的な変化を体感することになります。
 特にスッキリした目覚め、からだが軽くなる、やる気が起きる・・・・・とともに、悪かった病気の症状が軽減していくのが実感できます。
 このことは「万能健康ジュース」により、不足しがちなビタミンやミネラルなどが補充されることや腸内細菌が健全化されていくことも大きな要因のように思われます。
 しかし、「万能健康ジュース」の最大の効果は体の抗酸化作用をリニューアルすることに加え、「自律神経の働きを整える」または「消化吸収のリズムを整える」ということにあります。
「自律神経の働きを整える」というと、脳の中だけでおきること考えられがちですが、実際に「万能健康ジュース」を実践してみると、いかに“食”の影響が大きいかが分かります。
 勿論、ストレスも自律神経の働きを乱す最大の要因なのですが、実際にそのストレスをどのようにして取り除くかは極めて難しいことですよね!?
 しかし、食生活の改善により自律神経が正しく調整されてくると、ストレスを処理する能力も高まってくるのです。
 逆に、食生活が乱れ、自律神経のバランスを乱していくと、ストレスが処理できず、ストレスは増幅されていくのです。
 特に、交感神経から副交感神経に切り替わる時のストレスや副交感神経から交感神経への切り替え時の食事(朝食)の影響は大きいようです。
 夜更かしし「夜食を摂り過ぎ、朝は食べない」や「朝からたっぷり高脂肪高たんぱく質の食事をとる」のも好ましくありません。
「消化吸収のリズムを整える」ことが「自律神経の働きを整える」ことになり、スッキリした目覚め、・・・・・とつながっていくのです。
 「万能健康ジュース」は、特に糖尿病の方の朝食をイメージしながら、肝臓に溜まっているグリコーゲンに着目したカロリー設定をして作られています。
 血糖が下がりますと、糖新生(中性脂肪やタンパク質からのエネルギー供給)が始まりますので(毒性のある遊離脂肪酸が増えます)、血糖をそこまで下げないようにしています。
 反対に、糖尿病の方がたくさんの糖質をとると血糖値が上がり過ぎるため、肝臓からブドウ糖が適正量供給されるのとほぼ同じになるようにイメージして処方を設定したものです。
 体には短期用のエネルギー貯蓄として、筋肉と肝臓にグリコーゲンを蓄えます(各々、300g/1200Kcal、100g/400Kcal)
 筋肉に蓄えられたグリコーゲンは筋肉用にしか使われませんが、肝臓の貯蓄分は全身用に利用されます。その供給量は平時1時間に10g(40Kcal)、マラソン中は30g(120Kcal)といわれています。
 夕食を終えますと、筋肉や肝臓にはほぼ満杯のグリコーゲンが溜まります。その後、朝まで食事を取りませんので、筋肉中のグリコーゲンは少し減り、肝臓のグリコーゲンはかなり減ります。
 ですので、朝に糖質をとらない(食事を取らない)のはよくありません(昼までの間に必ず糖新生が始まります)
 しかし、糖尿病の方は朝食を普通通りとりますと、血糖が上がりますので薬を飲まなくてはいけません(薬は膵臓への鞭です)そこで、考えついたのが、“肝臓の働きと同じにしてやればイイのだということです。
 そこで、朝食で肝臓からのグリコーゲンと同程度のブドウ糖を供給し昼まで持たせれば、消化吸収作業も休まるし、昼食時には血糖はすばやくグリコーゲンへ転化されるはず(血糖の上がりが抑制される)
 で、作られたのが「万能健康ジュース」です。因みに、りんごは300g(1単位)、ニンジン80g(1/2単位)、バナナ100g(1単位)、植物油5~15g(1/2~1・1/2単位)、ごま15g(1単位)、オリゴ糖20g(0~1/2単位)で、総計5~6単位(1単位:80Kcal)になります。ひとり分はその半分で、200Kcal程度になります(40Kcal×5時間((朝食から昼食まで))=200Kcalとなるように)
 こうして、昼食まで肝臓のようにダラダラ(適正に)とブドウ糖が供給されるになるようにしたのが「万能健康ジュース」なのです。
 だから、消化管を休め、自律神経を整え、酸化ストレスを沈静化し、炎症体質を鎮め、糖尿病、片頭痛、逆流性食道炎、関節炎、花粉症、パニック障害、・・・・・・・などさまざまな病気体質を改善する効果があるのです。

 それでは、実際に「万能健康ジュース」を実践された方々はどのような感想をお持ちなのでしょうか。

◎健康ファイル 片頭痛が日に日によくなっていきます 40歳代後半女性

「私は若い頃から片頭痛持ちで、子どもが生まれてからさらに悪くなりました。朝は主人の朝食作りのために起きるのですが、作るとすぐに横になっていました。昼も寝てばかり。寝ないと夕食を作ることさえできなかったのです。
寒い日、雨の日、季節の変わり目など、ほぼ毎日病院で処方された発作止めを飲んでいました。激しい頭痛と嘔吐を起こすので、たまに体調がよいからと気晴らしに外に出かけるときでも、薬が手放せませんでした。
お風呂に入ると発作が起きるので、ここ数十年お風呂に入ったことがなく、いつもシャワーで済ましていました。かつての主治医は、「温い湯で入浴をし、体を癒すべきだ」、「軽い運動をしなさい!」というのですが、それができないから苦労しているのがまったくわかってもらえませんでした。
冷え性もひどく、手や足の先だけでなく、太ももや二の腕までもが極端に冷たくなってしまいます。夏でも二の腕に使い捨てカイロを貼りますが、温かくなることはなく、腕は熱のため黒ずんでしまい、まったく腕を出すことができません。
 大学病院では徹底的に検査して頂くために入院しましたが、あまりのつらさに先生と口論になったこともあります。結局、何の改善策も見つかりませんでした。でも一番つらかったのは、主人から「特に異常もないし、たかが頭痛くらいで大げさだ。甘えるな!」と言われたことです。悔しくて悲しくて涙が出ました。
そんなとき、この「万能健康ジュース」のことを知りました。半信半疑でしたが、飲み始めて数日も経たないうちに、血液が体を流れ始めるのが実感できたのには本当に驚きました。そして1週間もすると、朝もすぐに起きられるようになり、苦もなく朝食が作れるようになったのです。
こんな経験は初めてでしたので、「万能健康ジュース」だけではなく、先生のアドバイス通りに生活習慣全般を見直すようにしたところ、1ヵ月もすると薬を飲む回数が週に一回程度にまで減りました。それ以前は、月に20~25日は飲んでいたのです。昼に寝ることもなくなり、いろいろとやる気も起きてきて、昔よく作っていたケーキを焼いて主人に喜ばれたり、天気の日には近くを散歩したりするようにもなりました。でも、急に寒くなったり、運動をし過ぎたりしたときにはまだ薬が必要です。
先生に教えていただいた、ビタミンB2のサプリメント(含有量の多いもの)をアメリカから取り寄せて2週間ほど続けましたが、これは特に大きな変化はありませんでした。
その後、マグネシウムを1日400ミリグラムとるとよいとお聞きしたので、試してみました。発作の前には肩がガチガチに固まってしまう感じがするのですが、マグネシウム水溶液を飲むと、首の付け根あたりから肩にかけて、温かい血液が流れていくのがはっきり実感できるのには驚きました。それからは、食事のたびにマグネシウムをとっています。
また、常時マグネシウム濃縮液(50ミリグラム/cc)を小瓶に入れて携帯し、もし肩がこってきたら(発作の前触れです)、薬の代わりに小さじ一杯分を飲料水に溶かして飲んでいます。
いろいろな生活習慣の改善も影響していると思うのですが、「万能健康ジュース」と「マグネシウム」の効果は衝撃的でした。私と同じように苦しんでいる人は、ぜひ一度試してみてほしいと思います。」

 この方は、その後ヨガを始められ、テニスボールマッサージを続け、今では薬はほとんど必要なくなったとのことです。
お風呂に入るとまさに天国ですね!」ということでした。血色も良くなり、実年齢よりも10歳は若く見られるようになったとのことです。


 さらに、また別の方の感想です。

 こちらのブログを拝見し、去年11月から朝の万能ジュースを始めた者です。始めてすぐ効果があり、月5錠は必ず片頭痛薬をのみ その他にも月半分は頭痛があり、片頭痛薬のほかにも予防薬に漢方に鎮痛剤など いろいろな薬剤を飲むのがふつうでしたが、万能ジュースをはじめてから 漢方はつづけているものの 片頭痛薬は月1錠にその他の薬は全然のまなくても大丈夫になり、本当に感動しています。普通の生活をおくれるようになり、本当に感謝です。
 ただ、マグネシウムを多くとるようになってから朝おきたとき右の背中(腎臓あたり)が痛みがあることがあり、しらべましたが異常はなく、ちょっとこわいので マグネシウムはあまり多くとりすぎないようにしていました。毎日漢方(はんげびゃくじゅつてんまとう)と万能ジュースと 昼間にコーヒーとキレートレモンというジュースを飲むくらいで、劇的に片頭痛は改善していました。
 が、このたび妊娠がわかり 漢方をやめたところ ちょっと頭痛がくるようになりました。妊娠しても万能ジュースは続けても大丈夫でしょうか?プラスでおにぎりなどとれば大丈夫でしょうか?またマグネシウムもあまり取りすぎない方がいいでしょうか?万能ジュースをやれなくなると また片頭痛がよくくるようになりそうでこわいです。


 以上から、片頭痛はミトコンドリアの機能障害である、ということを基本理念とすべきことを示しているようです。


 このように、片頭痛改善のためには、食生活の改善がいかに重要であるかが示されています。
 ところが、平成22年11月に「埼玉国際頭痛センター」が創設され、このセンターは日本の片頭痛治療の最先端をいく施設とされますが、ここには「栄養指導」の部門が存在しません。こういった事実は、専門家の片頭痛医療の考え方を如実に示しております。

目次へ


57.万能健康ジュースで、なぜ”花粉症”が改善されるの???

 片頭痛治療を進めるなかで、私は、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の提唱される
「万能健康ジュース」
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946631528.html

 を必ず、同時に行ってもらいますが、片頭痛患者さんの中には同時に花粉症を一緒に抱えておられる方々も多いのが実情です。
 こうした方々、いつも実感されることは、「万能健康ジュース」を実践されることによって、まず、花粉症が改善されてから、その後片頭痛が改善されていきます。

 これは、どういった理由によるものなのでしょうか?

 この点に関しては、開発された分子化学療法研究所の後藤日出夫先生から直接説明頂く方がよいと考えて、直接お聞き致しました。後藤先生によれば・・

 花粉症やアレルギー性鼻炎については「酸化ストレス・炎症体質」を改善するだけでほとんどの方の症状は改善されると思っています。炎症体質は油のとり方が第一義ですので、悪い油の摂取量を少なくすれば必ず改善されます。「万能健康ジュース」にはとりあえず炎症体質を抑制すべくオメガ3系のαリノレン酸(エゴマ油)を入れることにしました(最近、ブームになってなかなか手に入らなくなっているようです)。また直接的な酸化ストレス対策にはビタミンCを多めに入れることにしました。ビタミンCは水溶性環境だけでの効力しかないように思われることが多いのですが、過酸化物ラジカルを還元し不活性になったビタミンEを細胞膜表面で還元し、元の活性のあるビタミンEにもどします。また、不活性になったビタミンCはチオール(グルタチオンなど)によって再活性化され、またそのグルタチオンの不活性物はビタミンB2により還元されるなどの酸化還元反応の一部を占め、ビタミンCの量を増やす事によってグルタチオンやビタミンB2の仕事が少なくすることにくわえ、ビタミンEを再活性化させ、過酸化ラジカルを消去します。ビタミンCは多くとっても直ぐに尿と共に排泄されると考えられていますが、その間にこれほどの良い仕事をした後に排泄されます。一日一度朝食事に活性酸素の多い体を清掃してあげたいとの思いでビタミンCは加えています。勿論、ビタミンCには、鉄などの不足しがちなミネラルの吸収にもプラスの作用はあ ると思いますが。


花粉症と活性酸素について

花粉症について

 花粉が体内に入ると、「抗原」と呼ばれる、アレルギーを起こす物質が出ます。
この「抗原」と戦うのが「抗体」です。
 抗体は、抗原を捕まえた際、刺激物質を出します。
 この刺激物質により、体は「体内に異物が入ってきた」と判断して、くしゃみ・鼻水・涙などのアレルギー反応を起こします。
 花粉症を引き起こす植物はなんと60種類もあるといわれていますが、国内で圧倒的に多いのがスギ。スギ花粉が一番飛ぶのは大体2月~3月くらいです。花粉症は、条件次第で誰しも発症する要因を持っています。
 花粉症ではないからと安心していると、突然やってくることもあります。アレルギー性の病気は自律神経の働きが悪いときに症状が悪化します。
 どの病気にもいえることですが、体力のある人ほど回復は早いものです。
 規則正しい食生活と生活習慣、そして免疫力アップで、つらい花粉症を改善・予防していきましょう!

花粉で発生する活性酸素

 アレルギー反応で炎症が起こった場所には、大量の活性酸素が発生し、さらに症状を悪化させます。発生してしまった活性酸素対策には、スカベンジャーという物質が効果的です。抗酸化物質とも言われ、体内で作られる「酵素」と、身体の外から取り入れる物質(ビタミンC、ビタミンE、βーカロチン、ビタミンB群など)の2種類があります。
 体内で生成される酵素SOD(スーパーオキシド・ディスムターゼ)は、一般的に35歳位から体内での生成量が少なくなり、活性酸素を押さえ込む力が弱くなります。
 その結果、免疫メカニズムのバランスが崩れ始め、50歳を過ぎる頃にはSODの生成はかなり衰えてきて、老化が始まります。
 そのため、いかに体外から効率よく摂取するかが大切になります。抗酸化作用があるといわれる食材や酵素は、積極的に取るようにしましょう!

そもそも花粉症とは?

①「花粉」という異物(アレルゲン)が侵入するとまず、それを受け入れるかどうかを考えます。
②排除すると判断した場合、
③体は異物と反応する物質を作る仕組みをもっています。この物質を「IgE抗体」と呼びます。
④抗体ができた後、
⑤再び花粉が体内に入ると、鼻や眼の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。
⑥その結果、肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとします。・・・そのため、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水・涙で洗い流す、鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状が出て来るのです。


 頭痛専門医は、こうした片頭痛に合併した花粉症に対して、抗ヒスタミン薬であるシプロヘプタジン(ペリアクチン(R))や抗ロイコトリエン薬のプランルカストが頭痛の予防薬に用いて同時に治療されます。


 しかし、片頭痛の根底には酸化ストレス・炎症体質が存在します。この酸化ストレス・炎症体質を形成させる一端となるものが必須脂肪酸摂取のアンバランス・腸内環境です。こうした観点から、同時に、根こそぎ治療を進めるべきです。

目次へ


58.”ジューサー”でなく、なぜ”ミキサー”なの???

 片頭痛治療を進めるなかで、私は、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の提唱される
「万能健康ジュース」
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946631528.html

 を必ず、同時に行ってもらいますが、「万能健康ジュース」を作る際に、後藤先生はジューサーでなく、ミキサーを使うように指定され、現実に、ジューサーで作成されて実践される方々には、この「万能健康ジュース」の効力を実感されない方々が多いようです。

 確かに、「万能健康ジュース」を作って実際飲む場合には、ミキサーで作ったものよりはジューサーで作ったものの方が、喉越しも滑らかで、飲みやすいようです。
 しかし、開発された分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、ジューサーでなくミキサーで作成しなければならないとされます。

 これは、どういった理由によるものなのでしょうか?

 そこで、まず、一般的な、ジューサーとミキサーの違いを考えてみましょう。

こんなに違う! ジューサーとミキサーの違いを徹底比較

生フレッシュジュースを作りたいのだけれど、ジューサーとミキサー(ブレンダー)のどちらのほうがより美味しく作れるか、より多くの栄養素を取れるかを知りたいという方だと思います。

結論から言えばジューサーとミキサーはどちらが優れているのかというわけではなく、何を作るかによってどちらを使うかが必然的に決まってきます。口当たりのよい生フレッシュジュースを作りたい場合はジューサーを、スムージーを作る場合はミキサーを選ぶことになります。

ジューサーとミキサーの違い

ジューサー

 文字通りジュースを作るための道具で、果物や野菜などから繊維質を分離、水分を絞り出すものです。繊維質が含まれないので口当たりがよくさらっと飲めます。
 単にジューサーと呼ぶ場合スロー(低速)ジューサーを指すことが多く、ジューサーミキサーと呼ぶ場合、高速ジューサーを指す製品が多いです。

ミキサー(ブレンダー)

 刃で果物や野菜を細かく切り刻み、材料を混ぜ合わせます。繊維質も含まれるのでのどごしはドロッとした感触です。スムージーを作るときに使う道具です。
 海外ではミキサーではなくブレンダーと呼ばれます。
 飲みくちの好みを別とすれば、ジューサーを作って作るジュースにもミキサーを使って作るジュース(スムージー)にもそれぞれメリットがあります。

ジューサーとミキサーを徹底比較!

ジューサーで作るジュースと、ミキサーで作るスムージーの違いをダイエットの側面、栄養的な健康面、満腹感の側面から徹底比較してみます。

ダイエットしたい

酵素がたくさん含まれているのは   ジューサー

 生の果物や野菜にはたくさんの酵素が含まれています。
 酵素は新陳代謝を促進しダイエットや美容にとても効果を発揮します。若返りの泉とも言えます。
 ジューサーでもミキサーでも生果物や生野菜から酵素を取ることはできるのですが、酵素は熱に弱いため、高速回転で熱を発するミキサーだと一部の酵素が破壊されてしまいます。
 そのため、ダイエットを目的とする場合、より多くの酵素が取れるジューサーに軍配が上がります。
 ただし、ジューサーでも高速タイプのジューサーだとミキサーと同じで酵素を破壊してしまいますのでスロージューサーと呼ばれる低速タイプのジューサーを選びましょう。

便秘を解消したい

食物繊維が取れるのは   ミキサー

 ジューサーは食物繊維を分離するためジュースに繊維は含まれていません。
 便秘解消目的の場合、繊維質も含めて混ぜ合わせるミキサーでスムージーを飲むほうがよいでしょう。
 ただし、繊維質を摂り過ぎるとかえって便秘になるタイプの人もいます。
 食物繊維のとりすぎで便秘が悪化する理由 タイプ別イチオシ食材

健康になりたい

栄養素の吸収がよいのは   ジューサー
栄養素のバラエティを増やしやすいのは   ミキサー

 フルーツや野菜をまるごと混ぜ合わせるミキサーのほうが栄養分が高そうに思えますが、栄養素の吸収という意味では繊維質を分離したジュースのほうが身体に吸収しやすくなります。
 ジューサーは皮と果実の間の栄養素を取り出しにくいと言われることもありますが、高性能のジューサーを使えばしっかりと栄養素を絞り出してくれます。
 ただしジューサーは水分量の少ない野菜はジュースにしにくいため、色々な野菜を入れバリエーションを増やしたいという場合はスムージーに軍配があがります。

お腹を満たしたい!

満腹感があるのは   ミキサー
出来上がりのボリュームがあるのは   ミキサー

 これは圧倒的にミキサーに軍配があがります。ミキサーでできるスムージーは飲み物と食べ物の中間くらいの食感でコップ1杯でしっかりとした満腹感を得られます。
また繊維質などを分離しない分、同じ材料から出来上がる量はスムージーのほうが多くなります。
 ジューサーの場合、性能が低いとジュースの出来上がりが更に少なくなってしまいますので、多少高価格でも性能の良いスロージューサーが絶対によいです。
 ダイエット目的の場合、スムージーよりもジュースのほうが優れていると思いますが、他に何も食べなくてもよいという点からすればスムージーもダイエットに優れていると言えます。

手軽に継続したい

お手入れのしやすさのは   ミキサー
出来上がりのスピードが早いのは   ミキサー

 私自身が両方使ってみた経験としては、最近のジューサーは部品の分解構造が優れ面倒だという感じはしませんが、それでも部品点数の少なさから洗ったりする手入れのしやすさはミキサーに軍配があがります。
 またジュースが出来上がるまでのスピードの点では材料を入れてスイッチを押すだけのミキサーのほうが楽です。
 ジューサーの場合はどうしても材料を少しずつ押しこむ手間がかかります。


•ダイエットを中心に考える人は酵素をしっかり取れるジューサーがお勧め
•トータルの健康を重視したい人は野菜がたっぷり取れるミキサーがお勧め

高速ジューサーは酵素を破壊してしまうのでだめ

 ジューサーにはスロージューサーと呼ばれる低速タイプのジューサーとジューサーミキサーと呼ばれることが多い高速タイプのジューサーの2つのタイプがあります。
 高速タイプのジューサーは出来上がりのスピードは早いのですが、ミキサーと同様でその回転熱で酵素を破壊してしまいます。
 また高速タイプのジューサーは出来上がりのジュースの量が低速タイプと比べて少なくなります。
 高速タイプのジューサーはジューサーとミキサーの悪いとこ取りしたようなものなので、ジューサーを検討している方は絶対に低速タイプのジューサーを選びましょう。
高速ジューサーを選択するのは、酵素のことは気にしないので口当たりのよいジュースを時間をかけずに作りたいという場合に限られるでしょう。

また前述のとおりミキサーも高速の回転熱で酵素を破壊してしまいます。手軽に作れ、手入れが簡単なミキサーにしたいけれど酵素がなくなってしまうのが気になるという方は、バイタミックスを選ぶとよいかと思います。バイタミックスはハイパワーのため、通常のミキサーよりもかなり短時間でスムージーが作れるため、酵素が機能を失う割合が少なくなります。
酵素は熱に弱いですが、一定の温度に到達していきなり機能を失うわけではありません。 温度×時間の累計で酵素が機能をだんだんと失っていきます。値段はお高いですが、本気でスムージーを作るならバイタミックスはお勧めです。


 この点に関しては、開発された分子化学療法研究所の後藤日出夫先生から直接説明頂く方がよいと考えて、直接お聞き致しました。後藤先生によれば・・

 
何故、ジュサーでなくミキサーか?

 主に2点ありまして、腸内細菌の為と血糖値のコントロール上の理由です。ジューサーではカスの部分が除かれてしまいますが、このカスも大腸細菌にとっては重要な棲家と一部はエサとなります。二つ目は食事をとらないでいると肝臓からグリコーゲンが1時間に10g(40Kcal)程度放出されます。起床時にはほぼ肝臓のグリコーゲンも枯渇し空腹を感じるとされています。そこで、肝臓で枯渇したグリコーゲンからのエネルギーを万能健康ジュースのブドウ糖と果糖からのエネルギー分を昼食時まで補おうという発想でカロリー設定しています(計算上だけの事ですが)。そこで、ジューサーではどうしても一気飲みしてしまうことや、エネルギーの吸収速度がかな り速くなり途中でお腹がすいてきます。 ミキサーのカスでなるべく吸収速度をだらだらさせようとの考えからです。多分、多くの方はジューサーで作られたカスの無いものであれば、昼食前に強い空腹感を感じると思います。また、血糖値もあがりやすいですので体に無駄な仕事をさせる事になると思っています。
 また、擦りゴマなどをトッピングして噛み潰すと唾液の分泌や脳への刺激にも良いと思っています。

 こうしたことが理由のようです。これを厳守すべきです。

目次へ


59.「万能健康ジュース」って片頭痛に効くの???

 それでは、実際に「万能健康ジュース」を実践された方々はどのような感想をお持ちなのでしょうか。

◎健康ファイル 片頭痛が日に日によくなっていきます 40歳代後半女性

 「私は若い頃から片頭痛持ちで、子どもが生まれてからさらに悪くなりました。朝は主人の朝食作りのために起きるのですが、作るとすぐに横になっていました。昼も寝てばかり。寝ないと夕食を作ることさえできなかったのです。
  寒い日、雨の日、季節の変わり目など、ほぼ毎日病院で処方された発作止めを飲んでいました。激しい頭痛と嘔吐を起こすので、たまに体調がよいからと気晴らしに外に出かけるときでも、薬が手放せませんでした。
  お風呂に入ると発作が起きるので、ここ数十年お風呂に入ったことがなく、いつもシャワーで済ましていました。かつての主治医は、「温い湯で入浴をし、体を癒すべきだ」、「軽い運動をしなさい!」というのですが、それができないから苦労しているのがまったくわかってもらえませんでした。
  冷え性もひどく、手や足の先だけでなく、太ももや二の腕までもが極端に冷たくなってしまいます。夏でも二の腕に使い捨てカイロを貼りますが、温かくなることはなく、腕は熱のため黒ずんでしまい、まったく腕を出すことができません。
 大学病院では徹底的に検査して頂くために入院しましたが、あまりのつらさに先生と口論になったこともあります。結局、何の改善策も見つかりませんでした。でも一番つらかったのは、主人から「特に異常もないし、たかが頭痛くらいで大げさだ。甘えるな!」と言われたことです。悔しくて悲しくて涙が出ました。
  そんなとき、この「万能健康ジュース」のことを知りました。半信半疑でしたが、飲み始めて数日も経たないうちに、血液が体を流れ始めるのが実感できたのには本当に驚きました。そして1週間もすると、朝もすぐに起きられるようになり、苦もなく朝食が作れるようになったのです。
  こんな経験は初めてでしたので、「万能健康ジュース」だけではなく、先生のアドバイス通りに生活習慣全般を見直すようにしたところ、1ヵ月もすると薬を飲む回数が週に一回程度にまで減りました。それ以前は、月に20~25日は飲んでいたのです。昼に寝ることもなくなり、いろいろとやる気も起きてきて、昔よく作っていたケーキを焼いて主人に喜ばれたり、天気の日には近くを散歩したりするようにもなりました。でも、急に寒くなったり、運動をし過ぎたりしたときにはまだ薬が必要です。
  先生に教えていただいた、ビタミンB2のサプリメント(含有量の多いもの)をアメリカから取り寄せて2週間ほど続けましたが、これは特に大きな変化はありませんでした。
  その後、マグネシウムを1日400ミリグラムとるとよいとお聞きしたので、試してみました。発作の前には肩がガチガチに固まってしまう感じがするのですが、マグネシウム水溶液を飲むと、首の付け根あたりから肩にかけて、温かい血液が流れていくのがはっきり実感できるのには驚きました。それからは、食事のたびにマグネシウムをとっています。
  また、常時マグネシウム濃縮液(50ミリグラム/cc)を小瓶に入れて携帯し、もし肩がこってきたら(発作の前触れです)、薬の代わりに小さじ一杯分を飲料水に溶かして飲んでいます。
  いろいろな生活習慣の改善も影響していると思うのですが、「万能健康ジュース」と「マグネシウム」の効果は衝撃的でした。私と同じように苦しんでいる人は、ぜひ一度試してみてほしいと思います。」

 この方は、その後ヨガを始められ、テニスボールマッサージを続け、今では薬はほとんど必要なくなったとのことです。
 お風呂に入ると「まさに天国ですね!」ということでした。血色も良くなり、実年齢よりも10歳は若く見られるようになったとのことです。


 このように、効果は効くひとには絶大のようです。

 このことは、片頭痛はミトコンドリアの機能障害である、ということを基本理念とすべきことを示しています。

 そして、「万能健康ジュース」によって、緊張型頭痛の上に乗っかっている片頭痛がまず改善されていき、最終的に、その根底にある緊張型頭痛が残ることを意味しています。
 このことから、片頭痛は、緊張型頭痛の段階から極力早期から対処すべきであり、片頭痛へと移行させない配慮が必要であるということです。


 あくまでも、現在のように、片頭痛を”熟成”させてはならないということです。
 とくに、発症当初の小児の頭痛では、親に片頭痛があることから、”片頭痛予備軍”を拾い上げることは極めて容易なはずです。この段階で、体の歪み(ストレートネック)を改善させ、偏食に注意し、甘い物、砂糖を控え、牛乳の飲み過ぎに注意し、マグネシウム補充を親が心がけるだけで、大半はそのまま片頭痛まで進展することはありません。
 これまで、中学生・高校生で発症した段階で、すべてこのような対処を厳守してもらうことにより、片頭痛への移行は完璧に防止出来ている事実は忘れてはなりません。
 とくに女性の場合、20歳まで、結婚前までに完治させておくべきと思っています。

 こういった意味で、「万能健康ジュース」は、従来の片頭痛の治療方針でうまくいかなかった方々の謂わば”尻ぬぐい”的なものと現段階では考えており、少なくとも「万能健康ジュース」のお世話にならないようにすべきと思っております。
 ということは、「万能健康ジュース」は、現時点での”レスキュー”的なものと考えるべきです。さらに論を進め、徹底的に”片頭痛は予防する”のが本筋と考えております。 
 専門家の先生方の行っている「頭痛外来」をこれまで受診されて来られた皆さんはどのように受け止められたでしょうか?
「慢性頭痛診療ガイドライン」、およびネット上では、マグネシウム、ビタミンB2、フィーバー フューが「ある程度の片頭痛予防効果が期待できます」といった程度の評価しかされず、専ら「トリプタン製剤が第一義的」とされ、マグネシウム、ビタミンB2は謂わば”楊枝のツマ”程度の扱いしかされていません。
 このことは、本来、片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛でありながら、専門家は、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の観点からしか考えておらず、片頭痛発作時に、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップする(補填する)ためにセロトニン様作用をもつトリプタン製剤を投与し、頭痛という痛みを取り除いているに過ぎません。ということは、市販の鎮痛薬と殆ど変わり映えがしないということです。


 片頭痛は、私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアの機能障害”による頭痛です。ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 そして、私達が日中活動している際に常時活動している神経系統がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 このように、機能低下状態に陥っている脳内セロトニンは、ミトコンドリアの働きの悪さによる”結果”に過ぎないはずでありながら、「片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛」であることを論外とされ、脳内セロトニンの低下を”第一義的”とすることに問題があります。このように仮に捉えたとしても、脳内セロトニンをどのように増やすかといった「生活指導(セロトニン生活)」および「食事による増やし方」といった考え方すらありません。そして、片頭痛発作時には、毎回、トリプタン製剤を服用し、脳過敏症候群を予防しましょう、とされます。さらに、このような方法を提唱されながら、月10回の服用を超えようともなれば、効果の不確かな予防薬の服用を強要し、一方的に「トリプタン製剤」の処方を打ち切る始末です。
 トリプタン製剤は、大半は有効時間が短いため、片頭痛発作の持続時間が長いと、1回の服用で頭痛を抑制できずに、服用回数が増えざるを得ないという宿命にある薬剤で、市販の鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、エルゴタミン製剤より以上に ”薬剤乱用頭痛を引き起こしやすい薬剤”とされていながら、こうした事実は一切患者さんには覆い隠したまま、恥も外聞もなく、トリプタン製剤を乱発されます。
 これが専門家の考えていることです。


  これまでも述べてきましたように、本来、は以下のように考えるべきもののはずです。

  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与

 このような論点から、慢性頭痛の環境因子が何かを、確定しなくてはならないはずです。 基本となるのは、ミトコンドリアがエネルギー産生を円滑に行うための食事療法にあります。三大栄養素である糖質、脂質、蛋白質を”バランスよく”摂取した上で、ビタミン、ミネラルを過不足なく摂取することが重要になってきます。
 以上のようなことを念頭において、”臨床頭痛学””片頭痛治療における栄養学”が構築される必要があるはずです。


 このように考える限りは、ただ単にマグネシウム、ビタミンB2、フィーバー フューが「ある程度の片頭痛予防効果が期待できます」といった程度の考えでは到底、片頭痛は改善しえないことは”ド素人”でも理解されるはずです。
 これまで、食事に関する”素朴な疑問”集を総括したような”片頭痛治療における栄養学”が1日も早く、構築されなくてはなりません。


 これまで、専門家が片頭痛治療にトリプタン製剤が導入されたことによって、片頭痛の治療体系が完結したと、これまで自画自賛されてきました。この結果、2000年に日本にトリプタン製剤が導入されて以来、私には慢性頭痛に関する研究は中断しているとしか思えません。
 皆さんは、これまでトリプタン製剤が導入されたことによって、「真の意味」で”恩恵を受けた”と思っておられるのでしょうか?
 本来、治療学というのは、片頭痛そのものから解放されて初めて治療といえるのではないでしょうか? 
 ただ単に、”頭痛という痛み”からの解放だけであれば、市販の鎮痛薬と何ら変わりはないはずです。まだ、市販の鎮痛薬が効いている段階で、片頭痛を根こそぎ治してしまうことを考えていくべきです。こうしたことすら専門家は勧めることはありません。
 このようにして、市販の鎮痛薬が効かなくなれば、トリプタン製剤を服用して頭痛から解放されましょう、というのでは余りにもお粗末という他ありません。


 そして、これが何を意味するのかを冷静に判断しなくてはなりません。

目次へ


60.片頭痛治療上、理想的な食事とは??

 これまで、片頭痛治療における食事に関する”素朴な疑問”について述べてきました。 いかに、片頭痛治療上、食生活が大切かがお分かり頂けたかと思います。専門家の言われるように、ただ単に「マグネシウム、ビタミンB2、フィーバー フュー」を勧めるだけでは話になりません。片頭痛治療の根幹をなすものだからです。その理由は・・ 
 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。ミトコンドリアの機能が悪くなれば当然、セロトニン神経系の機能低下を起こすことになります。
 こうしたことから、ミトコンドリアの機能改善と脳内セロトニンを増やすことが大切になってきます。これが、理想的な食事を考える際の基本になります。
 食事に関する”素朴な疑問”の最終回を迎えるにあたって、これまで述べてきたことを大雑把にまとめてみます。どうして大雑把という表現をとるのかは、片頭痛治療上における「理想的な食事」とは、如何なるものかが明確になっていないためです。
 今後、片頭痛治療学は、まず、ここを確立しなくてはならないと考えております。

「ミトコンドリア」というエネルギー製造工場

 わたしたちが食品から摂ったカロリーは、細胞内の「ミトコンドリア」というエネルギー製造工場で最終的にエネルギーに変換されどんどん消費されています。わたしたちの全身の60兆個の細胞が生きていくために、たとえ寝ている間でも、常にエネルギーが必要だからです。
 わたしたちが食べた三大栄養素の「糖質(炭水化物)」「脂質」「蛋白質」は消化され、それぞれ「グルコース」「遊離脂肪酸」「アミノ酸」になります。その中で主にエネルギーとして使われるのは、おもにグルコースです。そして中性脂肪に変わるのも、グルコースです。つまりグルコースを細胞内のミトコンドリアで使いきってしまえば、中性脂肪になることはありません。蛋白質は主に脂肪以外の組織の材料であり、脂肪は主にホルモンや細胞膜の材料となります。
 しかし細胞内でのエネルギー産生には限界があるため、糖質をたくさん摂取したり、補酵素のビタミンB1の不足があると、結果として中性脂肪として蓄積され太ります。  また、低血糖でインスリン過剰分泌がおこると大量にブドウ糖が細胞内に取り込まれ、TCAサイクル(エネルギー製造工場)に入れなかったブドウ糖は中性脂肪に変わります。
 ビタミンB群は、「代謝ビタミン」とも「ダイエットビタミン」とも呼ばれます。
 それは、細胞内でのカロリー消費の主役が、ビタミンB群だからです。
 わたしたちが食べたカロリーはミトコンドリアに入り、TCAサイクルという場所に放り込まれて、燃やされてエネルギーに変わります。そのときにビタミンB群が不足すると、燃やすことができません。マッチに火をつけても燃えないように、ビタミンB群がないとカロリーをエネルギーに変えられないのです。ビタミンB不足でエネルギーに変われないカロリーは、脂肪として貯金されるのです。
 ビタミンB群不足では、太るだけでなく、エネルギー不足にも陥り、体調不良や疲労の原因となります。
 補酵素の要であるビタミンB群の基質との親和性は個人差が大きく、その必要量は数倍から数十倍の差があることが指摘されています。
 細胞内で呼吸器質(ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸、ケトン体)がエネルギーへと変換されています。
 ビタミンやミネラルが十分にないと、エネルギーを産生できません。
 ブドウ糖からピルビン酸へと変換される過程には、ビタミンB1とナイアシン(B3)が必要です。そしてピルビン酸からミトコンドリアに入りアセチルCoAとなりますが、それにはビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸が必要です。
 脂肪を燃焼するには、まず細胞中の脂肪を運ぶアミノ酸が必要です。アミノ酸のリジン、メチオニン、セリンは脂肪を運んでくれます。脂肪が燃焼するには、たん白質、鉄、マグネシウムも必要です。
 ビタミンC不足でも、脂肪は燃えません。脂肪酸はカルニチンによってミトコンドリアに運ばれますが、カルニチンがアシルカルニチンにならないと内膜に届きません。そのためには、ビタミンCが必要です。ビタミンCが不足しても、脂肪を燃焼できないためエネルギー不足に陥り、疲労感が出ます。
常に細胞内でエネルギーを十分に作ることができれば、体調も良く、代謝の良い健康的な体を維持できます。そのためには、十分なビタミンやミネラルの補給が必要条件です。
 一つの細胞は、10~数百個のミトコンドリアを持ちます。ミトコンドリアはチトクローム系酵素「ヘム酵素」を含みヘム鉄が材料のため、ミトコンドリアの多い臓器は鉄の赤い色をしています。貧血や鉄欠乏貧血など鉄の不足があると、TCAサイクルや電子伝達系での反応が進みにくいため、エネルギー不足で疲れやすい、強い冷え症などの症状が発現し、また脂肪が燃えにくくなります。
 体温が1度低下すると、代謝は14%も低下するとも云われています。十分なヘム鉄の補給が必要です。

適切な栄養バランスとは・・

 基本となるのは、ミトコンドリアがエネルギー産生を円滑に行うための食事療法にあります。三大栄養素である糖質、脂質、蛋白質を”バランスよく”摂取した上で、ビタミン、ミネラルを過不足なく摂取することが重要になってきます。

 血糖値を高める原因となる「糖質」の制限念頭におくものの、果たして、1日の糖質摂取量をどの程度にすべきかの一定の考え方がなく、漠然としています。
これまで「カロリー制限食」として、栄養士や医師は「糖質60%、脂質20%、タンパク質20%」が推奨されてきました。
しかし、このような「糖質60%、脂質20%、タンパク質20%」という摂取比率には科学的根拠はないとされ、どのような比率が適切なのかは明確になっていません。「人間にとって最高の健康食」としての”糖質、脂質、タンパク質の比率”がどのようなものなのでしょうか。とくに片頭痛治療上、どのような比率が適切なのでしょうか?
極端な「糖質制限」はエネルギー代謝に影響が及ぶことが懸念されます。ということは、ミトコンドリアの働きに対する影響です。
 さらに、糖質さえ制限すれば脂質やタンパク質はしっかり摂っていいとされていますが、高脂肪、高タンパクは腸内環境の悪化を招くことになります。
 ミトコンドリアを増やすには、空腹が最も重要です。お腹を空かす程度ということを念頭に置き、このあたりのバランスを考えながら行う必要があります。
 このように考えれば、「プチ糖質制限食」のやり方で、1日3回の食事のうち、朝食だけ主食を抜くのが最も適切と思われます。こういった意味で、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生が提唱される朝食に「万能健康ジュース」を取り入れることで「プチ糖質制限食」を行うことが最も適切と思われます。
 そして、昼食・夕食は、インシュリンの過剰分泌を来さないような食事方法を行うべきと思われます。それも、満腹にならないように、腹八分といった具合でしょうか?

 そして、片頭痛治療開始時には、もしかするとグルテン過敏症かも…と考えて、まずは2週間ほどグルテンフリー生活を試してみるのがおすすめです。これにより片頭痛がどのようになるかを試すことも大切になってきます。そのためには、

グルテンフリー(小麦を含まない)食品

●米 ●雑穀 ●餅 ●十割そば ●ビーフン ●春雨 ●米粉パン
●米粉 ●玄米粉 ●そば粉 ●大豆粉 ●葛粉 ●片栗粉
●コーンスターチ ●ベーキングパウダー ●ココナッツパウダー
●肉 ●魚 ●野菜 ●果物 ●豆類 ●芋類 ●豆腐 ●こんにゃく
●納豆 ●バター ●チーズ ●ヨーグルト
●和菓子 ●チョコレート ●ゼリー ●ポップコーン ●ナッツ

グルテン入り(小麦を含む)食品

●パン ●パスタ ●うどん ●ラーメン ●ベーグル
●焼きそば ●マカロニ ●全粒粉 ●パン粉 ●麸 ●ピザ生地
●ワンタン ●餃子の皮 ●天ぷら・唐揚げの衣 ●肉まんの皮
●洋菓子 ●カレー・シチューのルウ ●ビール ●発泡酒

を念頭において、小麦粉を徹底して摂取しないようにすることです。

 次に、脂質、蛋白質に関してです。

 原則は、腸内環境が片頭痛治療上、極めて重要な位置を占めていることを念頭におくべきです。
高蛋白・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵です。
このように、蛋白質の摂りすぎはよくありませんが、必要量は摂取しなくてはなりません。女性の場合、潜在的に鉄分の不足が指摘され、鉄分を野菜から摂取するには無理があり、レバーとかです、それからお肉の赤身が最も適切と思われます。
 脳内セロトニンを増やすためにトリプトファンを摂取する必要がありますが、この際、トリプトファンを効率よく取り込むためには、必須アミノ酸(フェニルアラニン、ロイシン)との含有比率が大切になってきます。このため、牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。
 トリプトファン比率の高い魚介類(カッオ、しじみ)を努めてとることが大切です。
 そして、脂質の摂りすぎはよくありません